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法律無視!税滞納者への過酷な取り立て


 4年ほど前から日本共産党市議団のもとに、「税金滞納を理由に給料を全額差し押さえられた」「借金をして税金を納めろと市役所から言われた」などの相談が相次いで寄せられるようになった。自営業者のなかには、仕入れに必要なお金や仕事に必要な設備、自動車まで差し押さえられたというケースも起きており、全国では、自殺に追いこまれたり一家心中といった事態も起きている。なぜ、このような過酷な取り立てが行なわれるようになったのだろうか。

 最大の理由は「税収アップ」である。アベノミクスが破綻し長期の景気低迷に陥るなかで税収が思うように伸びず、しかし開発を行なえとの国の方針にしたがって、都市計画道路の建設や駅前開発をすすめてきたはよいけれど、肝心のフトコロ具合がすこぶる良くない。そのため、財源を確保するために取り立て強化や増税・有料化をすすめているのである。

 小金井市はどのようにして、過酷な税金の取り立て方法を会得したのであろうか。その方法を小金井市は、東京都から学ぶことになった。

 4年前の秋に、東京都の主税局という税金を徴収する部署から職員を招き入れ、2カ月にわたって取り立て方法を学ぶとともに、東京都の指導のもと、3年前の8月から税金と国保税を徴収する部署を一箇所に統合し、税金滞納者を一括管理することとした。国保税にいたっては、公益財団法人・東京税務協会に滞納者情報の分析を依頼し、財産調査・実態調査なども行なわせ、市の職員に指導・助言を行なわせているのである。そのあたりから、小金井市の税金取り立てが容赦ないものへと変質していったのである。そのころ、担当職員が私に述べた言葉がある。「小金井市の市税収入は年間 200億円。仮に徴収率が1%アップすれば、2億円の税収増になる」。

 東京都に納める都民税は、市民税と一括で徴収されている。小金井市が市民税の徴収率を引き上げると都民税の徴収率もアップするため、東京都にとってみれば、過酷な取り立てを教えることは一石二鳥なのである。

 小金井市の国民健康保険税は、6年前の2012年に20.37%の値上げが行なわれた。4年前の2014年には一人あたり1万円もの値上げが行なわれた。ところが、税金の取り立てがそのあたりから強化されたために、国保税が値上げされたにもかかわらず、徴収率はアップするようになっていった。その蔭では、多くの市民が悲鳴をあげているのである。

 税金の過酷な取り立て問題は、議会でこの間、他の会派も取り上げている。しかし、系統的に体系的に問題点を指摘し、裁判の判例や法律も紹介しながら、真正面から小金井市と対決しているのは日本共産党市議団だけである。

 国税徴収法という法律では、仮に税金の滞納があった場合でも、最低生活費に相当する金額────一人暮らしの場合は月額10万円、二人暮らしの場合は月額14万5千円まで差し押さえることはできないと明記されている。ところが小金井市は「最高裁の判例もある」「専門書の解説にもとづいて対応している」と述べ、改めようとはしていない。

 しかし、小金井市が述べる「最高裁の判例」は、小金井市が行なっているような、給料や年金が振り込まれている預金口座を差し押さえて、税金滞納分を強制徴収するという問題を争った裁判ではない。「専門書の解説にもとづいて対応している」との言い分についても、その「専門書」は、過酷な取り立てを指導している東京都の主税局が監修しているものである。このことを指摘されると「他の自治体も同様に行なっている」と言い訳に回る始末である。

 税金を滞納している人は「悪者」なのだろうか。小金井市の対応をみていると、税金滞納者は「悪者」との見方が見え隠れする。たしかに、意図的に税金を納めずに雲隠れする人もなかにはいるかもしれない。苦しい生活や営業を強いられつつも、なんとか税金を納めている人も多いことだろう。しかし、給料や売り上げが増えないにもかかわらず、税金や社会保険料が毎年のようにアップし、年金にいたっては年々削られてきているなかで、それまではなんとか暮らしてきたのに、ついに税金や社会保険料の支払いが滞るようになってしまうことを、“納めないほうが悪い”で片づけていいのだろうか。払えずに困っている人の気持ちに寄り添った行政運営が求められていると思うのである。

 税金を滞納している人は、お金を何箇所からも借りているなどの多重債務を抱えていたり、生活そのものが崩れている場合が多くなっている。税金滞納の徴収だけを目的とするのではなく、いかにしたら生活が立ち直れるのかを関係部署全体で関わっていく仕組みづくりが求められる。

 今年の1月31日、日本共産党市議団は滋賀県の野洲市というところへ視察に出かけた。この野洲市では税金滞納者に対して、暮らしに寄り添った対応が行なわれているからである。

 野洲市役所の1階ロビーに、「市民生活相談課」という部署が設けられている。市役所の正規職員4人、嘱託職員3人、臨時職員1人、そして社会福祉協議会の正規職員1人の合計9人体制の部署である。「どんな相談にも対応できるネットワークづくり」をキャッチフレーズに、ここで市民が相談すると、市の担当職員が必要な部署に出かけていき、必要な書類や担当職員を連れてきてくれるという、ワンストップの対応が行なわれている。

 そのうえ野洲市では、税金滞納は生活困窮者のシグナル・合図と捉え、自治体あげて生活再建を手助けする仕組みがとられている。いただいたパンフレットには、税金を滞納されている人に対して、こう呼びかけていた。「ようこそ滞納いただきました」。驚きである。小金井市とは雲泥の差となっている。

 野洲市の担当者は私たちに、「たらい回しにはしない。ここに来てもらったら、何らかの土産を持って帰ってもらうようにしている」「生活を壊してまで税金の回収はしない」と、ほこらしげに語ってくれた。市長が、このような考え方に立っているとのこと。野洲市は人口5万1千人の町。野洲市にできて、小金井市にできないはずはない。小金井市もこのような市役所にすべきではないだろうか。

 西岡市長のもとですすめられている「行革」では、さらなる税収アップと徴収強化がうたわれている。来年12月の市長選挙では、過酷な税金の取り立てをやめさせ、税金滞納は生活困窮者のシグナルと捉えて、自治体あげて生活再建を手助けする小金井市に切り替えるべきである。

(2018年10月13日付)

   ※PDFファイル「法律無視!税滞納者への過酷な取り立て」


小金井市長の立ち位置


 風が吹いてくる方向に顔を向け、次なる風が吹きはじめると、今度はそちらへ顔を向ける。自身の立っている位置にたえず不安をおぼえ、風の吹き方によってつねに立ち位置を変えていく−−−このような人を風見鶏というが、いまの小金井市長は、どうであろうか。

 たしかに少数与党という、不安定要素をかかえてはいる。それゆえに揺れ動くのは理解できるが、しかし首長というものは、自身がこれが正しいと判断したら、そのために頑張りぬき、場合によっては正面突破を敢行する。たとえ、その結果が期待していたものとは異なっても、その結果を全身に受け止める−−−このような人のことを周囲は「いさぎよい」と称し、初心貫徹の生き方だと評価するのではないだろうか。

 しかし、この人は違う。新庁舎と福祉会館の建設問題で揺れ動く。自民・公明に要求を突きつけられると動揺し、その要求を受け入れるために、それまで自身が歩いてきた道をあっさりと変更する。もちろん、変更すべき点があれば変更するのは当然であるが、しかしこの人は、自身がそれまでどのように言ってきたかを忘れたかのように、にべもなく方針を変更する。これでは周囲が慌てるのは当然である。

 幕末、英才と称された将軍がいる。徳川慶喜公である。しかし、この人は後年、「ニ心者」とも称された。英才ゆえに先が見えすぎ、昨日まで言っていたことを、今日はあっさりと変更する。つまり周囲からは、一人の人間のなかに異なる心・考え方が同居しているように見えるという意味である。小金井市長も「二心者」なのだろうか。いや、違う。たんに、腹が据わっていないだけなのではないだろうか。

 この人が小金井市長に就任してからというもの、右往左往のありようは当たり前の光景となっている。少数与党ということもあるが、前市長と政治の方向性がほとんど変わらないがゆえに、自民・公明の誘いに抗しきれないのである。もし、前市長と方向性が大きく異なっていたならば、自分を支えてくれている与党や自分を市長へと押し上げてくれた市民と力を合わせて、反撃に転じるであろう。しかし、方向性が同じであるがために、自分を応援してくれるかもしれない市民が、いるのかどうかも見えてはこない。そのため、議会内でしか闘えないのである。しかも、闘えてさえいない。

 いまの市長は、小池百合子都知事と似ている。一時のバブル人気に浮かれ、バブルがはじけると、あとはしぼんでいくのみ。確かな羅針盤を持った政党と人物を。いま、そのことが求められる時代へと入ってきている。

 9月22日(土)の午後、市政報告会を開きました。その際に配布したレジュメのなかの2種類をPDFで紹介します。レジュメは、私個人の見方をまとめたものです。

(2018年10月8日付)

   ※PDFファイル「新庁舎との『複合化』で建設遅れる新福祉会館」
   ※PDFファイル「自民・公明の顔色見つつ右往左往の西岡市政」


来春から市民課窓口業務を民間委託


 小金井市は来年4月から、市民課業務の一定部分を民間事業者に委託しようとしている。フロア案内業務と郵送請求業務を来年4月から、窓口受付業務と証明書発行業務を6月から委託するというものである。

 市民課はいうまでもなく、個人情報を扱う部署である。証明書発行でもっとも多く扱われている住民票には、住所、氏名、生年月日、男女別゛世帯主か否か、世帯主との続柄、戸籍の表示、住民となった年月日などが記載されている(住民基本台帳法第7条)。それをパソコン端末から出力し、求められている内容と一致しているかどうかのチェック・内容確認を委託業者の職員が担うのである。

 郵送請求業務においては、内容はさらに深くなる。昨年度は郵送で1万9千件余の証明書等発行・交付を求める請求が届いているが、郵送で請求を求めてくるなかには、弁護士、司法書士、行政書士、債権会社、警察署、税務署、裁判所なども含まれる。つまり、裁判関係や犯罪捜査関係、納税関係などの決して第三者に知られてはならない部分まで含まれるのである。この郵送請求業務においては、委託業者の職員は、郵送されてきたものの開封、内容の確認、証明書発行作業、領収書の作成、返信封筒への封入・投函までの一連の作業に携わる。もちろん、守秘義務を負うことになるが、このような作業にまで民間事業者に委ねてしまってよいのだろうか。

 個人情報漏洩の不安や偽装請負への懸念が常につきまとうだけでなく、委託期間が終了したら、新たな委託業者で一からスタートするというリスクを負う。委託職員の多くは低賃金といわれており、職員が長続きせずに入れ替わるというリスクも生じる。

 小金井市は、コスト削減「行革」の一環として市民課窓口業務等の委託化をうたっているが、すでに市民課には10人の非常勤嘱託職員がおり、窓口業務等の委託化による委託料支出を考えると、コスト面ではほとんど効果はないというのが、市の内部会議の結論となっている。それでも委託をすすめるのは、将来的には、戸籍入力や住民票の入力部門にも委託の幅を広げる、あるいは、正規職員から非常勤嘱託職員へのさらなる切り替えを狙っているとしか考えられない。その突破口として、窓口業務の委託化がスタートするのである。

 窓口業務の委託化が予算という形で議会に示されたのは、今年の3月である。ところが、これほど重要な内容であるにもかかわらず、問題点を指摘しているのは日本共産党市議団だけとなっている。なぜだろうか。理由は二つあると私は見ている。一つは、委託化の問題点を日本共産党以外、理解できていないことにある。もう一つは、市民課窓口の業務の流れが、わからないということにある。

 今年の9月議会で私は、市民課窓口業務の委託化を一般質問で取り上げた。持ち時間一時間のうち40分間を充てたが、質問原稿を仕上げるまでには、相当な時間を要した。最大の理由は、市民課窓口業務の仕組み・流れが理解できていないことにある。個人情報を扱う部署であるがゆえに、仕組みや流れが見えづらいということが背景にあるのである。

 私は7月初め頃から、9月の一般質問で市民課窓口業務の委託問題を取り上げることを決めていた。委託仕様書(案)と業者選定の実施要領を取り寄せた私は、小金井市の市民課を長年経験したことのある退職職員にそれを渡たし、意見を求めることにした。半月ほどで退職職員から意見が寄せられ、それをもとに8月初めの閉会中委員会で質問。そこで出された答弁を吟味し、この間、議会に提出された窓口委託にかかわる資料や会議録を熟読し、市民課の管理職と意見交換を行ない、そこでようやく質問原稿の着手に入り、質問の2日前にあらあらの原稿を完成。市民課の管理職に質問概要を示したところ、その翌日、つまりは質問を行なう前日の段階で、当該職員から「この部分は、今回の委託項目には入っていませんよ」とのチェックが入った。委託仕様書(案)を熟読していたはずでも、認識はズレているのである。このようにして、質問原稿がつくられていったのである。

 9月22日(土)午後、市政報告会を開催した。市民課窓口の委託問題に、参加者からは不安の声が沸き起こった。個人情報を扱う部署だからこそ、誰もが不安を抱くのである。そこで配布したレジュメの一部分を後日、市民課の管理職に見てもらった。「小金井市の市民課業務の主な流れ」の部分である。おそらくこれで間違いはないと思いながらも見てもらうと、「ここは、こういう流れになります」と、赤字が入ってきた。やはり市民課は難しい・・・。

 一般質問を行なった9月5日、議会事務局職員に質問を行なっている姿を写真に撮ってもらった。撮影を依頼する際に「オトコマエに撮ってください」と伝えたのに、撮られた画像には、眉間にしわを寄せた平凡なおっさんが写っていただけであった。依頼を受けた職員は「任せてください」と自信満々に応えていたはずなのに。
  ※PDFファイル「来年4月から市民課窓口を民間委託」

(2018年9月29日付)

西岡行革『アクションプラン2020』

 西岡市長は9月29日、2年前の市長選挙で公約に掲げた「さらなる駅前開発、職員削減、事業の見直し」を推進するため、新たな行革「アクションプラン2020」を策定し公表した。そこでは、さらなる負担増・市民施策削減がうたわれる一方、開発事業は「推進」を明記。アベノミクスで格差が広がり、くらしが厳しくなっているにもかかわらず、市民犠牲の「行革」をいっそうすすめるものとなっている。

 「アクションプラン2020」では、稲葉孝彦前市長時代に明記された保育園や学童保育所、学校給食調理業務の委託・民営化、図書館業務・公民館業務の委託化に加えて、今回初めて「市民課窓口委託」が登場。実施時期を「平成31年度」としている。

 市民課窓口の委託では、前期の行財政改革調査特別委員会で、委託を行なっている関西方面の自治体を視察したことがある。市民課のフロアーを委託事業者が業務を行なう部署と市職員が行なう部署とで区切り、個人情報が集積する部分は市職員が行なうというように分けられていたように記憶している。小金井市も同じような仕組みにするというのであろうか。

 窓口部門の委託で最も懸念されるのは「個人情報の流出・漏洩」である。個人情報の扱いや秘密保持については、委託事業者との契約文書でしっかりとうたっていくと自治体側は言うが、しかしセキュリティが万全のはずの大手保険会社や大銀行、はては年金機構でさえも大量の個人情報流出が起きている。契約文書にうたったところで、そこで働く人間が情報を持ち出そうと思えば持ち出せる状況にあるというのが、この間の事態に現れているのである。「個人情報の流出・漏洩」を覚悟のうえで、小金井市は「市民課窓口の委託」を行なうというのであろうか。

 問題を起こした事業者は当然に契約解除となる。しかし、事態が明らかとなったからといって、即「契約解除」となるわけではない。なぜなら、変わりの事業者を見つけ、契約を結び、委託事業者の社員が配備されるまでには一定の期間を要するからである。それまでは、問題を起こした事業者でありながらも窓口業務を続けてもらうことになる。いや、契約はすぐに解除し、市の職員が代わりに就く と、小金井市は言うかもしれない。しかし、それはありえない。なぜなら、窓口委託を行なう最大の目的は職員削減であり、窓口委託にともない、市の職員削減がその分、すすめられるからである。市民課窓口を担っていた事業者が問題を起こし、契約解除となったからといって、他の部署に移っていた市職員が市民課窓口に回ってくる人的余裕は失われてしまっている。そんなリスクを負いながら、市民課窓口の委託が行なわれるのである。

 公立保育園の民営化もうたわれ、実施時期も明記されている。8月23日の行財政改革推進調査特別委員会で私は次のように質問した。「民営化で支障が起きた場合、保育園を市直営に戻す保障は担保されるのか」。これに対して担当課長は「市直営に戻す」とは言わず、「継続して保育ができるように市として責任を果たしていく」と述べるにとどまった。では、「継続して保育ができるように市として責任を果たしていく」とは、どういうやり方なのか。

 「市直営に戻す」とは口が裂けても言えないことであろう。しかし、「継続して保育ができるようにする」というのも???・・・である。ここでも、先述の「市民課窓口委託」と同様に、民営化事業を引き受けてくれる新たな保育事業者が見つかるまでは、支障を起こした事業者に保育事業を続けさせるというものになる。あわせて、保育事業者が入れ代わるということは、「市民課窓口」の委託事業者が入れ代わることとは質の異なる問題を引き起こす。保育施設には「乳幼児や園児が存在する」ということである。保育事業者が入れ代われば保育士も入れ代わり、乳幼児や園児の心と成長に大きな影響を及ぼすことになる。だから、保育施設の事業者の入れ代わりは容易ではない。結局、問題を起こした事業者であってもそのまま継続させる道を選ぶか、少なくとも年度末まではそのまま継続させるというのがオチである。

 当初、小金井市は公立保育園の「委託化」を予定していた。しかし、偽装請負になる懸念や委託では財政効果が薄いことから、委託をはさまずに「民営化」する方針に切り替わった。「委託」の場合は小金井市から「委託料」が支払われ、保育事業がその金額では不十分になると判断された場合には、委託料の引き上げで改善させる道が残されていた。しかし「民営化」は負担金・補助金など、国や東京都の規定に沿った対応となり、市の判断で、問題の起きた保育施設にだけ補助金を手厚くするということはできなくなる。委ねた事業者が社会福祉法人であってもNPOであっても、はたまた株式会社であっても、他の民間保育園と同じ規定で対応することになるのである。だから「民営化」を行なう前に「委託化」をはさみ、徐々に様子をみてならしていくという考えを当初はとっていたのである。いきなり「民営化」は非常に危険である。

 これから「アクションプラン2020」は具体化されていく。議会での論戦は始まったばかりである。
PDFファイル「施策削減・市民負担増。稲葉行革ひきつぐ西岡市政」

(2017年11月11日付)

『福祉会館と市役所をジャノメ跡地に同時期建設』方針の問題点

 昨年3月末に福祉会館が閉鎖され、利用していた多くの市民・団体が活動場所を転々としている。福祉会館の建て替えは喫緊の課題であると同時に、1994年1月から23年にわたって借り続けているリース庁舎(第2庁舎)の早期解消が求められている。

 ところが、「6施設複合化で市役所問題を解決」を掲げて当選した西岡真一郎市長は、昨年5月23日に「6施設複合化」を断念し、「4施設2機能複合化」に方針転換。10月4日にはそれさえも断念し、「ゼロベースで見直す」「白紙に戻す」と表明する事態に。自身の公約の曖昧さを露呈する結果となってしまった。

 では、リース庁舎(第2庁舎)はいつまで続くのか、新たな福祉会館はいったいいつになったらできるのかと誰もが思う。少なくとも、前市長の稲葉孝彦氏は新たな福祉会館を2019年10月にオープンさせる計画を示し、スケジュールを明らかにした。しかし、西岡真一郎市長は、稲葉孝彦前市長の計画を反故にするだけでなく、すべて「ゼロ」にしてしまった。これでは、福祉会館の建て替えに関しては、稲葉孝彦前市長の方がまだましと誰もが思う。

 市民から見放されては大変と、昨年12月20日になって、西岡市長は次なる方針を示した。福祉会館と市役所を「2022年3月までに建てる」というものである。ただし、市役所は「ジャノメ跡地」に、福祉会館の建てる場所は「未定」というものである。

 年が明けて2月7日、福祉会館の建て替え場所が示された。市役所を建てる「ジャノメ跡地」を「最有力候補地とする」というもの。ジャノメ跡地にはリサイクル作業所やカン・ペットボトルの仕分け作業所があるが、それを残したままでも建設する考えだという。

 方針では、市役所と福祉会館を別個に建てるか合築にするかは「未定」としている。新年度(2017年度)のなかで、建設方法やスケジュール、建設経費などをあらためて示すとしているが、昨年12月20日に示されたスケジュールでは、なぜか市役所も福祉会館も全く同じ。合築も視野に入れていることがうかがえる。つまり、4施設2機能複合化の道を残し、可能であれば「合築」でいきたいということであろう。そうすれば、“市長選挙の公約を少々修正した程度”との言い訳ができるからである。

 西岡市長が示した、ジャノメ跡地に予定する市役所と福祉会館の規模は次のようになっている。「市役所」は、3,000平方メートル×4階建てで延床面積12,000平方メートルを予定。稲葉孝彦前市長時代に想定した規模を踏襲するものとなっている。基本的には、現在の市役所機能を全て入れ込み、ゆったり感を持たせるというものである。「福祉会館」は、述床面積3,500平方メートルを予定。これも、稲葉孝彦前市長時代に想定した延床面積を踏襲するものとなっている。

 そのうえで西岡市長は、福祉会館に3つの機能を持たせるという。(1)「保健福祉の総合的支援の充実」 小金井市保健センターの機能を持ち込む方向。(2)「地域における多様な交流や活動の推進」 福祉会館で「子育ち・子育て支援」を行なうとのこと。集会施設も入れる方向。(3)「参加と協働による地域福祉活動の推進」 「災害時のボランティア拠点」にして、社会福祉協議会も入れる方向。

 内容としては充実感があるが、疑問点も出てくる。第1に、集会施設はうたわれるも、公民館(生涯学習)機能が想定されていないことである。福祉会館の閉鎖にともない、公民館本館は北大通り沿いの公民館本町分館に仮移転した。新たにできる福祉会館に入らなければ、仮移転のままの状態が続くことになる。これは、稲葉孝彦前市長時代の計画(案)にも言えることである。第2に、稲葉孝彦前市長時代に想定した機能の何かがはじきだされるということである。西岡市長が示した「延床面積3,500平方メートル」は稲葉孝彦前市長が示した規模と同じになっている。ところが、西岡市長は「子育ち・子育て支援」や「災害時のボランティア拠点」にするという。ということは、何かがはじきだされるのではないだろうか。

 現在、ジャノメ跡地では測量と「地歴調査」がすすめられている。「地歴調査」とは、その土地の状況と過去の使われ方を調べることである。ジャノメ跡地はその名のとおり、ジャノメミシン工場があった場所。戦時中は帝国ミシン、それ以前は農地とされている。帝国ミシンやジャノメミシン時代に土壌を汚染することはなかったか、地中に何か埋設されていないかなどを調べるのである。合わせて、土地を平らにするための用地測量がすすめられている。

 「地歴調査」の結果、土壌が汚染されていたり、文化財含め埋設物があれば、法律にもとづき対応することが求められる。土壌汚染の場合は土の入れ替え(豊洲と同じ)が、文化財が埋設されていれば文化財調査と保存が必要となる。ミシン時代の地下構造物や廃棄物があれば掘削解体、後処理などの対応が必要になる。「地歴調査」の結果によっては、スケジュールが大きくずれることになるのである。

 財源確保はどうであろうか。方針では、市役所も福祉会館も、多額の起債(借金)を行なうことが前提となっている。起債(借金)をすれば当然に、借金の利子も加わってくる。

 既存施設を残したままで、建設可能かどうかも問われる。建築基準法では、建ぺい率(土地に建物をたてる際の建築面積の限度割合)と容積率(土地に 建物をたてる際の延べ床面積の限度割合)が定められている。例えば、建ぺい率60%、容積率200%で、土地が1万平方メートルの場合、建築面積は6,000平方メートル、建物の延べ床面積は2万平方メートルとなる。

 では、ジャノメ跡地でみた場合はどうであろうか。ジャノメ跡地の面積は1万1,251.79平方メートルである。この場所に認められる建物の建築面積は6,751.07平方メートル・延べ床面積は2万2,503.58平方メートルとなる。そのうえで、西岡市長が考えている市役所は、建築面積が3,000平方メートル・延べ床面積が1万2,000平方メートル、福祉会館は、建築面積が700平方メートル(地下1階、地上4階で計算)・延べ床面積が3,500平方メートルとなっており、合計で、建築面積が3,700平方メートル・延べ床面積が1万5,500平方メートルとなる。西岡市長の計画数値を差し引くと、残りは、建築面積が3,051.07平方メートル・延べ床面積が7,003.58平方メートルとなり、現在あるリサイクル作業所とカン・ペットボトル仕分け作業所の合計がこの範囲で収まっているかどうかが問われてくる。

 合わせて、リサイクル作業所やカン・ペットボトル仕分け作業所に搬入・搬出する車両が、市役所・福祉会館の建設車両と安全に行き交うことができるかどうかも課題となる。小金井市は今後、地歴調査の結果もふまえ、建設可能かどうかを検討するという。

 西岡市長はなぜ「2022年3月までに建てる」と表明したのであろうか。もっと早く建てたいというのが、実際のところであろう。しかし、選挙公約の「6施設複合化」が破綻し、「4施設2機能複合化」が唯一、可能性としては残っている。その可能性にしがみついているからではないだろうか。なぜなら、西岡市長が選挙公約で掲げた「6施設複合化」の「理由」は、「施設を複合化することで各施設の改修費、維持管理費が削減され、既存施設の用地売却などで財源を確保。新たな市民サービスも可能になる」(選挙チラシ)からであり、複合化のメリットを宣伝してきた手前、引くにひけない状況に陥っているのではないだろうか。

 同時に、「2022年3月までに建てる」を前倒しにできない事情が他にもあると私は見ている。それは、市の財政状況である。小金井市は、武蔵小金井駅南口第2地区再開発事業に着手し、市の計画では、2018年度に7億4,525万円、2019年度に3億2,550万円の補助を予定している。また、東小金井駅北口の区画整理事業にも多額の財源を必要としていることから、2018年度と2019年度に、市役所と福祉会館の建設で財源投入が重ならないようにスケジュールを組んだのではないか。その結果が「2022年3月」という数字になって現れたのではないか。

 市役所と福祉会館の建設にあたっては、さらなる「行革」が前提となっている。西岡市長は、この計画(案)を示した際に次のように述べている。「今後の財政運営を適切に行なっていくためには、今後策定されます『未来をひらく小金井市改革』小金井市行財政改革プラン2020の確実な実行を前提に、事業の見直しやその事業の効果等も含めて検討を進めることが重要」・・・。

 ここで登場する「小金井市行財政改革プラン2020」を審議している行財政改革市民会議では、「放置自転車撤去料値上げ、ココバス運賃値上げ、難病者手当の削減、保育料・学童保育育成料の値上げ、保育園2箇所の民営化、学童保育所3箇所の委託化、障害者福祉センターの民営化、児童館の指定管理化、市民課窓口・保険年金課窓口の業務委託化、公民館・図書館の業務見直し・コスト削減、補助金の削減・縮小」が議論され、すでに▷就学援助制度の基準引き下げ(2016年度〜2018年度)、▷公立・認可私立園の保育料の段階的引き上げ(2017年度〜2019年度)、▷学童保育所の委託化(2015年度・3施設、2018年度・2施設)、▷市民農園の利用料金値上げ(2017年度〜)、▷公立保育園を委託・民営化(2020年度・委託化、2022年度・民営化) が動きはじめている。つまり、市民には負担増、サービス削減、委託・民営化を押し付けながら、多額の財源を要する駅前開発や道路建設は「聖域」扱いしているのである。

 日本共産党は「福祉会館と公民館を最優先で建設すべき」と主張している。なぜなら、市役所と福祉会館を同時に建てようとすれば、「市民負担増や委託・民営化で財源確保」の流れになり、既存施設があるなかで2つの施設を建てようとすれば、福祉会館の延べ床面積の上限が決められ、はじき出される機能が出てくるからである。しかも、複合化を視野に入れたスケジュールでは、施設規模が大きい市役所にスケジュールを合わせることになり、福祉会館建設そのものが遅れることになるからである。よって、市民が切望している「福祉会館と公民館」を最優先で着手し、そのうえで財政状況を見ながら、市役所庁舎の建設もしくは軽量鉄骨型のプレハブ庁舎を建てるべきと考える。つまり、市民生活を守りながら、切望される施設を市財政を考慮しながら建てるというものである。

(2017年2月28日付)

4月からゴミ収集曜日を変更

 今年4月から、市内半数以上の地域でゴミの収集曜日が変更になる。これまでは、ゴミの受け入れ先の関係から、JR中央線南側の4つの地域で燃やすゴミの土曜日収集が行なわれていたが、4月からは収集体制を本来の状態に戻し、平日収集に切り替えるというもの。

 同時に4月から、2週に1回の間隔で、枝木等(枝木、雑草、落ち葉)の戸別回収がスタートする。これまで必要だった電話やファクスによる回収申込みは不要になる。ただし、太さ15p以上、長さ1m以上の枝木は粗大ゴミ扱いとなり、有料回収になるという。

 小金井市は、変更後の収集曜日含めた詳細を、2月6日から全戸配布される新年度のごみ・リサイクルカレンダーで周知するとともに、3月15日号の「市報こがねい」ごみ・リサイクル特集号で紹介。4月以降は、分別等の指導に力を入れていくとしている。

 ゴミの収集曜日が変更になることは理解できるところである。しかし、この程度のお知らせで果たして大丈夫なのだろうかと考えてしまう。

 現行の収集曜日になってからどれくらいの年月が経つであろう。間違っていたら申し訳ないが、2007年3月末に「二枚橋焼却場」が閉鎖になって以降、現行の収集曜日になったのではないだろうか。少なくとも、原型はその時に形成されたと思われる。そうだとすると、すでに10年が経過し、当然にこの収集曜日は市民のなかに定着していることになる。その仕組みを変更するとなれば、それにふさわしい周知体制・方法がとられなければならない。小金井市が現在行なっている市民説明会は当然に必要である。しかし、説明会に来る人は関心の高い人や自治会関係者が多く、収集曜日の変更に即座に対応するのが困難な高齢者や関心が薄い単身の若者への対策を別途とらなければ、4月のしょっぱなから相当な混乱が起きると考えられる。「市報こがねい」の毎号で新年度からの収集曜日を連打し、アパート・マンションの掲示板には収集曜日の大判ポスターを掲示。自治会にもお願いして、収集曜日変更のお知らせと新年度からの収集曜日特集号を単独で回覧してもらうべきである。それでも、4月からの混乱を回避できるものではない。あとは、市役所ゴミ対策課の指導班の体制を厚くして地域指導に出向くことと、“ゴミの収集になぜ来ないのか”“いつも収集していくのに、なぜ今日は収集していかないのか”などの押し寄せる電話苦情に対応できる体制をしっかり確保することである。

 私の住む貫井南町や前原町では、夫婦で働いている人の多くが、土曜日の燃やすゴミの収集がなくなることに賛意を示している。土曜日は布団のなかでゆっくりしたいからである。しかし、現行の水曜日と土曜日の燃やすゴミだけでなく、古紙・布の回収曜日まで変更になることには驚きを隠さない。「まるっきり変わるじゃないの」と。だからこそ周知を徹底させないと、4月は大変な混乱を招くことになる。ゴミ対策課の方々には、さらなる検討と奮闘を求めたい。

(2017年1月28日付)

※PDFファイル「2017年4月からの各地域の『ごみ・枝木等』収集曜日


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