プロフィール
議会報告
活動日誌
市政報告
エッセイ(随想)
なんでも相談室
地域の活動
子育て奮戦記
趣味のページ
草野球
音楽
リンク集

メール

議会報告
議会

7月以降、増税の荒波が


 3月市議会で賛成多数で強行された国保税と介護保険料の値上げ、および東京都後期高齢者医療広域連合議会で可決された後期高齢者医療保険料の値上げは、いつから実際に身に降りかかってくるのだろうか。いずれも4月からの値上げではあるが、3月議会で議決されてすぐに被保険者の保険料算定に間に合うとは思えない。

 そこで、市役所の担当部署に問い合わせたところ、別紙PDFファイルの回答を得た。納付書と口座引落しは7月から、年金天引きは介護保険料で8月から、国保税と後期高齢者医療保険料は10月からということである。いずれも、年度の1年間分の値上げ額を振り分けて賦課するため、増税感はいっそう高まると思われる。市役所の担当窓口は、7月が来るのを戦々恐々としているのではないだろうか。

 政府の制度改悪によって、年少扶養控除の廃止、特定扶養控除の加算の廃止も押し寄せるために、子育て世代も一気に負担がやってくる。これに加えて消費税の増税が強行されることにでもなれば、景気はドン底にまで落とされることは疑いのないところ。税金を納める体力もなくなり、税収増どころか、税収減になるのは必定である。いまこそ、お金の集め方と使い方を変える、大きなうねりを築き上げる時である。

(2012年4月25日付)

  ※PDFファイルで「国保税・介護保険料・後期高齢者医療保険料の増税の影響時期」を掲載


2012年3月市議会 住民票・証明書等の交付手数料値上げ


 3月定例市議会に稲葉孝彦市長は、市役所窓口で発行している住民票や市税証明書、印鑑登録証明書などの交付手数料を引き上げる条例提出を行ない、日本共産党以外の賛成多数で成立。今年4月から料金値上げが実施されている。

 手数料の値上げを行なう理由を小金井市は、(1)第3次行財政改革大綱で料金見直しがうたわれ、(2)2010年度決算の監査意見書で見直しが指摘されているため、と説明。たしかに監査意見書では「証明書等の交付手数料」について記している。しかし、監査意見書が述べているのは「郵送による証明書等の交付手数料」についてであり、けっして窓口交付のことではない。

 では、2010年度決算の監査意見書はどのように記しているか。以下、その全文を紹介する。「市では、住民票や印鑑登録証明のほか、各種証明書類の大半を200円の手数料にて交付している。この手数料は、市役所窓口での交付、住基カードによるコンビニ交付、さらには郵送による交付であっても、一律となっている。郵送による交付は開封や発送などの手間(人件費)がかかるため、多摩26市では半数近くの市が手数料を高く設定している状況にある。したがって、郵送による交付手続きについては、作業量に見合った手数料とすることを検討されたい」。

 稲葉孝彦市長は、郵送による証明書の交付手数料を監査意見書に従って、従来の窓口交付額の2倍に設定するとともに、窓口での交付手数料も1.5倍に引き上げた。一方、住基カードによるコンビニでの交付手数料は、従来の窓口交付額と同額にとどめた。みようによっては、普及がはかどらない住民基本カードの普及を促進するために、「住基カードによるコンビニ交付の方がお得ですよ」と言いたいかのごとくである。

 もう一つの理由とされている「第3次行財政改革大綱でうたわれている」であるが、「手数料の見直し」の項目はみあたらない。強いて言えば「各種使用料金等の在り方の見直し」という項目であるが、なにを見直すかといえば、「各種使用料等について、受益者負担の原則に基づき、定期的検証を行なうための方策を検討する」というものであり、「定期的検証を行なうための方策の検討」がここでは掲げられているのである。

 市が値上げの理由としている2つ事柄については、いずれも整合性がないものといわざるをえない。小金井市はこの値上げによって、年間で1,622万円の増収を見込んでいる。

 日本共産党市議団は、国保税や介護保険料の値上げ、年少扶養控除の廃止などで市民負担が一気に押し寄せているなかでの今回の値上げは到底容認できないとして、条例案に反対した。

 ※PDFファイルで「小金井市の住民票・証明書等の交付手数料値上げ一覧」を掲載

(2012年4月19日付)


2012年3月市議会 お寒い小金井市の災害対策予算


 東日本大震災後の本格予算となった小金井市の2012年度予算は、2011年度同様に、災害や放射能汚染への対策が強く求められます。

 ところが2012年度予算の「災害対策費」は、前年度63.2%減の4,244万6,000円、災害対策費含めた震災関連施策全体でも前年年度比66.2%減の5,767万4,000円程度でしかありません。

 また、土壌等に含まれる放射性物質の測定・分析経費も、2011年度は405万4,000円の予算が組まれたにもかかわらず、2012年度は予算が組まれていません。これでは市民の暮らしは守れません。

 日本共産党市議団は、予算委員会で市の姿勢をただすとともに、少なくとも災害対策用の備蓄品・消耗品の予算を増額し、市民の不安に応えるべきと主張しました。

 ※PDFファイルで「2011年度と2012年度の小金井市の震災関連施策と予算」一覧を掲載します。

(2012年3月26日付)


施政方針質疑


写真
検討重ねる質問原稿
 2月20日から小金井市の3月定例市議会がスタートし、2月26日の日曜日には「日曜議会」が開かれました。今回の日曜議会では、昨年12月の市長選挙で返り咲いた稲葉孝彦市長の施政方針に対する各会派ごとの質疑が行なわれ、日本共産党は4人全員が質問に立ち、最初に私が質問しました。

 日本共産党市議団は、施政方針の質疑にあたって質問原稿をそれぞれが準備し、市議団の会議で3回にわたって内容を検討。それを踏まえて質問に臨みました。以下は、質問内容と市長の主な答弁です。詳細なやり取りは、小金井市議会のユーストリーム中継(インターネット中継)をご覧ください。

(2012年3月8日付)

市民の暮らしの実態と

増税・社会保障の改悪、負担増への認識を問う

 私が市長にうかがうのは、今日の市民の暮らしの実態に対する認識と、政府が計画している増税・社会保障の改悪や負担増に対する市長の認識についてです。それは、市民の暮らしをどのようにみるかによって、市政運営の方向性が変わってくるからです。

市民の暮らしに対する「税と社会保障の一体改革」の認識を問う
 はじめに、市民の暮らしと国民への負担計画に対してうかがいます。今回の施政方針を拝見して不思議に思ったのは、市民の暮らしの実態が一言も述べられていないという点です。市政の舵取りを行なうにあたっては、納税者である市民の暮らしがどうなっているのか、小金井市としてどう対応していくのか、その点がまず第一に語られなければなりません。しかし、市民の暮らしが何故か語られていないのです。また、市民の暮らしを間違いなく直撃する、政府の「税と社会保障の一体改革」に対しては、「議論の行方について注視していく必要がある」と述べるのみです。しかも、それは財政面から見た視点であり、市民の暮らしの視点からではありません。なぜ、市民の暮らしを真正面から直視しようとしないのでしょうか。なぜ、暮らしを直撃する国の動きに対して、第三者的な見方になるのでしょうか。稲葉市長には、市民の暮らしの実態を見ないばかりか、守っていこうという哲学すら感じられません。うかがいたい第一の点はこの部分です。

 政府は「税と社会保障の一体改革」と称して、消費税の増税と社会保障の改悪をうたった「大綱」を先日、閣議決定し、3月末までには法案の提出を行なうとしています。しかし、そこでうたわれているのは、消費税率を2年後の4月に8%、2015年10月からは10%に引き上げ、加えて、年金支給額の引き下げや支給開始年齢の先送り、医療費の患者負担増など、暮らしを破壊するものばかりです。けれども、国民のフトコロはけっして豊かではなく、小金井市の個人市民税の状況をみても、個人所得は低下傾向にあります。所得は増えないのに負担は軒並み増える、これでは国民はたまったものではありません。

 説明するまでもなく、市民の暮らしは深刻です。日本共産党市議団のもとにも、数多くの生活相談が寄せられますが、なかでも多いのが、生活保護を受けざるを得ない状況にさらされているという実態です。相談に来られたある方は、国民年金と派遣労働の収入で親子2人で暮らしているというのですが、アパートの家賃と公共料金を払ったら、ほとんど手元には残らないというものでした。別の方は、お金がなくて病院に通えないために、傷む身体をひきづるように、私たちのもとに相談に来られました。生活が苦しく、家庭内でイザコザも起こり、小学生の子どもがいるのに離婚せざるをえないというケースもありました。このように、市民の暮らしは、普通の生活をしていても暮らしていけなくなり、仕事をなくしたり、家族のなかで病気になる人が出たりするだけで、たちまち生活は成り立たなくなるわけです。この市民の暮らしをいかに応援していくのか、このことが市政に問われているのではないでしょうか。

 施政方針で市長は、政府の「税と社会保障の一体改革」に対しては、「安定財源を確保しようというもの」との見方をされています。この見方も疑問です。果たして「安定財源の確保」になるでしょうか。

 消費税は「3%」で導入され、1997年の橋本内閣のもとでの税率5%への引き上げと医療費の値上げなどで、9兆円の負担増が行なわれました。しかし、そのことによって回復の途上にあった景気はどん底に落ち込み、その結果、財政破綻もいっそうひどくなりました。

 今回はどうでしょうか。消費税の税率10%への引き上げで13兆円もの大増税になるのにくわえて、年金の削減や制度改悪による年金・医療などの保険料値上げを合わせると、年間20兆円もの負担増になります。しかも貧困と格差が広がり、地域経済が深刻ななかでの大増税となります。消費税率5%へのアップの時以上に、国民の暮らしにはかり知れない打撃を与え、日本経済をどん底に突き落とし、国も地方も財政破綻をいっそうひどくすることは明らかです。「安定財源」どころか、財政破綻をいっそう深刻にし、市民の暮らしをドン底に陥れるものでしかありません。

 政府は「持続可能な社会保障制度にするため」と説明していますが、消費税の増税とともに、肝心の社会保障制度も改悪されるのです。「持続」ではなく「切り捨て」です。

 市長にうかがいます。日本共産党は、今日の市民の暮らしは、先行きが見えない不安のなかに置かれ、所得も減り、負担続きのなかでとても生活にゆとりなどないと考えます。市長は、市民の暮らしの現状をどのように見ているでしょうか。また、暮らしも、国と地方の財政も破綻に導く消費税の増税は到底、許されるものではありません。消費税の増税にキッパリと反対し、政府に増税の撤回を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 市長  「現在の社会保障費の増加をみた時に、国民が安心して生活し老後を送るということになると、消費税に頼らざるを得ないだろうと思う。消費税の引き上げに対しては、やむを得ないと判断する」

市の市民負担増計画は、暮らしも財政も破綻する
 次に、小金井市の負担増の計画についてです。小金井市がこの間、実施している市政アンケートや要望では、「福祉の充実」を求める声が圧倒的に多くなっています。それだけ、暮らしが厳しくなっているからです。しかし、市民が一番求めている福祉の充実に対して、施政方針では「誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられることが重要であると考えております」と述べるだけで、具体的なモノは示されていません。しかも、小金井市内でも高齢者の孤独死が相次いでいるというのに、高齢者の見守り牛乳に所得制限を導入し、対象者を市民税非課税のみに限定してしまいました。どこに施政方針で述べている「誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられることが重要」という視点があるというのでしょうか。言っていることと、実際に行なっていることとはまったく違っています。

 国が国民に大変な負担を押し付けようとしているにもかかわらず、稲葉市長は今定例市議会に、国保税を一人平均、年額1万5千円の値上げ、介護保険料の基準額を年額で1万4,400円の値上げを打ち出し、後期高齢者医療保険料についても一人平均、年額 8,765円の値上げが示されています。まさに、生活破壊のオンパレードです。国保税の値上げの理由を「円滑な財政運営を確保するため」(提案理由)と述べていますが、所得が増えるどころか減っているなかでの値上げ・増税は、市民の暮らしを破壊するものでしかありません。しかも値上げの中心は、世帯のなかで国保加入者が多いほど負担がかさむ「均等割」の大幅引き上げとなっており、加入者が3人いれば、それだけでいっきに3万円もの値上げとなります。まさに、所得の低い人ほど負担が重くなる最悪の増税です。また、介護保険料は本人非課税であっても世帯のなかに市民税課税者がいれば年間1万 4,400円もの値上げになるというものであり、後期高齢者医療保険料の値上げも加わり、家計への負担ははかりしれないものとなります。到底、認められるものではありません。

 市長にうかがいます。このような増税を行なえば、市民の暮らしは立ちいかなくなり、社会保険料や税金を納めることができなくなると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。また、納めきれない人が増えてくれば、市の財政そのものも行き詰まってくると考えますが、いかがでしょうか。さらに、市民に負担を求める市政を続けていけば、施政方針で述べている「誰もが住み慣れた地域で暮らし続けられる」ことができなくなりますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

 市長  「持続可能な制度として運営していくためには、負担能力に応じて負担していただかなければならないだろうと思っている」「国保税改定により税収が減少することにはならないと考えている」

 国保税を引き上げれば払えなくなる人が出てきて、悪循環になるのではないでしょうか。そうなると他の市税も納めきれなくなり、市財政も大変になるのではないでしょうか。

 市長 「そういうこともありうるかと思う」

市民の暮らしを守るのが市政の第一の役割
 日本共産党市議団は1年前に、市政アンケートを全戸配布で行ないました。応えていただいた方は 387人です。「くらし」についての設問では、「苦しくなった」が59%でダントツであり、その理由は「医療費の支出増」「社会保険料の負担増」「年金の目減り」「給与の減少」が高い回答を占めています。ここからも明らかなように、とてもこれ以上の負担を求められる状況ではありません。

 昨年、小金井市では2度の市長選挙が行なわれましたが、そこでの結果から見えてくるのは、長引く景気低迷や負担増のなかで、暮らしをなんとかしてほしい、福祉を守ってほしいという市民の切実な願いが渦巻いているということです。

 市長にうかがいます。国保税や介護保険料の値上げなど、市民へこれ以上の負担を求めるあり方は中止し、大型開発事業や都市計画道路事業の見直しを行ない、市民に負担を求める市政から、暮らしを守る市政に市政運営を転換すべきと考えますが、いかがでしょうか。以上、明快なご答弁をお願いします。

 市長  「市民生活を守るのは我々の大きな課題。しかし、将来に向けてのきちっとした街をつくっていくというのも、大きな課題。それを避けて通るというわけにもいかない。全体を見ながら予算措置をしていきたいと思っているし、市民に負担をしていただくところはお願いしなければならないと考えている」


国保税の増税を抑えるための一考


 小金井市の稲葉孝彦市長が3月定例市議会に提出した国民健康保険税(国保税)の20.37%もの大幅値上げは、議会の与党議員からも唸り声が上がるほどに、大変な代物である。とにかく値上げの中身が尋常ではない。「均等割」という、国保加入者一人一人に一律に課税する額が、年額「7,000円」から「17,000円」に一挙に1万円も引き上げられるからである。それがどんなに大変なものか。例えば一家に国保加入者が3人いれば、一挙に年間3万円もの負担が増えることになる。小金井市での納付書による納付(普通徴収)は、年8回に分けて行なわれているから、1回あたりの国保税額が4千円近くも増えることになる。とても対応しきれるものではない。

 いかに値上げを抑えるか。これが市民代表である議会側には問われてくる。日本共産党市議団は、いくつかの方策を提案している。(1)保険給付費の算定のあり方が、適切なものになっているかどうかという点。実態よりも高めに算定されていれば、保険財政からの持ち出しが増えるため、保険税の上げ幅もその分、増える。保険給付費の算定率を見直すことも視野に入れるべきである。(2)「医療分」のみの引き上げで対応していることが適切なのか。今回の値上げは「医療分」のみの改定で対応しているが、「介護分」「後期高齢者支援分」には振り分けなくてよいのか。「医療分」にすべての負担を求めていることから、赤ん坊や子どもにも課税される「均等割」の負担が深刻になるのである。(3)限度額を法定限度額まで引き上げてはどうか。「医療分」「介護分」「後期高齢者支援分」を法定限度額まで引き上げた場合、1,400万円の増収になるという。高額所得者には負担を担ってもらうということも必要である。(4)一人あたりの一般会計繰入金を、三多摩平均額まで引き上げるべき。小金井市の法定繰入金を除く一人あたりの一般会計からの繰入額は、三多摩26市中、21番目という低さである。小金井市は2011年度の一般会計最終補正で、4億3千万円を財政調整基金に積むという。十分に三多摩平均まで繰り入れる額はあるのである。

 企画財政部長は、4億3千万円を財政調整基金に積む理由を「持続可能な財政運営にするため」だという。しかし、国保税が引き上がって納めきれなくなれば、市財政そのものが危機に陥る。「持続可能」どころか、「破綻」の道である。

 日本共産党市議団は、この角度から、国保税の値上げ抑制に向けて全力で頑張る決意である。

(2012年2月26日付)


市財政に大きな負担『市民交流センター』


 小金井市議会は2月9日(木)夜、都市再生機構(UR)が維持管理を行なっている「市民交流センター」の購入議案を賛成多数で可決し、3月1日から小金井市の所有物にすることを決めました。しかし、長引く景気低迷と東日本大震災で税収が減少し、一方で生活保護や福祉にかかわる経費増が避けられないなかでのハコ物の購入は、小金井市の財政運営に大きな重荷になっていきます。建物自体も再開発事業でつくられているために、敷地が小金井市単独の所有とはなっておらず、敷地の利用をめぐっては、さまざまな課題を抱える事態となりました。とても手放しで喜べる状況ではありません。小金井市は市議会が議案を可決したその時から、これから訪れる難題に立ち向かわざるを得なくなりました。

 以下、私が「市民交流センター」購入議案に反対する理由を記します。

[板倉真也は以下の理由で、市民交流センターの購入に反対します]

 私は、老朽化で取り壊された旧公会堂に代わる、市民がつどえるホールは必要だと考えるものです。一方で、市財政に余裕がないなかにおいては、公会堂の建て替えは地価の高い駅前ではなく、旧公会堂敷地での建て替えを行なうべきと一貫して求めてきました。しかし、小金井市は莫大な財源を必要とする駅前再開発に乗り出し、再開発区域内でのホール確保に固執し続けました。その結果、民間地権者含む他の地権者と敷地を共有する「1筆分棟」でのホール確保という事態となり、多くの課題を抱える施設になってしまいました。

写真 私がこの議案に反対する第一の理由は、市議会のすべての会派が求めてきた、管理規約が締結できる状態での取得議案とはなっていないことです。市民交流センターを含む1−III街区は、他の地権者との権利関係が交錯する区分所有方式の敷地形態となっているため、敷地の管理・利用方法を取り決めることが求められます。しかし、取得議案が提出されているにもかかわらず、締結できるまでに至っていません。稲葉市長は「ホール取得と管理規約はセットではない」と述べますが、民間地権者の建物を強制収容し、裁判も起こるなかですすめられてきた再開発事業という経緯からみて、ルールが決まっていないなかでの管理・運営が果たしてスムーズに行けるのか、誰もが懸念するのは当然です。ホール取得議案提出の際には締結できる状態での管理規約を示すことが必要というのは、市役所の管理職者も同じ考えです。それは市議会に提出された「庁議記録」での管理職者の発言内容で証明されています。

 管理規約が未締結のなかで、いかにルールを確立していくのか。今回の臨時議会で小金井市は、区分所有法や民法で対応すると述べましたが、いずれの条文をみても、権利を所有している者は共有部分を使用できるというのが大前提であり、権利者の利用を保障するのは当然となります。かりに、問題があると思われる行為が権利者のなかであった場合にも、それへの対応は「他の区分所有者全員の同意」あるいは「集会での過半数決議」となっており、区分所有法で対応するには限界があります。そのため、小金井市は、区分所有法ではカバーできない部分を「管理規約」でルール化しようと考えてきたわけです。

 ところが、小金井市が市民交流センター取得の大前提としてきた「荷捌駐車場」の専用使用権が確保できず、1−III街区内のフェスティバルコートも「地権者の合意」がなければ利用できず、ウッドデッキや外構部分含めた一体的利用も事実上、できないなかでの市民交流センターの取得という事態になっています。このような事態になった最大の責任は、他の地権者との共有敷地となる再開発手法でのホール建設方針を認めた小金井市にあります。

 再開発を施行した都市再生機構に対しては、荷捌駐車場の専用使用権の確保、ウッドデッキ含めたフェスティバルコートの一体的利用が保障できるなど、小金井市が市民に説明のつく責任ある管理規約を早急にとりまとめるよう強く求めるとともに、あってはならないことですが、管理規約が締結されないなかでの撤退ということにはならないよう、小金井市は、都市再生機構との間で協定書等を交わすよう、求めるものです。

 反対する第二の理由は、区分所有という形態のなかでの、小金井市の行政財産でもある敷地を利用しての収益事業を行政以外が行なうことへの整理がされていないことです。このことは「庁議」のなかでも、市民に対してどのように説明責任を果たすかが、課題として残されたままです。臨時議会での担当課長も「慎重な検討を要する」との答弁で終わっています。整理もされていないなかでの見切り発車は問題です。

 反対する第三の理由は、市民交流センターを取得することによる、市財政への影響です。市民交流センターはすでに、都市再生機構の管理で運営され、市民も小金井市も利用できるようになっています。今日の運営形態においても支障なく利用できていることは、稲葉市長自身が1月31日付「都政新報」紙上で「円滑な運営が行なわれており、問題視はしていない」と明確に述べていることからも証明されています。あえて小金井市が多くの財源を投入してまで、現在でも円滑な運営が行なわれている市民交流センターを取得する必要はありません。

 小金井市は、この建物・敷地を取得するために、地下駐輪場、付帯設備・備品含めて、起債(借金)を28億円近くも発行し、基金を3億4千万円、今年度の一般財源を1億5千万円近く充てるとしています。果たして、小金井市の今日の財政状況から、このような財源投入を行ないうる状況でしょうか。1月17日の「庁議記録」では、新年度の予算編成において財政調整基金を相当に充てる必要性が生じたことから、財政調整基金の残高が2億3千万円になってしまったこと、一般会計を2013年度(平成25年度)に10億円程度、繰り越さなければ、2013年度の予算編成ができないことが述べられています。現時点でも、このような深刻な事態を迎えているというのに、市民交流センターを取得することによって起債(借金)の後年度負担が発生し、加えて、指定管理委託料も毎年2億3千万円、必要となります。そのことから、新年度からは2億7千万円余、起債の元利償還を迎える2015年度(平成27年度)からは毎年4億2千万円余の支出が義務化され、市財政に計り知れない影響を及ぼすこととなります。1月17日の「庁議記録」には、そのために「他市では、補助金の一律カットの大英断を下しているところもある」と記されており、市民生活に必要な経費を削りこむことも想定される記述となっています。このことを臨時議会で指摘すると、企画財政部長は「市民交流センター取得と、第三次行革大綱は同列に議論できない」と述べました。市財政に責任を負う部署の答弁とは到底、いえるものではありません。この答弁は「市民交流センターには莫大な財源を投入し、市民サービス削減・市民負担増は独自にすすめる」という宣言であり、市民生活を間近に見続けている私には到底、認められるものではありません。

 小金井市は、今年度末で期限を迎える旧まちづくり交付金の約10億円を活用するという思いから、管理規約が未締結でもなにがなんでも市民交流センターを取得するという動きになっています。しかし、交付金の期限が間近に迫る事態となったそもそもの起こりは、都市再生機構の不手際から一昨年11月末の取得可決が無効となったことからです。しかも、示されている管理規約案は小金井市が了承できるものではありません。今日の事態をつくりだした都市再生機構にこそ責任を果たさせ、市長自らが「円滑な運営が行なわれている」と認める、都市再生機構での管理・運営を行なわせるべきです。

(2012年2月12日付)


PDFファイルを閲覧するためにはアドビ社製の「Adobe Acrobat Reader」が必要になります。
AdobeのWEBサイトよりダウンロードしてご使用になれます。


ページのトップへ