2008年6月議会 義務教育での保護者負担の軽減を
憲法26条では「義務教育は、これを無償とする」とうたい、教育基本法でも「教育の機会均等」や「義務教育無償の精神」を明記しています。ところが「無償」は「授業料」と「教科書」のみで、現実には小学校でも中学校でも、少なくない額の保護者負担が覆いかぶさっています。そのことから私は、6月議会の一般質問で、義務教育における保護者負担の軽減を求めて、小金井市の見解をただしました。
質問するにあたり、教育委員会の学務課から、小金井市の小中学校の保護者負担の状況がわかる資料を作成していただきました。それによると、小学校の場合には「学用品や通学用品」などの「教科活動費」や「遠足」「移動教室(5年)」「林間学校(6年)」などの行事費、「卒業アルバム」や「学校給食費」などが必要となり、単純計算で、児童一人当たり年間で51,218円の保護者負担となっています。一方、中学校の場合には、「修学旅行(3年)」や「移動教室(2年)」があることから、年間で一人当たり84,679円を保護者が負担せざるを得なくなっています。加えて、中学校に入ると「部活動」もあり、スポーツクラブとなるとユニホームや備品等で、相当な出費を迎えることになります。
これら、義務教育にかかる費用については、各自治体で保護者負担を軽減するための一定の措置がとられ、小金井市においても「小金井市立学校特別活動補助金」という制度があり、小学校では「海の移動教室」「林間学校」「オーケストラ鑑賞教室」に対して、中学校では「山の移動教室」「合唱鑑賞教室」「修学旅行」および、特別支援学級の「移動教室」に交付されています。しかし、補助対象は「交通費、食費、宿泊費等」とされ、しかも「予算の範囲内」とされているため、市の補助割合は、きわめて低い状況となっています。
一方、中学校の「部活動」に対しても補助制度があり、「部活動に伴う費用」や対外試合などの「交通費」「大会参加費」「宿泊費」が対象となっています。「経費の実費」を補助するとなっているものの、この場合も「予算の範囲内」であるため、すべてが補助されるとはかぎりません。ようするに“部活の沙汰も金次第”というものであり、兄弟の多い家庭にとっては、手痛い出費となります。少子化を危惧するならば、このような義務教育での保護者負担も見直すべきです。
私はまず、「保護者負担とする根拠」を質問しました。今回の質問をするにあたって、義務教育でありながら保護者負担が許される根拠は何かと、いろいろ探してみたものの、根拠となるものに行き当たらなかったためです。答弁では「昭和39年2月26日の最高裁の判例(義務教育費の負担請求事件)」を持ち出し、「『憲法の義務教育は無償とするの規定は、授業料の他に教科書、学用品、その他教育に必要な一切の費用までは無償としなければならないことを定めたものと解することはできない』とされている」と説明。また、「教育基本法第5条第4項でも『地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない』と規定され、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第3条では『教科用図書の無償給付』について規定している」と述べ、「これらを根拠として、授業料と教科書のみを無償としている」と説明(学校教育部長)しました。
次に私は、就学援助受給者の学校行事などの一時たてかえ制度の改善を質問しました。小金井市でも、生活保護基準以下の所得で生活している家庭および、この家庭に準ずる家庭に対して、就学援助制度が適用されています。小金井市では、就学援助が適用されると学校行事など9つの項目に対して全額、援助されますが、9つの項目のうち7つの部分で、かかった経費を保護者が一時たてかえなければならない状況となっています。保護者が一時たてかえる、つまりは、学校で生徒から徴収し、授業の実施後に保護者が負担した分を保護者の銀行口座に振り込むというやり方で行なわれるモノとしては、(1)学用品費および通学用品費、(2)海の移動教室参加費、(3)林間学校および山の移動教室参加費、(4)修学旅行参加費、(5)校外活動費、(6)入学時学用品費および通学用品費、(7)卒業時諸経費であり、保護者は支払わずに学務課で関係機関に支払うモノとしては、(1)学校給食費、(2)医療費(学校病の治療に限る)という状況となっています。
この質問は2年前の6月議会の一般質問でも行なっており、その時の答弁は「いくらかかるかというところがまだ確定していないので、一定保護者に負担してもらっている」「年度当初からこういう額だと決まっていれば、保護者に負担がかからないようにできるかと考える」というものでした。そこで私は「海の移動教室(鵜原)」や「林間学校(清里)」「山の移動教室(蓼科)」は行く場所も例年同じであり、学用品等についても例年、大差のない金額。予算化し、保護者のたてかえをなくすべき」と質問しました。
答弁は「補助金の申請をしていただき、学校に補助金を渡すという格好をとっているので、事務手続き的に無理。金額の誤差が起き、額が確定しないことから無理」というものでした。しかし、私は納得できません。一定の額を予算化しておけば対応できると考えるからです。我が息子は今年の7月初旬、中学校の修学旅行でしたが、1週間ほど前に経費の請求があり、旅行会社が指定した口座に全額、振り込んでいます。同じ方法で小金井市が経費を振り込めば、就学援助世帯の一時たてかえを防げるはずです。
前述したように、「小金井市立学校特別活動補助金」は「予算の範囲内」でしか交付されません。また「部活動」への補助制度も「予算の範囲内」であるため、経費の一部分しか補助されてはいません。私は、この数年間、横ばいとなっている教育振興費を増額し、保護者負担を軽減していくこと。少なくとも、義務教育に直接関係する教材費・副教材費・学用品費などの保護者負担を軽減すべきと主張しました。しかし答弁は「予算の増額については、なかなか難しい」と述べるにとどまりました。憲法26条の「義務教育は、これを無償とする」が泣いています。それにしても、駅前開発には莫大な財源を投入しながら、子どもたちの教育に関わる経費は増額できないというのは、いったいどういうことなのか。子どもたちのことよりも駅前開発を選ぶ稲葉市政を続ける限り、義務教育でありながらも家計の負担は増え続けていくのではないでしょうか。
2008年3月議会 下水処理経費の削減に向けた考察
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2006年4月4日の野川
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下水処理方式には「合流方式」「分流方式」という言葉が使われます。「合流方式」とは、雨水と汚水(家庭内で使用した雑排水など)が一つの下水管に集約されて下水処理施設に流れていく仕組み。「分流方式」とは、雨水と汚水が別々の下水管で扱われ、雨水は川へ放流、汚水は下水処理施設へ流れていくというものです。2月21日から始まった小金井市の3月定例議会では、小金井市が負担している下水処理施設の経費分担金をいかに減らしていくべきかとの観点から質疑が展開されました。
質問をしたのは、民主党の小川和彦議員。「下水処理分担金は、水道使用量と行政面積、降雨量で計算される。しかし、小金井市は雨水浸透マスで屋根に降った雨水の50%を地下にしみこませており、その分、下水処理施設への負担を減らしているのだから、分担金の負担軽減があってもよいはず」。この論理は当然のことであり、そのことが反映されたものになっていなければなりません。しかし、雨水浸透マスで吸収される雨量は、そう多くないのが実情です。
小金井市は雨水浸透マスの設置率が50%を超え、屋根に降った雨量の半分を地下に浸透させています。しかし、屋根で受け止める雨量は小金井市全体に降る雨量からみると限られたものであり、大部分は屋根以外のところに降り注いでいます。そのため、雨水浸透マスで地下に浸透させた雨量を除外して処理施設の分担金を計算したとしても、「現在の分担金とさほど変化はない」というのが関係者の説明。それよりも「下水処理の『分流方式』をいかに増やすかが肝心」と、関係者は述べます。
冒頭に述べたように、下水処理方式には「合流方式」と「分流方式」があります。小金井市の下水処理は「合流方式」が約85%、「分流方式」が約15%となっており、雨水と汚水を一つの下水管に集約する「合流方式」が主流になっています。「合流方式」は、天から降ってきた雨水まで下水処理施設に流していくため、家庭で使用した水(汚水)だけでなく、処理施設に流れ込んだ雨水の量までも下水処理施設の経費分担金の算出に加えられてしまいます。一方、「分流方式」は雨水を川に放流するため、その部分が処理施設経費から除外されます。つまり、「分流方式」が多いほうが、分担金が少なくなるということです。
小金井市内の85%を占める「合流方式」で集められた雨水と汚水は、まとまって下水処理施設に送られます。ただし、一定の降雨量に見舞われた場合は下水の処理能力が追いつかないため、雨水と汚水が混ざったモノを川へ放流する仕組みが設けられています。しかし、このことが、やっかいなことを引き起こしています。
放流された中身は、雨水だけではありません。「合流方式」のため、家庭から排出された汚水(雑排水)も含まれています。つまり、台所の汚れた水だけでなく、風呂の水やトイレの汚物も放流水となって、川に流れ込むということです。だから、大雨の翌日などはトイレットペーパーやゴミが、川に浮かぶ状態が起きるのです。小金井市域には、下水の処理能力を超える分を川に放出する排出口が野川に10箇所つけられており、そのうち2箇所で汚物やゴミが川に流れ込まないようにするためのスクリーン設置が施されています。また、2008年度には新たに2箇所でスクリーンを設置する予定となっています。一番よいのは、「合流方式」から「分流方式」に全面的に切り換えること。しかしその経費は全額、小金井市の負担となり、下水道料金に跳ね上がってしまいます。「国や都からの補助金が必要」と、市の担当者は述べているところです。
小金井市は、屋根に降った雨を地下に浸透させるだけでなく、2006年度からは道路脇にも雨水浸透マスを設置しはじめました。雨水を地下水へ還元させる地道な努力が小金井市の下水道課を中心に取り組まれ、いまでは小金井市の雨水浸透マスの設置率は世界一にまでなろうとしています。私に、雨水浸透マスや下水処理方式の状況を話してくれた担当者の瞳は、好奇心にあふれた子どもの目のように輝いています。その瞳があるかぎり、小金井市の環境への取り組みは歩みを止めることはないでしょう。
暮らし語れぬ『施政方針』に正面から追及
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(当日使用の質問原稿と施政方針書)
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小金井市の3月定例市議会が2月21日から始まり、2月24日の日曜議会では、稲葉市長の新年度の「施政方針」に対する会派ごとの質問が行なわれました。
小金井市議会は4年前の2004年から、3月定例会で「日曜議会」を実施しています。2004年は市長の「施政方針」に対する会派ごとの代表質問を、2005年と2006年は各議員の一般質問を、昨年の2007年は市長の「市政方針」に対する会派ごとの質問を行ないました。施政方針に対しては「会派ごとの代表質問」となっていましたが、「会派で複数の人が質問に立っても良い」となっているため、2004年は11会派・16人が、2007年は6会派・16人が質問に立ちました。そのため、昨年からは単なる「質問」と称するようになりました。
日本共産党市議団は2004年は私が、2007年は森戸洋子議員が質問に立ち、今回は私が質問を行ないました。そのため市役所の管理職からは、「共産党さんは、森戸議員と板倉議員が交代で行なうようになっているんですね」と言われています。私たちは、そんなことは考えずに役割分担をしているだけにすぎないのですが・・・・。はっきりしているのは、私たちの場合は、会派を代表して一人が質問に立つということ。今回は、日常のスケジュールの関係から、私が担当することになったにすぎません。なお、一人が代表して質問を行なったのは、少数会派を除いては、共産党と民主党のみでした。
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(推敲重ねる質問原稿)
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会派を代表して質問するということは、事前に会派内で相談しながら原稿を仕上げていくことになります。しかし、これがなかなか大変なところ。最初の原稿を議員団に提出したのが2月19日。しかし、あれやこれやと意見が飛び交い、書き直しに。第二稿は21日に提出。しかし、またしても「不十分」の声。第三稿は質問前日の23日に。この段階ではさすがに大きな書き直しとはならず、質問の組み立ての入れ替えや質問内容の追加がメインに。そして当日(24日)の朝、「これでどうだ!」と提出した第四稿に、またしても修正が加えられる。そのため、読みやすいように用意したA4版ヨコの本番用の原稿(第四稿)には、赤のボールペンで書かれた挿入文書がいくつも登場し、「ここは削除」と注意書きされ、読まない部分をサインペンで囲んだ箇所が踊っていました。
日本共産党市議団に与えられた時間は50分。3つの角度から稲葉市長の市政運営を追及し、真正面から一歩も引かない論戦が展開できたと、自負しています。この日の質問原稿を作成するために、明けても暮れても原稿の推敲に追われ、質問の翌日以降、どっと疲れが出てきました。しかも5日後には、一般質問を行なわなければなりません。資料チェックと原稿づくりに追われ、我が家の前を我が物顔で歩いているノラネコの手も借りたいほどでした。 ※施政方針に対する原稿完結版をPDFファイルで掲載しましたので、ご参照ください。
草生栽培と農業の実際
近年、農地の底地(地面)に植物を植えて景観をつくりだす「草生栽培」という手法が脚光を浴びている。果樹園などに多く見られ、栗や桃、林檎などの樹木の地面に可憐な花びらを咲かせた草花が、見る者を楽しませている。小金井市の貫井南町2丁目にもかつて、ムラサキハナナを栗畑に植え、春先になるとカメラ愛好家の注目を集める場所があった。いまでは相続の関係でマンションが建ち、ムラサキハナナは宅地開発による提供公園のなかで、ひっそりと顔を見せるだけとなった。
そんななか、小金井市議会の2007年6月議会に「花咲く果樹園の再現に向けて、肥培管理、草生栽培のあり方の検討に関する陳情書」が提出され、市議会は9月議会で賛成13、反対0、退席10で採択した。陳情書の趣旨は「生産緑地の果樹園(相続税納税猶予特例農地は除く)の底地に、ムラサキハナナなどを含む雑草による草生栽培法を認めるよう、市長並びに農業委員会に要請してほしい」というもの。日本共産党市議団は、陳情者の願いを実現すべきとの思いから陳情書に賛成し、ムラサキハナナが農地に咲き広がる光景を願った。
私は陳情書の審議が行なわれた市議会総務企画委員会で、おおむね、次のような主張を行なった。「陳情書が採択されたとしても、肝心なのは農地所有者の理解が得られるかどうか。農業従事者の代表が集まる農業委員会が法律上の代表機関となるので、農業委員会での議論を待ちたい」。陳情書が採択されて以後、10月の農業委員会をかわきりに、陳情書に対する意見が交わされていった。
私は農業委員会の委員であるが、農地は持っていない。議会では陳情書に賛成したが、実際に対応を迫られる農業従事者の意見を重視する必要があるとの考えから、農業委員会のメンバーに率直に意見をうかがった。農業従事者を代表して出席している農業委員の意見はおおむね、次のようなものであった。「ムラサキハナナは最大で50〜60cm伸びる。花が咲くと、やがて種子が風で近隣の農地に飛び、種子をまき散らす。ムラサキハナナが伸びれば害虫も発生し、害虫が近隣の農地に被害を及ぼす」「ムラサキハナナなどの植物の種子が近隣の農地に飛ばないように、また、害虫が発生しないようにするためには、草生栽培による底地の雑草は、最大10cm程度で刈り取ってもらわないと困る」。決論的には、草生栽培は構わないが、10cm程度で刈り取ってもらわないと、農業を営む上で被害が生じるというものであった。
では、なぜ、かつて貫井南町2丁目の栗畑にムラサキハナナが植わっていたのか?。その理由を農業委員会事務局は次のように述べる。「その当時は、農業委員会の農地パトロールは相続税納税猶予特例農地を対象に行なっており、それ以外の農地は対象外としていた。しかし現在は、相続税納税猶予特例農地も生産緑地も宅地化農地も全て「農地法」にもとづいて農地パトロールを実施しており、その際の「農地」の適応基準を『底地の植物は最大10cmまで』としている」。つまり、法令上での異なる農地が混在しているもとで、統一基準で対応しているということである。
私は、「10cm程度で刈り取り」の適否についての判断は持ち合わせてはいないが、「影響を及ぼし、かつ、及ぼされることになる農業従事者がその基準で一定の集約を行なっているのであれば、その集約点は尊重していきたい」との意見を、1月21日の農業委員会で表明した。
ところが、議会選出の農業委員の一人から「議会で陳情を採択した意味がない」との発言が出され、採択された陳情書に沿って、ムラサキハナナなどの植栽を認めよとの意見が強く出された。これに対しては、農業従事者のなかから「景観がどうのこうのというのと、農業の実際とは異なる」との意見が相次いで出された。農業に携わっている農業者は、草生栽培を「肥培管理」の観点から述べ、議会選出の農業委員の一人は「景観」の観点から述べているのである。
景観は誰もが望むもの。しかし、農業経営がそれによって支障を被るようであっては、問題となる。農業従事者は農地の肥培管理を行ない、自身の農地の豊作を願い、かつ、近隣農地へ被害を与えないように、細心の注意を払っている。農業従事者の代表機関である農業委員会は、教育委員会同様、市長から独立した行政機関となっており、だから陳情書では「農業委員会に要請して」となっているのである。陳情採択を受けて市長は、農業委員会に対応策を求めた。その結果が農業従事者の総意として「草生栽培は構わないが、10cm程度で刈り取ってもらわないと、農業を営む上で被害が生じる」との結論となった。もちろん、ムラサキハナナなどの光景を夢見る私としては、残念なことではある。しかし、「農業経営に支障が生じる」と言われてしまっては、それ以上の言葉は難しい。農業委員会は、農業者が安心して営農できるように調整することも任務の一つであるのだから。
私は農地を持ってはいない。持っていない私が持っている人に対して「農業経営に関係なく認めよ」とは言えないのである。何事も、相手がある。相手側の実情もわかった上での対応が求められる。
2007年12議会 精神障がい者福祉施策の拡充を
国の財政負担の削減を最大の目的とした「障害者自立支援法」がスタートして1年8カ月。障害者福祉の現場はどうなっているのか。どのような問題を抱え、なにが求められているのか────。日本共産党市議団は12月市議会を迎えるにあたって、議会で取り上げる課題を議論し、障害者福祉の分野で表の場に声が届きにくくなっている「精神障害者福祉」の分野を一般質問(持ち時間一時間)で取り上げることを確認。「板倉、お前が質問しろ!」の至上命令のもと、急きょ、にわか勉強を開始しました。
とはいっても、活字を読むだけでは実態がわかりません。質問を行なうにあたって、小金井市内の精神障害者作業所を2箇所訪問し、精神障害を患っている子どもがいる方からも話をうかがいました。以下は、その時に寄せられた声です。
[精神障害者の家族の声]
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親自身が、子どもの将来のことが不安で、うつ病になっている人が増えています。
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「親ひとり、子ひとり」が増えており、中でも「母親と子ども」という家庭が多くなっています。
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精神障害者の家族は、社会の表面に出ようとはしません。そのため、「精神」の施策が発展していかない状況となっています。
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精神障害の発症の多くが20歳前後から30歳台となっているため、親は高齢になっています。しかも、年金暮らしが多い状況です。子どもが若ければ、一人暮らしもチャレンジできるのですが。
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親が死んだ場合、知的障害の人の多くは施設に入ります。けれども、精神障害の人は病院に逆戻りするか、あるいはグループホームに入るしかありません。親は、障害を持っている子どもの受け入れ施設を早く求めています。
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精神障害の人は、日常の生活スタイルのリズムがとれません。家から一歩も出ない人も多く存在するのが実情です。
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親が具合が悪くなると、精神障害の子も具合が悪くなります。食事や薬の管理ができないためです。
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国は精神障害の人を病院から追い出す方針です。行き場がなくなってしまい、ひきこもりになってしまいます。
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自宅への訪問事業を引き受けてくれるヘルパーさんや法人がいません。精神障害者と聞いて、嫌がる事業者が多いからです。
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精神障害は、誰もがなりうる病気です。今日、精神障害者は100人に一人とも言われています。
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[共同作業所を運営する側の声]
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グループホームの運営や新体系に向けての事務量の多さで、本来業務のメンバーのケ アができなくなっています。自立支援法のもとでの新事業体系になると運営費が減るので、人材そのものが離れていきます。せめて、現在の質は落とさないようにしてほしいです。
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現行の施設でも、府中市や三鷹市は、運営費補助を上乗せして支給しています。小金井市では、良い人材が施設に来なくなります。
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以前に職員がやめてしまったので非常勤職員の募集を行なっていますが、いまだに何の応募もありません。仕事が忙しいわりに、あまりにも報酬が低いので、この私も何度、作業所の職員をやめようと考えたことか。
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精神障害者は、アパートに入るときの保証人がいなくて困っています。そのため、グループホームや病院から出られません。
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学校の義務教育のなかで、障害者のことをもっと学ぶ場をつくってください。
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グループホームは、その場所に障害者が住みこむから補助金は安定的に入ります。けれども作業所は通う施設なので不安定となります。精神障害の人は、知的障害の人よりも、施設に通わなくなる恐れがあるからです。そのため、新体系になったら、施設側は通所が不安定な人や手のかかる人は断わることになってしまいます。
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いずれも、胸が締めつけられるほどに切実な声です。これらの声に応えていくのが、自治体の仕事です。私は、この声と、昨年12月13日に、小金井市障害者施設連絡会「りんく」と懇談した際に寄せられた声(私のホームページの「活動日誌」の「相次ぐ悲鳴・障害者自立支援法」参照)を、12月6日(木)の一般質問で紹介しました。傍聴席には、精神障害者福祉を質問する議員がいるということを聞きつけた年配の方々が10名前後、詰めかけました。
質問項目は全部で7項目。1共同作業所への家賃補助、利用料金の助成を、2在宅への訪問体制の強化を、3グループホームへの配食サービスの実施を、4就労支援センターの職員体制の充実を、5ショートスティ、授産施設の確立を、6新事業体系移行によって行き場をなくす人への対応策を問う、7都立府中病院の独立行政法人化の動きに対する見解を問う。
■共同作業所への家賃補助、利用料金の助成を────
東京都は新事業体系に移行していない作業所への補助金を、廃止する動きを示しています。そのため、作業所はいやがうえでも新体系に移行せざるをえません。けれども、新体系になると事業所報酬が「月払い」から「日払い」になり、報酬単価の引き下げによる大幅な減収に見舞われます。そのため、新体系に移行する時期を先のばしにせざるを得ない事態となっています。それでも、2011年度中には新体系に移らざるを得ません。
私は、新体系にスムーズに移行できるようにするために「新体系に移った事業所・共同作業所への家賃補助、利用料金の助成をおこなうべき」と要求しました。
ちなみに、小金井市の障害福祉課が提出した三多摩26市の「精神障害者共同作業所への家賃補助調べ」によると、新体系移行後の施設に対する家賃補助を行なっているのは、三鷹市、調布市、小平市の3市。補助する方向で検討中が立川市、府中市、町田市、清瀬市の4市、その他の自治体は「まだ検討していない」となっており、明確に「実施しない」と答えているのは、八王子市のみ。なお、福生市は「該当施設なし」と回答しています。
答弁は「国が利用者負担等の軽減措置の延長や新たな対応等を検討しているので、それらの動向を見守りたい」というものでした。
■在宅への訪問体制の強化を────
「親自身が、子どもの将来のことが不安で、うつ病になっている人が増えている」「親が具合が悪くなると、障害の子も具合が悪くなる。食事や薬の管理ができないため」「家から一歩も出ない人も多く存在する」との声があるように、自宅への訪問事業が大切になっています。けれども、「保健士が訪問にきたことがない」の声が出されており、訪問体制の確立と強化が求められています。
ちなみに、小金井市には保健士が4人います。いずれも障害福祉課に所属しており、常勤職員は1人(精神保健福祉士)。残り3人は非常勤職員です(週4日勤務。午前8時30分〜午後5時)。
答弁は「訪問している」「市と保健所の双方の役割があり、保健所は重い人に対応している」というものでした。
しかし、家族会の方からうかがっているところでは、「問題のある事例には訪問している様子。安定している状態の人には、たとえ引きこもりであっても訪問にこない」「保健所は、困難ケースに対応している。電話をすると来てくれる」という状況です。
小金井市には2005年度の時点で、身体障害者手帳所持者が 2,259人、愛の手帳(知的障害者・児)が 412人、精神障害者保健福祉手帳が 309人となっていますが、通院医療費公費負担を受けている精神障害の人が 1,062人います。小金井市は、保健所が年間300件近く訪問していると述べていますが、家族の方々の実感とはかけはなれているようです。
■グループホームへの配食サービスの実施を────
小金井市は、グールプホームへの配食サービスを「グループホームは訓練施設であり、世話人もいる」との理由から認めていません。けれども関係者は、「グループホームからの退所を考えている人に配食サービスを提供することが、退所を促進する効果につながる」と指摘しています。グループホームは「2〜3年で退所」が基本とされ、小金井市も、一日も早い一人暮らしによる自立を求めています。であるならば、配食サービスを認めるべきです。しかし答弁は、「ダメ」の一点張り。「ケアホームとは違う」との理由から。
■就労支援センターの職員体制の充実を────
小金井市でもようやく、12月3日に就労支援センターがオープンしました。場所は、市役所第二庁舎一階。NPO法人「りんく」に委託しています。体制は、常勤2人・非常勤1人で、非常勤の人は都内の「精神」授産施設の職員経験者といわれています。
関係者からは最低でも4人体制が必要と指摘されています。小金井市は、「まずは、この体制でスタートし、今後の状況を見たい」と、つれない答弁でした。
■ショートスティ、授産施設の確立を────
小金井市には「精神」のショートスティおよび、授産施設がありません。一方、「身体」「知的」の障害者は、小金井市立の障害者センターにショートスティ(2ベッド)、授産施設が設けられています。
ショートスティに対しては、三多摩に12施設あるので、そちらを利用してほしいと小金井市は言いますが、関係者からは「遠い」と指摘されています。実際、12施設とも、小金井市の精神障害の当人も家族も利用してはいません。
ショートスティは、家族に用事ができたり体調を崩したときに、障害者自身が利用する場合と、障害者がパニックを起こし暴力などを起こしたときに、家族の一時避難的な場所にもなります。私は、早期にショートスティを市内に設けることを求めるとともに、「それまでの間、障害者センターのベッドを『精神』も利用できるようにすべき」と要求。あわせて「グループホームとの併用方式も考えるべき」と要求しました。
答弁は、障害者センターの利用については「検討中」。グループホームとの併用は「事業者から、ショートスティ併用のグループホーム確立の申し出がある」というものでした。
一方、授産施設については、精神共同作業所が実質的に「授産」の役割を果たしているとの、理由にならない「理由」を持ち出して、お茶をにごす答弁となりました。
精神共同作業所が「授産」的な業務を行なっているのは、小金井市が精神障害者のための授産施設をつくらないためであり、しかも、共同作業所の運営が厳しいためです。新体系に移ったら作業所への報酬が「月払い」から「日払い」方式になり、報酬単価も減るため、作業所の存続事態が危ぶまれます。市が責任をもって、授産施設を確立することが必要です。
■新事業体系移行によって行き場をなくす人への対応策を問う────
小金井市内の精神障害者共同作業所4箇所は、障害の軽い人も利用しています。作業所が新事業体系に移った場合、作業所を利用するためには「障害程度区分判定」を受け、障害状況の認定を受けなければなりません。これは、介護保険の「介護認定」と同じものです。認定区分は1〜6段階に分かれ、段階に応じて、生活介護事業や居宅支援事業などのサービス内容やサービス量がきまります。
問題なのは、「障害程度区分判定」の結果、これまで受けていたサービスが受けられなくなったり、ひきこもりなどで区分判定を受けずに、サービス供給を遮断される事態が起きることです。サービスを受けられなくなる人や行き場をなくす人への対策が必要です。福祉保健部長は「検討していきたい」と答弁しました。
■都立府中病院の独立行政法人化の動きに対する見解を問う────
石原都知事は、清瀬、八王子、梅ヶ丘などの小児病院を統廃合し、府中病院、広尾救急・災害医療センターなど都立の病院を、直営から民間委託、地方独立行政法人化を視野に入れた「再編整備」をすすめています。この動きに対して、隣接する国立市や国分寺市、府中市の市民や関係者、患者会が直営を維持させるための取り組みをすすめています。もし法人化された場合は、病院経営の採算性が重視されるようになり、職員の削減や労働条件の後退が行なわれ、医療そのものにも影響が起きます。
精神障害者の場合、さらに深刻です。なぜなら、精神障害者の救急医療窓口は都立府中病院だからです。独立行政法人になったら職員の体制不足、手がかかるなどの理由で、受け入れ拒否になる恐れがでてきます。
私は稲葉市長に、「府中病院を都立病院として存続させるために、行動を起こすべき」と迫りました。
ところが稲葉市長は、「市長会で、府中病院にかかわる話は出ていないし、聞いていない」と門前拒否の答弁。そのうえなにを血迷ってか、「板倉さんは今定例会で14人目の一般質問。あれもこれもというのではなく、財源を確保するために、板倉さんも行財政改革に協力してほしい」と放言。自らは「財政健全化」と称して市民の施策を削る一方、駅前の大型開発に固執し続ける態度を一切顧みないありさまでした。
精神障害者の切実な願いを実現していくためにも、大型開発の無駄遣いを改めさせることがなによりも大切だということが、傍聴に来られた方々にもハッキリとわかった市長の答弁だったのではないでしょうか。
明石市の図書館の指定管理者制度と、岡山市の事業仕分け制度を視察して学んだこと
11月13日(火)・14日(水)の二日間、市議会の行財政改革調査特別委員会の視察で初日は明石市へ、二日目は岡山市へ出かけました。明石市では図書館の指定管理者制度の導入による実態を、岡山市では事業仕分け制度を学びました。
小金井市議会では、委員会視察や政務調査費を使った会派視察の場合には、視察後に視察報告書や感想文を提出することが義務付けられています。以下に、私が議会事務局に提出した感想文を掲載しますので、ぜひご覧ください。
なお、初日の新幹線途中下車駅「西明石駅」ではハプニングが起きました。その詳細を私のホームページの「エッセイ(随想)」に「JR西明石駅窓口の温情措置」と題して掲載しましたので、そちらもご覧ください。
[明石市の図書館の指定管理者制度導入]
地方自治法の改定によって、自治体が行なっていた従来の業務を指定管理者制度に移行する自治体が次々に生まれている。それまで管理を委託していた公の施設は、「直営」に戻すか「指定管理者制度」にするかの二者択一が迫られるもとで、「指定管理者制度」に移行する自治体が増えている。自治体側では、「住民サービスの向上」をうたい文句としているが、導入の最大の目的は、自治体の財政負担の軽減にあることは明白である。
今回の視察で私が最も注目したのは、指定管理者制度の導入にって、そこで働く職員の労働条件がどうなっているのかということである。明石市は、図書館はそれまで直営で運営していたが、指定管理者制度の導入によって、図書館にかかる財政負担は4千万円軽減されたとしている。では、そこで働く職員の人件費はどうなっているのか────。
指定管理者制度のもとでの図書館の職員体制は、フルタイム職員が16人、パートタイム職員が38人の計54人。直営の時が正規職員13人、非常勤・臨時職員が20人の計33人なので、図書館の財政負担が4千万円軽減されたなかでの職員体制の増は、これだけでも、一人ひとりの人件費がどうなっているのかが懸念される。明石市の資料によると、フルタイム職員16人、パートタイム職員38人の計54人の人件費総額が9,979万9千円だという。この 金額は社会保険料込みというのだから、実際に手元に入る給料は、その半額程度と考えられる。ということは、人件費総額の半額の5千万円前後しか給料には振り向けられていないことになる。
今日、「公契約条例」を自治体で制定しようとする取り組みが生まれているが、「行財政改革」と称して自治体の仕事を民間事業者に委ねるところが増えているもとで、自治体がワーキングプアを生み出すようなことがあってはならないという思いが、「公契約条例」の取り組みの背景に流れている。
図書館の指定管理者制度の導入によって、図書館の開館日数と開館時間が拡充された。抑えられた人件費に加えて職員一人当たりの労働時間・労働日数の延長が行なわれているのであれば、手放して喜べるものではない。職員の勤務体制が資料には載っていないので、実態は不明ではあるが。
明石市の図書館の指定管理期間は「3年間」である。指定管理者制度で職員に占める「司書」有資格率は直営の時の34%から81.8%に大きく拡大した。しかし、資格を持っている人が厳しい労働条件で働き、しかも3年間という不安定な身分であることは、けっして良いことではない。小金井市議会のなかでも図書館を直営から指定管理者制度などに移すべきとの意見があるが、自治体が、働く人の所得格差を拡大させる施策をつくりだすことが、果たして正しいことだと言い切れるだろうか。今回の視察は、実態を把握する上でたいへん有意義な視察となった。
なお、明石市では図書館を指定管理者制度に移行した際に、コンピューターのセキュリティシステム確立のために1,800万円を要したという。直営の時には市役所内部とオンラ インになっており、指定管理受託事業者が市役所の情報をオンラインによって入手できないようにすることが求められたためとのことであった。
[岡山市の事業仕分け制度]
岡山市は、2年前の10月に初当選した民間企業出身の市長によって「事業仕分け」制度が導入された。「事業仕分け」を導入したキッカケは「年間予算の3倍にも膨れ上がった借金財政のもとで、いかに行財政をきりもりしていくか」との理由から。しかも、「職員では事業運営の見直しは難しい」と判断した市長は、「外部の意見を取り入れる」との見地から、経済界など外部のメンバーを招へい。庁内メンバーと一緒に税金投入の優先度を決めていくシステムをとった。そのうえ、評価の低い事務事業(見直しをする事業)を「3割程度設定」とうたい、あらかじめ見直し数値の目標を定めた上で作業を行なうようにしている。
「なぜ、こんなに借金を背負ったのですか」との質問に対して、「建設事業。国の施策にのって、公共事業を行なったため」と正直な説明。そのため予定している土地区画整理事業も、見直しの対象にうたわれている。
岡山市の「事業仕分け」を視察して痛切に感じたことは「大型公共事業は危険である」ということ。国は中央線の高架化事業に合わせて駅前の開発を誘導しているが、国の誘導にのって開発事業をすすめていけば、現在は財政危機でなくてもやがては莫大な借金を背負い、その結果、岡山市のように外部のメンバーも招いて事業仕分けを行ない、どんどん市民施策を見直していかざるを得なくなる事態を小金井市も迎えるということを、岡山市の実態は如実に語っている。駅前を開発して市税収入をアップするなどという発想は時代遅れであることを、貴重な市民の税金で行かせていただいた岡山市の視察で学ばせていただいたことに感謝する。
福島市の市民電子会議室
市議会総務企画委員会の行政視察が10月30日(火)・31日(水)に行なわれ、初日は栃木県足利市へ、二日目は福島県福島市へ出向きました。初日(30日)の午後に市民健康づくり審議会が入っている私は、初日の視察は参加せず、二日目から参加。あわただしい視察となりました。
「市民電子会議室」────これが福島市での視察の目的。小金井市でも「市民電子会議室」の設置を求める声があることから、先進自治体の福島市を訪問することになったものです。
私は「市民電子会議室」は、なかなか運営が難しいと考えています。なぜなら、インターネット上での意見交換・意見交流が主であり、その場所(電子会議室)に参加する人たちが増えていかなければ、議論はなかなか進展せず、広がりもみせなくなるからです。最大の課題は、インターネットを利用する人が増えているとはいえ、「市民電子会議室」にアクセスし、意見を表明する人がどれだけ見込めるかということ。意見を表明し、それに対して責任ある応答があるならばまだしも、お互いが意見を述べあうというだけでは、なかなか進展は見込めないのではないでしょうか。もちろん、テーマ内容によっては、白熱した意見表明が展開されていくかもしれませんが。
福島市でも同様のことが生まれています。設置当初は意見表明(書き込み件数)が多かったものの、次第に件数が減り、尻すぼみになっています。福島市は「テーマを絞り込むのではなく、携帯からのアクセスで書き込みもできるようにしたい」と、今後の方向性を述べていますが、なかなか思ったようにはいかないだろうなというのが、私の率直な感想です。
行政に対して意見や声を出す機会の少ない市民層からも意見を集め、行政への参加の機会を拡大することを目的とする「市民電子会議室」は、ともすれば特定のユーザーだけの意見表明・意見交換の場になるきらいがあります。それよりは、現行の「市長と語る会」やパブリックコメントを充実させ、市民からの意見・要望をスムーズに行政に反映させていく努力をすすめることのほうが、効果はあるのではないでしょうか。新しい施策を取り入れている自治体を訪問し、そこから教訓を学ぶ────福島市の視察は、市民参加をすすめていくうえでの試行錯誤を間近に拝見でき、有意義な視察となりました。
しかし、福島市の日帰りも結構、疲れるものですね。東京駅から新幹線で1時間40分。福島駅で委員会のメンバーと合流し、福島市役所へ。「市民電子会議室」の模様を2時間余うかがい、とんぼ返りでまた東京へ。「新幹線が通っていなかったころは、福島で一泊する人も多かったのですが」とは福島市役所の職員。いまでは宮城県の仙台市でさえも日帰りする人が多いという。交通の便が良くなったことはいいことではあるけれど、地域経済にさまざまな面で影響が出ていることも事実のようです。
2007年9月議会 『職員の時間外勤務の縮減を』監査委員が3年連続指摘
前年度(2006年度)の市政運営全般を審査する決算委員会が、10月1日から5日未明まで開かれました。決算に対しては毎年、市の監査委員が審査意見書を提出しています。注目されるのは、今回も「時間外勤務の縮減に向けての取組について」と題するコメントを寄せていること。監査委員からの職員の時間外勤務の多さに対するコメントは、3年連続となります。
審査意見書では「平成17年度(2005年度)の時間外勤務の時間数を更に 7,183時間も上回り、117,590時間となっている」と述べ、「職員の健康保持と公務能率の向上を図るため、具体的かつ抜本的な対応を要望したにもかかわらず、この間の対応状況は誠に遺憾である」と指摘。「時間外勤務の実態を的確に把握したうえで、何が原因なのか、どのような措置をとることができるのか、全庁的な問題として早急かつ具体的に対応するよう、再度、強く要望する」と締めくくっています。
副市長は時間外が増えている理由として「(1)国や東京都の施策の制度改定、(2)新規事業のスタート、(3)市役所の休日窓口の開設、(4)市民参加による時間外会議の開催等」を説明。そのうえで、「今年4月〜8月においては、前年(2006年)の同時期より 5,800時間の減少となっている」と述べ、今年度は大きく削減できる見込みであることを力説しました。
職員の時間外勤務(残業)の総数は、私の手元にある資料で見る限り、この7年間で最悪となっており、職員一人当たり平均の時間外も、この7年間で最悪となっています。質問で明らかになったことは、(1)2006年度の個人の最長時間外勤務が保険年金課の 989時間、2番目が再開発課の 974時間、3番目が介護福祉課の 968時間であること。(2)メンタル(精神)面で1カ月以上欠勤した職員は12人にのぼること。(3)保険年金課で最長時間外の職員が生じている理由は、今年12月に小金井市役所の税総合システム統合への作業があり、しかも来年4月の医療制度改定に向けた業務があるため。「保険年金課の一人平均残業時間はそんなに多くないのに、何故、特定の人に残業が集中するのか」との疑問に対しては、「保険年金課は3つの係に分かれているため」との答弁。このことから、最長時間外勤務の職員は、保険年金課の老人医療係ということが見てとれます。
小金井市は今年3月末の職員数 710人を、2009年度末には 690人に削減しようとしています。市長は「職員の負担増にならないようにしながら削減する」と述べますが、「地方分権」の名による業務の増加、市民参加のさらなる推進による時間外会議の増加、行政評価システムや枠配分予算導入などの新たな業務などで、仕事量は増えることが予測されます。また、今年度からの新たな組織改正スタートで時間外は抑制されると説明はするものの、小金井市の重点施策の推進や国の制度改定・変更などで、時間外勤務に追われる職場は依然として出てきます。監査委員が指摘するように「職員の健康保持と公務能率の向上を図るため」の具体的かつ抜本的な対応は待ったなしの状態と言えます。
私は週に1回、朝の駅頭宣伝を行なっていますが、朝8時30分の市役所の始業時刻よりも1時間も前から出勤する管理職と数多く出会います。その一人、総務部長は「電話がかかってこない時間帯に集中して仕事をするために、朝早く出勤している」と、9月議会の行財政改革調査特別委員会で自らの早朝出勤の理由を説明。つまり、管理職自らが、しかも時間外を抑制するための手だてを講ずるべき担当部長自らが、早朝出勤という時間外労働を行なっているわけです。管理職者が悪いのではなく、管理職自らが時間外出勤をせざるをえない状況を引き起こさせている、国や東京都の「地方分権」という名の業務の地方自治体への押しつけ、何度も繰り返される制度改定・変更にあります。しかも、市長は職員削減の号令を発しているわけです。民間よりは恵まれている公務員とはいえ、民間と同じ生身の人間。心と身体を守るための対策は、当然に必要です。
2007年9月議会 市民税・国保税の減免制度の拡充と周知徹底を
地方議会には「一般質問」と称される制度があります。行政全般について、どんなことでも自治体当局に質問できるというもので、小金井市議会では議長を除く23人が等しく、毎定例議会ごとに持ち時間1時間の一般質問を行うことが保障されています(議長も制度上は一般質問を行なうことは可能)。私は14年半前に市議会議員に就任して依頼、定例議会ごとの一般質問を欠かさず実施しており、今回は「市民税・国保税の減額免除制度の適用範囲の拡大と市民への周知徹底を」と、「高齢者・障害者の住み替え時における公的保証人制度の確立を」の2項目を質問しました。
「市民税・国保税の減額免除制度の適用範囲の拡大と市民への周知徹底を」の質問の主眼は、(1)国民の間の所得格差の拡大、増税・負担のアップのなかで、税負担の軽減制度を該当する市民に積極的に活用してもらうこと、(2)税負担の軽減施策を拡充し、軽減対象範囲を拡大させることによって、市民のくらしを応援する小金井市にしていくことの2点。「高齢者・障害者の住み替え時における公的保証人制度の確立を」は、高齢者や障害者が借家やアパート住まいを求めても、不動産会社が斡旋してくれない、大家さんが受け入れてくれないという問題に対して、国分寺市や三鷹市のように、住居確保のために行政として手助けをする制度を確立させることにあります。
質疑の内容は後日、小金井市のホームページの「市議会会議録」に掲載されますので、そちらの方をご覧ください。今回のこのホーページでは、質問を終えての感想を記させていただきます。
まず、市民税に対する質問。市民税はどの自治体でも減免規定があります。しかし、低所得者が増えているにもかかわらず減免件数が少なく、しかも「生活保護」「災害減免」以外に減免実績がないのは、広報不足と広報内容に不十分さがあるのではないかと、私は小金井市に見解を求めました。答弁に立った税務担当部長は「減免は例外中の例外」との認識を示し、「個々のケースで条件が異なり、より慎重な対応が必要ということで、積極的な広報はしていない」と述べました。もちろん、それぞれに生活条件が異なるので、「個々のケースで条件が異なる」というのは当然のことです。けれども、市が決めた基準に合致していれば減免を行なうのは当然であり、その基準どおりに対応していくことを「例外」扱いすることは重大な問題です。また、「より慎重な対応が必要」だから「積極的な広報はしていない」というのは主客転倒の考えであり、市政の主人公は誰なのかをはきちがえた議論です。市政の主人公である市民・納税者に積極的に制度を知らせ、基準に該当する場合には減免を行なっていく この立場が行政には求められます。どのような基準なのかもわからなければ、市民は自分の位置を客観的に見ることができなくなってしまいます。税務担当部長は「広報の必要性は否定するものではない。今後、前向きに対応していきたい」と答弁を締めくくったので、注意深く見守っていきたいと思います。
同じく市民税について。小金井市の条例には、市民税の減免規定が記されています。「生活保護を受ける者」や「学生および生徒」とともに、「所得が皆無となったため生活が著しく困難となった者又はこれに準ずると認められる者」あるいは「特別の事由がある者」も減免の対象となっています。ところが、どのような基準で減免の可否が決まるのかは一切、記載されていません。で、記されているところはといえば、市役所内部で取り扱われている「減免判定基準」という文書。つまり、市民の目の届かないところに規定されているわけです。私は、市民が目に触れることができる「例規類集」「要綱集」に掲載させることが必要との観点から、「減免判定基準」を「要綱」に格上げすること、市役所の窓口に「減免判定基準」を置き、市民が手にすることができるようにすべきと主張しました。答弁では「要綱集に掲載する」と明言。しかし市役所窓口に置いて、市民が自由に手にすることができる措置をとることには、難色を示しました。小金井市の「行政手続条例」では、「審査基準を公にしておかなければならない」と明記しています。私は、この条文を示し実現を迫りましたが、総務部長は「行政手続条例では『公』という言葉を使っている。『公表』と『公』は意味が違う。『公』は“審査基準を秘密にしない”ということであり、要求があった場合は見せられる状態にしておくというのが『公』である」と、解説しました。『公表』ではなく『公』なので、窓口に置かなくてもいいというのです。しかし問題なのは、基準を記した文書があるかどうかさえわからない市民がいるということ。あることさえ知らなければ、窓口で「見せてほしい」とはなりません。『公表』と『公』がどう違うのかが重要なのではなく、市民が知らされていないことが問題なのです。そこを何故、市役所側はわからないのでしょうか。おな、この「減免判定基準」は、今から25年前につくられたもの。ところがこの25年間、一度も見直されていません。「要綱集」に掲載する時には、今日の市民のくらしの実態に合致したものに改めることは当然です。
次に、国保税。3年半前の2004年3月議会の一般質問で私は、国保税の減免基準の緩和を求め、あわせて規定の整備を要求しました。これを受け、担当の保険年金課は1年かけて基準の見直しや整備を行ない、翌2005年4月に要綱を新たに整備しました。そのこともあって、市民税とは比較にならないほどに整備されています。小金井市は、国保税の納付書・通知書に「減免制度のお知らせ」を同封しています。しかし、お知らせの内容は条例にうたわれている項目のみで、条例の項目を具体的に記した「要綱」部分は広報されていません。そこで私は、要綱部分含めて広報すべきと要求しました。しかし、保険年金課長は「要綱の項目だけで減免に該当するかどうかの判断は難しい」「個々の事情に基づいて行なわれる」との理由で、要綱部分まで広げて広報することに難色を示しました。しかしこれも市民税と同様に、条例の漠然とした項目だけでは、自分がこの規定にあてはまるのかどうかの判断がつかず、結局は一歩前に足を踏み出すことが難しくなります。答弁内容は納得できません。
減免制度は、市民からの申請手続が前提となります。減免制度の周知徹底とあわせて、制度を利用しやすくすることが必要です。そのためにも、減免申請書を市民の手の届く市役所窓口に設置し、自由に持って帰られるようにすべきです。しかし国保税・市民税ともに、「減免基準に合致するかどうかで、何度も市役所に来てもらうことになってしまうから」と難色。「機械的に申請書を渡すことはできない」と答弁しました。けれども、北九州市の生活保護を受けられずに餓死した事件では、申請書を渡さずに窓口でいろいろ説明して、それで市民が諦めて帰って餓死するという事態になっています。申請書を渡さずに、申請前に調査や指導を行なうというのは、結局は申請を抑制することにもなりかねません。「まずは申請を受ける」 そのことが重要だと、私は考えます。
2つ目の「高齢者・障害者の住み替え時における公的保証人制度の確立を」は、すでに小金井市の「障害者計画」で「平成17年度から19年度にかけて検討する」と明記されており、福祉保健部長も「そんなに遠くないところで、形を示したい」と答弁。早期の制度確立を求めるところです。なお、公的保証人制度は三多摩26市のなかで導入されているのは8市、今年10月から実施されるのが1市となっています。
一般質問は前述したように、議長以外の議員23人に保障されています。しかし、この権利をほとんど行使しない議員もおり、なんのために議員になったのかと首をかしげたくなる人もいます。一方、税金問題は制度がなかなか複雑で、この種の質問を行なう議員もあまりいません。私自身この間、税金に関わる質問を何度か行なってはいますが、勉強が不十分で二の矢がつげずに質問を終わることがしばしばです。ぜひ多くの議員が税金問題を取り上げ、頭の悪い私を刺激していただければと思います。なお、今回、私が一般質問時に作成した「小金井市の市民税・国保税の減免規定調べ」をPDFファイルで掲載しますので、ご覧ください。
2007年9月議会 安全・安心まちづくり条例
小金井市が9月市議会に「安全・安心まちづくり条例」を提案してきました。同様の条例は9月時点で三多摩15市で制定され、東京都もすでに制定済みとなっています。
小金井市においては、昨年(2006年)3月市議会の一般質問で与党議員から条例の制定を求める質問が行なわれ、それを受ける形で小金井市は同年4月、警視庁から現職警察官を「人事交流」の名目で当時の防災交通課に係長職の待遇で招致。そのもとで「安全・安心まちづくり条例」の準備がすすめられていきました。
小金井市の条例は第1条の「目的」で、「犯罪を防止し、もって安全で安心して暮らすことのできる小金井市を実現する」と明記するように、「防犯」に主眼を置き、そのために、防犯協会や警察、消防署などとの密接な連携を図ることをうたっています(第2条)。第4条以降では市民や事業者等に対して「市が実施する施策に協力するよう努めるものとする」との努力規定を設け、「安全・安心まちづくり」の推進を図るために、委員20人で構成する「協議会」を設けるとうたっています(第6条)。
私の最大の関心事は、警察関係者が加わる「協議会」で議論されたものを、小金井市がどのように扱っていくのかということ。質疑のなかで小金井市は、「協議会から出された提言は、最終的には私たちの方で検討していく」と述べ、「市民の権利に関わる部分が出てくれば、別途、条例化していくことになる」と述べました。つまり、「協議会」が市民の権利制限に関わる施策を求めた場合には、この条例とは別に、権利制限をうたう条例を制定することがありうるということ。すでに「安全・安心まちづくり条例」が制定された三多摩の自治体の中には、市民の基本的人権や権利を制限する条文をうたったところもでており、小金井市においても、同じような状況がつくられる恐れが出てきました。
すでに小金井市は、現行においても「安全・安心まちづくり」のための様々な施策をすすめており、条例を制定せずとも、一定の効果をあげてきています。また、多摩市や狛江市、稲城市では条例を制定せずに「協議会」のみを立ち上げ、「安全・安心まちづくり」のための具体的な施策を展開しています。条例に賛成する議員は、条例の制定で犯罪が抑止できると主張していますが、自治体と住民の「安全・安心のまちづくり」にむけた自主的な取り組みによって犯罪は抑止されているのであって、条例がないために犯罪が増えるというものではなく、条例があることで犯罪が抑止できるというものでもありません。ようは、市民と自治体の主体的な取り組みが、地域の犯罪の目を断ち切る大きな要素となっているわけです。
条例に対しては、審議された委員会に修正案が出されました。しかし、その内容は評価に値するものではなく、賛成少数で否決されました。一方、市長提案の原案は、委員会でも本会議でも賛成多数で可決され、6カ月以内に施行されることとなりました。以下、私が本会議で行なった反対討論を掲載しますので、ぜひご覧ください。なお、小金井市が委員会に提出した関連資料の一部をPDFファイルで掲載いたします。
[安全・安心まちづくり条例への反対討論]
日本共産党市議団を代表して、本条例の制定に反対する討論を行ないます。
昨今の、凶悪犯罪が全国いたるところで起きていることに対して、市民のなかに不安が起こり、行政として何らかの対応策をとることは当然のことです。そのために小金井市は現行の仕組みのなかでも、教育委員会をはじめとする様々な取り組みを展開し、犯罪防止への効果をあげているところです。
今回、小金井市が提案してきた「安全・安心まちづくり条例」は、「犯罪を防止し、もって安全で安心して暮らすことのできる小金井市を実現する」とうたいつつも、「防犯」のための具体的なことがらは来年2月に設置予定の「協議会」に議論を委ねるものとなっており、本会議や委員会の質疑で小金井市は、協議会から提言を受けたものを担当部局で具体化するとしています。
「協議会から、市民や事業者の権利・自由を規制するものが提言された場合、どうするのか」との質問に対して小金井市は「市民の権利にかかわる部分が出てくれば、別途、条例化していくことになる」と述べており、今回の条例では市民や事業者に対して、犯罪抑止にむけた市の施策への協力を求めるという規定にとどまっていても、別の条例で市民・事業者の基本的権利やプライバシーを規制していくものが出てくる可能性を含むものとなっています。現に、すでに条例が制定されている自治体の中には「公共の場における禁止行為」を明文化し、行政の判断で市民の権利・自由を規制することがうたわれているところもでており、その自治体では、市民のなかに批判や疑問の声が上がっています。
「安全・安心まちづくり条例」は、石原都知事のもとで副知事をつとめた警察官僚出身者の要請にもとづき各地でつくられ、各自治体では警察関係者が中心になって施策を練り上げていく状況が生まれています。そのことから市民を取り締まりの対象、規制の対象としていく条例がつくられている自治体が生まれているのも事実です。
すでに東京都においても「安全・安心まちづくり」条例が制定されており、屋上おくを重ねるようなものは、あえて必要ではありません。しかも、警察が行なうべき「防犯」の仕事を自治体が肩代わりするものともなりかねず、場合によっては、自治会・町会が行政の下請け的役割を担わされることにもなりかねません。
東京都内の犯罪件数は減少傾向にあります。都内各地で市民参加で地域のコミュニケーションづくりがすすめられ、犯罪が起きにくい地域づくり、犯罪の根を断ち切る地域づくりがすすめられているからです。条例をつくれば犯罪が減るのではなく、市民参加による地域のコミュニケーションの輪を充実させていく取り組みが、犯罪の起きにくいまちづくりをつくりだしているのです。
犯罪を根本から断ち切っていくためには、犯罪を生み出す温床となっているリストラ・合理化や低賃金、長時間労働、お金がすべてというような風潮のあり方など、人間の心と暮らしをむしばむいまの社会のあり方をただしていくことが大切です。同時に、あいもかわらず後を絶たない「政治とカネ」をめぐる不正や疑惑など、政治家みずからが国民に対してエリを正し、模範を示していくことが必要です。
「安全・安心のまちづくり」にしていくための施策を充実させることは当然です。しかし、条例で上から決めていくというやり方ではなく、これまでのように、教育関係者や自治会・町会など地域住民をまじえてすすめてきた、市民参加のまちづくりにしていくことこそ大切であり、現在ある施策を市民と協力してさらに充実させていくことが、犯罪が起きにくいまちづくりへとなっていきます。
本条例に対しては修正案が提案されましたが、上から規制していくという観点は市長提
出原案と基本的に変わらず、しかも「防犯」のみならず「災害」「薬害」「交通事故等」にまで範囲を拡大し、このことによって、対象となる市民や事業者も拡大する結果となっています。よって、修正案自体も評価できるものではありません。
条例で上から決めていくという考え方ではなく、市民参加で現行の施策を練り上げ、充実させ、地域住民が行政とともに犯罪の起きにくい地域づくり、住民のコミュニケーションがすすむまちづくりを自主的に取り組んでいくことが、なによりも求められています。よって、このような条例はつくる必要はなく、本条例の制定に反対するものです。
2007年9月議会 国保税・介護保険料の値下げ条例を採決
9月議会終盤の9月28日、日本共産党市議団が提出した国保税の引き下げ条例(市税賦課徴収条例の一部を改正する条例)と、介護保険料の引き下げ条例(介護福祉条例の一部を改正する条例)の本会議採決が行なわれました。
採決にあたり国保税の引き下げ条例には、党議員団の水上洋志議員が、介護保険料の引き下げ条例には私・板倉真也が賛成の討論を行ないました。残念ながら、いずれの条例改正案も賛成少数(国保税は賛成10人、反対13人。介護保険料は賛成9人、反対14人)で否決されましたが、引き下げ条例に反対する議員は質疑でも討論でも何ら異論を述べることがなく、単に、昨年4月からの値上げに賛成しているとの理由だけで、引き下げ条例に反対する始末でした。なお、私が本会議場で行なった「介護福祉条例の一部を改正する条例」に対する賛成討論内容を以下に掲載しますので、ご覧ください。
[介護福祉条例の一部を改正する条例への賛成討論]
日本共産党市議団を代表して「介護福祉条例の一部を改正する条例」への賛成討論を行ないます。
本条例は、介護保険料第2段階を昨年4月の値上げ前の第1段階と同額に、第2段階以外の第1段階から第6段階までの保険料を値上げ前の額に引き下げるものであり、市民負担を軽減させる、市民にとって待ち望まれた提案となっています。
小金井市は昨年4月から、介護保険料を平均で12.5%・予算ベース総額で 9,518万6千円、値上げしました。同時に、国民健康保険税は 8.7%も値上げされ、この年から始まった庶民への大増税、医療費負担増と合わさって、市民の暮らしに大打撃を及ぼす事態となりました。
介護保険料を値上げする時の小金井市の説明は、現在の保険料では介護保険特別会計が立ち行かなくなるというものでした。ところが今年9月に発表された昨年度決算では、介護保険会計は1億7,476万6千円の黒字。しかも、予定していた基金からの繰入金4,567万円を繰り入れず、財源補てんのために予定していた一般会計からの繰入金も、4,181万1,963円、繰り入れずにすみました。つまり、介護保険料を値上げせずとも、介護保険会計は成り立って行けたということにほかなりません。
昨年度は制度改定によって「介護予防」の利用が大きく下がり、なかでも「介護予防サービス給付費」は大幅に減少しました。そのことは決算の「主要な施策の成果に関する説明書」で、「保険給付費の対前年度比の減少は、平成12年度に介護保険制度が施行されてから初めてのもの」と総括されているところです。保険料は上がり、サービスは利用しにくくなる。これではたまったものではありません。
日本共産党市議団が今回提案したものは、8段階まである介護保険料のうち、中・低所得者部分の第6段階までの保険料を値上げ前に戻すというもので、値下げ対象者は被保険者の92.1%、総額 9,372万円で可能というものです。先程述べたように、昨年度の介護保険会計は1億7,476万もの黒字となっており、財源は充分にあります。
景気は上向きになっているとの政府の説明とはうらはらに、非正規雇用の増加やワーキングプアの拡大、生活保護受給者の増大など、所得格差はさらに拡大しているなか、暮らしを応援する施策がいまほど求められているときはありません。医療費負担ではすでに「現役並みの所得がある」とみなされた人は医療費が3割負担とされ、来年4月からは75歳以上を一つの医療制度に取り込む後期高齢者医療制度がスタートし、国民健康保険税より2倍も3倍も高い保険料を徴収されようとしています。
こうした時だからこそ、住民の一番身近な自治体が、住民の暮らしを守るために頑張ることが必要です。値上げする根拠が崩れた介護保険料を値上げ前に戻す条例は、だれがみても当然の措置です。ぜひ多くの方々がご賛同いただけますようお願いしまして、賛成討論とさせていただきます。
2007年9月議会 国保税と介護保険料の値下げ条例を提案
日本共産党市議団は9月定例市議会に、国民健康保険税と介護保険料の値下げ条例を提案しました。国民健康保険税は「みどりの風」が共同提案に加わり、介護保険料は我が党の単独提案です。
小金井市は昨年4月、国民健康保険税を平均8.7%・総額で2億1,917万1千円(予算ベース)、値上げしました。理由は「国保財政が厳しく、このままでは運営に支障が生じるため」。ところが今年9月に発表された昨年度決算では、国保会計は1億9,271万4千円の黒字に。しかも、財源補てんのために予定していた一般会計からの繰入金も1億8千万円、繰り入れずにすみました。
日本共産党市議団は、1億9,271万4千円の黒字分を高すぎる国保税の軽減に充てようと、低所得者の大きな負担となっている「均等割」の軽減策を重視。「均等割」を値上げ前の金額に戻す条例(値下げ総額 1億5,553万9,423円)を提案しました。ただし、来年度から医療制度が大きく改編されることをふまえ、値下げの適用は今年度一年限りとしました。
介護保険料についても、小金井市は昨年4月、平均で12.5%・総額で9,518万6千円(予算ベース)、値上げしました。ところが今年9月に発表された昨年度決算では、介護保険会計は1億7,476万6千円の黒字に。しかも、予定していた基金からの繰入金 4,567万円を繰り入れず、財源補てんのために予定していた一般会計からの繰入金も、4,181万1,963円、繰り入れずにすみました。
日本共産党市議団は、1億7,476万6千円の黒字分を中・低所得者の介護保険料の軽減に充てるために、保険料第2段階を値上げ前の第1段階と同額に、第2段階以外の第6段階までの保険料を値上げ前の額に減額する条例(値下げ総額 9,372万7,200円)を提案しました。
9月13日の厚生文教委員会では、ほとんど質疑もなく、いずれの条例案も賛成少数で否決されてしまいましたが、誰一人として、値下げ条例案への疑問・注文を出すことができず、我が党議員団の条例提案の正当性を浮き彫りにする結果となりました。なお、提案した条例概要をPDFファイルで掲載しましたので、ご覧ください。
※写真は、国保税値下げ条例を本会議で提案した時のものです。
2007年6月議会 自民・遠藤百合子議員の業者斡旋問題
自民党の遠藤百合子市議会議員が小金井市役所に特定の業者を斡旋していた―――6月27日付の各新聞の武蔵野版に登場した記事は、多くの市民を驚かせた。私にも「遠藤議員のことが大きく載っていましたね」とか、「いったい、どういうことですか」などの質問が少なくない人から寄せられた。
ことの発端は、市民から我が党議員団に「遠藤百合子市議会議員が特定の生ゴミ処理機を紹介するチラシを配布していますよ」という情報が寄せられたことによる。小金井市では今年4月から、生ゴミ処理機購入者に対して購入経費の最大8割を助成する事業をスタートしている。そのもとでの遠藤議員の行為は、「市が行う業務に関し、特定の企業、団体、個人等のために有利な取り計らいをしないこと」と定める「小金井市議会議員の政治倫理に関する条例」に違反するのではないか・・・・。日本共産党市議団は6月11日の会派等代表者会議でこのことを指摘し、議長に調査を要請。同時に、条例にもとづき本会議での弁明を遠藤議員に求めた。
6月26日、遠藤百合子議員は「小金井市議会議員の政治倫理に関する条例」の「その責任を明らかにするため、自ら誠実にその事実を解明し、直近の本会議において弁明しなければならない」にもとづき、弁明を行った。議員いわく、(1)4月初旬から6月初旬にかけて100枚程度のチラシを市内数箇所で配布した、(2)某スーパーの要請に応え、特定の電動式生ゴミ処理機を紹介した、(3)市役所ごみ対策課に業者を引き合わせ、講演会講師として市内団体に紹介した、(4)業者との間に金銭の収受はない、というもの。
議会でだれもが驚いたのは、(3)の「市役所ごみ対策課に業者を引き合わせた」ということ。それまで得ていた情報を超えたものが、本人の口から飛び出したのである。
議会ではその点を中心に事実解明に向けた質疑が行なわれた。わかったことは、(1)4月9日、遠藤議員が市役所ごみ対策課に生ゴミ処理機を扱う特定の業者を引き合わせ、ごみ対策課は業者から消滅式の生ゴミ処理機の説明を受けた、(2)4月12日、ごみ対策課のもとに遠藤議員から「自身の市政報告会で使用した消滅式の生ゴミ処理機が貫井南センターに置いてあるので取りにきてほしい」との連絡が入った、(3)4月13日、ごみ対策課が貫井南センターに生ゴミ処理機を取りにいった、(4)4月16日、遠藤議員から言われて貫井南センターに取りにいった生ゴミ処理機が、市役所ごみ対策課の窓口カウンターに展示された、(5)4月17日、遠藤議員が引き合わせた業者が、「小金井市の全面支援」と記した消滅式の生ゴミ処理機の紹介チラシを市内で配布しはじめたため、ごみ対策課は窓口で展示していた処理機を職場の隅に引っ込めた、(6)しかし、その処理機は現在も、ごみ対策課の隅で実験用に使用されている、(7)ごみ対策課では、この一連の措置に対して事務連絡文書を一切作成せず、課内の独断で対応していた、(8)遠藤議員に言われて取りにいった処理機の所有者は「ジェネシス」という業者であるにもかかわらず、ごみ対策課はこの業者との間で、処理機貸し借りの契約書を結んでいなかった、(9)遠藤議員は4月12日に貫井南センターで市政報告会を開き、その場に「ジェネシス」の消滅型生ゴミ処理機を展示し、市政報告会に参加した市民に紹介をしたというもの。
しかし遠藤議員は「政治倫理に関する条例」にもとづく弁明では、この事実を述べず、本会議での市当局との質疑のなかで実態が判明するという状況であった。前述したように「政治倫理に関する条例」では「自ら誠実にその事実を解明し」となっている。遠藤議員の対応は、あまりにも不誠実である。他にも隠された事柄があるのではないだろうか。
本人は「金銭の収受はない」と述べているが果たしてそうであろうか。業者側は遠藤議員を通じて、自らの利益をあげるために市役所に取り入ろうとしていた。だから、ごみ対策課が処理機を展示した翌日から市内に「小金井市の全面支援」とのチラシをまきはじめたのである。そもそもこのチラシ、何日も前から準備していなければ対応できるものではない。遠藤議員は自民党の議員である。国政でも各自治体でも、自民党議員にまつわる汚職事件は枚挙にいとまがない。「金銭の収受はない」との言葉に、どれだけの市民が納得するであろうか。遠藤百合子議員!。あなたは条例にもとづき、どこまで事実を語っているのか?。市民の疑いの目が消えていないことを真摯に受け止めるべきである。
6月28日、市議会は「遠藤議員に反省を求める決議」を可決した。しかし自民党議員は5人全員が採決にあたり退席をした。自民党が市民に対して今回の問題を申し訳ないと感じているなら、自らの所属議員の問題ではあっても賛成し、市民に対して真摯に対応すべきである。遠藤議員のみならず、自民党全体が反省していないことを示す結末であった。
2007年6月議会 消えた年金問題
6月13日付の「朝日新聞」に「納付記録、191市町村が廃棄」という記事が掲載された。厚生労働省が行なった「2001年度末まで国民年金保険料を徴収していた自治体を対象にした納付記録の保存状況調査の中間集計の内容」というもので、「全1,827市町村のうちすでに廃棄したと回答した自治体は191」と記されている。問題なのは「これら191市町村で国民年金の保険料を納めた人で、社会保険庁にその記録が残っていなければ、それを確認する有力な手段が減ることになる」こと。
私はこの記事をもとに、6月18日の予算特別委員会で小金井市が記録を保持しているかどうかを質問。答弁は「被保険者名簿の台帳は保管していない。平成14年度から国の直接執行事務となり、市の保管義務がなくなったことから」。しかし「社会保険事務所で被保険者名簿台帳の紙ベース記録をデーター化し、マイクロフィルム化している」「そのデーターは、小金井市に配信されている」とのこと。同時に「国民年金の過去の記録も現在の記録も小金井市で保管している。ただし、国民年金から厚生年金や共済年金に移った人は、国民年金以外の部分については小金井市では把握していない」。つまり、国民年金の加入記録は、小金井市でデーターを持っているということ。ただし「年金支給がスタートしている人の記録は持っていない」と付け加えた。
国に執行事務が移管する2002年度以前までは小金井市でも、国民年金の資格取得・喪失、国民年金加入者の転入・転出業務などを扱っており、国民年金保険料の納付書発行業務や確認作業等も行なっていた。それが2002年度からは、国民年金保険料の納付書発行業務や保険料徴収業務を取り扱わなくなった。
小金井市の保険年金課では「国民年金資格の確認と納付の確認は小金井市で対応できる。しかし厚生年金や共済年金については、社会保険事務所に問い合わせてほしい」と説明。「消えた年金」報道以降、一日平均21件の割合で、市の保険年金課に市民から問い合わせが寄せられているという。老後の生活に直接響く年金問題。社会保険庁の体質改善とともに、「消えた年金」を生み出した菅直人元厚生大臣以下、この10年間の厚生労働大臣の責任は重い。
2007年6月議会 住民税大増税に対する減免措置を
3年前に自民・公明が強行した庶民大増税が、昨年に続き今年も市民の家計を直撃しています。政府は「税源移譲によって、所得税と住民税とを合わせた全体の税負担が変わることは基本的にありません」と宣伝していますが、定率減税の廃止で全ての納税者が増税になることを認めざるを得なくなりました。
同時に、昨年とくらべて今年が大幅に所得が減る人の場合、税源移譲によるものだけでも、所得税と住民税合わせた額が増税になることが明らかになりました。所得税は今年の所得をもとに計算し、住民税は前年の所得をもとに計算するからです。
政府は地方税法を改定し、今年の収入が所得税の課税最低限以下にまで低下した人(今年の所得税がゼロになる人)を対象に、今年度の住民税額を税源移譲前の低い税率で計算する制度を導入。しかし、納税者本人が各自治体に申告することが条件とされ、申告受付も来年7月というありさまです。
一番の問題は、今年の収入が大幅に減っているのに、税源移譲で2倍にも3倍にもなった住民税を今年度、支払わなければならないこと。今年、年金生活を迎えた人やリストラされた人、年収が大幅に減少した人は、住民税を払うにも払える見込みがありません。
小金井市は、低所得者への市民税の減免要求に対して条例でうたう「特別の事由がある者」で対応すると述べていますが、この規定が活用されたことはこれまでに皆無です。住民税を減額せよの怒りの声を挙げていくことが求められています。
2007年6月議会 住民税増税に悲鳴続出
小泉政権時の2004年、自民・公明は大企業の減税を継続する一方、庶民には増税を押しつける税制改定を強行しました。税制改定による庶民増税は昨年から本格化し、今年は定率減税の廃止と所得税から住民税への「税源移譲」によって、住民税(市・都民税)がいっきに跳ね上がりました。
小金井市は6月6日、住民税の納付書を25,785人に送付。翌7日から12日までの6日間に「どうしてこんなに高くなったのか?」「何かの間違いではないのか」の問い合わせや抗議の声が、電話で650件余、市役所窓口での直接の対応で250件にのぼりました。それでも市の担当者いわく「昨年のほうが件数は多く、苦情や抗議もすごかった。今年はマスコミで事前のPRがあり、市民はある程度、予測していたのではないか」と述べています。
3月の市議会に小金井市は、税制改定による今年の増税の予測数値を議会に示しました。それによると、定率減税の廃止で市民税が3億7,624万6千円の増、所得税から住民税への税源移譲で市民税が1億8,808万円の増、65歳以上の住民税の非課税限度額の段階的廃止で市民税が420万円の増というもの。また、影響総額は示さなかったものの、介護保険料と国民健康保険税の激変緩和措置による今年度の個人負担アップ状況も示されました。
市議会開会中の6月8日、私は3月市議会に示された資料も示しながら、負担増に苦しむ市民のくらしを守るために負担軽減策を拡充するよう要求。しかし市長は「市民には負担能力に応じて負担していただく」と述べ、新たな軽減策をとる考えは示しませんでした。また、「生活保護水準以下の収入しかないにもかかわらず、生活保護を受給していないために課税義務を負っている人の住民税を免除する仕組み」を求めたところ、税務担当部長は「条例にうたわれている『特別の事由がある者』を適用し、ケースバイケースで対応していきたい」と述べました。
いま、若者だけでなく中高年含めて「ワーキングプア」とよばれる「まじめに働いても生活保護水準以下の生活しかできない貧困層」が激増し、その数は10世帯に1世帯にまでなっているとされています。そんななかで、厳しい生活を強いられている人たちに対して行政が手をさしのべていくことが今ほど求められているときはありません。税務担当部長は条例の「特別の事由がある者」を適用し、ケースバイケースで市民税の減免に対応していくと述べていますが、この事項を適用して市民税を減免したケースは「ない」という状況。若者や働き盛りであれば、生活保護受給を申請しても申請前の段階で「仕事を探しなさい」と指導され、申請すら受け付けてはくれません。仕事を探した結果、パートや派遣、アルバイトしかなく、「ワーキングプア」に追いやられているのが現実です。「特別の事由がある者」が今日まで適用されてこなかった最大の原因は、窓際で追い返されているからではないでしょうか。若者の生活は今日、大変になっています。そのことを証明するように、2005年度の小金井市の国民健康保険税は、20歳台の33.06%が滞納、30歳台は25.28%が滞納する状況となっています。
小金井市には「ネットカフェ」が3件あると言われています。お隣の国分寺市のネットカフェには寝泊まりしている青年も存在し、すでに2年間くらいそこを宿泊施設にしている者もいるとのことです。増税・負担増はサラリーマン世帯や高齢者世帯を直撃し、年金も国保税も住民税も払えず、生活保護以下の収入でその日その日をかろうじて生きている若者が街中であえいでいます。それでも日本は「経済大国」だと言われているのです。
2007年3月議会 新年度予算への態度
2月21日にスタートした3月議会は会期を一日延長して、3月21日に終了しました。2月21日の本会議初日には閉会中委員会で結論を出した4件の陳情書と、当日市長から提案された2件の議案の採決が行なわれ、3月2日には議員提案の政府に対する意見書1件の採決が、3月20日には市長提案の議案24件と議員提案の議案4件、市民からの陳情書14件が採決されました。また会期を1日延長した翌21日の最終本会議では議員提案の国や東京都に対する意見書8件と議員提案の議案1件、市民からの陳情書21件が採決されました。
今議会の特徴は、第一に、市民からの陳情書が多数寄せられたこと。その結果、今議会では、市財政に大きな負担を負わせるだけでなく、地権者の十分な合意も得ずに強引にすすめようとしている武蔵小金井駅南口再開発事業に関わる陳情書19件と、10年以上も前から対策を求められながら、今日に至るもドタバタを繰り広げている新焼却施設建設問題に関わる陳情書10件が、本会議での採決に付されました。
第二に、陳情書の件数にみられるように、議会論戦では、施政方針に対する質疑でも、一般質問でも、各委員会の質疑においても、武蔵小金井駅南口再開発事業やゴミ処理問題に対する論戦が激しく展開されました。また、ゴミ処理問題では新聞各紙が報道し、民放2局のテレビ番組で取り上げられたこともあり、市内外で大きな関心を呼ぶこととなりました。
第三に、小金井市議会史上初めて、経済的援助の充実を求めた議員提案の条例が全会一致で可決・成立したこと。条例名は「私立幼稚園等園児保護者補助金の交付に関する条例」。日本共産党市議団が条例を作成し、2005年6月、昨年3月、そして今回と、3度目の提案となったものです。厚生文教委員会では自民・公明が反対したものの、委員会で退席した民主党が本会議では賛成に回ることが明らかになり、自民・公明も枕をならべて賛成しました。このことにより今年10月から、市補助金月額2,800円が3,200円に400円アップされることになりました。
第四に、議員提案の国や東京都への意見書が全て可決されたこと。今議会では9件の意見書が提出され、日本共産党市議団は「柳沢厚生労働大臣の辞任を求める意見書」「ホワイトカラー・エグゼンプションを導入する労働法制改悪案の撤回を求める意見書」「最低賃金の抜本的な引上げと全国一律の制度とすることを求める意見書」の3件を提出しました。
第五に、新年度予算に対する組替え案もしくは修正案を提出したのが日本共産党市議団以外にいなかったこと。これまでは「みどりの風」も提案してきましたが、今回は我々のみとなりました。組替え案や修正案は、その政党や議員が、市民生活をどのように改善し充実させようとしているのかを議会内外に知らせる、一番のバロメーターです。当初予算に賛成できない場合は、本会議での討論でその理由を述べるだけでなく、「自分だったら、このような予算を組む」という対案を示すことが、あるべき姿ではないでしょうか。
なお、新年度予算に対して民主党は全員が賛成しました。新年度予算は市長の年間の市政運営の根幹を示すものであり、それに対する態度は、市長の市政運営を「了」とするのか「否」とするのかの大きな基準となります。その新年度予算に賛成した民主党議員のうちの2人が、なぜか現市長に対抗する新人市長候補の応援を行なっています。この議員2氏の政治感覚はどうなっているのでしょうか。ようするに、現市長でも新人候補でも、この2氏にとってはどちらが市長になっても受け入れられる中身ということでしょう。モラルハザードもここまできてはおしまいです。
余談。「私立幼稚園等園児保護者補助金の交付に関する条例」の可決は、市側にとっては寝耳に水でした。可決された3月20日、この条例を扱う担当部局の課長は家族に病人が出たことから休暇を取得。翌21日が「春分の日」の休日のため、22日になって出勤した課長の耳に「条例が可決」の報。「頭の中がパニックになりました」と課長の言葉。何故なら、現行の金額で予算化しており、現行の金額で書類を作成しているからです。「早ければ6月議会に補正予算を提出し、合わせて条例の改正をお願いしなければなりません」と言う。条例を改正する理由は、議会が可決した条例が、園児保護者補助金の金額を条例に明記しているため。補助金は東京都と小金井市がそれぞれに支出しており、東京都が支出する金額は「所得の基準」に応じて決められています。その「所得の基準」がここにきて毎年変更されているのです。その理由は、政府の定率減税の半減や全廃、各種税制度の改変により、保護者が受けていた補助金額が従来よりも下がることのないように、東京都が調整しているからです。東京都は4月に、新たな「所得の基準」を提示してきます。条例変更がいやおうなしに迫られます。
条例の趣旨を生かすのではあれば、議員提案の条例を否決し、かわりに小金井市が行なっている「要綱」の手法で、要綱の規定を条例の内容と同じものに変更し、今年10月から要綱の変更によって月額400円アップを実施していくものなのでしょう。しかし、与党サイドはその道をとらず、条例賛成に歩調を合わせてしまった。しかも、部局と一切協議せずに。担当課長は私の前で頭を抱えて嘆くばかり・・・・。
2007年3月議会 約束反故『学校給食委託で捻出した財源の使い道』
昨年9月から小金井市は、市立中学校5校のうちの2校(第一中学校と第二中学校)で、学校給食調理業務を民間委託するようになりました。昨年度は年度途中のため、委託経費は2校合計で2,718万5千円(予算)。2007年度は年間経費となり、第一中学校が2,000万円、第二中学校が2,100万円となっています。委託業者の職員配置は今年3月現在、第一中学校(株式会社 メフォス)が正規調理員3人・パート調理員3人、第二中学校(一富士フードサービス 株式会社)が正規調理員6人・パート調理員1人となっており、市職員が給食調理業務を行なっていた時と比べて、どれくらいの経費節減になるのかの質問に対して「2007年度は2校合計で812万円」と述べています。
小金井市は学校給食調理業務を民間業者に委託するにあたり、昨年6月に各学校ごとに保護者説明会を実施。「民間委託で浮いた財源は、学校給食設備予算に充てる」と述べ、議会の答弁でも「浮いた財源は教育費に充てる」と述べています(2006年12月18日「行財政改革調査特別委員会」での助役)。その「浮いた財源」は2007年度は812万円に。しかし小金井市は、そのうちの557万円を第一中学校と第二中学校の給食用食器の買替えに充て、残額255万円の使途は明らかにしていません。
3月15日の予算委員会総括質疑で私はこの点を指摘。「保護者への説明どおり、全額、教育予算に充てろ」と主張しました。ところが企画財政部長は「財源捻出額の2分の1以上を充てるということになっているので、残額は他の予算に充てる」と答弁。保護者にも議会にも述べてこなかった「2分の1以上」を突然、口にしました。小金井市の計画では、早ければ来年4月から残り3校の中学校も給食調理業務を民間委託するとしています。仮に5校全校が民間委託になった場合の財源捻出額は5千万円。「2分の1以上」を教育予算に充てるとなると、半分の2,500万円は駅前大型開発事業で税収が食われていくなか、財源不足となる部門の事業費に回されていくことになります。保護者と議会を欺いてまで学校給食の民間委託を強行した稲葉市政は、許すことができません。
2007年3月議会 東京都の主税職員が市を指導
「市税収入アップのため」(2月28日の市長の言葉)、小金井市は今年1月から2月まで東京都主税局の徴収部門職員3人を市役所に受け入れ、市税滞納分の徴収業務の指導を仰いでいたことが3月議会のなかで明らかになりました。小金井市が受け入れていた期間は1月4日から2月28日までの2カ月間。納税部門を中心に東京都が2004年度から2006年度までの3カ年計画で実施しているもので、要請を求めてきた自治体に対して東京都が派遣する制度です。身分は、東京都職員と小金井市職員の併任で、東京都が人件費を出しています。
小金井市は昨年12月中に、滞納者の困難ケースを抽出。1月4日から東京都職員を受け入れ、滞納者の徴税対応をすすめました。“成果”は、相手方の了解を得ての家宅捜索が2件、土地の差し押さえによる公売が2件となり、その結果、滞納分の一括納付が1件、土地の公売・入札により売れた土地の代金で滞納分を納付したのが1件となりました。捜索には主税局職員も同行しました。
自民党・公明党の悪政のなか、所得格差が拡大しています。日本共産党市議団は、税金を納める能力のある人が滞納をすることは問題だと考えますが、収納率アップのために、滞納者の実情を踏まえない対応があってはならないと主張しています。党市議団のもとには、滞納分を催促する市の対応への苦情や不安の相談が寄せられています。東京都の指導のもと、行き過ぎた対応にならないように、目を光らせていくことが必要です。
飲酒運転に対する小金井市職員の懲戒処分基準
2006年12月11日、小金井市は「小金井市職員の懲戒処分に関する指針」を発表しました。この「指針」は、地方公務員法第29条に規定する「懲戒処分」に付すべきものと判断した事柄について、処分の内容を決定するにあたっての参考にするために設けたものです。
「指針」の特徴は、昨今の公務員の飲酒運転にまつわる不祥事を念頭に、「飲酒運転」に関わる処分規定を設けたこと。しかし、その内容は「酒酔い運転『免職せず』も」と新聞に報道(2006年12月14日付「読売」)されるように、市民感覚からは不十分な内容になっています。例えば「飲酒運転で人身事故を伴うもの」において、『酒気帯び運転で人に傷害を負わせた場合』や、『飲酒運転であることを知りながら、これに同乗した場合または、同乗しない場合でそれを容認した場合』でも「停職」処分で済む場合があり、同じく「飲酒運転で人身事故を伴うもの」において、『飲酒運転となることを知りながら他の者に酒類を提供し、または飲酒を勧めた場合』でも「停職または減給」で済むことがありうることです。一方、人身事故にはならなくても、交通法規を違反した場合はどうなるか。『酒酔い運転をした場合』は「免職または停職」、『酒気帯び運転をし、または著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした場合』でも「停職または減給」と規定されています。
「酒気帯び運転や酒酔い運転程度で免職は厳しすぎる」との意見があるかもしれませんが、公務員という仕事の性格・役割を考えてみれば、そうはいかないと思います。なぜなら、公務員は公僕だからです。公務員は市民の暮らし向上やスムーズな生活を送れるように働き、あるいは、保育園や学童保育所の入所の可否の判定、税金・使用料・手数料の徴収および行政処分など、市民のくらしを左右する業務を行なっています。そしてその対価として、市民の税金で生活を保障されています。その公務員が飲酒運転をしても、人身事故でなければ情状酌量がはたらき免職を免れるというのでは、税金を収めている市民は納得できるものではありません。
そもそも「酒酔い運転」も「酒気帯び運転」も道路交通法では「飲酒運転」であり、重大な違反行為です。職員の給料が高いから給料、手当て、一時金、退職金を下げろという範疇のものではありません。「酒を飲んでハンドルを握る」行為そのものが、法的に問われるわけです。同時に、自身がハンドルを握らない場合であっても、相手が飲酒運転を行なうことが見込まれる状態においては、ハンドルを握ることをやめさせる対応をとることも、公僕としての当然の役割だと考えます。
私は、3月7日の小金井市議会総務企画委員会で小金井市の「指針」の問題点を指摘し、見直すことを求めましたが、総務部長は「『指針』はあくまでも基準であり、停職や減給になると決まったものではない」と述べる程度。しかも「国では法律が厳しすぎるとの指摘を受け、罰則の見直しが始まっている」と述べ、小金井市の「指針」には問題がないという認識を示しました。みなさんは、どうお考えになるでしょうか。
2006年12月議会報告 その1
小金井市は2007年度の当初予算から、「枠配分予算方式」を試行的に導入しようとしています。「枠配分予算方式」とは、削る予算枠を各部局ごとに配分する方式。削減された予算枠が割り当てられるため、その部で新たな財源を必要とする事業や増額が求められる事業が発生した場合は、スクラップアンドビルドで、部内の別の事業を削らなければならなくなります。そればかりか、予算枠そのものがマイナスシーリングで削られているため、既存の事業の縮小を行なわなければならなくなるという代物です。
小金井市は2007年度から教育部と企画財政部で「枠配分予算方式」を導入するとしており、枠配分予算で削減する金額は2006年度当初予算比で6,800万円(削減率△1.44%)。このうち教育部で1,603万8,000円の削減、企画財政部で616万円の削減を予定し、残額は各部署におけるマイナスシーリングで対応する計画です。
なぜ教育部と企画財政部なのか。市の文書によると「教育費として予算の把握が比較的に容易である」との理由から教育部を、企画財政部は「枠予算編成施行部局として枠配分予算編成の問題点を共有し検証することにより今後の改革につなげていくため」との理由で選定されたとしています。
困ったのは教育部。1,600万円もの予算をどのように削ったらいいのか。そこでヒラメイタのが、昨年9月から強行された「中学校2校の給食調理の民間委託による人件費削減分を充てればよい」。2006年12月議会での私の一般質問にたいして教育部長は「学校給食2校の民間委託化で経費が削減できたので、教育部の1,600万円の枠配分予算での削減は達成可能」と答弁しました。しかし待てよ。給食調理民間委託化の保護者説明会でも、この間の議会答弁でも「生み出された財源は、教育予算に充てる」と述べていたではないか。すかさず、後日の厚生文教委員会で同僚議員が、私も行財政改革調査特別委員会でこの点を指摘すると、助役はしぶしぶ「教育費に充てる」と答弁せざるを得ない状況に。しかし、その後の教育部関係者の話によると、助役の答弁とはうらはらに、学校給食2校の民間委託化で削減できた分を、枠配分予算方式による1,600万円の削減経費に充てていく方向になっているとか。裏を返せば、それほどまでに、枠配分方式は無茶な方式であるということになります。いずれにしても、2月21日からスタートする定例議会は、この点でも注意が必要です。
「三位一体の改革で一般財源の確保が厳しくなる」との理由から、小金井市は枠配分予算方式を導入するとしていますが、2007年度の当初予算見込みでは、投資的経費を2006年度当初予算比で22.43%もアップしようとしています。つまるところは、駅前大型開発事業の予算確保のために、教育部と企画財政部の予算を大幅に削減し、マイナスシーリングを全部局にかけるというもの。国の開発優先のお金の使い方と同じ図式になっています。小金井市は、2008年度から全部局での本格実施を検討するとしており、こんなことを許してしまっては市民サービスに多大な影響が生じてきます。すでに小金井市は、これまで77歳・88歳・99歳・100歳以上に支給されていた「高齢者記念品支給事業」を見直すとしており、12月議会の質疑のなかで小金井市は、100歳未満についての見直しを検討していることを明らかにしています。大型開発優先の市政を転換すること以外に、道は残されていません。
いじめ実態報告
小金井市の市立小中学校の「いじめ」件数が56件にのぼっていることが、現在開かれている12月市議会で報告されました。「いじめ」の実態調査は毎年、実施されていますが、「いじめ」を苦にして自殺に追いこれまる子どもたちが後を絶たないなか、改めて、根絶に向けた対応策が求められます。
小金井市の教育委員会は11月8日、市内の市立小中学校長に対して「いじめ」の実態把握を要請。今年4月から現在に至るまでの「『いじめ』を把握した件数」「把握した『いじめ』の中で解決した件数」「現在も『いじめ』解消に向けて取り組み中の件数」を調査するというもの。その結果、11月8日時点で、「いじめ」の件数は、小学校9校全体で24件、中学校5校全体で32件、このうち解決した件数は37件というものでした。また、過去3年間の「いじめ」件数は、2003年度が18件、2004年度が11件、2005年度が12件とされています。
しかし、この結果については、「実態を確実に把握したものではない」との指摘が議会内外から聞かれています。何故なら、小金井市教育委員会の調査は、「小学校はアンケート形式や教員からの聞き取り。中学校は各学校へのアンケート形式」と報告されているように、子どもたちから直に聞き取ったものではないからです。また、「解決37件」についても、「『いじめ』を受けた児童からの聞き取りや、休み時間の児童のすごし方を見て判断した」というように、教師の主観で報告されたもの。そのため市教育委員会は「今後、小中学校ともに、児童・生徒へのアンケートを実施していく」と約束しました。また、週1日しか配置されていない小中学校への「スクールカウンセラー」を、週2日に拡充することも表明。日本共産党市議団が毎年、予算要求してきたことが実現します。
12月市議会には「児童・生徒の不登校人数」も報告されました。それによると、2005年度の不登校児童・生徒は、小学校で22人、中学校で35人となっており、この5年間では、小学校が横ばい状況、中学校は減少しています。
今日の日本は弱肉強食や格差拡大を助長する政治が横行し、子どもから大人まで、不安やストレスに覆われています。自民・公明の政治は「教育再生」と称して、「いじめ」を行なった児童・生徒を処罰することで「いじめ」を根絶させるとしていますが、「いじめ」が起きる背景に手を付けずに、どうして「根絶」できるというのでしょうか。教育基本法の改定では、政府が教育に介入することをうたい、「愛国心」を教育現場で教えることをうたっています。また、来年4月24日には、小学校6年生、中学校3年生を対象に「全国一斉学力テスト」が実施され、テストの成績で、子どもたちや学校を判断する傾向に拍車がかけられようとしています。このようななかで育った子どもたちは、やがて大人になっていきます。学歴や勉強ができるかどうかで人間を判断していく社会を、いつまで続けていくのでしょうか。
国民保護計画(素案)への意見募集
小金井市は10月26日に、「武力攻撃事態」に対処するための「国民保護計画(素案)」を発表しました。計画は第1編「総論」から第5編「緊急対処事態への対処」までの5つで構成され、A4版116ページに及びます。総務省消防庁のモデル計画をもとに、市が契約したコンサルタント業者が素案を作成し、同日の第2回小金井市国民保護協議会に提出されました。
内容を見ると、「武力攻撃事態」に対処するための項目・記述が明記され、海岸線からの敵の上陸侵攻やゲリラ・特殊部隊による攻撃、核・生物・化学兵器を用いた攻撃までも想定。自治会や自主防災会、市内のボランティア団体とも連携しながら、警察や自衛隊をも交えて訓練を行なうとしています。また、武力攻撃事態が発生した場合には死者が出ることも想定し、埋葬や火葬、死体の捜索や処理までを事細かに明記しています。
小金井市は、この計画(素案)に対する意見を11月16日から12月15日までの1カ月間、募集すると述べ、市のホームページに全文を掲載。また、市役所の防災交通課、情報公開コーナー、公民館の各館、福祉会館、婦人会館、総合体育館、図書館本館、保健センターに原文を置き、閲覧できるようにするとしています。
私は、11月13日の総務企画委員会で、「計画(素案)」の意見公募方法に対して、次のような意見を述べました。「子どもの権利条例(案)など、さまざまな答申書や報告書に対する意見公募を行なう場合、全文を公民館などの窓口に置き、欲しい人が自由に持っていけるようにしている。たしかにA4版116ページは枚数があり、『誰でも自由に』に対する躊躇はあるかもしれないが、全市民の明日の生活や生命にかかわる事柄を計画にまとめあげるのであれば、その場で閲覧ということは、コトの性質からいって、よくない。第一、116ページもの文章をその場で閲覧など、時間がかかりすぎてできるものではない。市民の生活に影響を与える計画ともなるわけであり、自宅でじっくりと検討できるようにすべき」。
しかし、市は分量が多いことを理由に、その場での閲覧に固執。どうしても欲しいという人は、市役所本庁舎1階の防災交通課に来てもらって、有料でコピー(116ページ×10円=1,160円)してもらうと答弁しました。私は、市民参加条例にもとづく意見募集(パブリックコメント)の意義や役割を経費の面でしか見ない狭い考えに、腹が立ってしようがありません。しかも市民生活に制限を加えたり、市民の土地や建物、所有物の使用・収用を行なう条項もあるというのに。
小金井市が示したスケジュールによると、「保護計画(案)」の答申を1月末の第3回国民保護協議会で得て、東京都と調整し決定する。決定されたものを2月下旬から始まる定例市議会に報告するとしています。こんな重要なものであるにもかかわらず、政府は「議会の議決事項にはしない」という扱いにしています。今回の「保護計画」とは別に、「住民避難マニュアル」も作成するとしており、引き続き、目を光らせることが大切です。
なお、11月14日付の日本共産党の「しんぶん赤旗」日刊紙1面の『潮流』で、小金井市の「国民保護計画(素案)」が題材になっています。ぜひ、ご一読ください。
新焼却場建設スケジュール(案)
稲葉市長は10月31日の市議会全員協議会に、国分寺市と共同使用を予定するゴミ焼却場の建設スケジュール(案)を発表しました。その内容を見て誰もが眉をひそめたのが、建設候補地を決める前に当然行なわれるべき、候補地周辺の住民に対する説明会が設定されていないこと。市役所内の検討委員会で候補地を決め、市議会に説明したら、すぐに国分寺市に提示。その月のうちに候補地を決定してしまおうというのです。
しかも、焼却施設の規模や焼却方式を検討する前に、候補地を決定するというのです。新焼却施設は2017年4月稼動の予定。今後、国分寺市と協議していく過程で当然、両市あわせた焼却ゴミ量の推量や、どのような焼却方式の施設にするのか、それに合わせて、どのようなゴミ分別にしていくのかが検討課題となっていきます。その結果を見て、その内容に適した建設場所が候補地となっていくものです。ですから、公害発生を十分に抑えられる最新鋭施設の導入ともなれば、候補地が数多くあがっても不思議ではありませんし、焼却方式の選定次第によっては、候補地も様々になっていきます。その議論なしに、候補地を決定するというのですから、候補地にされた住民は到底、納得できるものではありません。
施設規模や焼却方式の議論もなく、事前の住民説明会も行なわれずにコトが進められれば、当然に反発が起きます。小金井市は、候補地が決まってからでも住民の合意は得られると考えているようですが、それはあまりにも愚かなこと。地域住民にとっては、焼却施設が来るだけでなく、ゴミ搬入車両が小金井市だけでなく、国分寺市からも来ることになります。臭い、煙、交通騒音、排気ガスなど、様々な事態を考えねばなりません。稲葉市長が提案したスケジュール案では、「2017年4月稼動」どおりに行く保障は見えてきません。
このことは、「2017年4月まで、小金井市の焼却ゴミを受け入れればいい」と考えていた国分寺市民にとっても、大迷惑なこと。受け入れる年月がさらに延長され、いつまで延長すれば良いのかさえ、先が見えない状況にもなりかねません。小金井市がこのような行き当たりばったりのやり方をこの間、行なってきたからこそ、他市からも相手にされなくなっているのです。
いま大切なことは、候補地をどこにするのかということではなく、小金井市がゴミ処理政策と計画を自立して練り上げ、その到達にもとづき施設の規模や処理方式を確立し、それにふさわしい施設と候補地を選定していくことです。
稲葉市長のやり方は、ゴミ処理政策を確立してこなかった自らの無策を顧みることなく、「時間がない」を強調して、候補地にされた住民の反発を、ゴミ処理を願う市民に対する「抵抗勢力」とレッテルを貼り、小金井市民や国分寺市民から孤立させるやり方です。そうなれば、ますます事態は混迷し、新焼却施設建設のメドは遠のくばかりです。日本共産党市議団は、このような事態をつくりだす今回のスケジュール案は受け入れることができません。なお、稲葉市長が議会に提出したスケジュール(案)をPDFファイルで掲載します。
『総合窓口』『NPOとの協働』実施の自治体を訪問しての感想
小金井市議会の総務企画委員会(8人)は10月17日(火)・18日(水)、岩手県内の2つの自治体を視察で訪問しました。17日(火)は宮古市。ここでは「総合窓口」を導入しており、どのような形態で実施しているのか、その仕組みはどうなっているのかを学んできました。18日(水)は盛岡市。「NPOとの協働」を推進しており、その内容と課題、留意点を学んできました。以下の2つの文書は、市議会に提出したそれぞれの感想文です。
[宮古市「総合窓口」]
総合窓口制度は、小金井市の長年の懸案事項である。小金井市は来年度実施の組織改定に向けた協議を職員団体と協議する過程で、組織改定の協議がまとまったら、総合窓口についての検討・協議を開始することを表明しており、小金井市がどのような形で具体化していくのか注目されるところとなっている。とくに今日、福祉関係部門の窓口相談業務が増えているなかで、福祉推進課、障害福祉課、介護福祉課などを一つの窓口で手際よく受け応えできるシステムが求められており、今回の宮古市の視察には関心を抱いていた。
宮古市は、各種証明書や住民票等の発行業務と各種の申請・届出業務、そのうえ給付業務まで、総合窓口で行なっている。その範囲は小金井市でいえば、市民課、保険年金課、福祉推進課、子育て支援課、健康課、下水道課、選挙管理委員会、学務課、課税課、資産税課と多岐に渡るものであり、「住民情報システム」によって、それを可能にしている。
市役所1階の総合窓口を入ったところに「フロアマネージャー」と呼ばれる職員がいて、そこで総合窓口コーナーあるいは相談コーナーへと案内をする。総合窓口コーナーでは整理番号発券機が設置され、自分の順番がわかるようになっている。窓口コーナーに座ると、自分の用件に則した書類を職員がプリントアウトし、必要事項を書き込むだけで用件が終了する仕組みになっている。また、総合窓口で処理しきれないときには、総合窓口職員が担当部署に問い合わせて対応することも可能で、その時に処理しきれない時は「処理保留文書」というものが発行され、次回来庁した際にこの文書を提出すれば、次の段階から処理をスタートさせることができるという次第であった。このシステムは、職員の業務経験、知識の多少にかかわらず標準的な事務処理が行なえれば十分で、市民からは歓迎されている様子。一方、相談コーナーでは、専門的な手続きや相談が行なわれるという。「住民情報システム」が、このことを可能にさせているが、このシステムは市独自に開発し、5億円の経費がかかっているとのこと。当然、毎年のメンテナンス経費も必要。
システムとしては、市民にとっても職員にとっても利便性が高く、市民があちこちの窓口を歩き回らなければならないといった不便さは解消される。ただし、導入経費5億円が果たして費用対効果の点でどうなのかとなると、一考を要する。また、福祉や医療関係の制度改変がめまぐるしいなか、「住民情報システム」との連関がうまく果たせるのかどうかなど、検証も必要。
いずれにしても、小金井市が市独自のシステムを導入する可能性は薄いし、ましてや5億円などという経費を投入することは、現在の小金井市にはありえないだろう。コンピューターシステムによる総合窓口ではなく、人的な工夫・努力で総合窓口を実施している自治体を研究し、小金井市ではまずは、総合的なフロアマネージャーの充実と、福祉関係部門の総合窓口の確立から始めてみてはどうかと思う。
[盛岡市「NPOとの協働」]
NPOと行政との協働は、NPOの法人化が認められて以降、注目を集めている課題である。小金井市においても、この10月から「ひがし児童館」をNPO法人に委託し、今後、さまざまな挑戦が試行されていくものと思われる。そんななかで訪問した盛岡市では、NPOとの協働をすすめるためのガイドラインを制定し、庁内に「NPO協働推進係」を配置。2004年8月の「NPO市民協働フォーラム」を皮切りに、NPOへの事業委託を開始し、主に、NPOの活動紹介や、NPO支援のための講座、組織づくりの講義などを行なっている。いただいた資料や説明の範囲では、指定管理者制度や委託方式によるNPO法人への業務供給は見当たらない。現時点では、NPOと行政との協働事業をめざし、NPOの育成、市民への理解を中心に置いている様子。
とはいっても、盛岡市におけるNPOとの協働の目的には「行政がすべての地域課題に対応することは、組織的にも財政的にも困難な状況になっている」「行政経費の適正化等の観点からNPO等との協働を検討していく必要がある」としており、NPO法人を経費節減の観点から活用したいとする思惑が見える。
この点で見ていけば、今後、経費節減の観点から、指定管理者制度や委託で、NPO法人を積極的に活用していくことは明らかだ。そのためのNPO育成・支援、市民理解のための事業が現在、すすめられていると見てとれる。
NPOを活用していくこと自体には異論はないが、経費節減や市の事業軽減のためだけの活用であるならば、再考の余地がある。むしろ、行政ではなかなか対応しきれない市民施策・サービス等において、その弾力性や機動力性を有効に生かし、市民サービスを拡充させていくとの視点が、NPOの活用には求められているのではないだろうか。そんなことを考えながら、晴天にきらめく岩手山をあとにした。
2006年9月議会報告 その3
「要介護1以下(要支援1.2と要介護1)」と判断された高齢者は、4月から「一定の条件に該当する者」を除いて、車椅子や介護ベッドなどが保険給付の対象外となり、貸与が認められなくなりました。従来の利用者への経過措置も9月末が期限とされ、高齢者は深刻な状況となっています。
今年3月31日現在の状況によると、要支援・要介護1で特殊寝台(介護ベッド)と車椅子の貸与を受けている小金井市の介護保険被保険者は、特殊寝台が247件、車椅子は114件となっており、改定された介護保険制度では、特殊寝台と車椅子を借りている合計361件の方々が、今年9月末で原則、貸与終了となりました。
高齢者の不安が高まるなか、9月27日の都議会本会議で日本共産党の、かち佳代子都議は東京都に対して、高齢者が介護ベッドを利用継続できるよう、助成や貸し出し事業を実施する自治体に対して財政支援するよう要求。これに対して東京都福祉保健局長は、介護ベッドを購入する世帯への購入費助成を行なう自治体に対して「時限的な支援をする」と表明。介護ベッド購入で独自の制度を持つ自治体に、ベッド購入済みの場合もさかのぼって東京都が半額補助することを明らかにしました。
私はこのことを紹介しながら、小金井市独自の購入費助成事業を行なうよう要求。介護福祉課長は「明後日に東京都の説明会があるので、それを受けて前向きに考えていきたい」と答弁しました。
2006年9月議会報告 その2
日本共産党市議団は9月定例市議会に「小金井市高齢者緊急生活支援手当の支給に関する条例」を提案しました。これは、今年度、高齢者に襲いかかった増税・負担増に対して、負担増の痛みを少しでも軽減させることを目的としたもので、とりあえず今年度にかぎり、一人当たり12,000円の手当を支給するというもの。支給対象者は65歳以上の、老年者控除の廃止や公的年金等控除の縮減、65歳以上の非課税限度額の廃止によって、住民税が非課税から課税にさせられた人で、おおよそ1,300人が該当し、1,600万円前後の財源で可能です。
条例を提案した本会議および、審議を付託された厚生文教委員会では、だれからも質問が出されず、提案した側は拍子抜け。厚生文教委員会では賛成多数(賛成4人、反対3人)で可決されたものの、本会議では賛成9、反対12、退席2で否決となりました。私は、本会議の採決にあたって討論を行ないましたので、その内容を紹介します。
小金井市高齢者緊急生活支援手当の支給に関する条例への賛成討論
日本共産党市議団を代表して、本条例への賛成討論を行ないます。
自民党・公明党に支えられた小泉内閣の庶民増税政策によって今年度から、65歳以上の方々を中心に負担増が押し寄せています。この間、小金井市が議会に示した資料を見ても、老年者控除の廃止で65歳以上の方々のうち5,500人に影響が押し寄せ、市民税・都民税・所得税あわせて一人あたりの負担増は年間で88,720円に、公的年金等控除の縮減でも同じく5,500人に負担が襲いかかり、この部分だけでも市都民税・所得税あわせて、一人あたり年額で48,034円の増税となりました。そのうえ住民税の非課税限度額の廃止や段階的廃止も加わり、65歳以上の5人に1人が負担増になったといわれています。
老年者控除の廃止や公的年金等控除の縮減、65歳以上の非課税限度額の廃止は、市都民税や所得税に影響するだけでなく、国民健康保険税や介護保険料にも連動し、70歳以上の医療費の負担割合をも引き上げる雪だるま式の大増税となっています。そのため、住民税や国保税、介護保険料の納付通知書が送付された翌日から市役所の窓口には問い合わせや苦情の電話、訪問者が押し寄せ、市役所の担当者は応対に追われる大変な状況を迎えることとなりました。
80歳代のある男性の方は、今回の負担増により「住民税が9倍に跳ね上がり、介護保険料は4万2,200 円から5万7,800円に、国保税は11万 900円から13万2,300円になった。そのうえ所得税がゼロから7万 960円となって、負担増の合計は14万6,000円になった。高齢者は早く死ねということなのでしょうか」と 悲鳴の声をあげ、別の65歳の男性は「今年で65歳になり、市役所から介護保険料の通知がきました。夫婦で約10万円。今まで国保税に含まれて支払っていましたが、国保税と介護保険料の総額で年額5万円の負担増となりました。住民税も上がっているし、値上げ値上げで、このままでは家賃が安いところに引っ越さないといけない」と語っています。
昨年に比べて8倍にも10倍にも住民税が増え、生活保護基準以下の年収の人にまで住民税の均等割を課税するという苛酷な増税、しかも連続して増える国保税や介護保険料も含めれば、年金1カ月分が吹き飛ぶほどの大きな負担増は、高齢者にとってあまりにも苛酷で理不尽なものです。その人たちに対して暮らしを応援する手だてをとることは、市民の暮らしを第一に掲げる行政としては当然すぎるほど当然のことです。
ところが市長は、日本共産党市議団が今回の一般質問で、負担増に苦しむ市民に対して生活支援策をとるよう求めたにもかかわらず「そのような考えはない」とあっさり退けました。そのため日本共産党市議団は議員提案権を活用して、本条例を提案するに至ったものです。
今回提案した条例の内容は、小泉内閣の税制改定により、市民税が非課税から課税にされた65歳以上の市民に対して、生活を応援する観点から今年度に限り年額1万2,000円を支給するというもので、対象人 数は1,300人余り。1,600万円前後で可能となります。
小金井市は今回の補正予算に前年度の繰越金8億9千万円を計上。そのうち2億円を財政調整基金に積み込もうとしており、2005年度中には4億円を財政調整基金に積み込んでいます。なによりも小泉内閣の高齢者を中心とした負担増によって今年度、市民税が5 |