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『一斉休校』の大波

 2月27日(木)に安倍首相が突如打ち出した「小・中・高校の一斉休校」は、全国の自治体、学校関係者、保護者に大きな衝撃と大迷惑を被らせた。しかも、影響・余波は拡大していく様相さえ見せている。

 「一斉休校」を突きつけられた小金井市教育委員会は、東京都教育委員会からの通知文書に従って、3月2日(月)から市立小学校・中学校の一斉休校を開始した。しかし、それでは働く保護者が大変な事態に直面することから、学童保育所を利用している小学3年生までの児童に対しては、朝の8時30分から11時30分までを小学校の教室で過ごしてもらい、昼食時間から学童保育所であずかる取り組みを同時スタートさせた。弁当持参という大変さはあるものの、この英断は大いに評価できるものである。

 一方で、学童保育所入所の基準に満たない、一人で留守番をせざるをえない児童も存在する。保護者が午前中、パートやアルバイトに就いているなどの家庭である。そのため、日本共産党を含む6つの会派は3月3日(火)昼、そのような児童も午前中、学校施設で受け入れるよう小金井市に申し入れた。その結果、小金井市は9日(月)から受け入れることを決定。一週間遅れとはいえ、この決断には心からお礼を述べたい。関係者の話では、教室の密集度を抑えるために、一教室に20人程度としている様子。教職員がそれぞれに付き、自習などを行なっているという。

 前述の関係者からは、次のような意見も出ている。「家にいる子どもたちの遊び場を用意できないか?。時間を区切って校庭開放をしてあげたい」「一学年ごとだったら、広がって遊べば良いかなと思う。曜日と時間を決めてあげればできないことではない」。

 現時点で小金井市教育委員会は、校庭を開放するという判断には至っていない。しかし、3月2日(月)からの一週間、学童保育児童に小学校の体育館を開放してきたものの、「体育館は交代で使用することになるので、短時間しか使えないのはつらい」と前述の関係者。たとえば、私の子どもが通っていた「さわらび学童保育所」の場合、各学年を2クラスに分けて教室で自習等を行ない、各クラスごとに体育館を利用する。そうすると、3学年×2クラス=6クラスとなり、この6クラスが交代で体育館を利用することになる。これでは「つらい」と現場の方々は述べているのである。午前中、学校に来ている児童も、来たくても要件を満たさない児童も、「曜日と時間を決めて」校庭を使えるようにしてもらいたいものである。私の近所の「かしのき公園」には、春とはいえない寒さのなかでも、高学年の児童が何人も集まってボール蹴りを行なっていた。この公園では普段見ない光景がそこにあった。

 共産党市議団はこの間、新型コロナウイルス問題で、市内の団体から聞き取りを行なっている。精神疾患の若者を受け入れている事業所からは「『精神』の場合は、自分で事業所に行くかどうかを判断する。テレビで毎日、コロナウイルスの暗いニュースが流れるなかで、事業所に来なくなってしまう。単価方式なので、事業所の経営に大きな影響が出ている」「公共トイレの清掃を請け負っているが、トイレットペーパーが品薄となり買えなくなっている。市の備蓄はないでしょうか」の意見が寄せられている。

 障害をもつ児童・生徒の放課後デーサービスを実施している事業所からは、「支援学級の児童・生徒は一斉休校となったために、朝から来ている。スクールバスが運行されないので、朝、こちら側から各家庭へお迎えに行っている」「夕方まで、定員いっぱいの状態で受け入れているので大変。通常級の児童・生徒と同じように『休校』というのは無理。事業所は職員体制を確保するのに四苦八苦している」。

 そのうえで彼女たちは語った。「行政側は一斉休校しながら、そのしりぬぐいを民間に委ねている。教室での対応を、午前と午後の使い分けにできないか」。せめて午後だけでも、障害をもつ児童・生徒を受け持ってほしいというのである。

 その支援学級。東京都の職員である教職員は、9日(月)から自宅勤務が認められたという。しかし、小金井市の非常勤嘱託職員の支援員や介助員は自宅勤務が認められず、教員不在の教室で掃除業務などに付くという。実に不合理である。

 前代未聞の「長期の春休み」。体力をもてあました子どもたちにとっては、「外出を控えよ」は監獄そのものである。もてあますどころか、年々低下していく我々にとっては、家で好きなテレビを見ながら酒でもあおっておればよいのだが‥‥。

 「イベントがなくなったのは、子どもたちにとっては辛い。子どもたちの生活が狂わないようにしなければならないし、新年度のスタートがうまく乗れるかどうか。家庭に閉じこもってしまった場合は、切り換えが大変になる」。放課後デーサービスの職員が述べる言葉は、学校現場の教職員の言葉でもある。

(2020年3月9日付)

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