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間一髪

 それは9月11日(水)の夕方、貫井坂下コープとうきょう前で共産党の宣伝を行なっていたときのことである。後援会の女性3人とともに、学校体育館にエアコン設置を求める署名への協力を私は訴えていた。

 終了予定時刻は午後5時。携帯電話の時計を見ながら、あと20分ほどで5時になると思いつつ、私は「ぜひ署名にご協力下さい」と一心不乱にコープとうきょう前を行き交う人々に呼びかけていた。

 そのとき、署名活動を行なっていた後援会の女性の一人が、不安な顔を見せながら私の方に歩み寄ってきた。「板倉さん、もうそろそろ終わったほうがいいと思うの」「そろそろ終わらないと危ないと思う」。

 気がつかなかったが、私の背中のほうでなにやら不穏な動きがある様子。コープとうきょうの入口の方に気を取られていた私には、彼女が声をかけてくるまでに、我々が置かれている状況をまったく把握できていなかった。

 いけない!。終わろう。私たち4人は、いそいで署名活動を切り上げ、それぞれが自分の家めがけて引き上げ始めた。まずい、気がつくのが遅かったか?。不穏な空気が、さらに近づいてくる。

 私はハンドマイクと署名画板、日本共産党のノボリ・ポールを抱えている。女性陣のように自転車では来ておらず、コープとうきょうから自宅まで歩くという選択肢しかない。とても走れる格好ではない。いよいよ迫ってきた。家に着くまでに襲われるのではないだろうか。

 間一髪であった。玄関にたどりついたとたん、雷鳴とともに激しい風雨が町全体を襲った。たたきつける雨。近所に落ちたのではないだろうか。稲妻が光ったと思うまもなくガシャ−ン!と轟音が響く。一瞬、電気も消えた。樹木が激しい横殴りの雨を受けて大きくしなだれている。隙間ほどに開いた窓から雨が勢い良く入り込む。

 4時15分から始まった署名活動は、わずか30分の間に24人から署名をもらった。5時まで続けていたならば30筆にはなっていたろうに。しかし、コープとうきょう前であのまま続けていたならば、店の入口で立ち往生していたに違いない。まさに間一髪であった。

 さて、学校体育館へのエアコン設置。小金井市は今年度予算で、第四小学校体育館のみ費用を計上した。バズーカ式を4台、レンタルするという。8月20日の厚生文教委員会で市教育委員会は「第四小学校体育館に設置するエアコンの効果を検証したうえで、他の学校体育館(小中合わせて13校)に設置するかどうかを検討する」と述べた。

 しかし、第四小学校体育館のエアコン設置工事は11月になるという。そのエアコンの効果を検証するということは、来年夏の結果を待つということになる。つまり、他の学校体育館にエアコンが付けられるのは、早くても2021年の夏ということ。ずいぶんと呑気な話である。

 昨年の夏は酷暑であった。7月下旬には耳を疑う「39度」を小金井市で記録し、今年も「37度」が登場した。もはや、小金井市においては「35度前後」は当たり前という状況を迎えているのである。なのに、来年夏の結果を待つというのでは、話にならない。

 では、設置費用はどれくらいになるのだろうか。今年度計上された第四小学校体育館へのバズーカ式4台のエアコン借上料は「372万1千円」。全額を市の財源でまかなうという提案になってはいるが、実際は、国と東京都が補助金を小金井市に交付する。

 東京都が示した補助率によると、国が3分の1、東京都が6分の1、区市町村が2分の1を負担するという。つまり、第四小学校体育館に設置されるエアコン「372万1千円」の2分の1「186万500円」を小金井市が負担するというものになる。一つの体育館で186万500円だと仮定するならば、残り13校の体育館にエアコンを入れるには、2,418万6,500円で収まる計算になる。

 東京都は今年度から3年間、補助制度を設けると説明している。東京都が補助制度を設けている3年の間に、残り13校の体育館にエアコンを設置すべきであろう。今年度中に補正予算を組みながらでもエアコンを設置するという考え方に立てば、2,418万6,500円÷3年間=806万2,167円となり、単年度あたり810万円程度を予算化すれば、3年で全校の体育館にエアコンが付くのである。実際は競争入札にかけるので、市の負担額はそれ以下になっていく。

 あとは、小金井市にやる気があるかどうかである。駅前開発には億という単位で出し惜しみすることなく、お金を出しながら、子どもたちの生命にかかわる体育館へのエアコン設置は「効果を見てから判断する」という始末。いったい西岡市長や市教育委員会は、どっちに顔を向けているのであろうか。

 熱中症や脱水症といった活字が今年も新聞紙上に登場した。体育館での授業・学校行事にもはや不可欠となっているエアコンの設置。児童・生徒や教員、保護者が体育館で倒れる前に、小金井市は決断すべきである。

 補助金を活用するのであれば、残された期間は少ない。こちらは「間一髪」とならないように、早々に手を打つべきであろう。

(2019年9月12日)

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