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小金井市総合水防訓練

写真 毎年5月中旬に、小金井市総合水防訓練が行なわれる。これからやってくる梅雨や秋の台風シーズン、夏の集中豪雨に備えての取り組みである。そのことから小金井市は自治会・防災会に参加を呼びかけ、5月14日(日)に行なわれた今年の訓練にも少なくない市民が顔を見せた。

 会場は例年、武蔵野公園の野川第二調節池。訓練内容に毎年、違いが出てくるわけではないが、今年は昨年まで実施されていた「川の中州に取り残された人を救出する訓練」がなくなり、「中央線高架橋下の道路冠水で身動きができなくなった運転手を救出する訓練」が登場した。

 新たに登場したこの訓練は会場内の平地で行なわれ、臨場感はみじんも感じられなかったが、市内にはこの状況が想定される箇所があることから、訓練そのものに異論を抱くものではない。しかし、車両ごと救出するのではなく、ゴムボートを出して、真っ先に運転手等を救出するのが一般的ではないかと感じるところである。ともあれ、小金井市内で想定しようもない昨年までの「中州に取り残された人を救出する」がなくなったことは、評価できるところではある。

 訓練を見ている側、つまり、参加するためにやってきた自治会や防災会のメンバーは、訓練内容に不自然なものを抱きはじめると傍観者的になっていきやすい。そのためにも、だれもがこのような場面にでくわすことがあり得ると感じられるものにしていくことが求められる。このことは、地域で訓練を取り組んでいる自主防災会側の取り組みにも言えることである。

 訓練は冒頭、新聞配達員が河川水量の上昇を発見し、消防署に電話連絡する場面からスタートした。まず、この時点で疑問が生じた。小金井市中町付近で「119」に電話した場合、どこに電話がかかるのだろうか。小金井消防署にじかに電話がいくのだろうか。それとも市外のはなれた施設に電話がかかるのだろうか。もし後者であれば、電話内容が小金井消防署に伝達され、それから対応することになるのではないか。そうだとしたら対応は遅れることになる・・・と。こんなことを考えるのは、私だけなのかもしれないが。

 次に生じた疑問は「中町1丁目区域で野川が氾濫の恐れ。付近の住民は建物の2階へ避難してください」というアナウンスである。中町1丁目区域で野川が氾濫するということは、下流の第二調節池、つまり、水防訓練を行なっているこの場所が完全に水没し、下流に流れきれずに中町1丁目区域の堤防をいまにも超えそうな事態ということになる。はたして、そんなことがありうるのか。もしあるとすれば、その時は、小金井市内どころか三多摩全域が大変な事態となっているのではないだろうか。国分寺崖線の市内4箇所の崩壊危険箇所はどうなっているのだろうか。中町1丁目区域の騒ぎどころではないはずである。辛口の批評となったが、「なるほど、十分にありうる。私も備えをしっかりしなければ」と誰もが感じられるものにしていくことが必要だと私は思う。少なくとも、その道のプロが取り組む訓練であるのならば。

 最後にもう一つ。当日、参加者に配布されたリーフレットの「訓練会場図」の構図も疑問である。参加者は、訓練会場北側の仮設テントに案内される。その場所で参加者はリーフレットを開くことになる。ところが「訓練会場図」は、訓練会場の南側から見た構図となっている。参加者は当然に、自身のいる場所を起点に「訓練会場図」を見ようとする。しかし、そのためには「訓練会場図」の天地を逆さまにしなければならない。そうなると、記入された文字も逆さまになってしまうのである。図面づくりというのは、手わたされた参加者がどこで図面を観るのかという視点に立ってつくるべきであろう。来年以降の再考を願う。

(2017年5月16日付)

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