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入学式・卒業式での『日の丸・君が代』指導通知書

 小金井市の小中学校の卒業式(中学校3月16日、小学校3月23日)まで2カ月を切りました。毎年、この時期になると考えさせられるのが、式典のありかた。主人公は卒業生や児童・生徒なのに、近年の式典では「大人の考え」が前面に出て、「上から授ける、与えてあげる」式になっているように思います。そのことは式典会場の配置や式次第にも現れ、主人公は誰なのかを見誤らせる状況にもなっているばかりか、学校現場に混乱を持ち込む要因ともなっています。

 石原都知事になって8年が経とうとしています。石原知事は教育基本法10条(旧法)に反して、教育への不当な介入を行なってきました。その最たるものが、入学式・卒業式での「日の丸・君が代」の強制。東京都教育委員会は2003年10月23日、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」と題した通達を区市町村の教育委員会に送付し、それに従わない場合には処分することを打ち出しました。

 小金井市教育委員会は通達に従い、翌年1月、教育長名で各学校長に「国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」の通知と実施指針を送付。その年の卒業式・入学式は、それまでのフロア形式から様変わりしました。教職員は定められた席で、舞台壇上正面に掲げられた「日の丸」に向かって起立し、「君が代」を斉唱することが求められ、学校長の職務命令に従わない場合には、処分の対象にされるようになりました。

 都内の都立高校では、職務命令に従わなかったことを理由に少なくない教職員が処分され、裁判に発展しました。そして昨年9月21日、東京地裁は、東京都教育委員会の10・23通達と、それにもとづく職務命令による教職員への国歌斉唱の強制は、憲法19条(思想・良心の自由)と教育基本法10条(教育への不当な支配の禁止)に反し、違憲・違法だと断定。しかし石原知事は東京高裁に控訴し、争う態度をとりました。

 小金井市教育委員会は「東京都は、これまでの方針と変わることはないと言っている」との理由から、1月11日、各学校長に対して、これまで同様に通知と実施指針を送付。「実施指針」では新たに「紅白幕を張る」ことを明記しました。この「紅白幕を張る」の文言は「都教育委員会からの指導ではなく、私どもの判断で加えた」と市教育委員会は述べ、その理由として「式典らしく、厳粛さ、おごそかさが出るようにするため」と説明しています。しかし、これまでの式典も、十分に厳粛・おごそかさが出ており、なぜ「紅白幕を張る」がうたわれなければならないのか、理解できません。

 昨年までの卒業式・入学式では、児童・生徒の作品が式典会場の側面に飾られ、その作品を校長先生が挨拶で紹介して、児童・生徒の努力を大いにアピールしていました。しかし、今回「紅白幕を張る」が明記されたことから、児童・生徒の作品は飾らず、紅白幕を全体に張ることが話し合われている学校も出てきています。市教育委員会は「紅白幕を張ることは義務ではない。従わなかったから処分するというものではない」と述べますが、送付された文書に明記されていれば、学校長は市教育委員会からの指示と受け止め、そのように対処しようとするのは明らかです。主人公は一体、誰なのでしょうか。どうして上から物事を押しつけようとするのでしょうか。「教育」の名で物事を押しつけるやりかたには賛同できません。教育基本法が改悪され、ますます教育現場への介入が懸念されます。声を上げていくことが必要です。(2007年1月27日付)

※市教育委員会が1月11日に各学校長に送付した「通知」文書と「実施指針」をPDFで掲載します。

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