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相次ぐ悲鳴・障害者自立支援法

 障害者自立支援法が4月から一部実施され、10月から本格施行が始まりました。4月から福祉サービスや医療の利用者負担に原則一割の応益負担が導入され、サービス利用の抑制など深刻な事態が起きています。加えて10月からは、車椅子や義肢などを購入・修理する補装具費用や障害児施設の利用料も、応能負担から応益負担に変わりました。

一方、すべての施設や事業運営は、5年以内に新たな体系に移行しなければならなくなり、移行すると、利用する障害者の障害程度区分に応じた報酬単価になります。しかし、この報酬単価が低く抑えられ、減収になると見込んでいる施設が圧倒的。廃業を考えざるを得ない施設もでてきています。すでに4月からの報酬単価の引き下げと、月払い方式から日払い方式にされた影響で、施設の収入は2割〜3割減ったといわれています。

 こうしたなか、日本共産党市議団は12月13日の夜、小金井市障害者施設連絡会「りんく」と懇談会を開催。市議団からは私と水上洋志議員が、「りんく」からは市内の8箇所の障害者施設の運営団体代表(知的障害者通所授産施設2団体、心身障害者通所訓練施設2団体、精神障害者共同作業所4団体)が出席しました。以下、施設運営団体の方々から出された意見・要望を紹介します。

 ●私たちの施設は2008年度に新体系に移行予定です。ところが、新体系に移行できる施設数に制限があるみたいです。●新体系では報酬額が月単位で減らされるうえに、日割計算にされれば、現行の「16人利用」が実態的に「14人」になってしまい、職員が確保できなくなる事態に陥ります。●給食費は新体系で現行の350円が500円になり、一日の工賃よりも高くなってしまいます。新体系になることにより、知的グループホームの利用者負担も増えてしまいます。(知的障害者通所授産施設)

 ●市の委託事業なので直接の影響はないけれども、今後どうなるのかが心配です。●別の施設は委託事業ではないため、4月〜9月までで600万円の減収になりました。職員2人が中途で退職したけれど、補充できない状況です。減収になったため、施設で実施していた合宿事業は、来年度はできなくなります。●職員不足のため、職員一人ひとりの疲労感が多くなっています。●幼児施設は、10月からの支援事業で利用者は1割負担。月数千円の自己負担が、いっきょに何万円負担という形になってしまいました。(知的障害者通所授産施設)

 ●市の事業なので、直接的には利用者の金銭的負担が問題です。給食の利用者が減りました。●授産は、新体系に移行したら職員体制が心配です。市からの委託費が削られたら、職員削減や事業削減にならざるを得ないと思います。●現在は5年間の「指定管理者」になっていますが、5年後に別の事業者とされた場合はどうなるのか不安です。(心身障害者通所訓練施設)

 ●自立支援法では、障害の重さで生活介護に回されることにもなりかねません。本人は就労の歓びを得ているのに、仕事ができるかどうかが判断基準にされてしまいます。●当方はまだ新体系は予定していません。利用者は65歳以上が多数を占めています。そのため、通所率は通院や家庭の事情で低くなっています。●施設収入は日割計算方式になったため、ダウンしました。●送迎は私一人で行なっています。風邪をひいたときなどは、送迎の時だけ出かけ、それ以外の時間帯は家で寝ていました。●小金井市は施設利用希望者に対して、施設の紹介をしてくれません。そのため、障害者が困っています。●当方は週1〜2日しか利用していない人が多く、補助金対象外の人が多い状況です。(心身障害者通所訓練施設)

 ●新体系移行は5年以内のぎりぎりまで待とうと思っています。新体系では「20人」の枠になっています。現在も20人くらい利用者がいますが、新体系の「20人」は、仕事ができる人のこと。いまの状況は、仕事ができる人は10人前後。よって、登録人数を倍くらいにしなければならなくなります。しかし、それでは作業室が狭すぎます。運営の先行きが不安です。●新体系では収入は減ります。利用者の1割負担を、なんとかしてほしいです。当方はまだ、1割負担は導入していません。(精神障害者共同作業所)

 ●この間、勉強会を行なってきました。その結果、新体系に移行する方向です。移行したくて移行するのではなく、施設の存続のためには、移行せざるを得ないということです。●現在、受入れ定員15人、常勤職員は3人です。新体系では常勤3人は無理。利用者10人に職員1人という基準になるからです。新体系では400万円の減収になると試算しています。●精神は中途障害者が多いため、無年金者が多くいます。1割負担になったら、利用者は来なくなります。当然に、職員の確保ができなくなります。職員は希望をなくす状況になっています。●新体系になったら、障害区分ごとに、ただでさえ狭い部屋を区切らなければならなくなります。●工賃を増やすためには作業量を増やさなければなりません。しかし、そのためには職員体制を厚くしなければなりません。1割負担と報酬減への対策を、なんとかしてほしいです。(精神障害者共同作業所)

 ●精神の人は、調子が悪くなると来れなくなります。職員は、その人のフォローも行なっています。しかし新体系では、就労だけが目的になってしまいます。●精神の人は心の安らぎを求めて、短い時間だけでも施設に来ます。新体系では、それがダメになってしまいます。(精神障害者共同作業所)

 ●どんなに努力しても、施設の収入は減ります。小金井市は、市の負担減で浮いた財源を施設の家賃補助に充ててほしい。●応益負担を応能負担に戻してほしい。今の状況は30年前から40年前に逆戻りしたかんじ。これでは親子心中になりかねない。●精神のグループホームは家賃補助を受けてはいるけれど、施設の運営が不安定な状態です。また、自立支援法のもと、精神の人は精神が不安定になってきています。●自立していた人が、自立できなくなってきています。重症の人が来れなくなり、引きこもりになってしまいます。そういう人に対して、市の保健婦は訪問もしなくなっています。結局、入院せざるを得ない状況にされてしまいます。(精神障害者共同作業所)

 ●10月からの新制度で、新たな契約を利用者と結ぶようになりました。契約の際に、利用料金の高さに驚く人がでてきています。契約業務で職員は大変です。●利用者からは利用料金を払っているのだからと、施設に対する要望が次々出されるようになってきました。(心身障害者通所訓練施設)

 ●就労加算事業があるけれど、加算すると利用料金に跳ね上がってしまいます。(精神障害者共同作業所)

 ●小金井市が来年度に予定している就労支援センターに対しては、職員4人体制で、精神の専門家を配置するようにと、要望しています。他の自治体では、常勤2人・非常勤2人の4人体制が多い状況です。●2005年3月策定の障害者計画を、確実に実施してほしい。●作業所が全部、新体系に移行すると、行き場をなくす人が大勢でてきてしまいます。●このままでは、パート・アルバイトで切り盛りする福祉施設になってしまいます。専門家が働けなくなります。私たち職員はこのままでは、施設を投げ出したくなります。(出席者一同)

 1時間40分の懇談会でしたが、出席者からは障害者自立支援法に対する怒りが次々に噴出。「このままでは、施設を投げ出したくなります」の叫びにも似た悲痛な声に、彼らの不安と焦り、血が吹き出るような慟哭が痛いほどに感じられました。このままでは大変なことになる、この声をなんとしても反映させていかなければと、自身に言い聞かせる貴重な懇談会となりました。

(2006年12月14日付)

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