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小学3年までの医療費無料化条例可決


 小金井市12月定例市議会最終日の20日(木)、日本共産党、公明党、情報公開こがねいが共同で提出していた議員案「小金井市義務教育就学児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例」が、賛成多数で可決・成立しました。東京都制度によって所得制限が加えられている小学1年から小学3年までの医療費の所得制限を撤廃し、通院時200円のみ自己負担とするものです。今年3月22日に提出して以降、委員会で議論を重ね、ようやく採決に至りました。施行期日を「規則で定める」としていることから、システム改修や周知期間を経ての実施となります。

 小金井市の小学1年から小学3年までの東京都制度による所得制限の範囲内は、おおよそ児童の64%。よって、今回の条例改正で新たに無料となるのは残りの36%です。市は「一学年あたり720万円の市の持ち出しになる」と述べており、1年から3年までの3学年×720万円の計2,160万円を新たに予算化することになります。

 20日の本会議の採決結果は、以下のとおりです。賛成16人=共産党(4)、自民党(4)、公明党(4)、政党無所属(4)。反対6人=立憲民主党系(2)、政党無所属(4)。退席1人=政党無所属(1)。本会議での採決にあたり、私が日本共産党市議団を代表して賛成討論を行ないました。以下、掲載します。

(2018年12月24日付)

板倉真也の賛成討論

 日本共産党市議団を代表して、本条例改正案への賛成討論を行ないます。
 今日、子育てにかかる費用は年々増加傾向にあります。なかでも医療費の負担は大きく、小金井市が行なった「のびゆくこどもプラン」のニーズ調査や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の意識調査では、「子育てにかかる費用の負担軽減」や「生活費・医療費などの負担軽減」など、経済的支援を求める意見が、数多く寄せられています。今回提案された小学校3年生までの医療費無料化の所得制限撤廃は、こうした市民の願いに沿ったものです。
 すでに東京23区では、すべての区で所得制限が撤廃され、通院時1回あたり200円の自 己負担も「なし」 となっています。三多摩地域では、小学校1年生から中学校3年生ま での医療費の所得制限を撤廃している自治体が隣接する府中市や武蔵野市など、26市中6市に広がり、中学校3年生までは無理としても、今回の条例提案と同様に、小学校3年生まで所得制限撤廃を行なっている自治体が、今年2月1日時点で、調布市、国分寺市、国立市となっています。いま名前の上がった自治体は、いずれも小金井市と隣接もしくは近い距離にある自治体であり、小金井市に住む子育て世帯から「なぜ小金井市では所得制限が設けられているのか」と疑問が出されるのは当然のことです。
 厚生文教委員会の質疑のなかでは、「所得制限を撤廃すれば、受診件数が増えるのでは」との意見もありましたが、12月10日の委員会で示した三多摩地域の事例でも明らかなように、年間を通した一人当たりの受診件数は特段、増えてはおりません。全国規模の調査結果でも、所得制限を撤廃したからといって受診件数の増にはなっておらず、逆に、医療費助成の拡充によって必要な医療を受けることができるようになったことから、病気の長期化・重症化が防止され、その結果、受診件数の減少へとつながるようになっています。
 一方、医療費助成は「所得の低い世帯を対象にすべき」との意見もありますが、今日、中間層とよばれる世帯においても子育てにかかる費用は家計を圧迫し、加えて社会保障費の増加によって、所得の大小に区別なく、子育てにかかる費用の負担軽減を求める声は大きくなっています。そのことから、全国知事会は今年の6月に、国に対して少子化対策の抜本強化策の一つとして「子育て世帯の経済的負担の全般的な軽減」のなかで、「すべての子どもを対象とした助成制度の創設」を求めているわけです。
 小学校入学前までの乳幼児医療費助成制度が全国に広がり、次には義務教育の小学校児童へと対象が広がっていくなかで、東京都も重い腰を上げて助成制度を確立し、今日では中学校3年生まで所得制限付ながら東京都の制度が拡充されるに至りました。義務教育全体への所得制限撤廃が各地で広がっていけば、東京都の助成制度をさらに拡充させるための後押しとなり、現在、各自治体の持ち出しとなっている部分も、いずれは東京都や国が対応せざるをえない時を迎えるものと考えます。そのことは、国が子ども医療費の窓口負担を無料化している自治体に対して行なってきた、国民健康保険への国庫負担の減額措置・ペナルティを、今年度から未就学児に限って廃止したことからもいえるものです。
 3年前の市長選挙で当選された西岡市長の公約は「子育て環境日本一」です。今回の議員提案による条例改正は、西岡市長の公約「子育て環境日本一」にも沿うものであり、誰もが歓迎しうるものです。かかる経費は年間で2,160万円前後となりますが、先程述べま したように、病気の長期化・重症化を抑えることによって、結果的に受診件数の減、医療費の削減へとつながるものとなります。ぜひ多くの方々にご賛同をいただき、早期に実施できることを求めて、本条例改正案への賛成討論といたします。


国保税を1万円引き下げよ


 「国民健康保険税が高すぎる。なんとかしてくれ!」の声が数多く寄せられる。定年退職後、小金井市の国民健康保険に加入した元小金井市役所職員も悲鳴を上げる。しかし市役所の担当課は「国保会計の健全化のために、現行の税率で行きたい」と述べるのみ。

 小金井市の国保税の一人当たりの税額は三多摩一高い(2017年度)。小金井市は「国保加入者の平均所得が高いため」と述べるが、それは説明になっていないことが、10月の市議会決算特別委員会に提出された資料で一目瞭然となっている。

 小金井市が議会に提出した資料の概要は以下のとおりとなっている。
◎市民一人あたりの個人市民税額は「年額8万9,580円」で、三多摩26市の中で上から4番目(トップは武蔵野市)。
◎人口比の国保加入割合は「20.4%」で、三多摩26市の中で稲城市の次に少ない(25番目)。
◎国保加入者一人あたりの保険給付費は「年額26万1,076円」で、三多摩26市の中で下から3番目に少ない。
◎法定外繰入金と呼ばれる国保会計への一般会計からの赤字補填は、国保加入者一人当たり「年額1万170円」で、三多摩26市で最も少ない。
◎なのに、国民健康保険税額は一人平均「年額10万1,463円」になっている。

 私は10月3日の決算特別委員会で次のように述べた。「保険給付費が26市中24番目なのに、国保税額が三多摩一高いというのは、あまりにもおかしい。国保加入者に高額所得者が多いからだとこの間、説明されてきたが、保険給付費が24番目であれば、それは通じない。結局、一般会計からの法定外繰入金(その他一般会計繰入金)が三多摩で一番少ない額であることに起因している」。

 そのうえで私は、次のように主張した。「国保税額を一人あたり年額1万円引き下げるには、法定外繰入金(その他一般会計繰入金)を2億4,582万円(2万4,582人×1万円)増やせばすむ。2億4,582万円の増額を行なっても、その他一般会計繰入金は26市中22番目という少なさ。しかも、それでも国保税の一人平均額は上から3番目の高さという状況にすぎない」「小金井市は当初予算で、その他一般会計繰入金を8億8,500万円予算化していた。しかし、国保税の厳しい取り立ての結果、収納率が前年度比で4.1%アップ(三多摩26市中、6番目の収納率)したことから国保税収入が増加し、その結果、その他一般会計繰入金を2億5,000万円に抑えるに至った(6億3,500万円の縮減)。8億8,500万円までは繰り入れる覚悟をもっていたわけだから、年額1万円引き下げるために2億4,582万円を追加することは可能。国保税を引下げよ」。しかし、担当課長は「国保会計の健全化のために、現行の税率で行きたい」と述べるのみであった。

 アベノミクスが盛んにもてはやされているが、庶民のくらしは青息吐息となっている。悲鳴をあげている市民の暮らしに寄り添う市政運営へと改めなければ、小金井市民は西岡市政を見限ることになるであろう。

(2018年10月8日付)


4年後に23学級増の衝撃


 その答弁は、議場に衝撃を与えた。「小金井市の小学校に就学する児童の伸び率を2018年度と2022年度とで比較すると、伸び率は三多摩でもっとも高い19.1%となり、4年後の2022年度には現在よりも828人多い児童が小金井市立小学校に在籍することになる。単純に40人で割り返すと23学級増となる」。

 仮に、そうなった場合、どのような不都合が起きるのであろうか。学務課長はおおよそ次のように答弁した。「教室の確保については、教室の使い方の見直しでの対応が想定されるが、第二小学校では体育館に入りきれない児童が出てくる。第三小学校では給食調理において全員分対応が厳しくなる」。しかも、その現実は、4年後の2022年度にやってくるというのである。────これは、10月2日(火)の小金井市議会決算特別委員会で、教育委員会学務課長が私の質問に答えた内容である。

 なぜ小学校の児童が、こんなにも増加するのであろうか。最大の要因は農地の宅地化にある。相続等で農地が売却され、戸建て住宅やマンションに変わっていく。その結果、若い子育て世代が小金井市に移り住み、子どもの人数が増えているのである。小学校の児童数が増加するということは、中学校の生徒数もいずれは増加することを意味する。

 学務課長は、単純に40人で割り返すと23学級の増になると述べたが、小金井市立小学校の一クラスの平均人数は32〜33人となっており、仮に32人で割り返すと26学級の増となる。小金井市立小学校は9校あることから、1校あたり3学級増の計算である。ただでさえ余裕教室のない学校現場で、どのようにして教室を確保するというのであろうか。

 加えて、小金井市は現在、駅前開発を2箇所で行なっている。1箇所は、武蔵小金井駅南口第2地区再開発事業。もう1箇所は、東小金井駅北口土地区画整理事業。この開発が完了した時点で、さらなる子育て世代の増が見込まれ、乳幼児や児童生徒の増も当然に起きてくる。つまり、学校現場の児童生徒の増は一過性のものではなく、この先、続いていくことを意味する。ということは、体育館に入りきれない状況や給食調理が対応できない事態が続き、教室の確保に事欠く事態が後々まで続くということである。しかも、校舎の建替え時期が迫ってくる。しかし、金はない・・・。事態はいたって深刻である。

 私は、この答弁が出てくる前日の決算委員会で、議会に配布された資料を分析しながら以下の質問を行なった。相当に長い質問ではあるが、読んでいただければ幸いである。

10月1日の決算委員会での板倉真也の質問

 質問は、「駅前開発推進で、学校施設や学童保育所は大丈夫なのか?」という点です。
 「都市間競争に勝ち、選ばれる街にするため」を理由に駅前開発がすすめられ、武蔵小金井駅南口の第2地区再開発事業へは、2013年度の「都市計画手続き資料の作成」を皮切りに市財政が投入され、決算年度は国・東京都・小金井市合わせて、総額3億70万円の補助金を支出。このうち4分の1の 7,500万円を小金井市が負担しています。また、東小金井駅北口土地区画整理事業にも決算年度では、約6億円の委託料が支出されています。武蔵小金井駅南口第2地区の再開発事業は2年後に完成予定、東小金井駅北口土地区画整理事業は到達率67%という状況になっています。
私は、駅前開発をすすめることによって、小中学校や保育園、学童保育所が不足する事態になってくるのではないかと、この間、さまざまな場で述べてきました。事務報告書を見ると、そのことが数字となっていよいよ明らかになってきたといえるのではないでしょうか。
 小中学校や保育園、学童保育所への影響というのは、子どもたちの人数によって判断することができます。私は、以下のような試算を試みてみました。少々長くなりますが、お聴き願います。
 まず、小学校への影響についてです。事務報告書の76ページに「年齢別人口」があります。まず、0歳から5歳までの、それぞれの数字をひろってみました。次に、小学校1年生から6年生までに対応する6歳から11歳までの数字をひろってみました。
 現在、小金井市立小学校に在籍しているのは、5,106人です。これは事務報告書の307ページに出ています。この 5,106人というのは、対応する年齢と比較すると92%となり、この92%という数字が、小金井市立小学校に入学する人口比率となります。つまり、100人のうち92人が小金井市立小学校に入学するという計算になります。
 この92%を「年齢別人口」の0歳から5歳までの合計人数 6,219人に掛けてみました。出てきた数字は 5,723人です。つまり、0歳から5歳の合計人数の92%・5,723人が市立小学校に入学するという計算になります。現在の在籍児童数は 5,106人ですから、いまよりも617人多い児童が6年後には在籍していることになります。
 事務報告書の307ページで計算すると、一クラス平均32人から33人となっていますから、仮に一クラス32人で計算すると「19.3」、33人で計算すると「18.7」。つまり、6年後には、今日よりも19クラスから20クラス増えるという数値です。小金井市立小学校は9校ですから、一校あたり2つ以上のクラス増が必要になるということです。
 別の計算式も試みてみました。0歳から5歳までの年齢平均人数 1,037人と小金井市立小学校1年〜3年平均の入学率92.45%で計算するというものです。
 0歳から5歳までの年齢平均人数 1,037人に入学率92.45%を掛けると「959人」となります。これは各年齢の乳幼児が、市立小学校に入学する年齢平均の推定人数です。この959人に1年から6年までの6学年を掛けると「5,754人」になります。これが市立小学校9校全体で受け入れなければならない児童数です。決算年度の在籍児童数は 5,106人ですから、6年後には648人多い児童が在籍することになります。これを一クラス32人で計算した場合は21クラス増。33人で計算した場合は20クラス増となります。先程と同じように、一校あたり2クラスないし3クラスの増が求められるということになります。
 他の計算方式も試みましたが、計算の仕方によっては、24クラス、もしくは30クラスの増という数値がでてきます。この場合は、市立小学校1校あたり、3クラス程度の増になります。小学校でこのような事態を迎えるということは、中学校へもやがて波及していきます。
 学童保育所への影響も試算してみました。学童保育所の在籍児童数は、事務報告書の255ページに出ています。4年生まで在籍できますが、1年から3年までの3年間で計算してみました。
 これに対応する数字としては、「年齢別人口」の1歳から3歳の合計 3,213人が学童保育所の入所年齢に達した場合という想定で試算しました。
 決算年度の学童保育所への1年〜3年の入所率は、同学年の年齢人口の33.97%、つまり、人口の33.97%が学童保育所へ入所するという計算になります。1歳から3歳までの合計人数は 3,213人、これに33.97%を掛けると「1,092人」となります。決算年度の1年〜3年の学童保育所在籍児童数よりも120人多い数値となります。
 学童保育所の定員を60人とした場合は2施設、40人とした場合は3施設、30人とした場合は4施設が、5年後には、いまよりも必要になるということです。学童保育所は定員に対して120%の在籍人数を抱えています。つまり今日でさえも、定員の20%を超える在籍人数となっているのに、さらに入所人数が大幅に増加するということを「年齢別人口」を見ると、わかるわけです。
 ルル述べてきましたが、これは南口第2地区再開発事業や東小金井駅北口区画整理事業が完了していない現段階での推測しうる数値です。再開発や区画整理が終わっていないのに人口が増える理由としては、農地の宅地化がすすんでいることにあります。農地が戸建て住宅やマンションに変わって行った結果、5〜6年後には先程述べた事態となるわけです。
 乳幼児が対象となる保育園は、民間事業者の参入によって、施設数は増加の方向にあります。幼稚園は現状は定員割れとも言われていますので、受け入れは可能かもしれません。しかし小学校、中学校は「余裕教室はない」というのが実態で、しかも地域によってはマンモス化が始まっています。学童保育所は定員超過状況です。小・中学校も学童保育所も児童・生徒の増加対策は、プレハブ教室となるのでしょうか。
なのに、住居が720戸も特定の地域に集中してできる南口第2地区再開発事業をこのまま進めていいのか、区画整理事業が完了したら、ただでさえマンモス化している第三小学校や、あかね学童保育所など、小金井市の小学校、学童保育所、中学校の受け入れ体制はいったいどうなるのか?、はたして対応できるのか?、が今日、問われているのではないでしょうか。人口が12万人を超えたと喜んでいる場合ではないと私は考えます。
 そこでうかがいます。武蔵小金井駅南口第2地区再開発事業や東小金井駅北口区画整理事業を推し進めている都市整備部は、5年ないし6年後に、このような事態が待ち受けていることを知ったうえで、事業をすすめているのでしょうか。
 都市整備部は、教育委員会ならびに児童青少年課から、いま私が述べたような想定状況は聞いていないのでしょうか。もし聞いていないとすれば、教育委員会や児童青少年課は将来予想、将来といっても5年ないし6年後といった、目前に迫っていることがらですが、いったいどのようにとらえているのかが、問われるものとなります。都市整備部は、教育委員会ならびに児童青少年課から、一切聞いていないということでしょうか。

 この質問に対する答弁の過程で、西岡市長から「児童・生徒の伸び率が19.1%」の数字が出てきたのである。私は、西岡市長の答弁を受けて、翌10月2日、教育委員会に以下の質問を行なった。これも読んでいただければ幸いである。

10月2日の決算委員会での板倉真也の質問

 質問は、乳幼児人口が増加傾向にあるもとで、将来的に小・中学校の受け入れ態勢は大丈夫なのか?、という私が抱いている懸念についてです。
 私は、昨日の決算委員会で、小金井市の0歳から5歳までの人口をもとに推計すると、あと5年ないし6年後には、小金井市立小学校の在籍児童が、現在よりも620人から650人程度増加する計算になる。これは現在よりも学級数を少なくとも19クラス、あるいは24クラス、もしくは30クラス程度、増やさなければならなくなり、小学校1校あたり2クラスもしくは3クラスの増に匹敵する。しかし、今日においても各学校では「余裕教室はない」という状況になっており、いったいどうするんだ、プレハブ教室になるのではないかと質問しました。
 これに対して西岡市長からは「先般、教育長からも小金井市の児童・生徒の5年後の伸び率が19.1%で、三多摩で一番高い状況にあるとの見通しが報告された」「教育委員会の中でもいろいろな検討をしているが、創意工夫を凝らしながら、これから小金井市が迎える、この5年、10年の間に増えていく、それぞれの分野の子どもたちへの対応をしっかり構築していかなければならないと考えている」との答弁がありました。つまり、私の懸念に対して否定はされず、むしろ同じ見通しを持っておられるということです。そこで教育委員会にうかがいます。
 児童・生徒の5年後の伸び率が19.1%ということは、小学校や中学校の教室は現在よりも、どれくらい不足するとみているのでしょうか。それは、今日の小・中学校の教室の総数で対応しきれるのでしょうか。
 9月5日の岸田正義議員の一般質問「小中学校の学区域の見直し」に対する教育長の答弁が、唐突な感じがするのですが、あの答弁は児童・生徒の5年後の伸び率19.1%と関係するのでしょうか。教育長はこう答弁されました。「今年度末までに方針案を策定し、市民説明会を経て決定したい」と。
 しかし、昨年3月に策定された「小金井市公共施設等総合管理計画」では、「学区域の見直しは、学校施設の長寿命化計画をはじめとした老朽化対策の方針と合わせて、総合的な検討が求めらている」と記しており、長寿命化計画も示されていないなかでは、教育長の答弁は首をかしげざるをえないものとなっています。
 「小金井市公共施設等総合管理計画」の記述とは異なる答弁だと思います。それとも計画どおりの流れとみてよいのでしょうか。あるいは「児童・生徒の5年後の伸び率19.1%」と関係があるものなのでしょうか。
 5〜6年後には学級数が大幅に増えるという私の見方は、市長答弁で裏付けられたと思います。では学級数、つまり確保すべき教室の増だけで「児童・生徒の5年後の伸び率19.1%」への対応は済むのでしょうか。昨日、私が述べたように、学童保育所の増が必要になることは明らかです。教育現場においては、教室の増のほかにも、なにか課題が出てくるのでしょうか。それとも、教室だけで済むのでしょうか。今後、駅前開発もすすめられていくなかで、時間的な余裕はないと考えます。教育現場で課題として想定していることがあれば、お答えください。

 この質問に対して、冒頭の答弁が学務課長から出てきたのである。私は、細かな数字や法律条文を引用する場合は、できるだけ原稿を用意し、事前に原稿コピーを答弁者側に渡たすようにしている。そうしないと、質問と答弁が噛み合わなくなることがあるからである。今回の質問の場合も原稿を渡たすとともに、数字のもととなるデーターを一覧表にして、事前に渡たしている。“事実はこのようになっているので、明確に答えてくださいよ”と、答弁者側に告げるために。しかしそこで述べられた内容は、相当に深刻な事態を語っていた。行政と議会が一緒になって考えていかなければならない問題であることは、誰の目にもはっきり映ったのではないだろうか。

(2018年10月6日付)


小金井市職員定数条例改定案


 小金井市役所の職員の上限数を定める「職員定数条例」の改定案が6月定例会に西岡市長から提案されたが、6月29日の本会議で賛成少数で否決された。職員数を西岡市長の提案人数からさらに減らすことを求めた議員提案の修正案も否決され、これまで通りの上限数が継続されることとなった。

 6月定例会は、新庁舎・福祉会館に関する補正予算に注目が集まり、職員定数条例改定案の否決は話題にはなっていないが、否決された意義は大きいと私は感じている。

 以下、私が6月29日の本会議で改定案にも修正案にも反対する立場で討論した内容を掲載します。また、PDFファイルで、改定案と2つの修正案(委員会では2つの修正案が提案された)の比較表を紹介します。

(2018年7月17日付)

小金井市職員定数条例改定案への反対討論

 日本共産党小金井市議団を代表して、議案第49号「小金井市職員定数条例の一部を改正する条例」に反対し、修正案にも反対する立場で討論を行ないます。
 反対する理由の第一は、改定条例案の職員数「725人」は職場の実状からは厳しい数値 となっているからです。
 現在、市長の補助職では欠員6人、教育委員会でも6人の欠員がでています。また、職場からは増え続ける業務量に対応するための増員要求が出されており、その人数は12人、いずれも市長の補助職となっています。議会に提出された改定条例定数「725人」の内訳 によると、欠員の12人は職員定数の中に組み込まれていますが、増員要求の12人については、職員定数の中には見込まれていません。増員要求12人のなかには、生活保護受給者の増によって、受け持ち人数が基準を超過しているケースワーカーの増員や、時間外勤務の常態化や休暇のとりにくい状況が続いている保育課、下水道管の長寿命化で業務量が増加している下水道課などが見られ、これらの悲鳴にも似た人員要求には応えるものになっていません。職員定数「725人」への変更は、増え続ける業務量に対する増員要求があって も、正規職員では対応しないということを通告するものとなっています。このような改定案に賛成できないのは当然です。
 反対する理由の第二は、現行条例では職員定数外としている「出向者、休職者、育児休業者及び配偶者同行休業者」を、改正案では、自治法派遣の職員のみを定数外とし、それ以外は定数のなかに含めてしまうものになっているからです。
 現在、出向者は一部事務組合に7人、東京都に4人、小金井市観光まちおこし協会に1人いますが、今回の条例改定案では、東京都へ派遣されている4人と小金井市観光まちおこし協会に派遣されている1人が職員定数のなかに含まれることになります。送り出している職場では「内部生み出し」の掛け声のもと、代替職員は採用されていません。この状態を条例上からも容認するものとなります。
 休職者や育児休業者も一定数います。条例改定で、休職者や育児休業者の人数も職員定数のなかに入れることになれば、市が認めた「欠員」以外は「職員定数を充たしている」とみなされ、休職・休業中の職員が職場に戻ってくるまでは、たとえ現場の職員数が必要人数に足りていない場合でも、その人数で業務をこなすことが余儀なくされます。この面でも大きな問題をふくんでいます。
 このような問題を抱えた条例改定案に対して、議会側から修正案が提出されていますが、この修正案は職場にさらなる負担と労働強化をおしけつるものであり、断じて認められるものではありません。
 第一に、現行条例の定数外の職員を定数のなかにいれることを前提にしていることです。第二に、現業職の民間委託化を定数条例の面から推し進めるために、欠員12人の穴埋めを職員定数にカウントされる職員で対応することを否定していることです。第三に、日本の人口の1割が住む大都会・東京に、30年以内に70%の確率でやってくるといわれている首都直下大地震の復興事業の災害対応要員7人を、職員定数から除外するものとなっているからです。
 市役所の業務は職員によって行なわれています。職員定数の削減により職員数が制限されれば、市民サービスに影響が起きることも想定されます。増え続ける業務量に応えたものにしていくためにも、職員定数の幅を狭めるような仕組みは避けるべきです。よって、多くの問題を抱えた市長提出の原案および、さらに問題を拡大させる議会側からの修正案にも反対することを表明して討論を終えるものです。

  PDFファイル「小金井市職員定数条例の一部を改正する条例案と修正案概要」


予算の組み替え


 年間予算が議論される3月定例会では、多くの議会で「予算組み替え」が提出されている。今年は国会で野党共同の組み替え案が提出され、都議会では日本共産党が毎年、提出している。小金井市議会においても日本共産党市議団が毎年、提出しており、今年も総額31億4,600万円の組み替え案を提出した。

 一口に「予算組み替え案」と言うが、つくるとなると結構、大変である。日本共産党小金井市議団の場合は、以下のような流れとなる。(1)まず、予算書の中から、予算化すべきではない、もしくは問題のある事業をチェックし、予算化すべきと思う事業も洗い出して、予算委員会が始まるまでに一覧表にする。(2)予算委員会では、一覧表に記した事業の疑問点、問題点等を必ず質問し、実際にどのような問題があるかを明らかにするとともに、その事業費の全額が問題なのか、あるいは部分に問題があるのかを明確にする。(3)そのうえで、全額を削除するのか、一部分を削除もしくは残すのかを判断し、「組み替え案の素案」づくりに入る。(4)事業費削減の場合は、国や東京都からの補助金の減額につながり、基金繰り入れや起債(借金)の縮減にも連動する。よって、削減予定の事業にどの部分の予算が充てられているのかを担当部局に聞き、歳入・歳出が連動する表をまとめあげる。(5)予算化すべきと思う事業についても担当部局に問い合わせを行ない、どれくらいの金額が必要なのかを明確にする。(6)「予算組み替え案」の体裁が整った段階で、議会事務局で点検を受ける。(6)議会事務局からの訂正・修正を反映させ、議員団で最終確認を行ない、正式な議案として議会事務局に提出する―――というもの。

 「予算組み替え案」を作成したことのある人ならば、わかるであろうが、作成過程は数字との格闘である。小金井市議会の場合は予算修正と同じ体裁が要求されているため、数字に相当に神経を使う。そのため、予算委員会が閉幕してから最終本会議までの数日間は、四六時中、数字とのにらめっことなる。

 この作業は「得て」「不得手」がある。日本共産党小金井市議団の中にも「得て」「不得手」はあり、比較的、この作業を苦にしない者が組み替え案を担当する。組み替え案の作業をしているなかで一番、困るのは、作業の最終盤になって突然、内容変更を求められる場合である。先述したように、小金井市議会の場合は予算修正と同じ体裁が要求され、一部の数字の変動が小計・合計に連動し、全体を再点検する必要に迫られてくる。だから最終盤に入ったあたりから、作成担当者は「ここにきての変更はないように」と祈る思いになるのである。

 今年は日本共産党市議団の他にも、予算組み替え案を提出した会派があった。まったく予期しなかった、自民・公明からの提出である。金額は1億5,570万円、わずか4事業の削減と1事業の予算化にすぎない。私から見れば、ささやかな組み替え案である。しかし、この組み替え案が西岡市長と市長を支える会派に衝撃を与えた。

 共産党は毎年、予算組み替え案を提出していることから、市長提出の年間予算は「反対」が明確である。しかし、自民・公明は苦情等は言うものの、昨年は予算に賛成している。だから、今年も・・・と、おおかたはそう思っていたに違いない。しかし、まさかの予算組み替え案である。つまり、西岡市長提出の予算には「反対する」との宣言である。

 迎えた最終本会議。日本共産党市議団提出の組み替え案は、あっさり否決。一方の自民・公明提出の組み替え案では、前代未聞の事態が起きた。こともあろうに、西岡市長を支える会派・議員が自民・公明とともに賛成し、組み替え案が可決されたのである。賛成14人、反対9人。これを受けて、西岡市長は「組み替え内容に即した補正予算を、第2回定例会(6月議会)に提出する」と発言した。

 ここには、西岡市長を支える会派・議員の苦渋の選択があった。自民・公明提出の組み替え案を否決させることは容易である。しかし「否決」してしまえば、西岡市長提出の原案に自民・公明が「反対」することになる。共産党も原案には反対なので、結局、原案は賛成少数で「否決」となる。そうなったら暫定予算を組まなければならなくなる。それだけは避けたい。だから、自民・公明提出の組み替え案を「可決」させ、市長がその内容の受入れを表明することで原案に賛成してもらう―――それが、今回の前代未聞の事態を生み出したのである。西岡市長の予算原案は賛成17、反対6で可決された。

 今回は、わずか4事業の削減と1事業の予算化で済んだ。しかし来年はわからない。もっと過激な要求を盛り込んだ組み替え案が突きつけられるのではないか。暫定予算を避けるために、西岡市長を支える会派・議員は今年のように、それでも自民・公明の組み替え案に賛成するのであろうか。魂を売ることにならなければよいのだが、と思う。

 今回の議会ほど、議会事務局が泣いたことはないであろう。予算委員会が実に8日間も開かれ、その大半が夜の11時頃まで。そして翌日は朝8時30分出勤が連続して続く。しかも、予算組み替え案が共産党の他に自民・公明から提出され、条例の修正案が3つも提出された・・・。クタクタの身体で、その点検作業も行なわなければならない。勘弁してくれ―――と。

 この時点での議会事務局は、正規職員10人体制であった。しかし新年度からは正規職員が一人減らされ、正規職員9人+非常勤嘱託職員1人に変わる。議会事務局長も新年度から交代し、職員自体も半数近くが異動となる。来年も今回と同様の事態を迎えた場合、果たして業務をこなしきれるのだろうか。残った職員の多くが心の中で叫んだ。「私も異動させてくれ!」。新たな顔ぶれで新年度の議会事務局体制がスタートした。

  PDFファイル「日本共産党市議団の2018年度一般会計予算組替え動議」
  PDFファイル「日本共産党市議団の2018年度一般会計予算組替え項目」

(2018年4月2日付)


社会福祉委員報酬問題の続編


 社会福祉委員への報酬支払い問題の全容が次第に明らかになってきている。支払額が条例の「11,000円」ではなく「10,000円」だったことが判明したのは昨年5月16日。3日後の5月19日に市長に報告され、5月下旬に法務担当部門が市の顧問弁護士に意見を仰いだ。顧問弁護士は「条例どおりに支払うべき」と回答。ところが小金井市はその意見に耳を貸すことなく、昨年6月あたりから、条例とは異なる「10,000円」を継続する方策と、社会福祉委員への支払い不足額の債権放棄策を模索し始めた。

 7月4日に市長、副市長、教育長を交えた理事者協議が開催された。ここには顧問弁護士とやり取りを行なっている法務担当部門や、法令・条例・規則等にもとづき行政運営が適切に行なわれているかを監査する監査委員の補佐職も出席。法務担当部門からは顧問弁護士の見解が示され、監査委員の補佐職からは監査委員に報告すべきでは?との見解が述べられた。しかし顧問弁護士の「条例どおりに支払うべき」との見解は無視され、監査委員への報告は「福祉保健部から保留するよう求められた」という。

 監査委員への説明、市議会への説明は今年2月に入ってからである。すでに社会福祉委員の報酬を、24年間もの長期にわたって誤支給し続けている金額「10,000円」へと変更する議案の作成が完了し、社会福祉委員からは債権放棄書のサインをもらった後の段階である。もはや有無は言わせないというものであろう。

 市長はどのような対応をしてきたのであろうか。予算特別委員会での答弁を総合的に判断すると、市長はその場その場で自らの意志は明確に示していないように思える。7月4日の理事者協議で担当部局から「10,000円」支給継続と債権放棄手続きを視野に入れた考えが示されたが、市長はそれに異を唱えず、部局の考えを「了」としたのである。居並ぶ関係部局の中には、それでよいのか?と疑問を抱いた者もいたであろうが、それを口にすることが許されぬ空気がその場にあったことがうかがいしれる。市長も副市長も教育長も、担当部局の考えに異を唱えることができず、あるいは問題意識を持たずに、流されて行ったのである。重大な過ちの道程は7月4日の理事者協議から始まったのである。

 振り返ってみると、過ちを是正する場面はあった。しかし、顧問弁護士の見解に耳を貸さず、監査委員にも市議会にも知られないように秘密裏にコトが運ばれ、福祉保健部を中心に、過ちにフタをする形でコトはすすめられていったのである。

 どの職場や部署においても、自分の言うことは正しい、自分の言うとおりにやれば問題はないと一方的に判断し、他者が異論をはさむことを良しとせずに従わせようと強圧的にモノを言う人はいる。私は一連の流れの中心に、特定の部長が大きな位置を占め、立ちはだかっていたように思えてならない。そのことが、物事を後戻りできない方向へと進ませてしまったのだと思うのである。

 市長は6月定例市議会までに、この間の経過をまとめあげ、自らの責任を含めた処置を示すと述べているが、ここにはすべての責任を一身に背負おうとしているように見える。たしかに、最高責任者は市長である。しかし、それで果たして再発防止につながっていくのであろうか。声の大きな人にはモノが自由に言えない職場こそ、改めるべきだと私は思うのである。

(2018年3月28日付)


社会福祉委員報酬問題


 社会福祉委員という役職をご存じであろうか。「社会福祉の増進を図る」ことを目的に、民生・児童委員の中から選任されているもので、小金井市においては民生・児童委員の全員が兼職している。この社会福祉委員の報酬問題がいま、小金井市役所を激しく揺さぶっている。

 問題の概要は次のようなものである。小金井市は社会福祉委員の報酬を月額「11,000円」支払うべきところを、長年「10,000円」で対応してきた。ところが市は、誤りに気がついたにもかかわらず、「11,000円」支払うのではなく、気がついた以降も「10,000円」の支払いを継続。本来支払うべき金額と実際に支払っている金額の違いを是正するために、現在開会中の定例市議会に、実際に支払っている金額「10,000円」が正しい金額だとするための条例案を提出したというもの。

 問題はそれだけではない。現職の社会福祉委員65人および元職の社会福祉委員37人に対して、報酬月額に差異が生じた問題を説明するために集まってもらった場で、こともあろうに差額「1,000円」をさかのぼって請求する権利を放棄させたのである。もちろん、請求権放棄は、参加者の了解のもとで手続きがとられているが、本来行なうべきは差額をさかのぼって支給することであり、百歩譲っても、差額分請求書と請求権放棄書の両方を渡たし、社会福祉委員各自の判断に委ねるべきものである。ましてや、問題を引き起こしたのは行政である。行政の行なうべき道は、前段ではないだろうか。

 支払額が誤っていたことに気がついたのは、社会福祉委員から支給額「10,000円」の根拠が問われ、市が条例をもとに根拠を示そうとしたところ、条例では「11,000円」と明記されていたことが判明(昨年5月16日)。条例どおりに支払っていなかったことがわかったというものである。

 なぜ「10,000円」で支払われてきたのであろうか。市は述べる。報酬額を記した条例案を1993年9月の定例市議会に提出した。ところが、支給額「10,000円」とすべきところを、誤って「11,000円」と明記してしまった。「11,000円」は誤りで、「10,000円」が正しい―――。

 なぁ〜んだ、そうだったのかぁ、とは到底なりえない。「11,000円」は誤りで「10,000円」が正しいとしても、条例で「11,000円」となっているのであれば、「11,000円」を支払わなければならない。これまでの不足額を支払うのは当たり前であり、不足額の請求放棄をさせるなどはもってのほかである。

 人間が行なっているのだから、間違いは起きる。問題は、間違いがわかった時点でどうするかである。市は間違いが判明した以降も「10,000円」で対応し続けた。加えて、過去の不足額を支払う対応をとることさえしてはいない。しかも請求権放棄の手続きをすすめている。まったく逆の方向に走っているのである。これは相当に「悪」である。

 市長・副市長・教育長が協議する「理事者協議」が昨年7月4日に行なわれている。市が議会に提出した資料によると「平成5年(1993年)の条例改正時における事務上の誤りである可能性が大きいことを報告」とされており、担当部長が報告していることがうかがえる。問題はその時である。

 部長から報告があった7月4日の理事者協議の席上、市長は担当部長にどのような指示を行なったのであろうか。今日の事態から推測すると、市長は、それまでの差額分支給の指示はせず、7月4日以降においては「11,000円支給」の指示も行なわず、「10,000円」を前提とした事後処理を指示もしくは容認したのではないだろうか。だとすれば、市長の責任は重大である。

 今年の2月23日に、小金井市は監査委員に説明を行なっている。仮に、監査委員が市長と同じく、「10,000円」を前提とした事後処理を支持もしくは容認したとすれば、監査委員の役務も問われることとなる。条例違反に目をつぶったことになるからである。

 市長は自身の「最高責任者としての責任を明確にするため」に、4月に支給される自身の給料を5%削減する条例案を議会に提出した。しかし、それでコトはすむであろうか。市長自身が、条例と異なる報酬額支払いを指示もしくは容認しているのである。問題に加担しているという認識が、自身の給料減額条例案の提案理由からは見えてはこない。

 支払額が条例と異なることが判明して以降、理事者・部長職者が協議する「庁議」ではわずか1回しか、この問題が議題になっていない。しかも今年の2月27日である。いったいどうなっているのであろうか。それだけではない、「平成29年10月2日現在」の日付入りで、社会福祉委員に対して「事務局からのお知らせ」が配布されているが、そこには「社会福祉委員報酬 月額10,000円」と記されている。条例では「11,000円」と明記されているのをわかっておきながら、「10,000円」と記しているのである。ここには意図的なものさえ感じる。

 加えて「起案書がない」という問題である。前述のように今年の1月下旬に、社会福祉委員の現職・元職者に対する説明会が開かれたが、その場に配布された「報酬請求権の放棄書」の文面をどの手順で確認し決裁していったのかを示す「起案書」が作成されていないのである。これはうがった見方をすれば、特定の個人によって極秘裏にコトがすすめられていったのではないか 。どんどん深刻な方向に進んでいるように思えてならない。

 この問題が扱われた3月7日(水)の総務企画委員会では、議会からの質問に市側が答弁できず、答弁は後日扱いとなった。また、3月9日(金)の予算特別委員会でも質問が出され、これも答弁は後日扱いとなった。コトがコトだけに、答弁も慎重にならざるを得ないのである。

 このままでは総務企画委員会も予算特別委員会も、簡単には幕を閉じるわけには行かない。コトの顛末を文書にしたため、市長報告を行ない、市長をはじめ関係する管理職者の処分を行なうところまで行かないとならないのではないか、と私は思う。もしそれを行なわない行政であれば、議会側は天下の宝刀を抜かないわけにはいかないであろう。

(2018年3月11日付)


国保の都道府県単位化


 来年4月から国民健康保険制度が大きく変わる。保険者である各市町村が独自に保険料(税)を設定していたものが、来年4月からは都道府県が市町村とともに保険者となり、財政運営の主体となっていく。このことによって国保の運営にかかわるお金の流れが変わるほか、国保に加入している被保険者の保険料(税)がどうなるのかが問題となっていく。

 これまでも国保の保険料(税)は高く、加入者にとって重い負担となっているが、来年4月からの都道府県単位化は各自治体にとっても注目せざるをえないものとなっている。こうしたなか、小金井市は11月30日に開催された小金井市国保運営協議会に、来年度の国保に関する諮問案を示した。それによると、医療分の均等割額(国保加入者全員に賦課されるもの)を5,000円アップ、平等割額(国保加入の世帯単位で賦課される)はゼロ(廃止)、このことによって国保税率が現行よりも0.52%アップし、全体で1,234万5,000円の影響額(引き上げ総額)になるとしている。

 小金井市は単位化に合わせて、東京都内23区と同様に「所得割額」と「均等割額」の2方式にするという。理由は「将来的な標準税率になることを見越して」。つまり、小金井市独自の税率から東京都全体の税率に合わせていくという考えである。保険税率がさらに上昇していくことを前提とした考え方に立つものであり、許容できるものではない。

 諮問案は「国保税率を現行よりも0.52%アップし、全体で1,234万5,000円の影響額」となっている。この税率・影響額で判断できるのは、「その他一般会計繰入金」を一定額、見込んでいるということである。小金井市は「7億5,000万円程度、見込んでいる」と述べた。「その他一般会計繰入金」とは、国保会計収支の均衡を保つために、市の一般会計から国保会計に赤字分の補填をするというものである。繰入金を想定していることは評価できる部分である。

 ではなぜ0.52%の税率アップを行なうことになるのか。税率アップで見込む影響額1,234万5,000円を「その他一般会計繰入金」で見込んでいる7億5,000万円に上乗せして、税率アップにならないようにすべきではないのか。なぜ、そのように諮問案を組まなかったのか−−−、合点がいかない。

 小金井市は、国保会計の収支不足(赤字)を補填する「その他一般会計繰入金」を昨年度の当初予算で8億8,500万円計上し、今年度予算でも同額の8億8,500万円を計上している。この2年間と同程度の金額を諮問案に組み込めば、税率アップを避けることはできるのである。なぜ、そのように諮問案を組まなかったのか。

 それは、あらかじめ「7億5,000万円」で決めていたからである。様々な情報をもとに分析すると、小金井市は現行の3方式(平等割額・所得割額・均等割額)から2方式(所得 割額・均等割額)に切り替えても、「その他一般会計繰入金」は7億5,000万円程度あれば税率アップにはならないと判断していた。ところが「7億5,000万円」と決めたあとに東京都から数値(仮係数)が示され(11月21日)、それをもとに計算すると不足することがわかった。だから今回の税率引き上げの諮問案になった−−−というもの。私はそう推測する。

 ならば、最初に決めた「7億5,000万円」ではなく、引き上げ総額の1,234万5,000円を上乗せした金額を「その他一般会計繰入金」で設定し直せばよいではないか、と誰もが思う。しかし、スケジュールがそれを許さなかった。

 手元に「平成30年度 小金井市予算編成方針」がある。これは、この方針にもとづいて、いついつまでに来年度の歳入・歳出の予算見積書を作成しなさいという、企画財政部が各課に示した指示文書である。この方針にもとづいて、国保会計を担当する保険年金課も予算見積書を作成している。注目すべきは、見積書の提出期日である。「11月2日(木)午後3時」となっている。つまり、保険年金課は「その他一般会計繰入金」をこの時点で7億5,000万円と見込んだのである。その後(11月21日)、東京都が数値(仮係数)を示したものの、予算見積書で「7億5,000万円」とうたったことから、それを前提に企画財政部が走っているなか、保険年金課としては税率引き上げの諮問にならざるをえなくなった、というところ。私はそう推測する。今月28日頃に東京都は本係数を発表するという。「それによって諮問内容が変更になることはありうるのか」と問うと、「場合によってはありうる」と述べた。来年4月から制度を大きく変更するというのに、国も東京都も、地方自治体泣かせの緩慢な動きをしている。

 都道府県単位化での保険税率算定の流れについて整理しておく。都道府県ごとに全体の医療費を算出し、そこから国庫支出金、都道府県支出金などを差し引き、所得水準・医療費水準を加味して都道府県事業費納付金を計算、さらに市町村ごとの事業費納付金を計算して都道府県ごとの計算方法で算出した標準保険税率を計算する−−−ここまでが都道府県の作業。そのうえで市町村は、独自の計算方法でそれぞれの市町村保険税を決定する。−−−小金井市も同じ認識だという。よって、現行の3方式でいくのか2方式に改めるのか、「その他一般会計繰入金」をどれくらい見込むのかは、各自治体の判断に委ねられるのである。

 国保税の引き上げを中止し、税率引き下げをすすめるためには、市町村の努力だけでは限界が出てくる。いやがうえでも国や東京都の財政出動は避けられない。小金井市は、国や東京都に「働きかけていく」と述べている。他の自治体とも手を携えながら、強力に働きかけていただきたいと願う。

 昨年4月に息子が親元を離れ、一人生活を始めた。扶養家族ではなくなったことから、国保税が下がるものと期待したが、逆にアップしていた。税率引き上げが行なわれた記憶はない。何故なのか!。税金の扶養控除額がその分、なくなったからである。国や東京都の財政出動は、我が家のフトコロ具合からも不可欠なのである。

(2017年12月18日付)


福祉会館跡地の地上権解消議案


 昨年3月末で閉館となった福祉会館の建物が取り壊され、来年3月末には更地となる。年間930万円余の地代を支払っている小金井市は、これを機に土地の借り上げを終了し、土地を所有者に返還するとしている。しかし、この土地には小金井市の地上権が設定されており、あと10年間、使用する権利を小金井市は持っている。そのことから議会内には、返還するのではなく、10年間分の地上権を第三者に売却すべきだとの論を張る議員がいる。
 一方小金井市は、10年間分の地上権評価額を不動産鑑定士に算出してもらったうえで、その評価額をもとに土地所有者と交渉を行ない、双方が合意できる金額で土地所有者に地上権を買い取ってもらう考えを示している。それが12月議会に市側から提出された「地上権設定契約の合意解消に係る和解について」という議案である。

小金井市と土地所有者とで合意した金額は1億6千万円。来年3月末で小金井市の地上権を解消させるというものである。

 これに対して、10年間分の地上権を第三者に売却すべきだと論ずる議員は「知り合いの不動産関係者に聞くと、今回の合意金額1億6千万円をはるかに上回る2億円あるいは3億円という金額で売却できると言っている。だから、土地所有者に買い取ってもらうのではなく、一般競争入札を行ない、第三者に売却すべき」と主張する。

 その議員の主張するところは、その論においては理解するところであるが、“それで良いのか?”と私は思う。土地の市場価格にもとづけば、この土地の10年間分の地上権は1億6千万円を上回り、もっと高値で売却できるかもしれない。しかし長年、小金井市の公共施設を設置する場所を提供し続けてきた土地所有者(市内の宗教法人)の意向を無視して、第三者に地上権を売却するという行為を行なっていいのか?、しかも行政という立場の小金井市が。

 だから日本共産党市議団は、この間の市の担当者の努力、議会への対応の仕方などを総合的に判断して、市が提出した和解議案に賛成することを表明したのである。なお、議案が審議された12月13日(水)の市議会総務企画委員会で私が述べた見解を以下に紹介する。

板倉真也の和解議案への見解

 議案第70号への意見を述べさせていただきます。
 日本共産党市議団は、市民の貴重な財産の一つである福祉会館跡地の地上権の扱いは、市民にとって不利益にならないこと、行政の対応の在り方が市民に理解されるものであることを基本に、この間、様々な場面で主張し対応してまいりました。
 議会に示された資料からは、小金井市と土地所有者との間で様々なやりとりが行なわれていたことをみてとることができるとともに、小金井市が議会の意見をふまえて不動産鑑定を行ない、得られた鑑定結果をもとに地上権価格審査会を設置し、市が妥当と判断する適正価格を設定して再度、所有者と交渉を行なっていること。明らかにできる範囲は限られているとはいえ、所有者側の考えも一定、明らかにされていることなど、市側の判断努力を資料からみてとることができます。
 昭和42年から今日にいたるまで、小金井市は地上権への賃借料を滞りなく払い続けていることから、所有者と小金井市は対等の関係にあることはいうまでもありません。そのことから、小金井市が地上権を第三者に売買することは選択肢として、ありうることだと考えるところです。しかし、相手側が利益を追求する株式会社ではなく、しかも売買を望まず、早期の解消を求めているという実情をふまえるならば、一般的な民間と民間の商取引のような対応の仕方を行政がとることには、慎重であるべきと考えるところです。
 一方、地上権の解消・和解のための清算金1億6千万円という額に対しては、議会の意見をふまえて実施した不動産鑑定の結果および、所有者側が希望する金額との中庸値を、小金井市が従来から実施している不動産価格審査会での評価額の出し方を参考に導き出されている点からみても、異論をはさむところではありません。
 2者による不動産鑑定のうちの1者が、所有者側が示した評価額のレビューを行なった事業者ではあっても、土地所有者側が連れてきた事業者ではないことから、疑念を抱くものにはなりえません。強いて言えば、レビューを行なった事業者を採用していなかったならば、もう少し異なる評価額が示されていたかもしれないと、そのような推測を与える余地を残したという点です。だからといって、レビューを行なった事業者が下した評価額が問題だといえるものにはなりません。
 一方で、今回の和解議案に至るまでには、土地所有者が示した金額で和解をしようとした点や、市側が独自に不動産鑑定を予定していなかった点が明らかにされています。この点については、市民の財産を預かっているという、本来あるべき視点が欠けていたものと指摘さざるをえません。
 とはいえ、冒頭述べましたように、市民にとって不利益にならないこと、行政の対応の在り方が市民に理解されるものであること という点から見た場合、今回の小金井市の対応の在り方は、議会の要望に真摯に対応しているとともに、必要とされる資料の提出も行なわれ、市が所有する情報もある程度は示されたと判断され、評価できるものと考えるところです。その観点に立って、本議案に対応していきたいと考えるところです。

(2017年12月14日付)


会派構成、議会人事が決まる


 3月26日の市議会議員選挙で当選した議員24人の初顔合わせが4月10日(月)に開かれ、会派構成が確定しました。自民党は無所属で当選した五十嵐京子議員と会派を組み、最大会派の5人に。日本共産党と公明党は4人ずつで第2会派に、民進党の会派に加わるのではないかと見られていた沖浦あつし議員は一人会派でスタート。その結果、一人会派が6つとなり、会派数は合計で11となりました。

 11日(火)から議会人事の話し合いがスタート。議長人事の調整で時間を要し、全体の構成が明確になってきたのは17日(月)となりました。19日(水)の臨時議会で議会人事が確定。前半2年間の体制が確立しました。

 日本共産党は12年ぶりに副議長職に就任。厚生文教委員長職と総務企画副委員長職も担うことになりました。議長職には、自民党と会派を組んだ五十嵐京子議員が就任し、副議長職には森戸洋子議員が、議会選出の監査委員には公明党の紀由紀子議員が就任しました。正副議長職を女性が担うのは小金井市議会史上初。加えて監査委員も女性というのは、全国ひろしといえども、小金井市議会だけではないかと思われます。6月議会では特別委員会の設置が予定されています。特別委員会の正副委員長職の調整もすすめられていくことになります。

(2017年4月20日付)

PDFファイル「議会・委員会などの人事一覧」


小金井市の2017年度予算が成立


 西岡真一郎市長が誕生して1年4カ月。多くの市民が、これまでの稲葉孝彦市長時代からの転換を期待したに違いない。しかし、西岡市長のもとで編成された2017年度予算は、稲葉孝彦市長時代と同じく、駅前の大型開発や都市計画道路を推進、財源確保のために市民に負担を求める「行革」も推進という中身になっている。強いて異なる点といえば、国や東京都が子育て部門に力を入れたことから補助金が手厚くなり、保育園や幼稚園への施策拡充がはかられたことくらいである。

 なぜ西岡市長は、旧態依然の市政運営を行なっているのであろうか。西岡市長の市長選挙時のチラシを見ると、駅前開発を行ない、「行革」も推進となっており、稲葉市長の政策と基本的には同じということがいえる。しかし、それだけではない。西岡市長は年間予算を可決させるために、自民党や公明党の顔色をうかがって市政運営を行なっているのである。昨年は年間予算に自民党や公明党が反対し、暫定予算を組まざるをえなくなった。その轍は二度と踏みたくはないと肝に銘じたのである。

 そこから練り上げられたのが3月9日の最終本会議で可決・成立した2017年度の年間予算。自民党と公明党が賛成し、驚いたことに、稲葉市政とベクトルが同じ方向の年間予算であるにもかかわらず、生活者ネットとリベラル保守が賛成に回った。

 年間予算には、武蔵小金井駅南口第2地区の再開発事業に3億円余の補助金が計上され、そのうち小金井市は7,517万5千円の税金を投入するのである。加えて、2017年度から認可保育園の保育料値上げが行なわれ、就学援助制度も認定基準が引き下げられたままである。南口第2地区再開発事業への補助金投入にいたっては、生活者ネットもリベラル保守も、日本共産党とともに、住民投票条例制定の直接請求運動を取り組んできたのである。なのに、年間予算賛成の側に回ってしまった。

 リベラル保守にいたっては「再開発事業がスタートし、権利者の生活再建が求められる」と述べる始末。「60人の権利者の再開発のために、60億円の税金が当てられる」と述べて反対運動をしてきたのは、あなたたちではなかったか。なのに、自民党や公明党の顔色をうかがいながら予算編成を行なう市長と同じ方向をとるならば、これまでの立ち位置を変えることにほかならない。

 東京都の小池知事は、自民党や公明党の顔色を見ようとはしない。都民の顔を徐々に見るようになっている。小金井市の西岡市長も、小池都知事を少しは見習ってはどうか。そうでないと、早晩、市民の厳しい審判が下ることになるであろう。

(2017年3月11日付)


小金井市が就学援助制度の改善策打ち出す


 小金井市は、3月1日の市議会予算委員会の質疑の中で、国が2017年度から就学援助の要保護児童生徒の入学準備金の補助単価を引き上げるのに合わせて、準要保護児童生徒の入学準備金も同額に引き上げることを明らかにしました。

 国の2017年度からの措置は、現行の生活保護世帯の児童生徒の入学準備金の額に合わせるもので、要保護児童生徒の入学準備金を、小学校1年生では2万470円から4万600円に、中学校1年生では2万3,550円から4万7,400円へと引き上げます。

 小金井市では、生活保護世帯の児童生徒が就学援助の要保護児童生徒とされ、2017年度からの国の補助単価引上げで恩恵をうける要保護児童生徒はいません。しかし、小金井市はこの機会に、準要保護児童生徒の入学準備金も同額に引き上げることを表明し、この部分はまるまる、小金井市が対応することになります。

 小金井市の準要保護の児童生徒の入学準備金は、
    小学1年生が現行(2016年度)の2万1,470円から4万600円に、
    中学1年生が現行(2016年度)の2万4,550円から4万7,400円になります。
            ※小金井市の2016年度の金額は、国の補助単価よりも1,000円高い

 この引き上げに伴う小金井市の持ち出し額は 370万円となります。小金井市は、7月下旬に支給される2017年度の準要保護児童生徒の入学時学用品・通学用品費に今回の引き上げが間に合うように、6月議会に補正予算を提出することを明らかにしました。

 あわせて小金井市は、来年4月に中学に入学する準要保護の生徒に対して、入学準備金を前倒しで3月に支給することも表明しました。金額は、要保護生徒と同額の4万7,400円(2016年度の小金井市の金額は2万4,550円)となります。前倒しに必要な予算は390万円です。小学1年生に対する入学準備金の前倒しについては、システムの改修などが必要なために、来年3月には間に合いません。しかし、なるべく早く対応したいと小金井市は述べています。

 日本共産党市議団は、昨年9月議会に、就学援助の改善・拡充のための条例案を他会派と共同で提案しました。条例には、今回、引上げが表明された入学準備金に該当する「入学時学用品・通学用品費」と、小中学校の新1年生に対する入学準備金の前倒し支給が明記されています。

 私は、昨年9月の一般質問で、条例提案の中身に沿って小金井市の就学援助制度の問題点を明らかにし、小金井市に改善を強く求めました。条例案は賛成11人、反対12人で否決されましたが、今回の小金井市の対応は、日本共産党の道理ある主張が否定できないものであることを、市自らが証明したものとなりました。

 なお、昨年9月に条例提案した際の、入学準備金に該当する「入学時学用品・通学用品費」は、小学1年生で3万6,470円、中学1年生で3万9,550円となっていますが、今回、小金井市が明らかにした金額は、昨年9月の条例提案の金額を上回るものとなっています。

(2017年3月8日付)


下水道料金値上げの根拠崩れる


 「40年前に敷設した下水道管や下水道処理施設が老朽化し、維持補修等に莫大な経費が必要になる」を理由に、小金井市は現在、下水道料金値上げのための審議会を設置し、今年12月議会に値上げ案を提案するスケジュールを組んでいます。ところが・・・。

 3月2日の予算委員会で小金井市は、私の「昨年、主要な道路の下水道本管を調査・診断した結果、傷み具合はどうだったのか」の質問に対して、「5年未満に対応が必要なものは2%で、平成30年度と31年度で工事を行ない、これに必要な費用は、通常程度の工事費でまかなえる」と述べました。

 この答弁を受けて、翌日の行財政改革調査特別委員会で「次に行なう、本町地域の下水道管(支管)調査はいつなのか」と質問したところ、「平成32年度に調査を行ない、設計が33年度、工事は34年度から3年間かけて行なう」と述べました。ということは、今年の12月議会に値上げの議案を提出しなければならない理由・根拠がなくなったということ。この問いに対して担当課長は「審議会が判断すること」と答弁。しかし、私の指摘を否定できませんでした。

 「下水道料金値上げ」の根拠を切り崩す質問を行なうに至ったキッカケは、昨年11月30日に市役所駐車場で行なわれた事業者による下水道管修繕方法のデモンストレーションでの、市職員のなにげない一言、「いま、下水道本管の調査を行なっているが、ほとんど傷んではいない」。・・・ということは、下水道料金の値上げは必要ないのではないか?。

 このなにげない一言を、なにげないものにさせない感性が必要です。市民の暮らしの実態をふまえ、“値上げはするべきではない”を腹に据えながら活動している日本共産党の一員だからこそ、今回の質問を組み立てることができたのです。私の質問を受けて、他会派の議員からは「それまでに基金(貯金)を積み立てて、市民の負担を軽減すべき」の発言がありました。今後の、小金井市の対応が注目されます。

(2017年3月8日付)


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