三月議会予算特別委員会 開発より子育て施策充実を

 新年度の年間予算を審議する予算特別委員会は、13日から4日間の日程で行われ、共産党からは荒川・矢作議員が審議に参加。最終日には一般会計予算原案に対しての「組み替え動議」を提出しました。
 組み替えを求めたのは、下の表に列記してあるものを含め8項目。

組み替え動議で要求した主な項目

(1)総合戦略関連について
 COOL JAPAN FOREST構想関連予算と不要不急の土地利用転換推進業務は中止する。
(2)PFI関連について
 PFIを前提とした、民間資金等活用事業選定委員会設置と市民文化センター改修アドバイザリー業務委託を削除する。
(3)子育て環境について
 育児休業に入ると上の子を退園させる制度をただちに中止する。保育園の「隠れ待機児童」と放課後児童の待機児解消のために早急な施設整備をする。
(4)すべての小中学校へのエアコン設置

 提案理由は次の通りです。

【提案理由】
 子育て世代の定着化は当市の喫緊の課題であるところだが、転入より転出が上回っているのが現状である。
 保育園や放課後児童の待機児対策に真剣に乗り出すことや教育環境の改善のために、全校へのエアコン設置などに早急に取り組むことなどが、子育て世代に安心を与え、子どもたちへの健やかな成長を保障することとなる。
 そのような時に、総合戦略に掲げる「土地利用転換」による開発計画を推進することは、今後の市財政にとって、莫大な負担を強いることとなり、市民の福祉や暮らしを圧迫しかねない事態となり、この方向を是正することが必要である。
 よって、開発優先でなく福祉・教育や市民生活充実のための施策を進めるために、予算の組み替えを要求するものである。

国保・後期高齢者医療 増税や負担増で反対

 組み替え動議の採決では賛成少数により否決。原案の採決では反対少数で可決しました。
 特別会計予算では、国保税が今年度から増税されて徴収されること、後期高齢者医療では、低所得者の特例軽減が一部廃止により、約四二九五人が負担増となることから反対しましたが、賛成多数で可決しました。

中央中の内装木質化に圧倒的多数で決議可決

 一般会計予算には中央中学校の内装木質化工事が計上されており、質疑が集中しました。
 校舎内装木質化は、市長の公約ですが、中央中学校は防音校舎であり、エアコン設置こそ生徒の教育環境には最優先されるべきです。
 市は「すでに設計は出来上がっている」と予算計上の理由を述べています。
 しかし、あてにしていた国庫補助金がつかなかったことを理由に一旦は断念したはずなのに、今回、補助金の見通しのない中で、市単独で予算化することの整合性など質疑が相次ぎました。
 委員会は途中休憩して協議会を開き、付帯決議などの意思確認や採決方法など協議。再開後の一般会計予算原案可決後、赤川議員発議の付帯決議について採決。その結果、自民無所属の会3人を除く8人の賛成多数で可決しました。
 決議の概要は下の通りです。

付帯決議

 「校舎内装木質化事業」の予算執行にあたり、以下の通り決議する。

一 今後、国の補助金が得られるように最大限努力すること。
二 防音校舎であることを鑑み、将来の復温除湿工事との関係を説明し、工事前に中学校の保護者の意向調査を実施すること。
三 実施時期に関し、他の予算との優先順位を今後十分配慮すること。
四 小中学校にエアコン設置を検討すること。

 

小林すみ子の議会報告

写真

 森友学園疑惑。破格の国有地払い下げ、政治家の関与の疑いは濃厚です。そこに急な申請の取り下げ、自民党など与党は幕引きを目論んでいるのでしょうが、相次ぐ疑惑と教育勅語を素読させる異常な教育方針。▽稲田防衛相は、面識がないと国会で答弁していましたが13年前民事訴訟の代理人弁護士として出廷していました。▽安倍首相夫人は名誉校長になり、夫妻で学園を持ち上げ、籠池氏から100万円寄付発言も飛び出し、一挙に証人喚問に▽自衛隊の南スーダン日報の隠ぺいもあり、政府は真実を国民に明らかにするべきです。

児童クラブ 大規模・狭隘化の解消を

 児童クラブの大規模化・狭隘化は新年度予算でも解消されません。条例上一人当たりの専用面積は1・65平方メートルとしながら、当分の間適用しないとしています。適正規模超えは牛沼50人・小手指49人・明峰41人・北野38人・安松44人になります。
 老朽化と、トイレ・水道も足りず、食事の前の手洗いも長い列、カバン置場もありません。雨の日は外遊びもできず、摩擦が起きやすくなります。命に関わる事故が起きないか保護者も指導員も不安だらけです。
 少なく見込んだ量の見直しや、早急な施設増設等の改善を求めました。
 市長の答弁には、切迫感がありません。子どもを大切にするのであるならば、補正予算を組んでも対応すべきです。

ミューズの改修にPFI方式?

 市はミューズの大・中・小ホールの天井改修とバリアフリー化等を約52億円かけて改修する計画です。
 民間が銀行から資金を借りて設計・改修・維持・管理までするPFI方式で進めるか、最終的には今議会に出された条例「民間資金活用選定委員会」で決定しようというものです。しかし、金利は自治体の方が低く、民間はリスクが高く金利も高くなる傾向です。
 仙台市のPFI事業の温水プールが、開館からわずか一か月、地震で天井が崩落する事故が起きました。不十分な検査で手抜き事故を見抜けなかったのが原因です。民間主導のため情報公開もされず、安全性を保障するチェック機能が弱くならないか質しました。
 答弁は、第三者によるチェックを事業者に義務付け、市の立ち会い、市委託の専門アドバイザーによるチェックが加わるといいます。
 03年からPFI方式は進んでいませんが、自治体にメリットがないからです。

仮称ところざわサクラタウン 民間と行政の役割は?

 (株)カドカワが進める仮称ところざわサクラタウンは、書籍製造・物流工場などと図書館・美術館・博物館を予定していますが、設計図などは明らかになっていません。市の関連予算総額は15〜17年度の約4億3300万円、一般財源の充当額は約2億300万円に上ります。
 カドカワと所沢市の役割、責任の明確化を質したところ、構想の冊子に明確化しているとの答弁でした。
 しかし、昨年9月議会にサクラタウン来訪者への駐車場整備予算等や都市計画審議会で用途地域変更し、容積率を200〜300%にする等企業への利便性を図っています。市の幹部も入る会議の会議録は非公開で、税金投入判断は困難です。

水路の改修検討

 昨年の台風9号で松が丘調整池東側の水路が溢水し、民家が床上浸水となる被害となりました。水路の改修を求めたところ、担当部長は今後有効な対策を検討すると答弁しました。

バス等の増便を

 北野地域の方々は小手指駅南口発の大六天から北野天神間の西武バスの増便を求め、西武バスと市に署名を携えて要望書を提出してきました。
 所沢市公共交通会議の答申に、地域毎に市民の声の聴取もあり、署名を生かすよう求めたところ、市の計画は、これからとの答弁でした。

公民館一時間単位で

 使用料の減免廃止から、社会教育活動を進めるほど使用料負担が増えることに。利用区分2時間刻みを1時間刻みにするよう求めました。担当部長はシステム改修等が必要との理由で受け入れませんでした。