予算議会 「保育園落ちた」待機児解消 増設計画はなし

 2月24日〜3月29日の会期で開かれた予算議会も閉会しました。
 新年度をむえて、保育園入園など子どもの成長を喜ぶべき時に、「保育園落ちた」など子育て世代が涙を流し国や市へ抗議の声を上げています。
 当市では、「育児休業退園問題」が保育園入園にも影響を及ぼし、議会中にたくさんの相談が市議団にも寄せられました。
 地方自治の本旨は地域住民の福祉の向上です。この視点から新年度予算を見ると、市の今後5年間の方針である「総合戦略」では、国は子育て支援を重点項目に位置づけています。
 しかし、当市では三ヶ島・松郷工業団地、所沢インター周辺の開発や所沢駅西口開発、旧浄化センター跡地のクールジャンパンフォレスト構想など市外からの企業誘致による開発が最優先となっています。

給食まで民間任せ

 「子育てするなら所沢」がスローガンの当市ですが、希望する保育園に入れなかった(不承諾)子どもは463人もいます。
 また入園申請前に断念した子育て世代もいます。
 市は積極的に子育て支援に力を注いでいないことが議案質疑にもあらわれています。
 例えば、議員団は市長の政治姿勢として保育園待機児や学童の大規模化などの解消を取り上げ質問しました。
 しかし、市は保育園に入れない子どもたちについては「他の施設や民間幼稚園の活用を」などと答弁し、子育て政策に消極的です。
 その上、今議会では、新所沢保育園・小手指保育園の保育園給食を民間委託し、「安定的に安心な安全な給食を提供し、食育の促進を図る」などと述べています。
 国は保育園給食の委託には否定的です。
 それは、市が直接業者へ指示したり関与できない仕組みだからです。
 食育も直営で子どもたちと接触する中でこそできたのです。
 ミルク・卵・小麦粉などアレルギー食についても急な対応ができるのでしょうか。

公立保育園増設こそ

 斉藤市政の時に「公立保育園はつくらない」という方針がありました。
 しかし、待機児童が増加するなか、子育て世代が署名や請願にも取り組み、市や議会も動かし、公設民営の東所沢保育園を建設させた歴史があります。

子育て世代が市外へ流出

 人口減少問題では子育て世代の市外流出が多くなっています。
 地方創生など国は鳴り物入りで地方の活性化を宣伝しています。
 他市では地方創生の補助金を利用して若い世代が安心して定住できる環境整備に取り組んでいます。
 藤本市政は企業誘致や開発だけでなく、保育園や学童保育の増設など市民が望んでいることを最優先に取り組むべきです。

無料法律生活相談会
小林弁護士 (要予約)

4月23日(土)
9時半〜11時半

中央公民館学習室1階第5号

(要予約) 担当・矢作議員
(090−2475−7136)

 

荒川ひろしの議会報告

写真

 昨年の12月議会では、他会派議員の質問で紛糾。その質問は、市長選挙告示前に、市職労保育部会の保育士さんが、市政を批判するビラを門前で配布したことを問題にしたもの。ビラの内容は「安心して子育てできる街にしたい会」作成の、市長選の立候補予定者に公開質問した子育て関連項目の回答」。これが「あくどい謀略ビラ」だという。また地方公務員がかかわるのは「全体の奉仕者」としての立場から違法ではないか?児童名簿を手にしていたことも「守秘義務違反」の疑いと暴言。今議会ではこの事の真偽について担当部長にただした。結果は「謀略ビラ、違法、守秘義務違反にも当たらない」と明快に否定。公開の場を事実確認もせず組合批判する姿勢は許せない。

総合戦略重点項目に保育園の増設を

 所沢まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案)では、全国的な若者減少などが顕著となるなか、生産年齢の確保を図ることが課題とし、「総合戦略」は独自施策を展開して、人口流入や活発な経済活動を生み出して、急激な人口減少の抑制と地方創生に取り組むことを目的とする、としています。
 そして重点プロジェクトとして(1)クールジャパンフォレスト構想の推進(2)産業用地創出による産業振興(3)所沢駅周辺の開発とまちの活性化(4)水と緑がつくるネットワークの構築の4つをあげています。
 農地を転用して産業用地を生み出し、企業を誘致して若者の雇用を確保するという先の見えない構想より、子育て世代が今困っている保育園に入れない463人の入れる保育園の増設こそ最優先に取り組むべきです。
 2014年の30〜40才代の転入者から転出者を差し引いた人数はマイナス181人。4916人も市内から転出している現実を直視すべきです。
 しかし市長は、保育園増設には全く関心を示しませんでした。

所沢駅西口開発に広域集客商業施設

 西武鉄道は市施工で進められている所沢駅西口区画整理事業の同社所有地に、「広域集客型商業施設」を建築する意向を示しています。
 私は駅前の「潟純泣c」など地元商業との調整はどうするのか、とりわけ市が50%以上出資しているワルツビルの大手テナント「西武百貨店」の撤退ともなれば打撃を受けることになります。
 過去には同じ「西武グループ」でしたが今では他資本傘下であることからこうした懸念を質問。
 部長は「駅周辺街づくり協議会」ができ、地元関係団体や西武百貨店などもメンバーになって、共存共栄策など意見交換されるものとの認識を示しました。

駅東口ビルと中央病院公的空間の有効活用

 西武鉄道が所沢駅東口ビルを建設する際、西口商業ビル1階にある出張所が新ビル4階に移設され、現状より広いスペースが確保されることから、市民が利用できる会議室や学習室として利用できないか質問。
 また、中央病院に第2ギャラリー敷地を売却した際の地域貢献施設として、現病棟の改築の際にはギャラリーを整備することから、多目的に利用できないか質問しました。 各部長は「駅ビル4階には出張所とパスポート発行所を考えており、余裕がない」と答弁。
 ギャラリーの多目的利用では「病院という特別な場所であることから、制約があるとは思うが、要望があれば検討したい」との答弁でした。

(株)カドカワと市の会合なぜ会議録が非公開

 (株)カドカワと市が共同プロジェクトの「クールジャパンフォレスト構想」では、その頂点に角川会長と藤本市長がジェネラルプロデューサーとして座り、9人の各界著名人がアドバイザーリーボードとして知恵をだし、市の幹部職員も構成員となる「推進会議」が具現化する体制です。
 その会議録が非公開となっており、これでは税金投入是非の判断が困難。
 情報の開示を求めましたが「企業の情報や政策決定の過程段階」(部長)として拒みました。