2010年度決算 基金残高74億円で暮らし守れ

  市議会では今決算特別委員会が開かれています。二〇一〇年度決算では介護保険基金、国民健康保険基金、財政調整基金などの積立金残高が総額約七四億円にのぼっています。

介護基金11億円 保険料の引き下げに

 介護保険料は現在、三年ごとの見直し作業を迎えています。 市の担当事務局では、介護保険給付基金を五億円以上取り崩して、保険料の引き上げ幅を圧縮する意向を示しています。 しかし、基金総額は十一億円を超えており、全額取り崩すべきです。
 市は万が一不足が生じた場合を考慮すれば「無理」との見解ですが、そのような時に使える県の融資があるのです。
 しかも三年前にも六億円あった基金の内五億円を取り崩し値上げ幅を抑えましたが、結局基金は十一億円に増えているのですから、市の言うような心配は当たりません。

国保は7億円黒字 基金は10億円

 国保税が大幅に増税した年の前年には、市の一般会計からの赤字補てんは三十億円に達しましたが、増税によって補てん額は年々減り、二〇一〇年度は八億円弱まで減りました。
 しかも、決算では約七億円の黒字を出したのですから、補てん額が実質一億円という全国的にもまれな事態となっています。国保基金十億円と合わせ、取りすぎた国保税で減らした一般会計から補てん額を増やして、大幅減税を実施すべきです。また、何にでも使える「財政調整基金」は二十八億円にも達しております。左記の数値からも当市は豊かな財政です。

所沢市の財政力

【所沢市の全国ランキング】2009年版(発行:日本経済新聞デジタルメディア)全国786市中の順位

財政力指数 56位(財政基盤の強さを表すもの)(上から大きい順・大きい)
自主財源比率 13位(地方税など自主財源が歳入に占める比率)(上から多い順・多い)
地方債残高 60位(市の借金残高の標準財政規模に対する比率)(上から少ない順・少ない)
住民1人あたり個人住民税額 57位(上から多い順・多い)

高齢者福祉計画推進会議の日程

10月26日(水)午後4時
全員協議会室(市役所3階)
是非、傍聴をお願いします。

城下のり子の議会報告

 東日本大震災や東京電力福島第一原発事故から七ヶ月。震災の教訓から多くの市民が身近な市政に「命とくらしを守れ」と新たな行動を起こしています。しかし、こうした切実な声になかなか耳を傾けない市政に対し厳しい声も広がっています。放射能汚染への不安にどのように対応するのか。市長の政治姿勢が問われた議会でもありました。

基金の繰入増で介護保険料値上げにストップを

イラスト 介護保険法の改悪により要支援者へのサービスや介護保険料の値上げなど、高齢者の生活に関わる介護サービスの在り方や保険料の見直しが始まっています。生活支援のためには、要支援者に対する介護サービスの充実が求められています。今年度末で約十一億円ある基金(積立金)の取り崩し額を増やし、値上げをしないよう質問しました。
 保健福祉部長は「支援の在り方について検討始ったところ、基金については前回(約5億円)を超える額にしたい」と前向きな答弁をしました。

焼却灰を原料とする溶融スラグの製造中止を

 他自治体でもごみの焼却灰から暫定規制値を上回る放射線量が検出されています。当市はごみの焼却灰を溶融し公共工事の材料として二割利用していますが、残る八割は埋立処理となっています。放射能汚染の不安が広がるなか、汚染拡散防止の面や財政面からも資源化が進まない溶融スラグの製造を中止するよう質問しました。
 市長は「最終処分場の問題と合わせ今後の研究課題としたい」と答弁しました。

所沢浄化センターの存続を

 市内で一部処理していた下水道を来年度から埼玉県の流域下水道に接続(広域化)します。東日本大震災では、被災地の下水道処理場が被害を受け、とりわけ広域処理の地域は復旧に大変時間を要しました。下水道処理は、市民の公衆衛生の向上の観点からも自治体が責任を負わなくてはならない分野です。災害時に対応できる自前の所沢浄化センターを存続すべきと質問しました。
 下水道部長は「浄化センターの解体は早急にできないためその間、緊急的処置として利用できないか調査する」と答弁しました。

調整区域の下水道整備を

 下水道事業が二〇一三年度から独立採算制の企業会計へと移行します。調整区域への下水道整備には、下水道料金の大幅値上げが伴うのか、不安の声も寄せられています。今後の整備計画に影響はあるのか質問しました。
 下水道部長は「企業会計へ移行しても調整区域の下水道整備計画には影響しない」と答弁しました。

斎場までの歩道整備を

 斎場南入口交差点から斎場までの歩道整備について、地権者とのその後の協議結果と歩道整備の必要性について再度、質問しました。
 建設部長は「地権者も歩道の必要性は理解しているが、用地協力には至っていない。市としても歩道の必要性は認識しておりさらに協議を進める」と答弁しました。

ヤングキャリアセンター設置で若者の就労支援を

 若者の雇用環境が厳しさを増しています。こうしたなか今年度は、ハローワークと共同で就労支援チャレンジ事業(就職セミナー・職業あっせん)を年3回実施するのみです。安定した雇用確保のためにも国や県とも連携し、さいたま市に1ヶ所しかないヤングキャリアセンターを航空公園駅内に常設するよう質問しました。市民経済部長は「必要性は認識しているが、費用負担などの課題がある」答弁しました。
 引き続き設置に向け取り組みます。