消防の広域化 市民の命を救えるのか

  所沢・入間・狭山・飯能・日高市の五市による消防の広域化が八月二四日、市長や消防長で構成する「消防広域化協議会」で合意されています。

消防力強化につながらない

イラスト これまで所沢市に責任もつ消防本部が広域化すれば、所沢市内だけでなく秩父市境までと広範囲になり、現在の五・六倍となります。
 広域化の目的は経費削減と見られます。
 職員や消防車両など実際は増えないのに、広域化によって消防力(充足率)が高まるとしています。
 また消防整備指針では消防車が火災現場に六分三○秒で消火活動を始めるのが基本で、これを初動体制と言います。

いち早い現場到着初動体制こそカギ

 しかし、消防署の数は五市で一九箇所しかないので、どこからでも六分三○秒で現場に着くとは限りません。
 市は隣接市からの支援車両が増え、初動体制が充実するなどと説明していますが、火災が起きてから二○分〜三○分後に現地に到着しても、市民の命を守ることは出来ないのではないでしょうか。
 しかも、はしご車三台、化学自動車二台も削減する予定です。

「職員の声を反映」国会決議に違反

 さらに、国会では「職員の身分に関わる大事な問題でもあり、現場の意見を充分に反映させるように」という付帯決議が明記されています。しかし、市は広域化について、消防職員には余計なことを言わないようにとの指示まで出しているようです。
 当麻市長が、トップダウンで決めた消防の広域化について、現場からも「所沢市民には何のメリットもないので止めて欲しい」という声も上がっています。

請願二件採択

 「図書館の中長期計画策定方法の充実」と「バッティングセンターの打球音騒音改善のための三者協議」の請願は、本会議で採択されました。
 図書館分館が七館、株式会社に管理運営を委ねましたが、中長期計画こそ先に策定すべきです。
 バッティングセンターが若松町に建設され、夜半まで続く打球音の騒音に周辺住民が悩まされていましたが、請願採択によって住民、業者、市担当課の三者の協議が開始されました。

製茶の意見書全会一致で

 埼玉県産の製茶から国の暫定規制値を上回る放射性セシウムが検出されました。これは製茶業者の自主検査の結果ですが、お茶の出荷自粛が行われるなど大変な事態です。九月議会では「食の安全安心の確保や生産者等の救済策を求める」意見書が可決しました。
 この他「原発汚染廃棄物の適正処理を求める」「子ども・子育て新システムに関する」など4件が可決。

小林すみ子の議会報告

 野田首相は定期点検などで停止中の原発は「安全が確認されれば再稼働を認める」と答弁。原発事故の重大性の認識はまったくありません。運転を続ければ放射性廃棄物が溜まり続け、事故を起こせば制御不能になる原発の危険性は今回の事故で明らかです。原発からの撤退を求める世論は広がっています。

放射能汚染廃棄物は受け入れないで

 市民の健康や生活環境への不安を拡大する放射能汚染廃棄物の受け入れ焼却処分は、到底容認できないと市長の政治姿勢を質しました。
 被災地のがれきの処理については、説明会を開き、住民との合意を前提とすることを指摘。
 市長は『放射能汚染廃棄物の受け入れについて慎重に対処する』と答弁しました。

 アエラの報道では、『所沢市も焼却処分年間最大受け入れ可能量として一万八千四百二十トン』という記事が掲載されました。国会では八月中旬に東日本大震災で発生した大量のがれき処理を国の責任で行う特別措置法が成立しました。一方、八月下旬には、「原発汚染廃棄物処理法」が成立(共産党は反対)していますが、国が除染するのは年間放射線量二十ミリシーベルト以上の地域のみ、それ以外は自治体任せとし、汚染レベルの低い廃棄物を一般廃棄物とみなし、地方自治体で処理させるという内容です。

特定検診 無料化と検査項目の充実を

 特定健診になって3年、受診率は右肩下がりです。レントゲン撮影、尿潜血検査があれば早期発見・早期治療ができたといわれるがん患者の声もあります。
 平成二十一年には、所沢医師会長・埼玉県医師会長の連名で「もとの老人保健法による基本健康診査のような市町村が実施する住民健診の復活」の要望書もでました。
 検査項目を基本健康診査の項目と同じにすること(心電図・レントゲン・尿潜血・眼底検査の追加)や自己負担を無料にすること、国に元の基本健康診査に戻すよう意見をあげることを質しました。
 市長はまったく改善を示さない態度でした。

さくら通り 老木は伐採し、若木の植樹を

 北野地域の桜通り、春には見事な桜並木となり、、心を癒してくれます。
 この桜も老木となり、雨の夜に倒れたこともあります。歩行者の安全と地元の方々の苦労軽減を願い、台風の季節でもあり、早く調査 して、危険な桜は伐採し、後には、若木を植樹することなど、質しました。
 建設部長は、「植え替えが必要になっても一度ではなく少しずつ行うので並木は大丈夫」との答弁でした。(十五号台風で倒れ、早期の対応が求められていました。)

なぜ、路上で暮らさなければならない人がいるのか考えるまちに

 路頭に迷うホームレス状態の人々。7年前から生活保護職員と保健師が一緒に巡回し、健康相談や生活支援をしてきました。地道な取り組み、この冬も行われる予定です。