9月議会 7つの図書館分館 株式会社が運営 中長期計画の策定を求める請願も

 九月市議会には一般会計補正予算など議案三十二件、平成二十二年度決算で認定十二件が提案されています。
 議案のうち十一件が、市民文化センターやみどり児童館、図書館分館、自転車駐車場などの指定管理者の指定です。

市民サービスの低下が心配

 指定管理者制度とは、公の施設を、民間事業者・団体等を指定して管理運営させる制度で、今議会には図書館分館を中野区の株式会社に指定する議案も提出されています。
 対象となる図書館分館は、所沢、吾妻、柳瀬、新所沢、椿峰、富岡、狭山ヶ丘の各分館で、いずれも(株)ヴイアックスが選定されています。
 今後、議会の議決を得て市との正式な「協定」に進みます。
 当該企業の所沢図書館に対する基本方針、事業計画、運営体制などが、市民サービス低下を招かないかなどの議会審議が、求められています。

放射線量測定器購入予算など

 補正予算関連では、大気中の放射線量を測定する機器一台購入するための五五万三千円、ところバス乗降量等調査事業一六一万二千円、認知症対応型ディサービス一箇所一千万円、地域サロン整備費補助事業六〇〇万円などがあります。

請願2件

●所沢図書館の中長期 計画策定方法の充実 を求める請願
 図書館のビジョンともいえる中長期計画策定にあたって、(1)図書館のこれまでの運営サービスに対する評価・公表をすること、(2)全市民を母数とする抽出による意向調査実施と公表。(3)計画の素案策定からの市民参画に努めること。以上三項目を求めています。

●若松町バッテイング センターの打球音に よる騒音の改善指導 を求める請願
 (1)午前十一時(土日は午前十時)から午後十時まで発生している打球音の解決にむけた、地域住民・会社・市の三者協議の場の設置、(2)市は会社に対し騒音の改善に誠意をもって対処するよう指導を行うこと、以上二項目を求めています。

イラスト市民プール 世論で継続に

 昨年度の事業仕分けで来年度から「廃止」とされた市民プールが、引き続き継続利用することになりました。この問題は去る六月議会で「廃止方針」が明らかになるなかで、与野党議員からの厳しい指摘があり、市民の意見を聞く場をつくることを市長が約束していたものです。
 八月三〇日議長宛に市長名で「廃止にあたっては、その時期や代替策等について関係部署と十分協議のうえ決定する。当面は一部設備改修等で継続利用とする」と報告がありました。

議会改革の議論はじまる

 所沢市議会基本条例の到達点を検証する取り組みと、議会改革に向けての議論が議会運営委員会で行われています。
 議会報告会や政策討論会の具体化、地方自治法改正による議員定数の上限廃止など今後の所沢市議会や議員のあり方について各会派からの考え方が出されました。
 日本共産党市議団は、「議員定数だけの議論ではなく、議会機能=議員定数、市民参加、議員議会補佐機能を全体で議論すべき。議会の生命線は議員間討議ができることであり、その機能を適切に発揮させることが重要」として、付属機関として「議会制度検討委員会」を市民参加でおこない課題については「(仮)議会活動と議員定数等との関連及びそれらのあり方」を提案しました。今後、議会運営委員会では、これらの課題について議論が進められる予定です。

ノーモア広島 ノーモア福島

 8月20日(土)中央公民館で開かれた「高橋玄洋先生のお話を聞く会」に出席しました。玄洋先生が広島での被爆体験や当時のお話をされました。 ご自身が広島の原爆投下後、兵士として遺体の回収にあたったそうですが、腐敗臭のする生焼けの遺体を避けたこと、遺体を焼く炭などの収集時平気で遺体をまたいでいたことで、自分のエゴイズムに向き合うこととなったと話されました。また、原爆によって負傷した少女を収容所に届けた時に(もう死ぬかも知れない)少女に食糧を分けてあげなかったことで今でもその少女が夢に出てくると言うのです。
 戦争というものは、人間を「人」でなくしてしまう。福島原発事故については、「神の領域に手を突っ込んでしまった、その手を抜かなければならない」とおっしゃいました。
 先生が、「はじめて話します」と、戦後66年間他人に話さなかったことを、今話してくださったことに胸を打たれました。そこまでご自分をさらけ出して訴えたかったのは、二度と戦争をおこしてはならない、二度と被爆者を生んではならないという強い思いではなかったかと思います。

中国からの引き上げ漫画展

 8月9日から14日まで開かれた川越市立美術館市民ギャラリーに日本中国国交回復40周年記念企画「漫画展」(副題 中国から引き揚げ〜少年たちの記憶)を見に行きました。「かあちゃんにしっかりつかまって」と、母のリュックをつかむ長男の赤塚不二夫の後ろに3人の兄弟達が手をつないで避難する漫画が、自分のまだ産まれていない当時の家族とダブって見え、興味がそそられました。出品した漫画家は皆当時の旧満州で産まれた方々で、赤塚不二夫、ちばてつや、山内ジョージ、上田トシコ、森田拳次、北見けんいち、古谷三敏、高井健一郎などです。瓦のかけらを路上でこすりビー玉をつくって遊んだ光景(山内ジョージ作)、中国人のお姉さんが焼いてくれたさといもはおいしかった(古谷三敏作)、夕日とあじあ号(バロン吉元作)。
 しかし、8月15日前後を境に状況は一変します。父に手榴弾の安全ピンの抜き方を教えてもらった(古谷三敏作)、ソ連兵はやっぱりこわかった(山内ジョージ)、囚合院に現れた兵隊強盗(横山孝雄作)、社宅を脱出して転々とした(ちばてつや作)引き揚げ船は大きくてたくましく見えた(ちばてつや作)出品した漫画家たちは、東日本の被災者にエールを送っている。被災地は満州から帰って見た日本と同じ光景だった。自ら体験したからこそ、東日本も必ず復興できるとの確信が被災者に伝わるはず、との思いを抱かせてくれる「漫画」でした。