保育料値上げ 答申多数で

 「保育等運営審議会」が七月二十三日に開かれ「値上げ」についての答申のまとめが行われました。審議が始まると「傍聴者の遅刻で審査を妨げる」と委員長が傍聴者の入室を拒否するなどの運営に傍聴者からはひどいとの声も上がり、緊迫した会議でした。保育問題協議会代表からは「市長の諮問は民間保育園の充実をはかると理由づけがあったが答申に反映されていない」「少数意見をキチンと反映させて欲しい」などの意見をのべました。しかし委員長や他の審議員からは「この答申案のままでいい」など、少数意見があまり反映されないまま答申がまとめられました。今後この「値上げ」をそのまま議会に提案するのかどうか市長の判断が問われます。

初めての包括監査

 『包括外部監査』とは、監査委員が行う行政内部の監査とは別に、弁護士や公認会計士など外部の監査人が予算の使い方について監査を受けることです。個別のテーマを監査する予定ですが、今年度は『市税、国民健康保険税等の滞納管理について』です。年金暮らしのお年寄りなど生活困窮者が増え、国保税や介護保険料の滞納が多い現在、どのような監査が行われるのか注視されます。

放射能汚染から子どもを守りたい

 「子どもの未来を育む会」主催によるNPO法人「かけはし」の野呂美加氏による「チェルノブイリ原発事故から学ぶ」という講演がありました。参加者は二百名を越え、小手指公民館別館で行われました。野呂氏はチェルノブイリの原発から逃れ、旧ソ連のベラルーシ共和国で暮らす子ども達を北海道に引き取り、身体も心も元気にしてベラルーシに帰すという仕事を二十年間も続けている方です。暗い表情の子どもが笑顔を取り戻す映像を見ながらハンカチを目に当てるお母さん達。「放射能は汚染されていない食物で身体が浄化される。汚染された食材は子ども達には大変危険だ。原発は人災であり、原発を推進するような政治家を選挙で選んではいけない」と強調されました。若い母親からは「何を食べたら良いのか」「安心できる遊び場がほしい」など切実な質問がありました。「身体は心の入れものだと思っています」という野呂氏の言葉に感動しました。

城下のり子の議会報告

 東日本大震災から四ヶ月が経過しました。東京電力福島第一原発事故の放射能汚染は深刻さを増しています。今回の震災で改めて従来の災害対策や原発頼みのエネルギー政策でなく、国・県・市があらゆる英知を集め次世代に負荷を残さない政策転換が求められています。 市民の苦難を軽減する自治体のあり方について質問しました。

太陽光発電など自然エネルギーの更なる推進を

 東日本大震災後、多くの自治体で自然エネルギーの導入が始まっています。所沢市としても太陽光発電導入の更なる推進や、以前、議会で提案した生ゴミを活用したバイオガス化の推進、葛飾区や足立区が実施しているLED電球購入費の助成など更なる自然エネルギーの導入を促進するよう質問しました。市長は「第二期所沢市環境基本計画に基づいて、あらゆる自然エネルギーの活用について、見直しも含め検討する」と答弁。LED電球購入費助成については「他に節電効果のある商品もあり、どのような助成方法が適切か検討したい」と答弁しました。環境クリーン部長は、生ごみのバイオガス化について「これまでの減量化の視点にバイオガス化の視点も加え、他市の事例を調査研究していく」と答弁しました。

要支援者の介護サービスを守って

 国会では介護保険法の改正を多数で強行されました。現在、要支援1・2の要介護者へのサービスは、保険給付で全国一律の基準です。改正では、これを市町村の判断でボランティア頼みの安上がりな「介護予防・日常生活支援」に移し、保険給付費を削減、サービスの内容も自治体ごとに差が出てきます。
 所沢市では、介護認定者が約1万人いますがそのうち約三千人が要支援者です。こうした方々の介護サービスがどのようになるのか不安の声が寄せられています。
 介護保険法改正に対する認識について質問しました。市長は「今回の介護保険改正は評価できる面もある」と答弁。要支援者へのサービス低下を招かないよう質問しましたが、市長は「今後、高齢者保健福祉推進会議で議論いただくので私の考えは言えない」と答弁。傍聴者からは、「自治体の首長としての認識がない」と怒りの声が寄せられました。

所沢市の財政は健全財政

 所沢市の今後8年間の財政見通し計画が示されました。市長はこれまで財政難を理由に民間委託の推進や各種補助金の縮小・廃止を進めてきました。計画では、歳入の約6割を市税収入で占めており、全国平均約3割から見ても当市は安定した歳入が込める自治体であり、市も健全財政であると認めています。市債(市の借金)・人件費は減少するとしており、増加する民生費の大方は国・県からの支出金でまかなわれています。安易に財政難を市民にあおるのではなく、適切な情報の公開と計画の特徴について市長に質問しました。市長は「予算規模は八七〇億円程度を推移する。健全財政は維持しなくてはならない。市民に危機感をあおっていない」と健全財政であることを認めています。

イラスト乳幼児健診の充実を

 私の身近でも「乳幼児健診時に弱視の発見ができなかった」「検査キットによる家庭での判断は難しい」など、眼科の専門医による検診を求める声が多く寄せられています。
 乳幼児健診の充実に向けて、保護者の要望等を把握するためのアンケートの実施を求めました。担当部長は、「視力検診用キットによる検査方法の詳細な説明など検討する。アンケートについては、それらの結果を踏まえて必要性について検討をおこなう」と答弁しました。