こんにちは 矢作いづみです

2007年12月議会報告


 新しい年が始まりました。良い年になるように、と毎年思います。

イラスト 普段、部活動や仕事ですれ違いばかりですが、お正月は唯一家族そろってのんびりした時間を過ごせました。今年は、小学5年生・中学3年生・高校2年生の子どもたちと夫の家族全員トランプで盛り上がりました。ついついムキになって、小豆を焦がしそうになり、香ばしいお汁粉が出来てしまいました!でも、こうしてお正月を祝えるのは、平和だからこそ。憲法9条は世界の宝として、守り・広げていくことが大切だと改めて感じました。

学校教育の充実について

 当麻市長のマニフェストにあった“学校運営協議会制度”設置の検討と、小中学校の学校二学期制・少人数学級について質問しました。

○学校運営協議会制度について

  “学校運営協議会制度”は、「皆さんの声を学校運営に直接反映させ、…より良い学校を作り上げていくことを目指すものであり、設置については、保護者や地域の皆さんの意向やニーズを踏まえて、学校を設置する教育委員会が決定します」(文科省ホームページ)と、開かれた学校づくりかと受け取れます。しかし、委員は教育委員会が任命し、開かれた学校づくりにつながりません。どのように設置するのか質問しました。

 市長は、「法改正により設置が可能となったが、所沢市では、学校評議員制度があり、今後先進地域の取り組み状況について研究する。」と答弁しました。

○小中学校二学期制について

 小中学校の2学期制は、実施後4年目です。2007年、保護者の方が実施した、教職員・保護者のアンケートでは、二学期制は、良くないと感じている方が、全体の8割で、理由は「学期の節目が感じにくい」が最多です。二学期制が良いと感じている方は2割で、理由は「短縮授業が少なくてよい」が最多です。この3年間で二学期制導入後学校や市から十分な説明がされていないと感じている方が教職員で8割、保護者は6,5割です。私はこのアンケート結果からも、校長からの意見徴収だけでなく、保護者・教職員・児童生徒の意見を十分聞き、反映していくべきと、質問しました。

 市長は、「二学期制は授業時数が増加し、きめ細かい評価が可能になったなど、調査によって検証されている。今後も成果や課題について検証を重ねていきたい。」と答弁しました。

 学校教育部長は、「二学期制について、小学校の73%中学校の100%が保護者・生徒の評価を分析し、行事の変更などに生かしたと答えている。メリットとしては、教員の意識改革の契機になり、十分時間をとって評価している。三学期制に慣れている保護者・教職員の意識改革を行っていく必要がある。来年は5年目を迎え、各方面からの意見を参考に、分析検討していく。」と答えました。

○少人数学級について

 市長は、マニフェストの中で、「少人数授業や複数担任制の充実で、基礎学力を向上させます」と示しています。昨年の市内の35人以上のクラスは小学校は21,7%中学校は30,5%であり、十分実現可能と考えます。少人数学級の実現は、職員・保護者の切実な願いです。埼玉県が実施している少人数学級(小学校の1・2年生と中学校の1年生)を、所沢市としても積極的に進めるべきと考え、市長の見解をたずねました。

 市長は、「県からの教職員加配など、各校に配置されており、本市としても平成14年度から補助員を配置して少人数指導の充実を図っている。」と答えました。

○保育園の民間委託について

 保育園の民間委託に関する裁判などを見ても、安易な委託、特に福祉分野での民間委託は無理があり、行うべきではありません。市長は、マニフェスト実現の財源として「民間の活力を生かし事業費を削減。公共施設の公設民営化」と掲げていますが、利潤追求の企業参入の結果は、ふじみ野市でのプール事故で検証されました。保育園の運営が、企業の参入により、サービスの質の低下を招き、安心・安全までおびやかされることがないよう質問しました。また、公私格差についても見解を質しました。

 市長は、「他の自治体で質の低下が問題となったケースもあると聞くが、当市では実績のある社会福祉法人に今後もお願いしていく。公私格差の是正については、19年度は児童処遇改善費・直接処遇改善費も一部増額したところで、今後もできる限りの支援を行っていく。」と答えました。

○保育園保育料について

 離婚後、やむなくご両親と同居し、保育料が倍になった方。また、うつ病で仕事に就けず、離婚後養育費、児童扶養手当とパート収入で細々と生計を立てている方。毎月の給食主食代でさえ、支払いを「待ってください」という家庭が増え、子育てにきびしい実態が増えています。保育園保育料は、実態に合わせた減免の実施と、周知徹底を進めるために、納付書に掲載すること。また、保育料は規則でなく条例化することを求め質問しました。

 保健福祉部長は、「保育料は、災害時その他やむを得ない理由など想定し、基準に沿って減免を実施している。周知については今後検討していく。保育料の条例化は、児童福祉法の根拠を持つ負担金で、必ずしも条例で定めるべきものではないと理解している。しかしながら、保護者の一定の負担を伴うものであり、今後検討を進めたい。」と答えました。

○ 図書館を利用しやすく

 市民の方から「所沢図書館本館には、休むところがない」と要望がありました。調べてみると、喫茶室や食堂が併設されている図書館は、たくさんあり、障害のある方々の就労支援として運営されているところもありました。また、土日・祝日に図書館を利用される方からは、「せめて9時から開館できないのか」という要望もありました。図書館に喫茶室を作ることと、図書館の開館時間を30分早め9:00〜にすること、閉館時間の遅い日を火曜日以外に設けることについて質問しました。

 教育長は、「図書館は、本館のリニューアルオープンにあわせて、1階に休憩コーナーを設ける。開館時間は、開館前は返却図書の整理など貴重な時間となっており、人員体制の兼ね合いから現状では火曜日のみ実施している。経費的な運営面などから拡大は難しいと考えるが、サービス向上に向けての課題ととらえたい。」と答えました。

○ 選挙への関心を高めるために

 視覚障害者の方から「選挙公報を音声で聞けるようにしてほしい」と要望されました。

 現在、所沢市選挙管理委員会では、過去3回の市長選挙で、「所沢市長選挙所沢市長候補者のお知らせ」を点字版で約30部配布しているとのことです。

 情報伝達の手段としては、点字、テープ、デージー図書(CD)、SPコード読み取り機、などがあり、こうしたものを利用して情報提供が行われている自治体もありますが、所沢市では、点字の読めない視覚障害者の方が選挙の情報を得ようとしても、何も用意されていないのが現状です。

 視覚障害のある方へ情報のバリアフリー化をすすめるために、点字や音声などで公報を作成することについて質問しました。

 また、この間提案してきた、投票入場券を一人一枚ずつ送付することと、郵便投票・代理投票について投票入場券に記載することについてのその後の検討方も質問しました。

 選挙管理委員長は、「選挙公報は法律上候補者の申請のあったものをそのまま載せており、そのものを点字化することは困難。“お知らせ”として11年10月の市長選より作成している。音声による公報は点字以上に難しい諸条件が浮かんでくるが、責務からも慎重に検討したい。投票整理券は、他市の様式・形態など情報を集めている。郵便投票・代理投票について投票入場券に記載することは、手続きなど詳しい説明も必要となり限られたスペースの中では難しい。不明な点は、問い合わせてもらうよう、啓発に努めている。」と答えました。

 ひきつづき、皆さんの声を届け、実現のためにがんばります。

(「市議会報告」2007年12月号から)