釣り日より＜2018年12月＞
ＮＨＫが４Ｋ放送の開始を機会に、「刑事コロンボ」の再放送を始めた▼アメリカのＴＶドラマで、１９６２年に政策され、日本では 72年からＮＨＫが放送し、その後民放を含めシリーズで放送された▼私も好きで、20代の前半で病みつきになり、原作本を買って読みあさった口だ▼久しぶりにＮＨＫのそれを観ていたら「魔術師の幻想」をやっていた▼魔術王サンティーニは、魔術ショーを演じているナイトクラブのオーナーに大金をゆすられていた。魔術王は、第二次大戦中にナチ親衛隊員としてユダヤ人を虐殺していて、このオーナーがそのことを証明する手紙を手に入れていたのだ。オーナーは、魔術王にショーの報酬の半分を支払うことを要求し、もし支払わないなら秘密を公表すると言いだす。ここからトリックをつかった完全犯罪の計画を実行し、オーナーを殺害する▼このトリックをコロンボ警部がノラリクラリと追求して逮捕する…▼ここで描かれている、犯人を追い詰めるコロンボ警部の手腕に痛快さを覚えるのだが、もう一つ。第二次大戦中のナチスの犯罪者、ここでは親衛隊員が戦後20年たっても追われているという現実。それどころか２０１０年代でもナチス犯罪者は追われ、裁判にもかけられている▼日本はというと、アジアで２０００万人もの犠牲者を出した侵略戦争のＡ級戦犯容疑者は数多くいた。中には逮捕・勾留された岸信介（安倍首相の母方の祖父）も。しかし、岸は12年後には日本の首相に▼ドイツではナチ犯罪に時効が無い。この違いを私たちは考える必要があるのでは…
