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猪股嘉直
「テロに屈しない!」で「テロ」を根絶できるか?
昨年の11月13日(日本時間14日)にフランスの首都パリで同時多発テロが起き、一年が過ぎました。サッカー場、飲食店、劇場などで爆発や銃の乱射が発生し、死者130人、負傷者300人以上の被害がありました。
 2001年のアメリカ同時多発テロ事件以後も、パリ事件を含み30件近くテロ事件が起きています。今年だけでも、「ブリュッセル連続テロ事件」「フロリダ銃乱射事件」「イスタンブール空港攻撃」「ダッカ・レストラン襲撃人質事件」(日本人7人も犠牲に)、「ニーストラックテロ事件」と立て続けに発生しています。
 そのたびごとに、被害を受けた国の政府や首脳は「テロには屈しない!」との連発。また、街頭でインタビューを受けた人々の声も「テロには屈しない!」の一点張り。ですが、本当にそうでしょうか?「何故、テロが起きるのか?」「テロを起こさない方策は無いのか?」の声は一つもないのでしょうか?

「テロを起こす要因→テロ→報復→テロ」の悪循環

 「テロには屈しない!」との言葉を何回も聞きますが、「テロ」は無くなりましたか?なくなりません。アメリカ同時多発テロ事件以後、大きなテロだけでも02年から14年までの13年間で14回。毎年1回は発生しているのです。それがさらに増加し、昨年は一気に7回、今年もすでに4回発生しました。そして、そのたびごとに聞こえてくるのは「テロには屈しない!」です。「屈しない、屈しない」と言いつつ、犠牲が発生した事実を見過ごし、新たな犠牲者が出ることを結果として容認しているのです。
 何故テロが発生するのか?ここをしっかり見つめることが大事です。アメリカ同時多発テロ事件の際、アメリカはどうしたか?その報復としてアメリカはアフガニスタン紛争、イラク戦争へと突入します。
 その中では多くの子どもや高齢者、女性なども命をなくしています。ここから新たな「テロの種」がつくりだされていくのです。
 私は「どんな理由があろうとテロを許すわけにはいかない」と考えます。同時に新たなテロを生み出す戦争、「テロには屈しない!と言いつつ行う反撃」も許せません。テロと戦争の悪循環はやめさせなければなりません。
 そしてテロを発生させる土壌、「格差社会」を無くさなければなりません。イギリスの非営利団体「オックスファム」は、最新の報告で「世界中のトップから1%の富裕層の持つ資産の合計が、それ以外の99%の資産の合計を超えた」と発表しました。ここにもテロを起こす要因があります。
 また、兵器製造で儲けを図る大企業、兵器産業は世の中から紛争がなくなったら困ると思っているのでしょう。安倍総理はこうした企業の思惑を戦争法の行使と言う形で具現化しています。日本の防衛費はとうとう5兆円を超えました。
 今、必要なのは「テロに屈しない!」ではなく、「テロを起こす全ての原因を平和的に取り除くこと」ではないでしょうか。そうでなければ、「いつまでもテロが続くのではと思う」のです。


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