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映画「トランボ」を観て思う事
映画「トランボ」のポスター
映画「トランボ」のポスター
映画「ローマの休日」のポスター
映画「ローマの休日」のポスター
 参議院選挙、都知事選挙と続き、頭の整理もつかないまま、8月に突入です。そして8月は「平和の月」。本来、毎月が「平和の月」であるべきで、そうすれば改めて「平和の月」などと言う必要も無い。けれども、最近は「平和の月」という言葉が貴重になってきている感がします。私だけでしょうか?こんなことを考えるのは。

“ハリウッドに嫌われた男” の映画

広瀬の信立寺で恒例の「平和の鐘つき」に参加し、「二度と再び核兵器が使われることの無いように」とお祈りした翌日、映画「トランボ」を観に、都心に行きました。
この映画には「ハリウッドに最も嫌われた男」という副題がついている、実在の人物の話です。トランボはアメリカの脚本家(1976年9月没 享年70歳)です。映画ファンには著名な脚本家で、「スパルタカス」「パピヨン」「ジョニーは戦場へ行った」などの作品は有名で、「黒い牡牛」ではアカデミー賞原案賞も獲得した方です。

“赤狩り”という非人道的裁きで投獄され

1947年、アメリカはソ連との冷戦下、共産主義者を弾圧する「赤狩り」を進め、トランボはその標的に。彼は信念を貫き、米下院非米活動委員会の公聴会で証言を拒み、1950年に国家への反逆者のレッテルを貼られ、議会侮辱罪で投獄されました。
ハリウッドの歴史の汚点=赤狩り=は、国家権力が共産主義者を排除する名目で、映画人にいわれの無い疑いをかけ、彼らの業績と人生をも破滅に追いやります。赤狩りの最初の標的になった10人の監督や脚本家は「ハリウッド・テン」と言われ、最も有名だったのがトランボだったとのこと。トランボは、良き家庭人で、社会の不平等を憎む愛国者でした。
映画ではトランボの脚本執筆ぶりと、執拗に追いかけ回す国家権力が映し出されます。また、国家権力に加担し、トランボに攻撃や批判を強める映画コラムニストや俳優(タカ派俳優で知られるジョン・ウェインなど)、逆に支える仲間たちと家族が描かれます。

逆行の中、“あの作品”を書いたのは…

出獄後も精力的に脚本を書くものの、実名ではなく、偽名で作品を発表する有様。俳優カークダグラスなどとの協力関係も築き、1960年にやっと公式に業界に復帰するのです。
映画では、権力者から弾圧を受け、その影響は家族にも及ぶのですが、夫を・父を信じる家族の熱い想いが、観る者にも伝わります。
何故、まじめに社会を変革しようとする人々が攻撃されるのか、平等な社会を望む思想が憎まれるのか。20世紀のこの事象が21世紀の今の課題でもあることに怒りを覚えます。
トランボの最も有名な作品は「ローマの休日」です。この作品のどこに、執筆したトランボを攻撃し、迫害する材料があるのでしょうか?


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