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「規制緩和」はいいことか?
凄惨なバス事故 赤旗新聞報道より
凄惨なバス事故 赤旗新聞報道より
長野県軽井沢でスキーバスが転落し、13人の若者たち(他に2人の乗務員)が尊い命を失いました。法政大学の尾木先生が教え子を幾人も亡くし、悲痛な想いをテレビで話されていました。「本当にいつも明るく、みんなを和ます学生も…」と。
 1970年以降今日まで、少なくとも約45年間で129人の命がバス事故で奪われました。
それでは、こうしたバス事故が起きる背景はなんでしょう?

バス事故は何故?

 戦後の1940年代からを振り返りますと、道路事情なども相当に悪く、もっと多くの事故が発生していましたが、昨今のバス事故はそうした理由よりも、国が進めるバス事業の「規制緩和」がもたらしていると考えられます。
 北海学園大学の川村雅則先生は「規制緩和とバス業界」という論文の中で、「規制緩和による業界の過当競争が経費節減圧力を増幅させ、本来求められている整備部門の充実を困難にしている」と指摘しています。
 「規制緩和」。「規制緩和」とは一体何か?インターネット「フリー百科事典」には「ある産業や事業に対する政府の規制を縮小する。市場主導型の産業のあり方が望ましいと考えられる際にとられる基本的な政策手段の一つ」とあります。
 私がまだ若かった頃、タバコ、酒、お米を買える店は、地域の中で隣り合わせていませんでした。一定の距離があって、それぞれの小売店の商売が成り立つように間をおいて営業するような「規制」がかかっていたのではないでしょうか?
 ところがどうでしょう?今ではコンビニでもスーパーでも、どこでも店と店の距離など関係なく乱立しています。これが「規制緩和」なのでしょう。
 そうした中で、今、近所のタバコ屋さん、酒屋さん、お米屋さんが、経営が成り立たなくなり、消えてしまいました。

規制の緩和で過当競争に

 それではバス業界の「規制緩和」とはなにか?1999年の道路運送法の「改正」(2000年施行)で、@事業への参入は免許制から許可制へ A運賃は認可制から届け出制へ となり、貸切バス事業の自由化が進みました。
 日本共産党の「しんぶん赤旗・日曜版」1月24日付は、「スキーバス事故」の特集を組みました。記事は2000年の規制緩和以降、バス業界の事業者は倍増、営業収入は激減、過当競争で違法「激安バス」が横行し、安全確保されていない姿を明らかにしました。劣悪な労働条件からくる人手不足、運転手の高齢化、薄給の実態、運転手の健康状態など。
今、国会ではこの問題も議論されています。こうした規制緩和に賛成してこられた数々の政党が、そんなことはなかったかのように忘れ去り、政府を追及しても説得力がありません。
 手前味噌になることを恐れず書きますが日本共産党は、一貫してこうした「バス・タクシー事業の規制緩和法案」に反対を貫き通してきたのです。


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