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猪股嘉直
狭山市議会一般質問で 入間基地問題を取り上げました
 「航空自衛隊入間基地と市民生活」のテーマで質問します。自衛隊入間基地の問題については、議会の活動を始めた1999年の時から幾度も取り上げてきました。
今回は今年の6月にも取り上げた入間市東町側留保地の問題と、さらに入間基地に関するこの間の動き、隣接する所沢の防衛医大病院や横田基地へのオスプレイ配備など、近隣地域の問題も合わせて、狭山市民の暮らしと安全を守る立場から質問します。

「入間市東町側留保地活用」について

まず、防衛省の「入間市東町側留保地活用」についてです。防衛省が東町の留保地を「災害対処拠点」と「仮称 自衛隊入間病院」として活用するということについては、先ほど申し上げたように、今年の6月議会で取り上げました。
 その時の総合政策部長の答弁では、
 「防衛省は防衛大綱と中期防衛力整備計画を受け、大規模災害等への対応、自衛隊病院の拠点化・高機能化の一環として、災害対処拠点と新病院を入間基地に隣接する入間市の東町側留保地約28ヘクタールに整備する計画をもっている。災害対処拠点については、災害発生時、部隊を迅速に輸送、展開させるとともに、部隊の展開・活動拠点として利用及び物資の集積のための展開用地として整備する計画」である。
 「平時は、主として入間基地所在部隊の訓練を実施する計画で、災害発生時の展開用地の一部は、運動場として整備する予定。その運動場は、入間基地が使用していない時間帯、かつ土曜・日曜・休日及び平日の夜間を基本として市民開放する計画」。
 「自衛隊病院の整備内容は、全国16ヵ所に散在する自衛隊病院を整理・統合・集約しつつ、多様化する自衛隊の任務遂行を確実に支援し得る衛生体制の確立を目的とするもので、搬送の容易性、航空医学実験隊及び自衛隊中央病院等との連携、地域医療への貢献を総合的に考慮し、自衛隊病院の拠点化・高機能化の一環として、入間基地隣接地に整備する。具体的な整備計画では、既存の自衛隊病院と同程度の診療科を基本とし、新たに救急科、歯科口腔外科、航空医学診療科を整備する。病床数は60床程度。市民利用として、地元の医療機関や医師会と協議の上、自衛隊員の診療に支障を来さない範囲内で、地域消防機関により救急搬送される一般市民の、いわゆる二次救急患者を受け入れる計画である」と。
 「今後の整備スケジュールについては、平成27・28年度で整備に向けての調整・検討事務を、平成28年度から29年度で設計、29年度から本体工事に着手し、平成32年度から運用を開始する計画となっている」と述べています。
 まず、6月の質問で伺った以降、この問題で新たな情報がありますか?あれば答弁をお願いします。
 6月の答弁に関連して確認したいことを、いくつか尋ねます。

自衛隊病院は市民に役立つのか?

 自衛隊病院について。
「多様化する自衛隊の任務遂行を確実に支援し得る衛生体制の確立を目的とする」と述べられました。「多様化する任務」の内容と「確実に支援し得る衛生体制」とはどういうことを言っているのでしょうか?
 「搬送の容易性」について、何故「容易」なのかを示してください。
 「航空医学実験隊及び自衛隊中央病院等との連携」とありました。航空医学実験隊は立川基地から入間基地への移転計画があります。航空医学実験隊は第1部から第4部まで置かれていますが、第3部と4部(臨床医学研究、訓練及び応用医学研究)は2006年12月に入間基地に移転しました。さらに2008年4月には隊司令部と総務部が移転しています。山田憲彦航空医学実験隊司令は2014年7月号の雑誌「軍事研究」で、「立川基地から入間基地への移転構想では、全てを順次、入間に移転させるということだったが、予算の問題もあり、具体的に何年度から一緒になるとは決まっていないのが現状です」と述べています。残されているのは第1部と2部ですが、ここの任務は「基礎医学研究」です。空自自衛隊病院は「航空医学機能」を持つとされています。防衛省の資料に「新病院は飛行場に隣接」と特記されています。今回の新病院建設を契機に、一連の「航空医学」に関連する部隊を入間基地に集約化させる可能性があると考えますが、こうした動向について市として把握されていることがあればお示しください。このようなことが狭山市、入間市に存在する入間基地で行われる、そのことがどのように市民の暮らしに影響するのか、しないのか、市民としても知るべきことと考えます。
 仮称自衛隊病院の診療科が既存の自衛隊病院と同程度のものを基本とすると述べられましたが、「既存の自衛隊病院診療科」とはどのようなものですか?
 新たに「救急科、歯科口腔外科、航空医学診療科」を整備されるとの内容でした。救急科と歯科口腔外科は一般的使われている「科」としてとらえていいのか、それとも特別な内容があるのかどうか?航空医学診療科とはどういうものか、それぞれ答弁をお願いします。
 新病院の市民利用については、6月の答弁であったように、「職域病院としての自衛隊員の診療に支障をきたさない範囲で、救急搬送されてくる2次救急患者を受け入れる」ということです。
 そこで伺います。実際に2次救急の役割が果たせるのか?私は、この自衛隊病院本来の役割、「多様化する自衛隊の任務遂行を確実に支援し得る衛生体制の確立。航空医学実験隊及び自衛隊中央病院等との連携」。そして自衛隊員の診療と60床ありますから入院もあるという中で、現実的なのだろうかという疑問を持っていますが、この点はどう考えますか?
 仮に、大丈夫とするなら、「市民利用」というとき、ここには狭山市民も含まれると考えていいのかどうか?狭山市民が西部広域消防の救急車によって搬送され、2次救急病院を探すというケースは日常的に起きることなので答弁をお願いします。
防衛医大病院との関係について伺います。
 所沢市にある防衛医大病院は1977年に開設しましたが、防衛庁の施設等機関として防衛医科大学校を開設したのは73年の11月で、医学科学生の教育を開始したのは翌年4月、入間基地内の仮校舎でした。近隣地域という点もあり、こうした歴史があるのだと思いますが、このように近い場所にある防衛医大並びに同病院と入間基地新病院の関係は、どうなっていくのでしょうか?把握している情報行があればお示しください。

所沢防衛医大ではエボラ出血熱の研究が…
患者の輸送に入間基地は絡むのでは?


 先月、11月1日の読売新聞朝刊に「自衛隊に感染症専門医官」という記事が載りました。即ち、「防衛省が来年度にエボラ出血熱などの感染症対策の強化のため、感染症を専門とする自衛隊の医官を育成し、自衛隊病院に専門病床を新設する。自衛隊員がアフリカなど感染症の流行が懸念される地域でPKOなどに従事していることを踏まえ、対処能力の向上を図る。(中略)感染症の専門病床は所沢の防衛医大病院と世田谷の自衛隊中央病院の病棟に設ける」という記事です。
 国立感染症研究所のHPによれば、エボラ出血熱はエボラウイルスによる急性熱性疾患であり、ラッサ熱等とともに、ウイルス性出血熱の一疾患である。本疾患が必ずしも出血症状を伴うわけではないことなどから、近年ではエボラウイルス病(Ebola virus disease: EVD)と呼称されることが多い。
 エボラウイルス病で重要な特徴は、血液や体液との接触によりヒトからヒトへ感染が拡大し、多数の死者を出す流行を起こすことである。なお、WHOは2014年8月8日に本事例を「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」とし、流行国等に更なる対応の強化を求めている。
 概要ですが、このように記載されています。
 防衛医大病院の中にエボラ出血熱等の感染症罹患者の治療、入院等が行われるとすれば隣接する入間基地と新病院を抱えることになる狭山・入間市民にとっても関心を持たざるを得ないと考えます。エボラ出血熱は空気感染ではありません。血液や体液との接触とのことですが、医療人からの感染は起きえますし、そうしたところから家族、周囲の方への感染等も広がらないとは限りません。
 例えば、PKO活動等で隊員に感染し、感染症専門医官が配置された防衛大病院に来院する。そのとき、どのような経路で防衛医大に行くのか?輸送能力の向上するC2機も介在して入間基地に運ばれ、陸路あるいはヘリコプター等で防衛医大に行くとの可能性も考えられるとも思います。こうした問題も市民の安全を守る立場から市として把握しておくべきことと考えますがどうですか?

C2輸送機の配備が具体的に

 次の問題は機上電波測定装置についてです。今年の8月に防衛省からの情報として狭山市基地対策課から「次期機上電波測定装置の試験評価」という文書が提示されました。
内容は@防衛省が現有の電波情報収集機YS−11の後継機として、次期輸送機C−2に次期機上電波測定装置を搭載した次期電波情報収集機を開発中。
A2018年3月から1年間、入間基地で次期電波情報収集機を用いた飛行試験を含む次期機上電波測定装置の評価を行う予定だ。そのため国の来年度予算に評価試験を行うための施設整備費(機上電波情報収集機・搭載機材の整備や取得したデータ解析評価を行う建物3棟分)を概算要求した。
 これまで、防衛省は「入間基地へのC−2輸送機の配備は決まっていない」との一点張りで、それは今でも変わっていません。しかし、現実にはC−1輸送機の老朽化等もあり、埼玉県基地対策協議会等を通じて狭山市の市長もまた、市議会としてもC−2輸送機に関連しての要請活動を続けてきており、既成の事実でした。それが今回、機上電波測定装置の評価試験実施に伴う予算化という形で具体的な計画が見えてきたと思います。
 狭山市として「機上電波測定装置の評価試験実施とそのための施設整備等」について現時点での情報を紹介していただくと同時に、市民への発信も行っていただきたいと思います。YS−11からC−2への変更の理由、変更に伴う工事、経費、期間、市民への影響等について示してください。

オスプレイの横田基地への配備について

 米軍横田基地へのオスプレイCV−22配備について伺います。今年の5月、米国防総省は、米空軍の新型輸送機オスプレイCV−22を10機、横田基地に配備すると発表しました。当時の朝日新聞は、「すでに配備されている沖縄を始め、全国で運用される予定」と報道しました。
 この問題で埼玉県基地協議会会長の上田埼玉県知事は防衛省北関東防衛局長に、5月にハワイの米空軍基地で訓練中の米海兵隊MV−22オスプレイが着陸に失敗し死傷者を出したことを指摘しながら、横田飛行場へのオスプレイ配備に関する具体的内容や安全性について、関係自治体及び住民の理解が得られるような十分な説明、先の事故に対する原因究明を米国に求めること、関係自治体への事故原因の説明を求めました。
またそれに先立って飯能市・入間市・日高市の3市長連名で、防衛省北関東防衛局長に対し要望書を提出しています。内容は@飛行航路下の市民は常に不安にさらされている。文書での配備通知のみでなく、担当者から直接具体的かつ詳細な説明を求める Aオスプレイの安全性については不安を感じている市民がいる。市民の懸念が払拭されるよう、国の責任において安全性について十分な説明責任を果たすこと B上記のような十分な説明責任を果たすことなく、横田飛行場への配備や飛来を行わないよう米国政府に申し入れること との要望書を提出しました。
 オスプレイの飛行については埼玉県内でも確認されていますが、狭山市内での情報等を把握されていれば紹介してください。
 横田基地に配備されることにより、入間基地と基地が所在する当市にとっても影響があると考えます。墜落事故、騒音や交通問題など、市としてこれらの問題をどのようにとらえているのでしょうか?
 国や防衛省に対しての働きかけをどのように考えられているのか?

 縷々述べましたが、私の質問の主旨は市民の暮らしをしっかり守ること。安全を確保し、安全でないものは排除すること。情報を積極的につかみ、市民にはあらゆる手段で、かつスピーディに発信すること。これらを求めてのものです。
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