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研修会報告(滋賀県野洲市の取り組み)
        「おせっかい行政が命を救う」
野洲市市民生活相談課のS氏(左)によるプレゼンの様子。全国市町村文化研修所のHPより。
野洲市市民生活相談課のS氏(左)によるプレゼンの様子。全国市町村文化研修所のHPより。
 愛知県名古屋市で、8月23日、24日と開催された「生活保護問題議員研修会」に参加しました。
 大変感銘を受けた報告があり、是非読者の皆様にも知っていただきたいと思い、投稿しました。

滋賀県野洲市の取り組み
相談課に看護師も
 

 それは滋賀県野洲(やす)市の取り組みです。滋賀県の中央、琵琶湖の東側に広がる市で、2004年に中主町と野洲町が合併して誕生しました。人口5万人強、1万8千世帯の市です。
 野洲市役所には「市民生活相談課」があります。室長以下、消費生活相談員、相談支援員、看護師、精神保健福祉士、正規・嘱託・臨時職員含めて8人の課です。看護師や精神保健福祉士がいるのは異色であり、この野洲市の優れた取り組みを象徴する人的体制です。
 業務内容は「市民相談(暮らしの中の困り事)」「消費生活相談(消費者トラブル、多重債務など)」「法律相談(弁護士会、司法書士会の支援 月2回)「税務相談・行政相談(税理士会・総務省)」「ハローワークとの一体的実施」です。

問題が一つある方は
いくつも問題を抱えている


 市民生活相談課になったのは、今年の2月で、これまでの「相談窓口」の変遷は、1999年(2003年までは野洲町)に消費生活相談ができ、09年に「多重債務者包括的支援プロジェクト」ができます。
 市役所に「訪れる相談者」には「税金を滞納して税務相談に来る方」「滞納して、呼びかけにも応じない方」などいろいろな方がいらっしゃいます。
 税金を滞納している方はサラ金に手を出している方もいる。また、就労ができていない方、できない方、仕事が見つからない方、病気を抱えている方、病気を持つ家族がいる方、介護が必要、介護をしなければならないなどたくさんの問題をはらんでいます。
 そうした時、一つ一つの問題をいろいろな課に行って対応していれば解決しますが、多くが頓挫して未解決で終わってしまっているのが実情です。
 野洲市では、こうした方の相談をまるごと受け止め、解決するために「多重債務者包括的支援プロジェクト」を発展させ、「生活困窮者自立促進支援モデル事業」を始めたとのことです。
 兎に角、相談者が来たら、一つの問題だけでなく、「他に問題はないの?」とおせっかいな質問をするのです。たいてい、一つの問題を抱えている方は、他にも問題を抱えている事が多いのです。「問題が問題をつくっている」のですから当然と言えば当然でしょう。
 
他部署は勿論、弁護士さんにも

 野洲市のこの課のスタッフは多方面の問題にぶつかり、課のスタッフだけではなく、課の発信から他部署、地域の弁護士、司法書士まで巻き込んで相談にあたります。
 この取り組みは「野洲モデル」として、読売新聞、毎日新聞、中日新聞などでも取り上げられています。
 この取り組みを作り上げていった中心人物が99年当時野洲町の嘱託相談員として勤務していた主婦のSさん。今では正規職員となり、室長ではありませんが、課を回し、市民の生活を守る先頭で奮闘しています。
 派遣法の改悪による雇用の悪化、年金を始めとする福祉制度の改悪などが進められる中で、自治体のこうした取り組みは益々重要な課題となるでしょう。
                   (日本共産党 狭山市市議・猪股嘉直)
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