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民藝の「真夜中の太陽」を観ました
2月17日、入間川にサケの稚魚を放流する集会での猪股議員(この記事とは関係ありません)
2月17日、入間川にサケの稚魚を放流する集会での猪股議員(この記事とは関係ありません)
 何年ぶりかで「民藝の仲間」に再入会しました。後援会組織のようなもので、年間5回の民藝の芝居を観ることができます。
今、劇団の経営は大変です。消費税の導入で、さらに大変な上に、10%になったらどうにもなりませんという声がよく聞こえてきます。
国が文化を守り育てるという施策をもっと打ち出すべきですが、日本の政府は前政権も、現政権も、文化やスポーツにお金を使うことなど眼中には無いようです。仕訳だとか言って、「効率化」とか、「費用対効果」ばかり追求し、文化は切られていき、豊かさが育まれることはありません。

入会した民芸の今年の第一弾を早速観ました。「真夜中の太陽」という芝居は、若い頃から好きだった女優さん、日色ともゑさん(ハツエ)の主演による、終戦間近に起きた女学校での空襲とその被害に会う女学生たちを描いた作品でした。
舞台はもんぺ姿の女学生と80歳を超える現代のおばぁちゃん(ハツエ)が、学校でわいわいがやがや、戦時中でも女学生らしい話しをして、笑い転げているところから始まります。
男性担任に想いを寄せる話や、軍国主義の訓練をして威圧を振り向ける教師に対する悪口など、時代は変わってもケラケラ明るく話す女学生は今も昔も同じかなという姿が映し出されていきます。
そうした中、音楽室で合唱を楽しむ女学生を空襲が襲います。女学生たちは一斉に防空壕に避難しようとするのですが、「防空壕に入っちゃダメ!」と叫ぶ女学生(80歳を超えたハツエさんです)がいます。ハツエさんは音楽室に楽譜を忘れて戻ったためにただ一人助かるのです。
ハツエさんは今でもあの時のことを忘れることができない。同級の女学生と話し、歌を唄い、過ごしたことを想い出して、あの空襲のところで記憶が止まるのです。そんなある日、記憶をたどるハツエさんの前に当時の女学生が寄り集まってきます。その子らは、ハツエさんの周りに座って、ハツエさんに聞きます。「ハツエさんは結婚したの?」「どんな人と?」「子供さんはいるの?」「お孫さんも?」と。ハツエさんは、一つ一つ答えていきます。その答えに女学生たちは、自分のことのように喜び、自分の夢と重ね合わせるかのように、ハツエさんの話に耳を傾けます。
ラストの10分間、私は声をたてずハンカチで目を抑え、大変に往生しました。

あの戦争がなかったら、彼女たちにも素敵な恋人ができたり、結婚して子供さんに恵まれたり、お孫さんに囲まれる生活ができたでしょう。
どんなことがあっても戦争をしてはいけない。戦争しない日本をつくってきた「憲法9条」はかえてはいけないと強く思いました。


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