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フェイクニュース 関東大震災から原発処理水まで 【猪股嘉直】
9月1日は防災の日。関東大震災が起きた1923年9月1日にちなんだものです。
 100年前の震災の際、日本共産党の活動家や朝鮮人が虐殺されました。震災の混乱の中で「共産主義者や朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが流され、それを信じた官憲や自警団などが多数の共産主義者や朝鮮人を虐殺したのです。

 今私は、しんぶん赤旗日曜版の紹介で知った、深沢潮さんという女性作家の小説「李の花は散っても」(朝日新聞社刊)を読んでいます。
 朝鮮王朝に嫁いだ皇族・方子と困窮した庶民の少女・マサという日本と朝鮮半島の近現代を生きる2人を描いた長編小説です。
 この小説の中でも関東大震災の際に「目下東京市内の混乱につけこんで不逞鮮人の一派がいたるところで暴動を起こさんとしている 市民は厳重に警戒せよ」との貼り紙が板塀に貼られるなど、デマが流される場面が描写されています。朝鮮人の女学生や、朝鮮人と間違われた日本の女子が自警団に乱暴・暴行され、挙句の果てには殺される。
 この事件の正確な犠牲者数は不明で、研究者の立場で幅がありますが、推定犠牲者数は数百名〜約6千名と言われています。

 フェイクニュースとは、事実ではない、虚偽・デタラメな内容の情報・報道の総称です。読み手が真に受けて(事実として受け取り)、メディアなどを通じて広く拡散され、時には世論を動かしたり社会的な混乱を招いたりすることさえもあります。
 日本には「フェイクニュース」 が横行しています。2011年3月に発生した原発事故。「原発は安全」という「フェイク」がいっぺんで吹っ飛びました。そして、原発事故から12年たった今、「アルプス処理水」は安全だという、新たな「フェイク」。

 グリーンピース・ジャパン(環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGO)は、「汚染水から多核種除去設備(ALPS)で放射性物質を分離させた水を、電力会社や政府は「処理水」と呼んでいる。この「処理水」の中には、ALPSで除去できないトリチウムや炭素14が残されている。除去することになっているストロンチウム90、ヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99なども基準値を超えて残留している。東京電力や政府、大手メディアは「処理水」にはトリチウムしか含まれていないように表現しているが、実際には他にも放射性核種が残されていることを認めている。つまり、いまタンク内にある水は『トリチウム水』などというものではなく、『処理されたけどまだ汚染が残る水(不完全処理水、ALPS処理汚染水)』であるということ。東電はタンクの水を二次処理してもう一度放射性核種を取り除き、海水で希釈して海に放出するとしているが、この二次処理が成功したとしても、トリチウムと炭素14は取り除けずに残ってしまう」と述べています。

 政権、財界、メディアはこうした環境NGOの意見などは一切無視して、汚染水を処理水と言って垂れ流す。農林大臣の「汚染水」発言は本音が出たのではないでしょうか?

【小選挙区9区予定候補・猪股嘉直】

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