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私たちと憲法 狭山9条の会が定期総会 緊急学習会「安保3文書の危険な中身」
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 「私たちと憲法 狭山9条の会」が定期総会に合わせて緊急学習会を開催。埼玉県平和委員会理事の二橋元長氏を講師に「安保3文書の危険な中身」について学びました。

「戦争する」宣言

 二橋氏は「戦争する国づくりは10〜20年も前から行われてきたが、安保3文書は総仕上げ。まさに『戦争する宣言』に他ならない。人的、物的、財政面、すべてが自衛隊が使うことを前提にされ、国民の生活に必要な予算は削られていく」ときっぱりと指摘しました。
 この間、日米防衛協力の指針(新ガイドライン)で「切れ目のない」日米共同の対応が掲げられ、専守防衛から海外展開へと自衛隊が変貌しています。
 二橋氏は「この意味合いは『アメリカにあわせていく』ということ。海外へ行くための航続距離の長い飛行機、船、遠距離ミサイルが配備され、装備を置いている基地も変わっている。訓練も変わり、単独ではなく米軍と一緒に行われるようになった。現在、日米合同演習は年間365回以上、つまり毎日2つ以上の訓練が日本の各地で行われている状態」と指摘しました。
 入間基地に配備されたC2は、機動戦闘車(戦車)や、機動医療ユニット(集中治療もできるコンテナ)が3つも積める大型の輸送機です。同じく入間基地にはR‐C2も配備されていますが、これも外国の電波情報を収集し解析、妨害も可能という性能を持っており、入間基地は国内でもトップクラスの非常に重要な基地になっています。
 二橋氏は「その分、危険度もトップレベル。全国300の自衛隊基地を『強靭化』する予算が組まれ、入間と朝霞は名指しで指定されている。攻撃に耐えられるよう地下化するというが、基地は助かっても周囲にいる住民は膨大な被害を受ける」と厳しく指摘しました。

「暴力を背景」は外交ではない

 安保3文書では、「第一に外交力」と述べてはいますが、一方で「外交力の背景に防衛力が必要」としています。
 二橋氏は「これは暴力団を背景に契約を迫っているようなもの。今、世界では小さな国が理を尽くして外交に臨んでいる。核兵器禁止条約に力を尽くしたコスタリカは面積も人口もとても小さいが、国連で大きな役割を果たした。これこそが外交。暴力を背景に行うのは外交ではない。敵基地を事前に攻撃するには、情報を収集する航空機などを常に飛ばす経費等が必要。今後、防衛費がどれくらい必要になるのか?岸田氏はとりあえず5年間で43兆円というが、これで終わらない。軍備は危機を呼び寄せる。軍事頼みの国防は亡国への道」と述べました。

アメリカの狙いは自衛隊を駒に

 現在アメリカは、中国を「唯一の競争相手」と定義しています。しかしアメリカ一国では封じ込められないので、同盟国との軍事連携を強化し中国を囲い込んでいく、ここに日本をがっちり組み込んでいく、というのがアメリカの戦略です。
 二橋氏は、アーミテージ元国務副長官が代表となっているアメリカのシンクタンクが行った「台湾有事のシミュレーション」を紹介。24通りのシミュレーションのうち、唯一の「成功例」があり、その条件は「自衛隊が最初からフルに関わり参加する」「自衛隊基地を戦闘作戦にフルに使った場合」とされています。
 アメリカが望むのは、隣に並ぶ関係ではなく「指揮はアメリカで、自衛隊を駒として使うこと」なのです。

武力によらない平和の道こそ

 二橋氏は「これを覆すには憲法9条を活かし、武力によらない平和の道を目指すしかない」として、東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り組みを紹介。東南アジアでは90年代に多くの紛争があり、戦闘死者が多数出ていましたが、ASEANができてから死者は激減。対話による取り組みで、平和が作られていることがはっきり示されています。
 二橋氏は「憲法前文にある『平和を愛する諸国民の公正と信義の力』。武力ではなく世論の力でロシアの横暴を終わらせることができれば、これからの国際社会において、大国による力の支配、大国による侵略をさせない、公正、対等、平和な国際秩序への大きな一歩になる。各地での9条の会の行動、新たな署名も始まった。こうした運動が大事。ぜひ頑張りましょう!」と結び、会場からは大きな拍手が寄せられました
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