３月定例市議会 市民要望が実現！一方で大きな問題も
狭山市議会3月定例会では、６日までに各常任委員会での審議が終了しました。
これまで党議員団や市民団体が求めてきた各種要望に予算が付いた一方、入曽駅周辺整備事業では東西自由通路と橋上駅舎の工事を行うため西武鉄道との協定を結ぶ議案や、入曽駅西口にある現在の自転車駐輪場を閉鎖する議案も提出されました。
子ども医療費や手話言語条例
要望が実現した施策としては、こども医療費の助成対象が、これまでの15歳（中学生）から18歳（高校生）まで拡大され、喜びの声が上がっています。また、聴覚障がい者団体が求めていた手話言語条例も、文教委員会で総員賛成で可決されました。
このほか、人工呼吸器の外部バッテリーを日常生活用具の給付対象とする方向であることが初めて示されました。日本共産党の大沢えみ子議員が、東日本大震災の直後から当事者と共に実現を求めていたものです。
他にも、新年度新たに始める事業として、ひとり親世帯へ「高卒認定試験合格支援給付金」を支給し、就職に有利になるよう支援します。また、がん患者がウイッグや胸部補正具を購入した場合に、１万円を上限に補助を行う制度も創設されました。
入曽駅関連ではかえって危険も
一方で、入曽駅周辺整備事業については、橋上駅舎と東西自由通路の建設費用として当初予定の１・５倍となる45億４３００万円で、西武鉄道と協定を結ぶ議案が提出されました。
審議を行った建設環境委員会で日本共産党のいのまた嘉直議員は「これだけの金額をかけても渋滞などの根本的な問題が解決しない」として反対。大島政教議員（はつらつ創造）も反対しました。
入曽駅周辺整備に関しては、西口にある現在の駐輪場（改札口から１５０ｍ）を８月いっぱいで閉鎖とし、４００ｍも離れた場所に移転する議案も提出されました。新たに設置される駐輪場は、改札口に行くまでに県道を横断する位置にあります。 総務委員会で審議を行った日本共産党のきぬがわ千代子議員は「８００台もの自転車と人が県道を横断する事になり、かえって危険性が増すのではないか。また、通勤通学時にはかなりの渋滞になる可能性がある」としてこの議案に反対しました。
各議案は17日の本会議で採決されます。党議員団は「必要な議案について討論を準備し、最終日に臨みたい」と話しています。
◇市民要望が実現・前進した施策◇
〇手話言語条例の制定
〇子ども医療費支給18歳までに拡大（10月〜3000人の増を見込み）
〇日常生活用具の支給に人工呼吸器用外部バッテリーを追加予定
〇障害児補聴器購入助成について、学生は年齢拡大を視野に検討
〇ひとり親支援 新たに「高卒認定試験合格支援給付金」創設 講座などの受講費用の一部を補助（上限15万円）
〇がん患者へのウイッグ等購入助成金を創設
かつらや胸部補正具の購に対し、一人1回：上限1万円を補助
〇エアコン購入補助 環境性能★４以上が対象（1000万円確保）
〇企業の脱炭素化支援 中小企業が脱炭素化を行う場合に、専門家を呼ぶ費用や削減量を可視化する取り組みに補助
〇学校の規模と配置の適正化 子どもの将来推計を詳細に調査
（新年度は地元協議会の設置予定はなし）
〇スクールサポートスタッフを全校配置へ
〇さやまっ子相談員 中学校５名➡14名に（９名増員）
不登校への支援として小学校へも複数曜日の配置が可能に
〇就学援助 部活動費について「検討」との答弁が初めて出た
オンライン通信費（7000円／年）支給（充分かどうかは要検討）
〇公立幼稚園 園児数は減っているが、支援が必要な子どもが全 クラスに在籍
〇博物館、奥富公民館の屋上防水関連予算がついた（早期改修を）
■狭山市で課題と思われる事業■
●入曽第11自転車駐輪場（西口）８月末で廃止
（150ｍ➡400ｍ先の県道をまたいだ場所へ移転）
●入曽駅橋上駅舎と自由通路の工事費（45億4300万円）で西武と協定締結 当初予算（30億 円）の１・５倍 西武鉄道の負担なし
●平和意識高揚事業17万円→9万円に減額
（高齢化のため資料閲覧に切り替えた）
●就学応援金（生活困窮者自立支援の学習支援利用者）給付型で、進級時にも支給するのは 良いが、成績要件が３・５は厳しい
●入曽地区子育て拠点施設整備 ２度の事業者変更 安全と品質確保の担保が必要
●上記施設の開設にあわせて水野児童館が移転（コロナ前は３万５０００人が利用）
●保育所待機児童 年度末118人（昨年136人） 4月見込み38人（昨年 42人）
●学童保育 4月見込みで待機児童94人
（特に南小は23人、山王小も24人と多い）
●奨学金 問い合わせは20件ほどあるが申請には至らず（所得・成績要件がネックに）
