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「広島・祈念式典への中学生派遣事業とりやめ」を想う
         「民主さやま」への投稿 水野・渋谷明美
 3月の狭山市議会で「中学生の広島平和記念式典への派遣事業中止」が決まりました(2016年度予算に計上されなかった※1)。私自身が市内の中学校に勤めていましたので、この事業の意義を知る者の一人として本当に腹が立ちました。
 劇的に心身共に成長する中学生にとって、”体験”の持つインパクトは計り知れないものがあります。実際に広島に行き、式典に参列し、平和資料館を見学する”体験”で深い印象を受け、実に大きなものを学べます。
 そしてこの事業で派遣される生徒は学校代表1名ですが、それは1名だけに止まりません。全校的な取り組みを行うからです。
 まず、生徒会が代表生徒を募集しますが、その際、狭山市のこの事業の意義について学級担任が捕捉します。代表が決まると、生徒会から折り紙が全クラスに配られ、全員が代表生徒の持参する千羽鶴を折ります。学級活動で「平和の子の像」、佐々木貞子さん(※2)の事、「はだしのゲン」など、平和学習も合わせて行われます。そして、派遣された生徒は、9月1日の始業式で感想文を発表します。残暑の厳しい体育館でも生徒たちは真剣に聴き入っています。中2社会科で第二次世界大戦、広島・長崎の原爆を、中3国語科で原爆詩を学習しますが、その学びとこの取り組みが結びつき、より一層平和への思いが深まる……本当に、とても意義深い事業だと思います。
 そこで私は「狭山9条の会」の総会でこの件を発言しました。狭山市役所に「私の提案」として郵送もしました。市議会では日本共産党の大沢えみ子議員が反対の討論で取りあげ、狭山原水爆禁止協議会の会長が市長に要望書を提出するなど迅速に行動してくださいました。
 しかし結果はご存知の通り。「予算削減」の名の下に被爆者の方々への見舞金を始め、この件も、そして他の福祉予算もバッサリ削られました。
 郵送した「私の提案」への回答書が市長名で送られてきましたが、その内容を一読して唖然としました。
 「(略)中学生の広島平和記(原文のまま)念式典への参列を取りやめ、代わりに戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える平和教育用のDVDを政策企画課に備え、市内の小中学校に貸し出してご活用いただくこととしました。(略)」
 なんというお手軽で形式的な回答!! DVD?…アメリカのケリー国務長官ですら原爆ドーム、平和資料館を見学したというのに、DVDですか!!。未来ある子供たちにこそ「戦争の悲惨さと平和の尊さ」をできるだけ肌で直接触れてもらい、平和への思いを育む事が大切なのに。 

子どもたちは平和を望み、今の日本が戦争へと向かっている危険を敏感に感じとっています。二つ紹介します。
 一つは、2013年のことです。当時受け持っていた中3国語の授業で、俳句の学習をしました。教科書には10句余りの俳句が掲載されていましたが、その中に『戦争が廊下の奥に立ってゐた』という、1914年、渡辺白泉の句です。
 俳優さんの範読CDを聞いていた生徒たちから、「何だか怖い。」「ぞっとする」という声があがりました。
 そしてその年の12月、国会で特定秘密保護法が採決。翌日の朝日新聞「天声人語」が渡辺白泉の句と共にこの件を扱っていたので、授業で生徒たちに紹介しました。
 すると、その反応は、「秘密保護法って、歴史の時間に出てきた”治安維持法”みたいじゃん」「公民で勉強した”基本的人権”はどうなっちゃうの?」「今は、戦前ってこと?」……。中学生の感性は鋭いです。
 二つ目は昨年、戦争体験の話を聞いた南小の小学生の言葉です。水野公民間の「平和を考えるメッセージギャラリー」に寄せられた言葉から紹介します。
 「いつの間にか戦争になっていたなんてイヤだよ!」
「戦争を起こさないようにがんばろう!」
 この子どもたちの声を大事にしなければ!子どもたちの未来を守れるかどうか、今がその正念場です。戦争法なんて、即、廃止!戒厳令もどきの緊急事態条項なんて、とんでもない!憲法改悪なんて最悪です。何としてもここでストップです。
 だから、この7月の参院選で、伊藤岳さんの勝利、共産党の躍進が絶対に必要です。皆さんと一緒に、私も及ばずながら頑張ります。


※1 昨年9月の日本共産党の猪股嘉直議員の一般質問に対し、「市内中学生の広島平和式典への参加につきましては、今後も事業として継続して実施していきたいと考えております」と答弁していた。
※2 佐々木 禎子は、日本の広島市に住んでいた原爆の被爆者である少女で、広島平和記念公園にある原爆の子の像のモデルともなっている。また、シアトルの平和公園にも銅像がある。2004年7月25日、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に遺影が登録された。


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