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投稿 原発事故で壊された町を訪ねて 広瀬台在住 宮 弘
10月、私は福島県に出向き、東京電力福島第一・第二原子力発電所のある地域を訪れる機会がありました。

3年7ヶ月たっても手付かず

 感想を一言で言えば、福島第一原子力発電所の10q圏は、あの震災、原子力発電所の爆発事故から3年7ヶ月(10月時点で)の月日がたったのにもかかわらず、現地は全く復旧に手がつかずに、放り放しになっています。
 人気のない町、新築と思われる家が無人のまま放置されていました。

放射線量測定しながら福島へ

 今回、狭山から福島に向かう間、簡易測定器で空間の放射線の線量を計りながらバスで向かいました。
 狭山市内での出発時の放射線量は毎時0・06μシーベルト、年間に換算すると0・33mシーベルトでした。
 常磐自動車道を北に進み、美野里パーキングエリア、那珂湊、東海村、勿来の関、いわき市までの間は、線量は狭山とほとんど変わらず、最も高い値は勿来の関で0・1μシーベルト、年間換算では0・53mシーベルトでした。
 いわき市からは地元の人の案内をお願いしました。
東京電力福島第一原子力発電所から30q圏の広野町役場近くからは、バスの中で測定しても常時0・1μシーベルトを上回るようになりました。
 25q圏近くのJビレッジ(福島県双葉郡楢葉町にあるサッカーのナショナルトレーニングセンター)では、0・123μシーベルト、年間換算0・65mシーベルトでした。
電柱が折れ曲がり、鉄心がむき出しの富岡駅。
電柱が折れ曲がり、鉄心がむき出しの富岡駅。
  15q圏近くの東京電力第二原発入口では0・465μシーベルト、年間換算2・5mシーベルトとなりました。
15q圏内の富岡町は帰還困難地域(立ち入りには許可が必要)と居住制限地域(9時〜16時は立ち入り可能)の入り混じった状況の町です。
 無人の商店街を通り、富岡駅前に。ここは海岸から数百mの地点です。駅は津波に襲われ、電柱が折れ曲がり、鉄心がむき出しになっていました。     

新築住宅も無人

 駅の近くの新興住宅地では、新築の家が建ち、新築のアパートも建っていますが、もちろん無人で、もったいない感じがしました。        
放射線が多く、入居できない新築の家
放射線が多く、入居できない新築の家
 
 帰還困難地区との境界の道路も通りました。右側は帰還困難地区、そこは道路はもちろん、個人の家の庭も、全て壁や金属の柵などでバリケードのようになっています。

居住制限区域は、バス内測定で狭山市の50倍

 道の反対側は居住制限区域になっていますが、人影は全くなく、やはり無人の町でした。
 この道路の放射線は、バス内での測定ですが、1・5μシーベルト、最高では3μシーベルトになりました。この値は狭山の測定値の50倍で、年間線量は10mシーベルトを超え、人が安全に生活できる環境ではなく、人がいないのは当然のことでした。
 今回、わずかな時間の福島を訪ねただけでしたが、原発事故の現状の一端を見ることができました。

原発事故の修復は今の人間の能力では不可能!?

 原発は、一度このような大事故が起これば、現在の人間の持っている能力では時間をかけても元に戻すことができないのだと実感しました。こうした現実を踏まえれば、原発の再稼働などとても出来ないと思います。

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