狭山市駅西口事業の最終事業費が確定
今後の賑わいづくりが課題
狭山市駅西口周辺整備事業は仲川市長が「狭山市の顔づくり」として、市の最重要課題に位置づけてきた事業です。
9月25日付で、執行部から狭山市駅西口周辺整備事業の最終事業費についての報告がありました。
計画当初は400億円を超える大型事業で、その後、様々な見直しが行われるも、狭山の財政状況からみて「過大な計画である」として大きな見直しを求める運動も行われました。
最終的には、現在のような計画で工事が実施され、昨年7月から供用開始。その後、市民広場や西口広場の工事も完了し、最終事業費が確定しました。
各種 問題点の総括を
狭山市駅西口事業は、そもそも民間活力を導入して再開発を行い、入間川商店街までを含めた街のにぎわいを創出することを目的として実施されました。
しかし、その後の経済状況の中で、最終的には、総事業費約266億円。保留床処分金と西武鉄道の支出金(約20億円)を除いた246億円(92%)が税金での支出となりました。
また、当初、エスカレーターに屋根が付いていない設計となっていたことが問題となりました。 ペデストリアンデッキについては、市民や議会からの指摘で、完成後に7000万円をかけて屋根を設置しましたが、スカイテラスのエスカレータの上部に屋根はなく、今でも雨天時には雨が落ちてきます。
この他にも、西口は、開設当初から「ウッドデッキの床板が雨で滑る」「階段部分の手直しが必要」など、数箇所の改修が行われ、今でも市民からは「ロータリーからの横断歩道がない」「送迎用の車の駐停車場がない」など、多くの声が寄せられています。事業費の確定にあわせ、「民間のノウハウ」が果たして有効に機能したのか、市としても総括が必要です。
賑わいづくりへの取り組みを
現在、西口広場や市民広場では、入間川七夕まつりをはじめ、各種イベントが開催されるようになり、スカイテラスの地下にもようやく店舗がオープンしました。
しかし、広場の位置が駅から下る構造のため、ペデストリアンデッキからイベントの様子が見えにくいこと、基本的には駐車場がなく、有料駐車場を利用しなければならない、イベント時には満車で入れないなどの問題点もあり、大きな賑わいにはなかなか結びついていません。
イベント時以外での入間川商店街への回遊性、中心市街地の賑わいづくりも、効果が上がっているかといえば疑問が残ります。
課題を検証しながら、今後の賑わいづくりに向けて、無料の駐車場の整備や広報のあり方、地域と連携したイベントの開催など、さらなる取り組みが求められています。
【狭山市駅西口周辺整備事業について】
●西口事業の総事業費 266億2050万円
【支出内訳】
○国・県 補助金 90億5520万円
○保留床処分金 15億3250万円
○西武鉄道支出金 4億3460万円
○地方債等 110億1520万円
○一般財源 45億8300万円
【事業別の内訳】
➀市街地再開発事業等 214億1190万円
(市の歳入に関わるもの 約198億)
(市の歳入に関わらないもの 約16億)
➁新都市機能ゾーン等 29億3740万円
(全額が国県補助金を含めた公費)
➂橋上駅・自由通路事業 22億7120万円
(国県の補助金を含めた公費 約18億)
(西武鉄道支出金 約4億)