トップページ もどる
議会報告
議員団紹介
議員団だより
猪股 嘉直
大沢えみ子
広森すみ子
リンク集

議会報告
高校教科書採択に不当な政治介入    
埼玉県教育委員会は、来年度から使用する高校教科書について、学校の式典で行われる国旗掲揚と国歌斉唱について「一部の自治体で強制の動きがある」と記述した実教出版の教科書について、「教科書による記述の違いを記載した指導資料集を活用する」とした上で、8校からの希望通り採択しました。
 正式なルールに従って採択された正当な決定です。
 ところがこれに対し、県議会文教委員会が採択を疑問視。教育委員会に選定理由などを明らかにする事を求め、2度にわたる臨時委員会を開催しました。

異例 現場の校長呼び出し

 9月13日に行われた2回目の閉会中審査では、実教出版の教科書選定を申請した8校の学校長が答弁者として呼ばれる、極めて異例の審議となりました。
 審議では、自民党や刷新の会の委員が「教科書のどの部分が県の教育方針に沿っていると思ったのか具体的に教えてほしい」などと、実教出版の教科書を選定した理由について執拗に質問を繰り返しました。
 全ての校長が「文部科学省の検定を受けた教科書であり、生徒の実情に即して、ふさわしい教科書として選定したもの」と答弁。しかし、自民党、刷新の会は、何の根拠を示さず、「一方的なイデオロギーで書かれているもの」「この教科書を読んで、天皇陛下への尊崇の念は絶対に出てこない」「特定の政党色を感じる」など、“特定の立場”から攻撃をくりかえし、教科書採択の再考を迫りました。
 清水教育委員長は「指導資料集を充実させることに力を入れたい」と述べ、採択の再考を拒否しました。

教育委員長が辞任の意向

 審議後、自民党、刷新の会は、「現場の声を取り入れたから混乱した」などとして「高校日本史教科書採択の再審査を求める決議」を提出。自民・刷新の会・無所属の賛成多数(民主・無所属は反対、公明党は退席)で可決されましたが、理不尽な態度に県民からは怒りの声がひろがっています。
 高校教科書採択をめぐっては、東京都や神奈川県でも「再考を求める」動きが出され、実際に変更を余儀なくされた現場も出ています。
 こうした中、埼玉県教育委員会の清水松代委員長が、「教育委員会の考え方を県議会や県民に的確に伝えられなかった」として委員長を辞任する事態となり、大きな波紋が広がっています。24日に開かれた県の教育委員会では、清水氏の委員長辞任が了承され、後任として委員長職務代理者の千葉照實氏が選任されました。
 実教出版の日本史教科書執筆者は「高校生が歴史を主体的に思考し、主権者として成長できることを願って記述してきた」とし、国が認めた教科書を「不適切」とする動きに対して、「子どもの学ぶ権利や教師の教える権利を侵害することになる」との執筆者一同の「見解」を発表しました。
インデックス ページのトップ