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沖縄の闘いに学んで
年末に沖縄平和ツアー(狭山市教職員主任手当拠出金管理運営委員会が企画)に参加した大沢議員からの報告です。

ヘリパッド建設反対のコールを挙げてきました
ヘリパッド建設反対のコールを挙げてきました
沖縄は、日本人として一度は訪れておきたい場所でした。
 普天間基地の新たな移転先として候補に挙がっている辺野古では、住民のみなさんが今でも交代で座り込みを続けています。私たちが訪れた日は3173日目で、8年にわたって建設を阻止しています。
 沖縄平和ネットワークの方々が、この闘いを記録したドキュメンタリーを制作しており、その映像も見せて頂きました。
 国が基地建設を強行しようと、海の中に仮設の杭を打ち、資材を運び込もうとするのに対し、住民らはカヌー隊を出して体を張って抵抗。夜中の工事を行わせないために、海の上にある仮設の杭に寝袋を持ちこんで泊まり込みで監視を続けたこと、80歳、90歳のおじぃやおばぁがスクラムを組んで仮設テントに座り込みを続け、沖縄で漁をする海人達の協力も得て、国の工事船を近づけさせない闘いを続けた事を知りました。

基地建設に反対し座り込み

 翌日訪れた北部の高江地区でも、「やんばるの森」にオスプレイのヘリパッドを建設させないと、交代で監視を続けていらっしゃいました。
 ここでも体を張って建設を阻止しようとする住民に対し、国は「通行妨害」として7歳の子供までも対象にして訴訟を起こすなど、人権侵害と弾圧を行っていることに怒りを覚えました。 現在は、資材が基地内に持ち込まれてしまい、作業員は森のあちこちから侵入するため建設が進んでしまっていますが、それでも住民の皆さんはあきらめずに監視を続けています。

伊江島に残る「団結道場」跡
伊江島に残る「団結道場」跡
 
 「命どぅ宝」の精神

 その根底にあるのは、貴重な沖縄の自然を守ることはもちろん、「人殺しに加担しない」という強い理念でした。
 「やんばるの森」は、熱帯雨林のジャングルによく似ており、米軍にとっては格好の訓練場所です。(しかも費用は日本が『思いやり予算』で負担!)
 しかしジャングルでの想定訓練など、日本の国防上、一体どこで必要だというのでしょうか。これらの訓練が日本を守るためではないことは明らかです。
 実際、ベトナム戦争時に、高江村には「ベトナム村」が作られ、住民らは、三角の編み笠に黒い衣装を着たベトナム人の格好をさせられ、米兵が「生きた標的」としてそれを狩る訓練をしていたという事も、今回のツアーで初めて知りました。
 沖縄の方々の「命どぅ宝」(命こそ宝)の精神は、長い長い悲劇の歴史から生み出されているのだろうと感じました。
 その思いは、自分たちも決して暴力に踏み出さないという「非暴力」の闘いを貫いている事にも現れています。
 伊江島に残る「団結道場」では、住民らが学習を繰り返し、暴力では何も解決しないこと、自分たちも知恵を付け、冷静に粘り強く相手と交渉を続けることだけが解決の道であることを確認し合っていたそうです。
 「国防軍」などと危険な思想が叫ばれている今日、改めて学ぶべき歴史だと感じました。
 今でも基地の支配に晒されている沖縄。私たちが訪れる少し前にも米軍による婦女暴行事件が起き、夜間外出禁止令が出ているにも関わらず、家屋侵入などが連日起こっています。
 国の攻撃は巧妙で、あからさまな利益誘導や、世代間のギャップなどで、住民の間でも意見が分かれ、分断させられている現状もあり、闘いは厳しい状況にあるとのことでしたが、それでも「一番大切なのは命。平和とは、すべての恐怖がないことであり、平和を作るのは大人の責任」という言葉にこちらが励まされる思いでした。
 年末の総選挙では、自民党が多くの議席を獲得し、原発や基地の建設がさらに進むのではないかと、落胆と不安を抱えながら参加した沖縄ツアーでしたが、「無知であること、無駄であること、不健康であること、すなわち『戦争屋が喜ぶこと』をやってはいけない。共に学び、行動し、健康で、多くの人々と繋がって闘う」という沖縄の方々に、勇気と感動をもらった4日間でした。

市議会議員 大沢えみ子
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