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いまだ苦難の続く被災地 党ボランティアが南相馬市へ
日本共産党の青年ボランティアが、福島県南相馬市での復興支援に参加しました。責任者として参加した、辻もとみ氏(党衆議院埼玉8区予定候補)から報告が届きました。

 8月23〜25日まで、福島県南相馬市にボランティアとして行ってきました。南相馬市は最近になってようやく警戒区域が解除された街です。
 移動の時に驚いたのは、『人のいない村』の実態です。途中に通った飯館村は、集落や中心部にも全く人影がなく、田畑は草が伸び、家や庭、施設は荒れて、朽ち果てていました。野良猫もたくさんいました。
 人は入ってもよい状態ですが、片付けをしている人を数人、見かけただけです。
 『人がいない村』というのは雰囲気でわかるんですね。本当に異様な光景です。
 村のあちこちに置いてある黒い大きな容器には『汚染土』が積まれ、ブルーシートがかけてあります。村役場近くの畑では、防護服を着た作業員が、表土を削り取る『除染』を必死に行っていました。

「人のいない街」を作った罪

 南相馬市に入っても、街は閑散としています。お店も半分くらいしか開いておらず、夜7時ごろには閉まって、街中が真っ暗です。
 広大な山間地域を見て、いくら表土をとって『除染』しても、森林は何ともできず、『焼け石に水』であることがわかります。
 元に戻すには人間の手では不可能に近い、「人がいない村」を作ってしまった、この罪は大きいと、参加者みんなが感じています。

いまだに残る震災の爪痕
泥出し作業を進める党青年ボランティア
泥出し作業を進める党青年ボランティア


 翌日は、小高地区の津波で壊れたままになっている大きな家の片付け・泥出し作業に行ってきました。
 家は海から1〜2qの所ですが、1階は天井近くまで津波が来ていて、家の中は乾いた泥や瓦礫でめちゃくちゃでした。軽自動車も突っ込んでいました。
 びっくりしたのは、1年半も経っているのに、まだ押し入れなど風通しの悪いところはべっとりと水分が残っていて、ドロドロの真っ黒い重油混じりのヘドロが積もっていたことです。もの凄い臭いを発して、息もできません。
 玄関や縁側のひさしの部分は、柱が何本も流されていて、つっかい棒をしないといつ崩壊するか分からないので、補強などを行いました。
 放射能の影響で長く立ち入りができなかったため、瓦が落ち、そこから雨水が入って、屋根や床などが腐食していました。
 子供部屋では、勉強道具やおもちゃ、思い出の品などが雑然となったままでした。放射能汚染がなければ、運び出すこともできたはずです。
 瓦礫や家財道具が放射線を浴び、今でも0・3〜0・5μ㏜あり、庭先が『中間仮置き場』になっているとのことです。
 1階も、泥出しをしても住める状態ではないので、解体するとのことでした。しかし、すでに1年半経っているので、費用は自腹です。泥が残ったまま業者に解体を頼むと費用がかなりかかるとのことで、だからこそ「何とかしたかった」そうです。
 この家はおじいちゃん、息子さん、お孫さんが暮らしていた二世帯住宅でした。「家の立ち入りはできるようになったが、あまりのひどさに家族だけではどうすることもできず放置していた。全国からボランティアさんが来ている姿を見て勇気づけられ、少しずつでも片付けていこうという気持ちになった」と嬉しそうに話していました。
       【辻 もとみ】
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