第4回・狭山平和ツアー
米軍厚木基地・ぼうさいの丘公園を見学
ぼうさいの丘公園の施設長から説明を受ける参加者
狭山市平和委員会は、恒例の平和ツアーを10月23日に開催しました。4回目の今年は、3・11大震災を受け、「平和と防災」をテーマに企画されました。
2万人が3日間、避難可能
狭山市と防災協定を結んでいる厚木市は防災の施策が大変優れている自治体です。
「ぼうさいの丘公園」(愛称・正式名は「厚木西公園」)は防災公園で、災害時には約2万人の方が3日間避難することができます。
災害時には非常用トイレに変身するベンチ
公園内には飲料水を確保するための耐震性貯水槽や各種資材・機材を保管する備蓄倉庫、非常用トイレなど災害時に対応できる施設、設備等があります。
面積は9・4f(東京ドームの約2倍)で総合公園となっており、住民の休息、散歩、遊戯、運動等総合的な利用ができます。
日曜日にも関わらず、「防災公園」の所長が備蓄品倉庫や公園内の貯留水設備、非常用トイレなどの案内と説明をしてくださいました。
当日は野外彫刻造形展が開催されており、その一環で厚木市茶道協会が抹茶で来場者をもてなす「野点」が行われていました。
参加者は思わず、野点のサービスを受け、大変喜んでいました。
200万人の生活が脅かされ
広大な厚木基地の前で、地元平和委員会の方の説明を聞きました
続いて大和市、綾瀬市、海老名市にまたがる厚木基地の見学を、大和市平和委員会事務局の方の説明を受け、行いました。厚木基地は米海軍と海上自衛隊が共同で使用している基地で面積は5・1平方`メートルの広大な基地。
作戦行動を終えた米空母が母港の横須賀基地に入港する前に、空母艦載機は空母を飛び立ち、厚木基地に戻ります。そして母港が次に横須賀基地を出港するまで厚木基地を拠点として昼夜の飛行訓練、夜間連続離着陸訓練を行います。この飛行訓練が爆音を引き起こし、200万人を超える住民の静かな生活を奪っている、との説明でした。
「子供がおびえている」などの苦情も頻繁で、年間5000回を超える件数が寄せられているとのこと。 市民の怒りの声が続くなか、2002年からは、曲技飛行はやめているとのことでした。
また、1977年に起きた墜落事故についての説明がありました。
自衛隊は子供と母親を見殺し
米海兵隊所属のファントムジェット機が厚木基地を離陸し、横浜市緑区に墜落しました。その時、基地を一緒に使っている自衛隊は、パラシュートで脱出した米軍兵士を助けに来ましたが、犠牲になった2人の幼児と母親には目もくれませんでした。
1年以上後に子どもの死を知らされた母親は精神病扱いにされ、鉄格子のある病室で4年後に亡くなりました。
最後にレクリエーション企画で、横浜中華街に足を伸ばし、ショッピング、散策を楽しみました。
※「民主さやま」944号(10月30日発行)の同一の記事の見出しで、「米軍厚木基地」を「米軍横田基地」と書いてしまいました。お詫びして訂正します。