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行財政改革推進委員会が狭山市版「事業仕分け」試行実施
第三者評価を行う行財政改革推進委員会
第三者評価を行う行財政改革推進委員会
 狭山市では、市長の諮問に応じて、行財政改革の推進について必要な事項を調査審議する「行財政改革推進委員会」を設置しています。委員は「市政について識見を有する方」となっており、各分野から12名が任命されています。
 7月26日、狭山市ではじめて、行財政改革推進委員会による行政評価の第三者評価が試行実施されました。
 評価方法は「事業仕分け」の手法が取り入れられ、職員から10分程度の説明を受けた後、各委員が意見を述べ、最後に「今のまま継続」「見直し」「廃止」のいずれかを、各委員が挙手により表明。数の多かった意見を委員会の意見として決定する、という方法で行われました。

 5つの事業を「評価」

■「狭山大茶会開催事業」については、茶席の参加が増えないこと、入場者数が横ばいである等が課題として出され、委員からは「茶業振興の側面もあると思うので商業分野との連携や近隣市との共催を検討しては」との意見が出されました。また「文化は一度切ってしまうと継承が難しい。こうした事業はぜひ継続を」との意見も出されました。
 採決では「見直し」とする委員が多く、「広域での実施」「民間主体での運営の検討を」との意見が出されました。

■「市内循環バス(茶の花号)運行事業」は、この4月から、通勤コースの新設をはじめ、各駅を起点とした新たなルートで毎日運行が始まりました。一方で、これまで通っていた地域にバスが通らなくなった場所もあり、市民からは戸惑いの声もきかれています。
 委員からは「本来『福祉バス』という目的ではじまった事業と聞いているが、通勤・通学コースを入れたのはなぜか?大きな目的変更が簡単に行われているのではないか」との指摘がありました。
 市の担当者は「市民からの要望が強かった」と答えましたが、「一般利用者向けの事業を市が税金で行う必要があるのか?名前ではなく目的が変わってしまっているのが納得いかない」との意見、また他の委員からも「これまでの無料から100円の料金がとられることになった。福祉バスの要素はなくしたのか?地域の要求は通勤だけでなく日中の運行改善もあったはず」「事業自体は良いものと理解している。もっと多くの人が利用できるようPRを」等の意見が出され、採決では「今のまま継続」が多数となりました。

■「国際交流推進事業」については、事業内容があまり知られていないこともあってか、委員からは「これだけ外国との行き来が日常となっている現代において、市の事業として行う必要があるのか」との厳しい意見が出されました。
 市の担当者からは「姉妹都市、友好都市との関係は相手のあることであり、市長間の交流の歴史も深く、一方的な解消はむずかしい。国際交流協会を通じての事業としては、あじさい祭りへの外国人の招待や無料語学ボランティアによる学習会、料理などの文化交流などを行っている」との説明がありました。
 委員からは「首長の交流と草の根の交流は分けて考える必要があるのでは」「国際感覚の醸成というが、この事業によって市民にどのように還元されているのかが見えない」との意見が上がり、多くの委員が「見直し」に手を挙げました。

■障害者等に支給されている「タクシー券・ガソリン券交付事業」については、「他市と比較するのではなく『福祉都市・狭山』としての考えがあってよい」と、事業の必要性について理解を示す発言がありました。
 また、タクシー券の利用が6割台と低いことについて、「人工透析などを受けている方は週に3回も病院に通う場合がある。今の枚数では週に1回しか利用できない。券があまっているならば、こうした方にもっと枚数を増やすなどの工夫を」との要望も出され、委員会としては「今のまま継続」とする意見が多数となりました。

■「民間保育所児童入所委託事業」は、市内の民間保育所に児童を入所させる場合に市から委託料を支払うもので、この制度により、狭山市内では民間でも公立でも保育所の利用料金は同じになっています。
 委員からは「狭山の子どもをどういう環境で育てていくかという事になると思うが、私立保育園の理念について市はどこまで理解しているのか」との意見が出され、担当者は「訪問などを行って一緒に取り組んでいきたい」と答えました。
 他の委員からは「この事業は市の内部評価ですべての項目で最高評価になっている。それなら公立ではなく、すべて私立でやってはどうか」とする意見や、「待機児が出ている状況では、私立だけでなく公立も増設していく必要があるのでは」など様々な意見が出されました。
 採決では「見直し」が5人、「今のまま継続」が4人となり、委員会としては「見直し」という事になりましたが、どのように「見直し」するのか、意見をまとめるには至りませんでした。
 
  評価方法に課題も  
 評価の様子を傍聴した日本共産党の大沢えみ子議員は「市民の目線で評価を行うという点では良い取り組みですが、実施にあたっての課題も感じます。試行実施とはいえ、なぜこの5事業が選定されたのか、基準が明らかになっていません。今後も継続して行うならば、各分野から1つずつとか、内部評価の低いもの、市民の中で賛否が分かれるもの、補助額が大きいものなど、なんらかの基準が必要ではないでしょうか。また、議論の中身と採決の結果が一致していないように感じるものもありました。特に『見直し』となった事業について、『どのように見直すのか』の部分が重要ですが、そこの議論は不十分だと感じました。せっかくの取り組みなので、改善、充実の方向で見直ししてほしい」と感想を述べました。
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