佐賀県、経済、不況、消費税、公共事業、労働時間、 こんにちは、川上賢二です

消費税減税、公共事業の転換、労働時間短縮

国民本位の改革で佐賀県内の雇用をこれだけ増やすことができる

2001年7月12日


     これまで、不良債権処理の強行など小泉内閣の政策が実施されたら佐賀県でも大量の倒産と失業を招くことを明らかにしました。
     逆に、消費税減税、公共事業の転換、労働時間短縮など国民が願っている改革を実行すれば、佐賀県内の雇用をどれだけ増やすことが出きるか試算してみました。その他にも、社会保障の拡充、農村県である佐賀県での農漁業の振興などの重要な項目もありますが、とりあえず三分野での試算です。

    土木中心の公共事業から福祉主導の経済への転換

     国全体では年間50兆円の公共事業費を減らし、現在20兆円でしかない社会保障の分野にお金をまわしていくことが求められています。これを、佐賀県で実行したらどうでしょうか。

     佐賀県で使われている公共事業予算は国、県、市町村全部あわせて、1999年度で3776億円(全国合計45兆8400億円です)。
     このうちの1,000億円を医療・保健・社会保障にまわしたとします。これによって、直接医療や介護など県民の願いにこたえることが出来ます。同時に、社会保障への財政支出が新しい需要と雇用を生み出します。土木中心の公共事業を1000億円削減した場合と差引きどうなるかが問題です。

     これについては、6/21付けの記事で県統計課の試算を載せておきました。
     「建設」部門と「医療・保健・社会保障」部門にそれぞれ1,000億円投資した場合の経済効果の比較表は次のとおりです。

    項   目数値の単位 建 設 部 門 医療・保健・社会保障部門
    投資額億円10001000
    一次的な県内総生産額増加額万円6,681,2007,553,658
    これが県内総生産を押し上げる効果%2.37%増2.68%増
    これによる直接雇用者所得の増万円3,330,9404,407,040
    二次的効果までをふくめた県内総生産額増加額万円8,606,1029,891,052
    これが県内総生産を押し上げる効果3.05%増3.51%増
    これによる雇用者所得の増加万円5,478,2626,652,214

     第二次効果までみると「建設部門」の1000億円の投資による雇用効果は約548億円です。これだけが賃金に回るということです。2000年の佐賀県の5人以上の事業所の「現金給与総額」は年間一人平均約338万円です。この賃金をあてはめると約16,200人になります。
     同様に「医療・保健・社会保障」部門で計算すると雇用効果は約665億円になり、同じく一人平均年額338万円の賃金で計算すると約19,600人になります。
     「医療・保健・社会保障」分野が3,400人分雇用効果が大きいということになります。
     この点から、「ムダな公共事業をけずって社会保障にまわす」というのは、県民の願いに答えるだけでなく雇用拡大、景気回復の点でも大きな効果があるのだということがわかるでしょう。

    消費税の3%への減税で1900人の雇用増

     産業連関表を使って、同じように消費税減税が佐賀県内でどれだけの雇用増をもたらすかも、大まかですが試算することが出来ます。
     消費税の5%への増税で佐賀県民の負担は年間約200億円増えました。(6/20付け記事参照)

     この例から、消費税をもとの3%にもどすと県民の負担が200億円減ります。これが、買い物にまわり、製造業やサービス業など全産業に波及し、どれだけの雇用拡大をもたらすでしょうか。
     消費性向を75.5%にするなど、すべてのデータ処理は佐賀県が作成した1995年の「佐賀県産業連関表」にもとづいて行います。ただ、消費税減税は佐賀県だけでなく全国同時に行われるため、「自給」と「移輸入」の区別はしないことにします。
     これで計算すると、消費税2%の減税は200億円県民のふところをうるおし、その内の75.5%、約151億円が買い物にまわることになります。この151億円の買い物による生産誘発効果(第2次分まで含む)は約195億円、そのうち雇用にまわるのは約74億円です。これを2000年の佐賀県の平均賃金338万円でわると約1,900人になります。
     ここでは、消費性向(可処分所得のうち実際に消費にまわされるお金の比率)を75.5%にしましたが、消費税減税などで政府が本気になって景気回復に乗り出したということがわかると県民の財布のヒモは緩んでくるでしょう。そうすれば、消費性向はもっと高くなって、消費税減税の雇用効果はますます大きくなることは間違いありません。

    佐賀県の労働時間を全国平均に短縮するだけで1万人をこえる雇用増

     佐賀県の労働時間の長さは全国的にもトップクラスです。
     労働省の「毎月勤労統計調査年報」によると規模30人以上の事業所で働く労働者(142,000人)の1ヶ月平均労働時間は164.8時間で全国平均の153.5時間に比べて6.3%も長くなっています。
     全国平均の労働時間に短縮するとすれば、それは、約10,400人人の雇用に相当します。つまり、県内の30人以上の規模の事業所で全国平均並に労働時間を短縮すれば10,400人雇用を増やすことができるということです。
     ちなみに、お隣の福岡県は月平均153.2時間で全国平均と同じくらいです。長崎県は158.1時間です。長崎県なみにしただけでも約6,000人の雇用増になります。

     労働時間の問題では「サービス残業」をなくすことが重要ですが、手元に総務庁の「労働力調査」の県レベルの資料がないため試算できませんでした。

    国民に痛みでなく、国民の願いにこたえることが景気回復の道

     以上三つの分野での雇用増効果を試算してみましたが、いずれも大きな雇用効果を発揮することは明らかです。この他にも、社会保障の拡充による県民負担の軽減、農林水産物の洪水のような輸入から佐賀県の農林漁業をまもって農林漁業者の所得をひきあげるなどということが当事者だけでなく、県内で全体として景気回復、雇用拡大につながっていくことは間違いありません。
     「不良債権処理」と「リストラの強要」「社会保障改悪」で景気をいっそう悪くする小泉内閣のやり方でなく、国民本位の改革で県民の暮しを良くし、佐賀県経済を回復していく道を選ぼうではありませんか。  


総目次へもどる

ホームページへもどる