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2025年杉並区議会第1回定例会を終えて(談話) |
日本共産党杉並区議団(幹事長・山田耕平)は3月19日、以下の談話を発表しました。 2025年杉並区議会第1回定例会を終えて(談話) 2025年3月19日
日本共産党杉並区議団 山田耕平 1、岸本区政3度目の予算が賛成多数で可決 党区議団は「賛成」 国民健康保険料は「引き下げ」へ 杉並区議会第1回定例会は2月12日に開会、3月19日に閉会しました。今定例会には令和7年度杉並区一般会計予算が提案されました。岸本区政の3度目の予算となります。 長引く物価高騰が、住民生活と区内事業者に重くのしかかっています。党区議団が取り組んでいる区民アンケートには、回答者の約8割から生活苦が訴えられる“かつてない”深刻な事態です。予算編成において、物価高騰から区民生活を守る対策は喫緊の課題です。党区議団は、アンケートに寄せられた区民生活の実態や切実な声に応える区政運営を求めるとともに岸本区政のもとで始まった対話の区政をさらに前に進めるべく論戦に取り組みました。 その結果、今回の予算編成においても、物価高騰のもとで住民生活への支援、住民自治を進める対話の区政が前進していることを確認し、令和7年度杉並区一般会計予算に賛成しました。予算には日本共産党のほか、立憲、公明、など27人が賛成、反対は自民、無都などの20人となり、賛成多数で可決・成立しました。(表1) 国民健康保険料については、今年度は過去最高の値上げ額となり深刻な事態となっていましたが、2025年度については、ひとり当り保険料は前年度比3,781円の引き下げとなりました。依然として、保険料負担は重く問題ですが、物価高騰のもとでの保険料引き下げは重要な前進面であり、党区議団は国民健康保険事業会計予算に賛成しました。 介護保険、後期高齢者医療の各特別会計予算は、一部値上げとなるため反対しました。 2、長引く物価高騰から区民生活と区内事業者を守る取り組みが前進 物価高騰が長期化・深刻化するなか、区民と事業者のくらし・営業を守るために、基礎自治体の役割が問われています。岸本区長が「区民生活への影響が危惧される状況が続いている」との認識を示し、社会経済状況や区民生活の実態等を注視し、必要となる対策を必要な財源を確保しながら講じると表明したことは重要です。 米や食料品が高騰するもと、区が直接、こども食堂の運営費や立ち上げにたいする助成を行うことが示されました。こども食堂の関係者から歓迎の声が寄せられています。 物価高騰対策として、23区の多くの区でプレミアム付商品券やキャッシュレスポイント還元事業等が継続的に取り組まれ、区民の購買力向上に寄与していますが、杉並区においても、厳しい状況にある区民や事業者の生活、経営を下支えするとして、党区議団も求め続けてきたキャッシュレスポイント還元事業が提案され、新年度から実施されることは重要です。 (1)岸本区長は「住まいは権利」と表明 党区議団が求め続けてきた家賃助成制度をスタート 岸本区長は「住まいは権利である」との考えを示し、新年度から党区議団が求め続けてきた家賃助成の創設に踏み出します。杉並区の公営住宅の供給率は23区中19番目と低いことが大きな課題となっており、住宅確保要配慮者の住宅確保に向け、区営住宅、セーフティネット専用住宅、家賃助成、転居費用助成等の総合的な支援を進めていくことが表明されたことは重要です。引き続き、住宅施策の強化・拡充の推進を求めます。 (2)教育費の保護者負担軽減に向け、移動教室の「まかない費」相当分の徴収を廃止 教育費の負担軽減について、移動教室における「まかない費」相当分の徴収を廃止し、保護者負担の軽減をはかるとしたことは重要です。 今後、就学援助の認定基準額の引き上げや、前区政のもとで廃止された修学旅行費補助金の復活、移動教室にかかる費用の負担軽減等、さらなる推進を求めました。 3、前区政で遅れていた住民福祉の前進へ、取り組みが加速 前区政で遅れていた福祉施策が前進しています。 党区議団は、ゆうゆう館が機能移転された「コミュニティふらっと」において、高齢者の「福祉の増進」等、老人福祉法13条に定められた役割を位置付けることを求めてきましたが、今後、関連規定の見直しを検討・具体化することが示されました。 障害者の移動支援事業は、課題となっていた通所利用や身障等級による制限、ヘルパー確保のための報酬単価の改善等の検討が進められます。 生活保護については、新年度、荻窪事務所の人員増や、会計年度任用職員による後方支援等、ケースワーカーの負担軽減に取り組むとしていることも重要です。 (1)全ての職員が安心して働ける職場環境をつくることは「区民福祉の向上に直結」 区長は「全ての職員が安心して働ける職場環境をつくることは、区民福祉の向上にも直結する取り組み」としており、重要です。職員一人ひとりが、これまで以上に力を発揮しやすくなる職員体制や職場環境を整えることが必要です。 会計年度任用職員の再任用にかかる上限も撤廃され、図書館司書の報酬額引き上げ等、処遇改善の取り組みが行なわれます。ハラスメント対策についても第三者による外部相談窓口を設置する等の取り組みが進められます。 (2)「杉並区子どもの権利に関する条例」党区議団は賛成 自民、無所属都民ファースト等は反対 子どもの権利条約に基づく「杉並区子どもの権利に関する条例」が提案され、党区議団は賛成し、賛成多数で可決しました。自民、無都などは反対しました。(表2) 「子どもの権利」への認識については、子どももおとなも依然として十分ではありません。条例制定を通じて、さらなる普及啓発の努力を求めました。「子どもの居場所づくり基本方針」については、児童館を含め、子どもの居場所拡充を実現していく方向性が示されており、地域特性に応じて柔軟な運用を実施することが求められます。 (3)安心して学ぶことのできる教育環境の整備へ 前区政のもとで他区に大きく遅れていた区立小中学校のトイレの洋式化が着実に進んでいます。来年度末には、80%を超える見込みであることが示されました。 「杉並区いじめの防止等に関する条例」が提案され、賛成多数で可決しました。(表3)上記の「杉並区子どもの権利に関する条例」と「子どもの居場所づくり基本方針」とともに、子どもの人権を守るための取り組みです。いじめを防止し、被害を受ける児童の尊厳を守り、全ての子どもたちの教育を受ける権利を保障することは重要です。 4、「対話の区政」26事業300回1万人超へ まちづくりへの住民参画と協働が進む 岸本区政のもとで、対話による区政運営は様々な分野において数多く取り組まれ、この間の区民との対話の機会は、26事業300回、参加者数は延べ1万人を超えます。 前・田中区政と比較しても、対話の機会は大きく増えており、自治基本条例に基づく住民参画と協働の取り組みが進んでいます。 対話の区政は、合意形成に時間がかかりますが、住民自治を進める上で重要な土台・基礎となるものです。 (1)区立施設マネジメント計画や(仮称)デザイン会議において、住民の声を反映した取り組みを 区立施設マネジメント計画は、ワークショップが開催され、そこで寄せられた意見も踏まえ、3地域での計画が方針化されました。前区政から継続する課題等はあるものの、参加した区民からは区職員や住民がひざ詰めで意見交換をする計画策定プロセスに前向きな声が寄せられています。 同様に、都市計画道路周辺のまちづくりを検討する(仮称)デザイン会議においても、対話の努力がなされており、運営の方向性を決める段階から、区民と職員が意見交換しながら取り組みを進めています。 これまでの住民の声が反映されない計画の進め方を改めると共に、住民との対話による変更、修正、見直しなども視野に検討を進めることを求めました。 (2)区立施設使用料 子どもや高齢者への使用料負担軽減等の対策を 区長は「集会施設等の公共資源のネットワークを生かし、区民と共に地域の様々な課題を解決していくことが重要」としました。住民自治を進める上で、区立施設は低廉で使いやすくすべきです。今定例会では、現下の物価高騰の社会経済状況を踏まえ、現行の使用料は据え置き、使用料の見直しは令和8年度以降に引き続き検討する、との方針が示されました。他自治体で区立施設使用料の引き上げが相次ぐなか、杉並区の据え置きの判断は重要です。今回の見直しで、子どもや高齢者への使用料負担軽減等の対策を進めることも示されました。さらなる使用料引き下げを求めます。 5、震災・防災・防犯対策を強化 ジェンダー平等、平和事業が前進 震災救援所等の災害備蓄品が拡充されます。首都直下地震やゲリラ豪雨、昨今多発している強盗事件等に備えるため、防災防犯用品カタログギフトの配布も実施されます。 今年度ジェンダー平等に関する審議会を設置、協議が始まりました。あらゆる施策においてジェンダー主流化の観点から是正に取り組むとしていることは重要です。 今年が戦後・被爆80年にあたり、広島市の協力を得て「ヒロシマ原爆・平和展」の開催、被爆者証言記録映像の制作・公開などの事業に取り組むことは重要です。 区長は「広島平和学習中学生派遣事業に参加した中学生が、10年後、どのような気持ちで平和の担い手・語り手として繋がっていけるかを念頭において、継続的な平和事業をデザインしていきたい」との認識を示しました。若い世代が平和文化の担い手として育っていける支援を求めました。 6、田中ゆうたろう議員への懲罰動議提出 議場での暴力的な行為に対し特別委員会での審査を開始 2月21日、党区議団を含む杉並区議会議員有志21名は区議会本会議の一般質問の場で大きな音で演台を叩き、大声で教育長らを威嚇した田中ゆうたろう議員に対し懲罰動議を議長へ提出、3月18日に懲罰特別委員会が設置され、審査が開始されました。(※詳細は区議団ニュース439号を参照。) 懲罰特別委員会では、今後の委員会運営として、学識経験者を参考人として招致すること、威嚇された理事者を特定し参考人として招致することも含めて検討すること、公聴会の設置を検討すること等が話し合われました。議会運営を正常化させるために、引き続き全力を尽くします。 以上
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