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2024年杉並区議会第3回定例会を終えて(談話) |
日本共産党杉並区議団(幹事長・山田耕平)は10月16日、以下の談話を発表しました。 2024年杉並区議会第3回定例会を終えて(談話) 2024年10月16日
日本共産党杉並区議団 杉並区議会第3回定例会は、9月10日に開会、10月16日までの約一カ月に及ぶ議会となりました。 今定例会は、岸本区政誕生から約2年が経過するなか、どのような区政運営が行われたのか、各会派の論戦が活発に行われました。また、岸本区政初の本格予算となる2023年度杉並区一般会計等の決算審査が行われました。 党区議団は、公約の実現と共に、岸本区政の前向きの変化をさらに加速させる立場で論戦に臨みました。 1、前区政の児童館全廃方針を転換 児童館の新設方針が示される (1)既存25児童館存置と中学校区で児童館が無い地域に7館を増設 岸本聡子区長は、山田耕平議員の児童館のあり方に関する一般質問への答弁で、児童館の新設方針を表明しました。 杉並区では前・田中区長が児童館の全館廃止方針を強引に進めた結果、2013年に41館あった児童館が、2024年には25館まで減少しました。児童館が廃止された地域では、子どもの居場所の減少や地域コミュニティの喪失など、様々な問題が発生しています。そうした状況のもと、岸本区政は、子どもが安心して過ごせる多様な居場所づくりの検討を進め、検討プロセスにおいて当事者である子どもの意見を丁寧に聴取(子どもワークショップ等も開催)、地域住民や関係者とも意見交換を重ね、子どもの居場所に関する方針策定に取り組んできました。 一般質問に対し、岸本区長は「子どもの居場所づくり基本方針(素案)において、これまでの再編の考え方を見直し、現在ある児童館について、(中略)機能強化を図った上で存置していく」と表明。「現在、中学校区に児童館が無い地域では、今後、他の区立施設との併設や複合化を前提に、新たな児童館の整備について検討していく」とし、児童館新設の方向性を示しました。児童館の機能強化と新設が示されたのは初めてであり、杉並区の児童館行政の大きな方針転換となります。 党区議団は、前区長が2014年に「施設再編整備計画」を発表した当初から、児童館の全館廃止方針の問題点を指摘し、地域住民とともに存続を求めてきました。10年間の粘り強い運動が、区政の大きな方向転換を実現させました。 (2)児童館は直営での運営を検討 保健福祉委員会で、党区議団は児童館職員の重要性について質問しました。児童青少年課長は児童館職員が果たす役割に触れ、今後新設する児童館については「現時点では直営を検討している」と回答。子どもを取り巻く社会環境が複雑化するもとで、0歳〜18歳までを対象とする児童館の職員は、専門職としての配置が必要であり、直営での運営を継続することは重要な方針です。 ◆◆杉並区子どもの居場所づくり基本方針(素案)の概要◆◆ ○ 今ある児童館25館を存置。中学校区に児童館が無い地域は、児童館7館を新設 ○ 全館の内、7館(7地域1館)は「中高校生機能優先館」へ ※(0歳〜18歳までは使える。中高校生の機能を特に優先する。) ○ 全ての小学校で放課後等居場所事業を実施。現在17校⇒全40校へ ○ 学童クラブは150人程度を目安に2クラブ相当の人員配置 ■今後、素案→案となり、パブリックコメントが行われます。 2、(仮称)ジェンダー平等に関する審議会設置条例が可決 「(仮称)杉並区、ジェンダー平等に関する審議会」を設置する議案が提案されました。ジェンダー平等をすすめる条例制定を視野に、有識者や区民ら12人以内で構成し、来年秋ごろまでに答申を出す予定です。性の多様性条例の制定、パートナーシップ制度の創設、学校や区立施設トイレへの生理用品の配置、区役所におけるハラスメントゼロ宣言など、岸本区政のもとでジェンダー平等の取り組みが前進しています。党区議団は「ジェンダー平等をさらに進めていくためにも審議会の設置は必要。多様性を重んじ杉並の特色を生かした答申となることを期待する。」と意見を述べ、議案に賛成しました。 自民党、無所属・都民ファースト、参政党など一部の少数会派が反対しました。 3、岸本区政の2年間 くらし・福祉最優先の区政に向けて、前向きの変化が加速 (1)党区議団の論戦と提案が実り、物価高騰対策が前進 中小企業光熱費高騰緊急対策助成金は5772事業者が利用 岸本区長就任後の2年間、コロナ禍に続き急激な物価高騰が深刻化しています。決算年度となる2023年度は、公衆浴場への燃料費補助、福祉施設等への食料、光熱費補助など、様々な支援策が実施されました。 党区議団も求めてきた中小事業者への光熱費補助(中小企業光熱費高騰緊急対策助成金)は、23区の中でも先駆的な取り組みとなり、5772事業者が助成を受けました。多くの事業者から支援が望まれていたことであり、現在も光熱費やコメを始めとする食料品の高騰が続いていることから、引き続き対策を進めるよう求めました。 (2)区立小中学校の学校給食費無償化に子育て家庭から多くの喜びの声 区は、2023年度の10月から区立小中学校・特別支援学校の給食費無償化を実施しました。今年度4月からは国立私立小中学校児童生徒、不登校生徒に対して給食費相当分の支給を行っています。食材が軒並み高騰しているもとで、子育て世帯にとって大きな負担軽減です。一方、自民党は給食費無償化を「緊急性の乏しい計画外事業」、無所属・都民ファーストは「(区長)自身の公約達成のため」などと執拗に攻撃しています。 保護者からは「学校で栄養のあるおいしい給食を食べていることが安心に繋がる」「本当に助かる」等々、多くの喜びの声が届いており、民意を重く受け止めるべきです。 (3)福祉・教育分野での施策が次々と前進 党区議団が長年求めてきた高齢者補聴器購入費助成は、当初見込みを大きく上回る申し込みがあり、補正予算で追加経費を計上。補聴器は高額であることから購入をためらっていた多くの高齢者から大変歓迎されています。 就学援助は前区政のもとで認定基準額が引き下げられ、対象世帯が減少しました。2023年度は認定基準額を生活保護基準の1.2倍から1.3倍に引き上げたことにより認定者が188人増加したことは重要な成果です。より多くの対象者が利用できるよう周知を徹底すること、物価の上昇率を鑑み、基準額を1.5倍まで引き上げることを求めました。 (4)豊かな財政力は、住民のくらし・福祉の拡充に積極活用を 当該年度の財政状況は、翌年度へと繰り越される決算剰余金が約111億円に上り、実質収支比率は8.1%となりました。実質収支比率は、一般的には3%から5%が望ましいと言われています。5%を超えた3.1%分を金額にすると、約42億6千万円となります。約42億円を当該年度中に区民福祉等に振り向けたとしても、実質収支比率は適正値の範囲内となります。豊かな財政力は、緊急的な物価高騰対策、区民福祉、教育、負担軽減等に積極活用するよう求めました。 4、住民自治・対話によるまちづくりへの転換 (1)「対話」はコストでは無く、民主主義に必要なプロセス 岸本区政の2年間で施設再編整備計画は、施設マネジメント計画に大幅改定されました。前区政が進めてきた児童館・ゆうゆう館の全館廃止計画は停止・見直しとなり、地域住民の声を取り入れて、施設の在り方が検討されています。意見交換会の参加者からは「人から施設を作っていくことを再認識できたのが良かった。まちづくりとは、待っているだけではなく、欲しい人が集まって作り上げていくものと思う」「施設から見るのではなく『人』から見る見方は大切(略)対話は大事な人としての営み」等、前向きな意見が多く寄せられていることは大きな変化です。また、職員から「これまでの住民説明会は終了後に大変疲労していたが、今日はすがすがしい気分だった」という主旨の発言があったことも重要な変化です。 前区政のもとでは、地域住民が見直しの声や反対の意見を出しても、ほとんど修正されることなく決定され、各地で区政への不信を広げ続けてきましたが、岸本区政のもとで、地域住民との対話を重ねることにより、失われてきた信頼関係を取り戻す重要な取り組みが始まっていることは重要です。 一方、自民党の議員は「対話のコスト」という質問を行ない、岸本区政の対話のあり方を問題視しました。しかし、区立施設は、末永く地域の住民を中心に使用するものであり、その在り方については丁寧な議論と、住民合意が必要です。対話を進めることが、あたかもコスト(経費)の無駄遣いであるかの様な論調は問題です。 (2)都市計画道路整備においても、地域のまちづくりの観点から住民との対話が始まる 都市計画道路についても、各地域の道路整備に関する対話集会「さとことブレスト」を開催。今年度、西荻窪の補助132号線と高円寺の補助221号線、補助133号線の3地域での「デザイン会議」が始まろうとしています。参加者が運営委員となり、行政とともに運営方法やテーマを決め、地域課題について考える会となっています。今後も杉並区が住民とともに粘り強く課題に向き合っていくことを求めました。 5、2023年度決算は、一般会計等を認定、国保事業会計は不認定 党区議団は決算審査等を通じて、岸本区政による前向きの変化に着目し、2023年度一般会計等は認定。国民健康保険事業会計は特別区長会や区が保険料負担軽減の一定の努力をしたことは評価しつつ、物価高騰が深刻化する中で、連続値上げの状況が継続しているため不認定としました。 6、ハラスメント防止に向けて、超党派での取り組みが進む 今定例会は、区長や職員へ野次や暴言等が繰り返される異常事態となりました。特定の職員に対して、執拗に恫喝的な質問を繰り返す等、ハラスメントに類するような質疑が頻発。理事者側からも改善を求める声が上げられました。 特に田中ゆうたろう議員の暴言がますます深刻化しており、決算特別委員会では自身の質疑時間を過ぎた後も持論を述べ続け、委員長の静止も無視する等、議会運営を蔑ろにする行為を繰り返しています。こうした行為は党区議団も含む複数の会派が理事会でも問題としています。 これまで以上に事態が悪化するなか、超党派の議員が共同し、ハラスメント研修を実施することとなりました。党区議団は、今後のハラスメント防止条例の制定も視野に、多くの会派と協力し議会正常化に向けて全力を尽くします。 以上 ダウンロード用のPDFファイルはこちらです。 (2024年杉並区議会第3回定例会を終えて(談話)) |
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