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2024年杉並区議会第1回定例会を終えて(談話) |
2024年杉並区議会第1回定例会を終えて(談話) 2024年3月18日
日本共産党杉並区議団 1、岸本区政の新年度予算が賛成多数で可決 党区議団は「賛成」、各保険事業特別会計には「反対」 杉並区議会第1回定例会は2月9日に開会し、3月18日に閉会しました。今定例会には令和6年度杉並区一般会計予算が提案されました。岸本区政の2度目の予算となります。 本予算は、能登半島地震を受け、住民の命とくらしを守る震災対策の抜本強化と総点検、長引く物価高騰から住民生活と区内事業者の営業を守る取り組み、自治体の責務である区民福祉の増進、前区政の歪みを正し住民参画の区政運営を進めること等が求められました。 党区議団は議会論戦を通じて、本予算には、これらの点が位置付けられていると共に、住民参画の区政運営に向けた努力が行われていることを確認し、令和6年度杉並区一般会計予算に賛成しました。 予算には、日本共産党のほか、立憲、公明など27人が賛成。自無は10人のうち4人が退席、6人が反対。無都などと合わせ16人が反対しました。(右表1) 令和6年度国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計予算は、いずれも保険料の値上げとなるため反対しました。 国保料は過去最高の値上げ幅となります。杉並区が負担軽減のために一定の努力を行った点は重要ですが、物価高騰のもと被保険者への負担増は深刻です。統一保険料方式を取る特別区長会の枠に縛られず、区独自の負担軽減に取り組むことを求めました。 介護保険料は、第9期計画では基準月額200円の引き上げとなります。大幅値上げが懸念される中、杉並区が基金を最大限取り崩す等、負担軽減に取り組んだ姿勢は重要です。一方、物価高騰のもと、低所得世帯に対する負担増は問題があることを指摘し反対しました。 後期高齢者医療保険も制度開始以降、最大の値上げ額となり認められません。これら問題の背景には、国の制度改悪が被保険者への負担増となっている現状があります。国の責任が厳しく問われます。 2、防災対策の強化、長期化する物価高騰から区民生活と区内事業者の営業を守る対策を 能登半島地震を受け、震災救援所等の災害備蓄品を拡充します。プライベート空間確保のための間仕切りや断水の長期化に備えたトイレ用収便袋を追加配備。太陽光発電設備のない震災救援所への大容量可搬型蓄電池の配備を新年度中に完了します。女性や性的マイノリティ、高齢者や子どもに配慮した避難所のあり方の検討が進められます。耐震・不燃化助成の拡充、感震ブレーカーの無料設置対象数も拡充することになりました。党区議団が、再三にわたり設置を求めてきたエレベーター内の備蓄ボックス設置について、前区政では進みませんでしたが、今回、予算化されました。 物価高騰対策として、省エネ家電の買い替え助成等、気候危機対策と景気対策の双方に効果がある事業が展開されていくことは重要です。岸本区長は今後の物価高騰対策について「時宜を捉えて対応する」と答弁。プレミアム付商品券の継続的実施については、他自治体の類似事業の実績を踏まえ今後研究を重ねるとしました。 3、他区に後れを取っていた住民生活支援、福祉施策等の前向き変化が加速 (1)給食費無償化の新年度継続と対象拡大、23区最下位の学校トイレの洋式化を改善 学校給食費の無償化を継続し、新たに国立・私立等に通う児童生徒、不登校児童生徒等も対象とします。物価高騰により多くの子育て世帯の負担軽減が求められており、政府への無償化の決断を促す上でも重要です。 杉並区が他区と比較しても大きく遅れていたのが、学校トイレの洋式化であり、洋式化率は23区で最下位。杉並区の洋式化は到達点とともに、努力が不十分なレベルであったことは、前区政の頃から再三にわたり指摘してきました。岸本区政のもとで、5年間で100%の配置を目指す方針が示され、新年度11校219基が洋式化されます。 (2)家賃助成制度は新年度中の早期実施へ、周辺区と比較しても高過ぎる施設使用料の見直しを 家賃助成は23区中19区で実施していますが、杉並区は実施していません。公共住宅の供給が他区と比較しても低位であり、低廉な住宅確保の必要性が高いことを指摘し、家賃助成の早期実施を求めました。区は「早期の制度創設に向け検討を進める」と答弁しました。 区立施設使用料は前区政で大幅に引き上げられ、周辺区と比べ約2倍となる施設もあります。早急に引き下げるよう求めたところ、区は「使用料の検討・見直しを行い、できる限り早期に改定する」と答弁しました。 党区議団が選挙公約にも掲げ、これまでの区政でも求め続けてきた取り組みが、実施に向けて着実に準備が進められていることは重要な変化です。 (3)公務労働を支える労働者やケア労働者の処遇改善等、公共の再生に向けた予算 公務を支える労働者の処遇改善(公契約条例の労働報酬下限額引き上げ、会計年度任用職員給与の引き上げ)やケア労働者への支援拡充も予算化されました。これまで、山田宏元区長による職員削減で区民サービスが低下してきました。今回、職員定数の拡充が示されたことは重要な変化です。 ケア24の運営支援の必要性やケアマネジャー不足問題の解消を求めたところ、運営事業者に対する財政支援を拡充し、専門人材確保・定着につなげる、ことも示されました。 岸本区長が公約に掲げた公共の再生に向けた予算となっていることは重要です。 4、前区政の歪みを正し住民参画の区政運営を進めること、住民と地域のまちづくりと諸課題の解消を (1)児童館・ゆうゆう館の廃止は見直し、区立施設のあり方は住民と共に検討を 区立施設マネジメント計画(旧区立施設再編整備計画)について、区は「これまでの施設再編は、住民自治を育む点が不足し、施設利用者や地域住民の意見を十分に反映できていない」とし「計画策定プロセスを見直し幅広く利用者や地域住民の声を聴き、区民と共に創り上げていくプロセスに転換する」としました。既に実施された地域でも、同様に取り組む必要があるとしている点も重要です。 児童館は子どもの居場所の核であり、直営の児童館を守り、再編による配置不均衡を是正する必要性を指摘し、子ども達の声を聴取し計画に反映するよう求めました。区長は「様々な児童館を訪れ、地域の子どもたちへのサポートが行われている現場を見た」とし「区の児童館行政を支えてきた職員のノウハウは、区や地域の子どもたちにとっても貴重な財産」との認識を示しました。 ゆうゆう館については、高齢者が生きがい活動をするための拠点として位置付けることを求めました。区は、「高齢者の第三の居場所の重要性」に触れ、居場所の充実に取り組む方向性を示しました。 (2)地域問題の解決に向けて、住民との対話の努力を尽くすよう求める 都市計画道路事業により、各地域に様々な問題が発生しています。新年度から開始される「(仮称)デザイン会議」で地域課題解決に向け活発な議論が求められます。現状の道路計画は住民との対話による変更、修正、見直しも視野に検討することを求めました。 阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりは、前区政によって不透明な経過で進められてきましたが、岸本区長は住民との意見交換を実施し、情報開示を進めてきました。計画が進行してきた中で、現計画を見直すことは難しいと判断されましたが、杉一小跡地にタワーマンションや大型商業施設の整備を行わないと岸本区長が表明したことは重要です。 党区議団は、杉一小の移転にあたっては安全な教育環境を確保し、跡地には住民参加のもとで区民のための公共的・恒久的な施設を整備するよう引き続き求めていきます。 5、杉並区教育委員会を巡る問題について 組織風土の刷新に向けた努力が示される 岸本区政のもとで、前区政から続いていた諸問題に関する内部告発が増えています。 教育委員会に関する公益通報では、教育委員会職員による重大な不適切行為が複数確認されました。前教育長と現教育長のもとで、一部職員が「教育長付」という肩書を使用。特別扱いされ、不正・不適切行為が行われていました。それらを黙認してきた組織風土も問題です。再発防止を求めたところ「職場内で全職員に公表事案の説明と服務規律の再徹底を周知しており、組織風土の刷新のため、今後、組織体制の抜本的な見直しを進める」と教育長が答弁しました。 6、陳情の採択結果 事実婚適用を求める陳情が「採択」、核兵器禁止条約参加を求める陳情は「不採択」 今定例会では、区民から議会に提出された「陳情」の賛否が拮抗し、採決結果が注目されました。 昨年4月から開始された「杉並区パートナーシップ制度」へ異性間の事実婚を適用することを求める陳情(表2‐①)については共産、立憲、公明などの賛成多数で「採択」が決定。反対は無都、参政など。自無は会派10名全員が退席しました。 日本政府に対して核兵器禁止条約への参加を求める意見書を提出することを要請する陳情(同趣旨2本・表2‐②)については、自民、公明、無都などの反対多数で「不採択」となりました。反対した議員の責任が問われます。 7、岸本区長への暴言、議会運営を貶める暴言等が繰り返される 議会運営の正常化を 反動的勢力の暴走や暴言が深刻化しています。今定例会でも田中ゆうたろう議員等が聞くに堪えない暴言を繰り返しました。こうした事態に対して、議会運営委員会理事会では「特定の人を侮辱するような発言」に対する懲罰動議の提出方法等に関する協議も行われています。 党区議団は、心ある会派と協力し、議会正常化に向けて全力を尽くします。 以上 ■訂正とお詫び(2024年4月17日追記) 「表2.陳情に対する各会派の賛否」において一部の会派の賛否に誤りがございました。深くお詫び申し上げますとともに、以下の通り訂正させていただきます。 ・「①事実婚適用を求める陳情」の「革新」会派の賛否について 【誤】×(反対) 【正】○(賛成) 声明発表の際の確認作業を改善し、再発防止に努めてまいります。 (当ページの表2、及びPDFファイルについては訂正済みです。) ダウンロード用のPDFファイルはこちらです (杉並区議会第1回定例会を終えて(談話)) |
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