|
声明・申し入れ |
> indexに戻る |
2023年杉並区議会第1回定例会を終えて(談話) |
日本共産党杉並区議団(幹事長・富田たく)は3月15日、以下の談話を発表しました。 杉並区議会第1回定例会を終えて(談話)
2023年3月15日 日本共産党杉並区議団 幹事長 富田 たく 1.岸本区政初の来年度予算が賛成多数で可決 杉並区議会・第一回定例会最終日の3月15日、岸本聡子区長が提案した来年度予算の採決が行われ、日本共産党区議団を含む賛成多数で可決されました。 前・田中区長を支持する会派(杉並区議会自由民主党)は、岸本区長の就任直後から議会の場を利用して卑劣な攻撃を繰り返し、区政の新たな変化を妨害してきました。今回の予算成立は、こうした策動を跳ね返すもので、区民が選んだ区政の新たな前進となるものです。 予算に賛成したのは、我が党の他に自由民主党杉並区議団、杉並区議会公明党、立憲民主党・無所属クラブなどです。(下記PDFデータ内の表参照) 2.来年度予算に対する我が党の姿勢 我が党は、岸本聡子区長が提案した来年度予算が「高齢者への補聴器購入費助成」や「就学援助制度の対象者拡充」を盛り込むなど、福祉優先の区政へ新たな一歩を踏み出す予算として、積極的に賛成しました。 同時に、物価高騰対策の拡充、家賃助成の緊急実施、国保料抑制のための繰出し金の拡大など、くらし・福祉の拡充に向けて積極的な提案を行いました。 (1)物価高騰支援の継続と積極提案 我が党は、物価高騰対策として公衆浴場への燃料費補助や福祉施設等への食糧費・光熱費支援などが予算に盛り込まれたことを評価しつつ、家計支援給付金や全中小業者対象の電気代等への助成など、さらなる支援策を提案しました。 区長が年度途中であっても「補正予算対応も含めてしっかりと対応する」「スピード感をもって対応していきたい」と答弁したことは極めて重要です。 (2)家賃助成について 我が党は、前区政下から低所得世帯等に対する家賃助成の実施を提案してきました。岸本区長が再来年度、家賃助成の実施を示したことを評価しつつ、深刻化する物価高騰のもと支援の緊急性が高い世帯に対して、来年度中の実施を求めました。 区長からは「緊急実施についても検討する」との答弁があり、早期実施に前向きな姿勢が示されました。 (3)学校給食費無償化について 我が党は、代表質問で学校給食費無償化の早期実施を求め、区長も「早急に検討を進め結論をだす」と答弁しました。 予算特別委員会でも東京23区中9区(一部実施含む)に広がっている現状を示し、一刻も早い実施を求めました。区教育委員会は、今年度中に結論を出し来年度に全庁的に検討し早急に結論を出したいと答弁しました。 今後も引き続き給食費無償化の早期実施を求めていきます。 (4)国民健康保険料について 来年度の国民健康保険料について、1人当たり1万791円の値上げとなる条例改定が提案されました。今回の値上げは2018年度の都道府県化以降最大であり、1人当たりの年額保険料は18万2,171円となります。 値上げの主な要因は、新型コロナ感染拡大による医療給付費の増によって東京都への納付金額が増えたことによるもので、本来、国や都が財政的な責任を果たすべきです。そうした責任を放棄し、かつ自治体による一般会計からの法定外繰入の廃止を迫ることは許されません。 杉並区としても、保険料の値上げ抑制に向けたさらなる努力が求められたと言わざるを得ず、我が党は当該条例案には反対しました。条例案については賛成多数で可決されました。 3.区立施設について (1)児童館・ゆうゆう館の再編整備計画について 前区政のもと、住民無視で進められ、多くの問題を生じさせてきた児童館・ゆうゆう館等の廃止計画について、岸本区政が見直しに踏み出したことは重要です。 我が党は、検証にあたっては児童も含む施設利用者との対話・協議を尽くすとともに、児童館・ゆうゆう館の存続とさらなる活用を求めました。 (2)区立施設使用料について 前区政のもとで、大幅に値上げされた区立施設使用料は、集会施設・体育施設ともに近隣区の1.5倍から2倍以上となっています。我が党は、物価高騰で区民生活に大きな影響が出ているもとで、早期の使用料の引き下げを求めました。 区長は「利用しやすい料金設定にすることが望ましい」、令和6年度の改定を目指しているが「早期の改定に向けて今後とも鋭意取り組んでまいります」と答弁しました。 4.まちづくりについて (1)都市計画マスタープランについて 岸本区政のもとで、杉並区まちづくり基本方針(都市計画マスタープラン)について、骨子案の段階からの住民意見を反映するなど重要な修正が行われました。一方で、策定期間上の制約もあり、全ての点での見直しが完了したとは言えない状況です。 質疑のなかで、状況の変化や区民意見を踏まえ、適宜、住民参画で見直すことが示されたことは重要です。今後もこうした姿勢を堅持するよう求めていきます。 (2)都市計画道路について 前区政のもとで住民合意の無い都市計画道路整備が強行されました。特に、西荻地域の補助132号線、高円寺地域の補助221号線、南阿佐谷地域の補助133号線は近隣住民を中心に計画見直しを求める多くの声が寄せられています。 こうした声を受け、岸本区政が住民との対話と熟議を始めたことは重要です。今後も、事業認可済み路線も含め、事業中止や計画見直しを求めるとともに、来年度から検討が開始される第五次優先整備路線の選定においては、選定前の段階から住民との協議を行い、住民意見を反映させることを求めました。 (3)阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて 阿佐ケ谷駅北東地区まちづくりについて、前区政下での計画の合意形成や進め方に区民から疑問の声があがっていることを指摘してきました。 岸本区政に変わり、昨年行われた都市計画マスタープランの説明会でも、事業見直しの声が多くあがったことを踏まえ、岸本区長が検証・検討していく姿勢を示したことは重要です。また、質疑で住民の意見聴取を新年度前半に行うと答弁したことに期待するものです。 5.LED照明機器切替助成の対象が拡大 我が党の提案により、昨年6月から開始された区内事業所等の照明機器LED化助成は、事業主が区内在住者に限られていました。我が党の質疑により、区は対象拡大を表明。来年度早々に、区内在住でなくとも事業所が区内に有れば助成対象となる改定が行われます。 6.パートナーシップ制度がスタート 区長から「性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例」が提案され、我が党を含む賛成多数で可決されました。 この条例は「性を理由とする差別等の禁止」や「パートナーシップ制度」などを定めるもので、区が独自に条例制定することに大きな意義があります。ただし、パートナーシップ制度の対象者に事実婚カップルが含まれなかったことは残念です。今後、条例改正等で事実婚カップルを含めた制度となることを求めていきます。 なお、一部の政治家などから性犯罪者とトランスジェンダー当事者を同一視する発言や、性犯罪が増加するといった女性の不安を煽る発言がなされていることは問題です。男性優位の社会で様々な差別的扱いを受けてきた女性と、性的マイノリティ当事者に対立構造や分断を持ち込むことは許されません。今後、区として、女性の不安解消に向けた取り組みを進めることを求めていきます。 7.文化芸術振興計画策定について 杉並区には、区ゆかりの作家、美術家が多数いながら文学館や美術館が設置されていません。我が党は、美術館設置を求める区内在住の著名な日本画家からの葉書を紹介し、美術館の設置検討を求めました。あわせて、他区を参考に芸術振興計画の策定を提案。区は今後の課題と答弁しました。 8.前区長の公用車問題について 予算特別委員会で他会派から、我が党が発行した前区長の公用車乱脈運用の記事を掲載した区政ニュースに対する批判が展開されました。前区長の公用車の使い方を擁護しようとの発言ですが、予算審議の場を前区長擁護に利用することは、会派として姿勢が問われる問題です。 我が党の質疑で、区は、前区長が年間80日も公用車を深夜まで乗り回したことは事実であると改めて認めました。また、当時、深夜までの運行が全て公務であると区は主張していましたが、それを証明する記録の開示を求めても、全く示されなかったことを重ねて強調しました。 9.前向きな変化をさらに前へ 我が党は、岸本区政のもとで進み始めた杉並区の前向きな変化をさらに前進させるため、また、残された諸課題の解決に向けて、全力を尽くす決意です。 以上 ダウンロード用のPDFファイルはこちらです。 (2023年杉並区議会第1回定例会を終えて(談話)) |
Tweet |
このページの先頭へ ▲ |