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2017年杉並区議会第四回定例議会を終えて |
〈2017年杉並区議会第四回定例議会を終えて〉 2017年12月6日 日本共産党杉並区議団 杉並区議会第四回定例会が11月16日に開会され、12月6日に閉会しました。今議会は、保育料の大幅引き上げや成田西児童館の廃止等、住民生活に重大な影響を及ぼす各議案の審査が行われると共に、高円寺地域小中一貫校整備の開校時期の延期など、杉並区が強行する反区民的な施策が矛盾を来たす状況となりました。党区議団は、区立施設再編整備計画に示される住民サービスの削減をストップするよう求めると共に国の社会保障改悪が進むもとで、杉並区が住民の守り手として、自治体の責務を果たすよう求め、論戦に臨みました。 <国民健康保険制度の広域化による保険料引き上げを止めよ> 来年度から国民健康保険制度が都道府県化されるもと、これまで各自治体で実施されていた保険料引き下げのための一般財源からの繰入が継続されるかどうか、不透明な状況です。これまで通りの繰入が実施されない場合、来年度から保険料が約1.3倍程度の値上げとなります。 ■杉並区の保険料値上げの試算(※党都議団が試算:年額) 事例1年金収入300万円の65歳以上の一人暮らし高齢者 2017年度:18万8121円 ⇒ 2018年度:21万5012円事例2給与収入500万円の夫(42歳)と妻(41歳・収入なし)、小学生の子2人の四人世帯 2017年度:57万683円 ⇒ 2018年度:67万7564円 上記試算のように国保広域化により、深刻な負担増が発生しかねない状況です。国保料は毎年のように値上げされ「負担が大きい」「とても払えない」などの声が寄せられており、これ以上の保険料負担増は限界に達しています。 党区議団は保険料のこれ以上の引き上げを中止し、杉並区が国や都に対して保険料負担軽減のための財政支出を実施するよう強く要望するよう求めました。また、区独自に一般財源の繰入をはじめとした、あらゆる努力を行い、国保料を引き下げるよう求めました。区は、特別区長会を通じて、国や都に対して保険料引き下げのための財政支出を求めると答弁する一方、区独自の負担軽減策の実施については明言を避け、対応策を示しませんでした。 引き続き、保険料の負担軽減を強く求めます。 <保育料を大幅引き上げ(1割〜3割)の一方、区長・議員の給与・報酬引き上げも…> 今議会では、保育料の大幅引き上げに関する議案が上程され、党区議団と一部の少数会派を除き、賛成多数で可決されました。引き上げ幅は約1〜3割程度となり、子育て世代に深刻な負担を強いるものです。さらに、住民税非課税世帯等、低所得世帯にも負担増が押し付けられており、応能負担の原則を踏みにじる重大な問題となっています。 今回の保育料の引き上げは多くのマスコミから注目されており、国の保育料無償化の動きが示されるなか、杉並区独自に保育料引き上げを強行することは許されません。 そもそも保育とは保育に欠ける児童に対し、児童福祉法に基づき市区町村が実施義務を担うものであり、保育事業は受益事業や託児サービスとして捉えるものではありません。必要な保育を確保するためにかかる経費は国や都・区が負担すべきです。子どもは家族の宝であると同時に、社会の宝であり、次世代を育てることは、労働や税収、社会保障の支え手など、あらゆる分野で社会全体にかかわる問題です。少子化の解消が重大な課題であるからこそ、子どもを安心して生み、育てられる環境を整備することは社会全体の責務です。 この間、杉並区では公立保育園の大規模民営化方針や公園転用による保育所整備、保育料の大幅値上げ等が強行されています。杉並区の保育行政は、多くの保護者や保育従事者の不断の努力により積み上げられてきたものであり、他区に誇る優れた内容です。田中区政のもとで杉並区の保育行政が大きく後退していくことは許されません。党区議団は保育関係者や保護者と共同し、杉並区の先進的な保育行政を守るべく全力を尽くします。 保育料の大幅引き上げが強行される一方、区長や議員の給与・報酬の引き上げ条例が上程され、賛成多数で可決、強行されました。住民には保育料引き上げなどの負担増を押し付けながら、区長や議員が自らの給与・報酬を引き上げたことに大きな怒りの声が寄せられています。 連続する社会保障改悪等により住民生活が深刻な影響を受けるなか、政治家たる区長や議員が給与・報酬を引き上げることは住民生活に背を向けるものであり、党区議団は反対しました。 <高円寺地域小中一貫校整備計画で開校時期を延期 住民に責任転嫁する区・工事業者の姿勢は問題> 今議会の冒頭、杉並区教育委員会は2019年4月に開校予定だった高円寺地域の小中一貫校の開校を一年延期することを発表しました。延期理由について「工事妨害があり、工期内に完了できない」としていますが、事実に反する説明であり、区や工事業者の責任を省みない姿勢は重大問題です。この間、高さ約30mの巨大校舎によって住環境が脅かされる近隣住民は、より良い教育環境と住環境を求め、連日、高円寺中の門前などで小中一貫校計画の見直しを求める抗議行動を行なっていましたが、その内容は「巨大校舎反対」などのプラカードを掲げるだけの非暴力のアクションです。しかし、工事業者は、住民による抗議行動を“工事妨害”として工事遅延の言い訳にし、区も工事業者と同様に住民に責任を押し付けています。 そもそも工事遅延の原因は、都の建築安全条例に基づく建築確認が4カ月も遅れたことであり、その要因として高円寺中の接道条件が大規模工事に適していないことが専門家から指摘されています。 さらに、今回の事態に対して、区は工事の現場管理責任を適切に果たしていません。この間、区は住民が抗議行動している現場には一切来ず、住民との対応を業者に丸投げしています。住民による“工事妨害”等が無かったのにも関わらず、工事業者の言い分を鵜呑みにし、工事遅延を住民の責任にすること自体、筋違いです。 党区議団は、区の無責任な姿勢を厳しく批判し、近隣住民との間に重大な問題を抱えたまま、巨大校舎整備を強行することは止めるよう求めました。 <区立施設再編整備計画のもと、次々と児童館を廃止 地域住民に愛された成田西児童館も廃止に…> 区立施設再編整備計画において計画化されている区立児童館の廃止が具体化されており、今議会では成田西児童館の廃止と子ども・子育てプラザ成田西への転用に関する議案が示されました。 成田西児童館は、広い体育室のある児童館であり、ドッジボールや一輪車などができるほか、工作タイムやクッキング、ダンスグループなど様々な遊びが可能であり、障害児重点館、中学生・高校生重点館としても、児童館ならではの豊富な遊び等が提供されていました。しかし、児童館施設が廃止され、子ども・子育てプラザに転用されることで、それら機能は継承されるどころか、分散・縮小・消滅せざるを得ません。 区は児童館機能が継承・拡充されると強弁していますが、児童館が作り上げてきた機能が保障されることは、児童館施設という子どもたちの居場所が確保されているからこそであり、児童館を廃止しての子ども・子育てプラザ整備は到底、認められません。 党区議団は、区立施設再編整備計画における児童館の再編は事実上の児童館の廃止であることを指摘し、区立施設再編整備計画の撤回を求めて、議案には反対しました。 <田中区長の議会軽視、ますます深刻化 女性議員の質疑にパワハラ行為> 今議会の保健福祉委員会での議案審査中、田中区長の不適切な行為に委員会が騒然とする一幕がありました。 質疑中、自民党の女性議員の質問に対し、田中区長が激昂、机を叩き答弁に立ちました。議員の質問を威圧する行為であり、極めて不適切な態度です。女性議員に対する、まるでパワハラのような態度に会派の違いを超えた複数の議員から「こんなことは経験したことがない」「おかしい」などと問題を指摘する声が上がりました。 この間、田中区長は二元代表制の一角(議決機関)である議会を蔑ろにする暴走を続けています。今回の件は、区長の区政運営に賛同する会派の議員に対して行なわれた行為であり、もはや区長の暴走は会派を問わず、議会自体を否定する暴挙です。 党区議団の質疑では、区長の態度や議員の質問を威圧する行為を厳しく批判し、追及しました。区長は委員会の場で謝罪しましたが、この間の区長の不適切な行為は、いよいよ深刻です。 委員会後、傍聴した区民からも区長の態度を問題視する声が寄せられており、委員会後に開催された議会運営委員会理事会において、田中区長の態度を議長より注意するよう求めました。 本来、行政と議会は二元代表制のもと、緊張感のある関わりが求められており、田中区長の反区民的・議会軽視の態度を改めるよう、今後も厳しく追及します。 <東京メトロ方南町駅エレベーター実現! 近隣住民の長年の要望が実る> 11月8日、党区議団宛に東京メトロ本社より連絡が入り、“東京メトロ方南町駅のエレベーター設置工事が完了し、12月9日(土)の始発から利用が開始されること”が示されました。長年に亘り、地域の方々の念願だったエレベーター設置が実現します。町会、商店会など地域の方々の声、「東京メトロ利用者の会」の署名運動・直接交渉など粘り強い運動が実を結びました。 この間、党区議団は住民と共同しエレベーター設置運動に取り組んできました。今議会の一般質問では、バリアフリー化が進んでいない出入口についてもエレベーター設置等の対応を進めるよう求めました。 今後も暮らしやすい街づくり実現に力を尽くします。 <区政運営に重要な影響を及ぼす各計画も審査 パブリックコメントをお寄せください!> 今議会では、杉並区保健福祉計画改定案等、今後の区政運営に重要な影響を及ぼす各計画の審議が行われました。介護保険事業計画では、今後の介護保険料等の検討が進められるなど、住民生活にも大きな影響があります。 計画案については、2017年12月1日〜2018年1月4日までの期間でパブリックコメントが実施されています(改定される計画案は下記)。ぜひ、みなさんのご意見をお寄せください。 ※パブリックコメントが実施されている各計画案 ■杉並区男女共同参画行動計画(案) ■杉並区スポーツ推進計画「健康スポーツライフ杉並プラン」(案) ■住宅宿泊事業法に関する杉並区のルール(案) ■杉並区保健福祉計画(案) ■杉並区国民健康保険第二期データヘルス計画・杉並区国民健康保険第三期特定健康診査等実施計画(案) ■第5期杉並区障害福祉計画・第1期杉並区障害児福祉計画(案) ■杉並区高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画(案) ■杉並区子ども・子育て支援事業計画(案) 日本共産党杉並区議団は、引き続き、多くの区民と共同し、区民の切実な要求実現と、区政の刷新に向け全力で奮闘する決意です。 以上 |
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