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2016年第2回杉並区議会定例会を終えて |
<2016 年第二回定例議会を終えて> 2016年6月16日 日本共産党杉並区議団 第二回定例議会が5月30に開会され、6月16 日に閉会しました。今議会は保育待機児童問題の深刻化を受け、5月17・18日の区議会臨時会において決定された待機児童解消緊急対策※の具体化により、各地で波紋が広がるなかで行なわれた議会となりました。 ※「杉並区待機児童解消緊急対策への日本共産党杉並区議団の見解2016年5月26日」参照 また、あんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地の財産交換について、莫大な税金を投入する複合庁舎棟の建設に関する契約議案や高円寺地域の小中一貫校建設費等も上程されました。 党区議団は、住民合意無く公園等用地を廃止・縮小する待機児童解消緊急対策の見直しを求めると共に、道理のない財産交換方針による不要な複合庁舎棟建設や学校統廃合に伴う小中一貫校建設への税金投入を止めるべく質疑にのぞみました。 <「久我山東原公園への保育施設建設計画の見直しを求める陳情」採択を主張> 6月6日、杉並区議会保健福祉委員会において、多数の地域住民やマスコミなども注目するなか、久我山東原公園の存続を求める2つの陳情が審査されました。本陳情は、保育所用地として転用される東原公園について「地域の絆と子供たちの未来の為に、より良い形で残してください」という趣旨で、地元町会長、日頃公園を利用する児童の保護者らから提出されていました。陳情提出者は陳情の補足説明に際し「保育園の増設に反対するものではない」とし、この公園が22年前、地域に公園が無いために住民と行政が共に造った経緯を説明。「日頃から近隣住民や子どもたちが集まり、利用頻度が極めて高い」「公園転用をせずに済む代替方法も提案しており、区は住民と共に考えてほしい」と訴えました。 住民不在のまま計画を決定し、地域住民に愛された公園を乱暴に転用しようとする区行政の問題点も指摘されました。 党区議団の質疑では、田中区長就任から数年間、認可保育所を増設してこなかった経過を指摘し、区長自らが作り出した『緊急事態』の問題を告発。また、計画の拙速な進め方の問題点や地域と共存する保育所整備の必要性を訴えました。解決策として、300億円を超える財政調整基金(不測の事態に備えて積み立てられた基金)を活用し、民有地を取得・活用するなどの方法を提示しました。 本陳情については、計画に賛同する各会派からも計画の拙速な進め方に「猛省を促す」等の発言もありました。しかし、採決では党区議団と他2会派が採択を主張しましたが、賛成少数で不採択となりました。重大な問題を抱えたまま計画を強行する区に追随する議員の責任が厳しく問われます。党区議団は引き続き、住民合意の無い計画の修正・見直しを求めます。 <財産交換による複合庁舎棟建設に多額の税金投入> あんさんぶる荻窪と荻窪税務署等用地の財産交換方針による複合庁舎棟の契約議案が上程されました。建設費約30 億円をかけたあんさんぶる荻窪を築10 年で廃止し、約33億円をかけて新複合施設を建設する重大な税金ムダ遣いとなります。 そもそも、財産交換自体は二年後に実施されるものであり、財産の交換については地方自治法第96 条第1 項第6 号(財産の交換を行う際は議会での議決をとること)に根拠を持つとされています。実際の用地交換が行なわれていないにも関わらず、交換方針を既成事実化するために複合庁舎棟建設を強行し、契約議案を上程することは法的根拠としても不適切であり、道理がありません。 あんさんぶる荻窪は存続させ、荻窪税務署を現地において中層で建替え、4000 ㎡を超えると想定される余った土地を定期借地で活用すれば、大規模特養ホームの建設は可能です。 党区議団は引き続き、住民運動と固く結び、あんさんぶる荻窪を守るために力を尽くします。 <高円寺地域で進められる学校統廃合による小中一貫校計画> 今議会では高円寺地域で進められる施設一体型小中一貫校計画の建設費用として約80億円の施設整備費を含む補正予算が上程されました。高円寺地域で進められる一貫校計画は、小中学校3.5校分の児童生徒を一校におしこめるという事実上の学校統廃合計画であり、地域の拠点としての学校が失われます。また、施設一体型小中一貫校建設による高層化や校庭の縮小等、重大な問題を抱えています。小中一貫校における児童の発達についても、複数の専門家から悪影響が指摘されており、先行的に実施された和泉学園の検証も未だに行なわれていません。 高円寺地域の住民の多くがこの一貫校計画に反対しているなか、区は計画を強引に進めています。高円寺地域への深刻な影響と共に、一貫校計画による教育環境の悪化は明らかであり、補正予算に反対しました。党区議団は、地域住民と共に高円寺地域の学校統廃合計画を撤回するべく、全力を尽くします。 <狭あい道路拡幅整備条例の一部改正により支障物件への代執行が可能に> 狭あい道路拡幅整備条例の一部を改正する条例が上程されました。狭あい道路の拡幅部分への支障物件に対し、区が私物等を撤去するために「事実の公表」と「代執行」等を可能にします。財産権の一部を制限する条例は全国初となります。 そもそも、狭あい道路の拡幅とは住民合意のもと、お互いの私有財産を活用して暮らしやすく防災上有益な道路を整備することにあります。現在、多くの区民から一定の理解が得られ始めていますが、未だに財産権との関係から道路拡幅の事務を定めた法律もなく「財産権の侵害」に対して、行政は慎重であることが求められます。 支障物件に関するものとはいえ、「事実の公表」と「代執行」を振りかざした条例を作ることは住民の理解と協力をお願いするという狭あい道路解消の理念と相容れないため、議案には反対としました。 <教育委員会委員の任命、副区長の選任等への同意について> 監査委員の選任、教育委員会委員の任命、副区長の選任の同意について、議案が上程されました。監査委員、教育委員会委員については、特段の問題も無いため賛成としました。 副区長に選任された吉田順之氏(前・施設再編整備担当部長)は、区立施設再編整備計画や施設一体型小中一貫校計画による学校統廃合等において重大な役割を担ってきた経緯があり、今回の人事は、今後より一層、施設再編整備計画による「まち壊し」を進める姿勢を示しています。本来、副区長の役割は区民全体の奉仕者として区長を補佐するだけでなく、時に行き過ぎた政治手法を諫めることが求められますが、今回の人事に、その効果は期待できないと指摘し反対しました。 <賛否> 党区議団は以上の理由などから、H28 年度杉並区一般会計補正予算など計16議案に反対、13議案に賛成しました。 田中区政の暴走が様々な分野で区民サービスに重大な影響を与え始めています。住民不在の区政を転換するべく、党区議団は全力を尽くします。 (2016年第2回杉並区議会定例会を終えて) |
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