議会質問 |
| > indexに戻る |
2026年杉並区議会第3回定例会 決算特別委員会 意見開陳(小池めぐみ)(2026年10月16日) |
|
10月16日の決算特別委員会で、小池めぐみ区議が日本共産党杉並区議団を代表して意見開陳を行いました。その際の意見全文を掲載します。 意見開陳の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 委員会の録画配信 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団を代表し、令和7年度杉並区一般会計及び各特別会計の歳入歳出決算に対する意見を述べます。 当該年度は、食料品や光熱費、日用品など、暮らしに欠かせないものの値上がりが続き、区民生活と区内事業者の営業に大きな影響を与えた一年でした。 世界では、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルによるパレスチナへのジェノサイドで深刻な人道危機が続くなどし、軍備拡大の動きも一層強まりました。2026年2月末にはアメリカとイスラエルによる国際法違反のイラン攻撃が起き、エネルギー供給への不安が高まるなど、国際情勢が私たちの暮らしに直結する状況となっています。 また、気候変動による記録的な猛暑や豪雨災害が相次ぎ、命と暮らしを守る対策が一層重要となりました。 こうした状況のもと、わが党区議団は、杉並区が住民に最も身近な自治体として、区民の暮らしと命、営業を守り、福祉、教育、防災、環境、人権保障をどこまで前進させたのかという視点から決算を審査しました。 結論として、一般会計及び国民健康保険事業会計決算は認定、介護保険事業会計及び後期高齢者医療事業会計決算は不認定とします。 以下、主な理由と意見を述べます。 1.■物価高騰対策と区民生活支援について (1) 【物価高騰対策】 当該年度、物価高騰対策として、国の重点支援地方交付金を活用し、都の補助対象外となる介護、障害者、保育事業者への食材料費や光熱費、燃料費等の補助が実施されました。事業者の経営努力だけでは対応できない物価高騰の影響を緩和し、食費の値上げなど利用者への負担転嫁を防ぐ重要な支援であり、事業者からも感謝の声が寄せられたことを評価します。住民税非課税世帯及び均等割のみ課税世帯への1世帯2万円の生活応援臨時給付金の実施も重要です。 また、PayPayを活用したキャッシュレスポイント還元事業は、物価高騰が区民生活を圧迫するなか、購買力を支える重要な施策であり、加盟店や利用者からは歓迎の声が寄せられました。 一方、物価高騰の影響は、引き続き深刻です。悪天候による生鮮食料品の価格高騰、政府の補助金終了による電気・ガス代料金の上昇などが区民生活を直撃しています。国や都の制度を待つだけでなく、区民の生活実態を把握し、区独自財源も活用した直接的な支援を強化することを求めます。 (2) 【施設使用料】 区立施設使用料を据え置いたことも重要です。公共施設は、文化、スポーツ、地域活動、住民自治を支え、その利益は利用者だけでなく地域社会全体に及びます。受益者負担の考え方だけでなく、誰もが利用できる機会の公平性を重視し、低廉な使用料の維持と公益的な活動団体への減免制度の拡充を求めます。 2.■住民福祉の向上について (1) 【家賃助成・転居費用助成】 当該年度、わが党区議団も求めてきた家賃助成制度と転居費用助成制度が開始されました。「住まいは権利」という立場から、重要な前進と評価します。 一方、家賃助成の対象は、区営住宅の優遇抽選に落選したひとり親・多子世帯に限定されています。助成開始時期の前倒しや、低所得の高齢者などへの対象拡大を求めます。 (2) 【子どもの権利】 当該年度4月、「子どもの権利条例」が施行され、9月には子どもの権利相談・救済窓口が開設されました。条例制定過程から子どもたちの意見を聴き、制定後もワークショップや学校などで周知啓発を進めていることを評価します。学校、家庭、地域、事業者などにも理念を広げ、子どもの最善の利益を保障する取組を求めます。 (3) 【高齢者】 65歳以上の温水プール、トレーニングルームの減額料金を、土日祝日を含め終日利用できるようにした結果、2025年10月から2026年3月までの利用者数は前年同期比約1万2千人増の約3万3千人となりました。平日午後・夜間、土日祝日の利用も、昨年10月の1,411人(23.9%)から今年8月には3,478人(40.9%)へと大きく増加しました。 また、コミュニティふらっとの高齢者団体優先利用枠についても、月8枠の上限撤廃により、8団体が計239件の追加利用をしています。 こうした実績は、負担軽減や利用条件の緩和が施設利用の促進につながることを示しており、高齢者の健康増進や介護予防、仲間づくり、地域活動の活性化の観点からも評価します。 一方、高齢者の日常生活用具給付には利用実績がない事業もあります。東京都の包括補助金を積極的に活用し、シルバーカーや杖など、実際のニーズに即した支援の拡充を求めます。 (4) 【障害者施策】 移動支援については、当該年度、小学校低学年の余暇活動や、送迎のない放課後等デイサービスへの移動に関する要件を緩和したことを評価します。また、当事者・家族・事業者の声を踏まえ、翌年度の対象拡大や報酬単価の改善につながる検討を進めたことも重要です。障害のある方の外出と社会参加を保障するため、改善の効果を検証し、ヘルパーの処遇改善と担い手確保、家族の送迎負担の軽減につながる取り組みの継続を求めます。 障害者スポーツでは、ユニバーサルタイムの実施回数と場所が拡大され、参加者も延べ582人となるなど、前年度から取組が前進したことを評価します。今後も障害当事者の意見を反映し、参加機会や実施場所のさらなる拡充を求めます。 (5) 【生活保護】 生活保護については、申請者の意向を尊重した扶養照会や、制度を権利として伝える周知など、利用しやすい制度運用への改善を評価します。また、人員配置の改善や業務負担の軽減を進めてきたことも重要です。一方、複雑化する生活課題に対応するには、職員が安心して専門性を発揮できる体制が欠かせません。必要な人員の確保、専門人材の育成、職員への支援を強め、利用者への支援の質を高めることを求めます。 (6) 【女性の健康】 女性の健康支援では、LINE相談の「まるっとヘルスケア」や妊娠SOS相談などの取組が進み、登録者が前年度から倍増しました。心身の健康には仕事や家庭などの環境も深く関わることから、関係部署との連携をさらに強化し、必要な人に支援が届く仕組みの拡充を求めます。 3.■教育と子どもの育ちについて (1) 【教育費の負担軽減】 学校給食費無償化の継続に加え、移動教室のまかない費相当分の徴収廃止など、保護者負担の軽減が進んだことも重要な成果です。今後、修学旅行費等の負担軽減の方針が示されたことも重要であり、引き続き取り組んでいただくことを求めます。 (2) 【就学援助】 就学援助については、制度の周知を工夫し、必要な世帯に制度を届ける取組を進めたことを評価します。一方、認定率は9.9%に低下しており、物価高騰に見合う認定基準の改善が必要です。質疑のなかで、今年度のシステム改修で最新の生活保護基準を来年度から反映する方針が示されたことは、支援拡充につながる重要な前進です。 あらためて、前区政で引き下げられる以前の2012年度の基準に物価上昇を加味した水準への引上げと、入学準備金の算定根拠の見直しを求めます。 (3) 【いじめ防止・不登校・CEDAR・SC】 当該年度4月に「いじめの防止等に関する条例」が制定され、心理職など専門人材を配置した学校問題対応支援係CEDARが設置されました。学校いじめ対策委員会の定期開催とCEDARへの報告、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど専門職との連携により、早期の相談対応・支援が組織的にはかられていることを評価します。いじめ、不登校、特別な支援など、学校が対応する課題は複雑化・多様化しています。子どもたちの教育環境を守り、教職員に過度な負担を科さないためにも、相談体制の充実と人員配置の拡充は重要です。スクールカウンセラーの全校週2日配置も早期に実現することを要望します。 (4) 【学校トイレ洋式化・環境整備】 学校トイレの洋式化を計画的に進め、当該年度末の洋式化率を85.6%まで引き上げたことを評価します。児童生徒の学習環境と震災救援所の避難環境の改善につながる重要な前進です。一部の改築予定校等を除き、令和10年度末の洋式化率100%の達成に向け、着実な改修を求めます。 学校施設の長寿命化、断熱改修、改築も計画的に進める必要があります。杉並第一小学校の移転改築については、地域への情報提供と意見聴取を着実におこない、安全性を最優先に進めることを求めます。 (5) 【児童館】 児童館については、現存する25館を存置し、児童館のない7中学校区で再整備を進める方針を評価します。前区政の廃止方針を転換し、子どもの身近な居場所を保障する重要な前進です。 質疑の中で、副区長から、総合計画等の改定で3館を具体的に示すとの答弁がありました。残る4館も速やかな具体化を求めます。 また、7中学校区に限らず、地域の配置バランスや子どもが歩いて通える距離にも配慮するとともに、子どもの声や児童館職員の専門性を生かした再整備を進め、整備までの間も身近な居場所を確保することを求めます。 (6) 【保育】 保育については、人件費比率と保育士の賃金や経験年数との関係、事業者ごとの運営実態について、区が継続的に調査・研究してきたことを評価します。公費が現場の処遇改善に確実につながっているかを検証することは、保育の質を守る上で重要です。運営費の弾力運用についても、人員配置や賃金への影響を丁寧に把握し、現場で働く保育士の声を聞きながら、調査結果を処遇改善と人材の定着に結びつける取り組みを求めます。 4.■ジェンダー平等、多文化共生など人権尊重の取組について (1) 【ジェンダー主流化】 ジェンダー平等に関する審議会からの答申を受け、全庁横断的にジェンダー主流化を進める推進本部を設置し、32の方策の庁内での状況調査や職員研修を開始したことは重要な前進です。今後は、取組の進捗状況や成果を区民に明らかにし、区民の意見も反映させながら、条例の制定も含めたジェンダー平等の実現に向けた施策を着実に推進することを求めます。 (2) 【多文化共生】 2025年1月に多文化共生基本方針が策定されました。杉並に暮らす外国人を地域社会をつくる主体として位置づける方向へ政策が動き始めていることは重要です。困りごとの相談支援はもちろん、地域活動への参加や交流が広がり、相互理解を深めていくため、引き続き施策を発展させていくことを求めます。 5.■職員の働く環境について 職員エンゲージメント調査の実施、職員参加によるプロジェクトチームの設置、外部ハラスメント相談窓口の開設を評価します。 一方、休職者の約75%を心療系疾患が占めることや、人材確保が困難となるなか、職員が心身ともに健康で働き続けられる環境づくりは、区民サービスを維持するためにも不可欠です。長時間労働の是正、相談しやすい職場づくり、若手職員の定着、女性管理職の登用など、ウェルビーイングを重視した人材育成方針を求めます。 6.■気候危機対策と防災について (1) 【気候危機対策】 当該年度、エコ住宅促進助成の予算が大幅に拡充され、太陽光発電や蓄電池、断熱改修などの助成件数が前年度を上回り、家庭部門の省エネ・再エネ導入が進んだことを評価します。また、区立施設の再エネ電力調達割合は昨年度末に69%に達し、来年度末には85%まで拡大する見込みです。 2030年カーボンハーフ達成は容易ではありませんが、区長が区民、事業者、区役所の取組と成果を示すロードマップを今年度中に策定すると表明したことは重要です。目標達成に向け、さらなる取組の強化を求めます。 (2) 【防災対策】 防災対策では、震災救援所の発災後3日分の水や食料の備蓄を完了し、収便袋やエアーマットなどの備蓄品拡充も進めました。防災・防犯カタログ冊子を全世帯に配布し、区民の防災意識の向上に寄与したことを評価します。特に、震災や水害などの発災時に必要な情報や、区の防災・防犯に関する助成事業などを周知したことは重要です。耐震改修助成限度額の引き上げ、障害者等が居住する住宅への助成加算などを評価するものです。区内建築物の耐震化率は96.4%となりました。住宅の耐震・不燃化や狭あい道路などのまちの整備に加え、震災救援所訓練の充実や地域コミュニティ力の強化も含め、ハードとソフトでの防災対策をさらに進めることを求めます。 (3) 【擁壁アドバイザー派遣】 擁壁崩落事故を受け、我が党区議団が求めた専門家派遣について、補正予算で無料のアドバイザー派遣を早期に開始したことを評価します。危険な擁壁の把握と改善に至らない要因の検証を進め、所有者への継続的な働きかけや相談支援、改修費助成の活用促進を求めます。 (4) 【公園トイレの改善】 公園トイレの改善に向け、子ども専用の回答フォームも設け、区民アンケートを実施したことを評価します。その結果を踏まえ、年間3カ所の建替えに加え、年15カ所程度の洋式化改修をおこない、今後10年間で洋式化率100%を目指す方針が示されたことは重要な前進です。公園利用の安全対策とともに、着実な改善を求めます。 7.■まちづくりと住民参加について (1) 【住民参加】 あさがやまちづくりセッションやデザイン会議、ユースを対象とした気候変動に関するワークショップ、グリーンインフラや火に強い家づくりのワークショップなど、区民がまちづくりや政策の決定プロセスに参加する機会が広がり、区と協働した取り組みによる前進が生まれています。区民参画がどのような変化や前進に繋がるのかをわかりやすく伝える工夫を引き続きおこなうことを求めます。 (2) 【外環道】 東京外環道工事については、シールドマシンの損傷原因の究明と安全対策の徹底が必要です。住民から寄せられる住宅被害の訴えについて、区が事業者任せにせず、主体的に実態把握と原因検証に関わることを求めます。 8.■平和施策、文化について 戦後・被爆80年の節目に、広島市との共催による「ヒロシマ原爆・平和展」を開催し、4,487人が来場したことは重要な取組でした。また、区民の意見も取り入れた「すぎなみ平和マップ」の作成や、区役所前の平和都市宣言のパネル設置など、平和施策の前進を評価します。 平和マップの学校・地域での活用、被爆証言の記録・保存、平和資料室の設置、若い世代も含めた平和懇談会など、地域から平和を作っていく取組を心から求めるものです。原水爆禁止署名運動発祥の地として、核兵器禁止条約への参加を求める署名の常時設置など、平和都市宣言40周年に向けた施策の更なる充実を求めます。 また、杉並ゆかりの歴史・文化資料について、郷土博物館の収蔵品管理やデジタル公開の前進を評価するとともに、収蔵場所の確保、専門人材の充実、貴重な資料の散逸防止を求めます 9.■財政運営について 財政運営では、財政調整基金に偏らず、施設整備基金や区役所庁舎整備基金への積立てを進めたことを評価します。実質収支比率は6.7%に低下しましたが、実質収支額は依然105億円に上ります。一般に望ましいとされる3〜5%の水準を超える分は、区民福祉の充実と負担軽減に充てるべきです。また、一般会計の執行率は前年度を上回ったものの、低い分野もあり、その要因を検証し、必要な支援が区民に届くよう、適切な予算執行を求めます。 10.■各特別会計について 国民健康保険事業会計については、当該年度、保険料の引き下げが図られたことを重く受け止め、認定します。物価高騰が続くもと、法定外繰入を継続し、被保険者の負担軽減を図ってきた区の姿勢を評価します。 また、区の担当課が調査を重ね、国の財政調整の仕組みが東京への配分を薄くし、被保険者の保険料負担を重くする構造を具体的に分析したことは、制度改善を求める上で重要です。こうした構造的課題を解消しないまま、法定外繰入の削減・解消を優先し、区民に負担を転嫁することは認められません。 引き下げ後も保険料は依然として高く、さらなる負担軽減が必要です。国庫負担の拡充と財政調整の改善、東京都独自の財政支援を強く求めるとともに、区としても法定外繰入の継続や子どもの均等割軽減など、負担軽減に向けた取り組みを進めることを求めます。 介護保険事業会計及び後期高齢者医療事業会計については不認定とします。 地方自治体の責務は住民福祉の増進にあります。今後も住民自治の実現に向け、区民の声を区政の中心に据え、誰もが安心して自分らしく暮らし続けられる杉並区を目指し、さらなる住民参加と協働を進めていくことを求めます。 11.終わりに 最後になりましたが、多くの資料を調製していただいた職員のみなさんに感謝申し上げ、日本共産党杉並区議団の意見開陳を終わります。 以上
|
| Tweet |
| このページの先頭へ ▲ |