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2026年 杉並区議会 第3回定例会 一般質問(くすやま美紀)(2026年9月14日) |
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9月14日の本会議でくすやま美紀区議が一般質問に立ちました。その際の質問全文を掲載します。 答弁を含めた一般質問の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 本会議の録画中継 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団を代表し、高齢者施策について質問します。 65歳以上の高齢者は3,600万人を超え、日本の人口の29%にのぼっています。杉並区では 今年4月1日現在、20.8%です。 老人福祉法では、高齢者について、「多年にわたり、社会の進展に寄与してきた者」「豊富な知識と経験を有する者」として、「敬愛されるとともに、生きがいをもてる健全な安らかな生活を保障される」と明記されています。 ところが今、高齢者の暮らしは、物価高騰による年金の実質的な目減り、医療や介護の負担増、介護サービスの提供基盤の弱体化などによって、深刻な状況に置かれているのではないでしょうか。 わが党区議団が取り組んでいるアンケートには、「年金が少ないため、高齢でも、家賃、生活費のために働かなくては生きていけない」という80代男性。「生活全般が破壊されている。1日2食も難しい」という、これも80代男性。また、70代の方からは、「老後、自分が一人で生き抜くにはどうすればいいかわからないのが不安」など、切実な声が寄せられました。 高齢者が、安心して暮らせる社会をつくることは、政治の重要な責任です。 現在、杉並区は、2027年度から29年度までの「杉並区高齢者施策推進計画」の改定を進めています。昨年度実施された高齢者等実態調査は、計画を作るうえで重要な基礎資料となるものです。 調査結果で私が注目したのは、高齢者の経済的困難、健康、そして社会的孤立が深く結びついていることです。暮らしについて「苦しい」と感じている人は、高齢者全体では29%、独居高齢者では36%にのぼりました。また、健康状態が「とてもよい」と答えた人は、経済的にゆとりがある人では34.2%だったのに対し、経済的に苦しい人では7%に過ぎませんでした。経済的に苦しい高齢者ほど健康状態も悪い傾向にあるということです。 独居高齢者では、社会的孤立が経済的困窮だけでなく、身体的・精神的な健康状態や認知機能の低下とも関連していることが示されています。高齢者の健康と生活を支えるには、所得や住まい、社会とのつながりを含めて総合的に捉えることが重要です。 また、「今後、区が力を入れていくべきこと」として、「低所得者への対応策」と答えた人が、高齢者では16.3%、在宅介護高齢者では14.5%にのぼりました。さらに、経済的な暮らしの状況別にみると、「大変苦しい」と答えた人では、実に54.0%が「低所得者への対応策」を求めています。「やや苦しい人」でも28.6%です。 Q1 そこで伺います。区は、昨年度の高齢者等実態調査で、経済的困難と健康、社会的孤立との関連が明らかになったことや、また、「今後、区が力を入れていくべきこと」として「低所得者への対応策」を16.3%の高齢者が求め、その要望を求めた高齢者のうち、経済的に「大変苦しい」人が54.0%に達していることを、どのように受け止めていますか。そのうえで、経済的な困難を抱える高齢者が、医療・介護・福祉サービスや住まい、地域とのつながりから取り残されることのないよう、今後、低所得者への対応策を、どのように具体化・強化していくのか、見解を伺います。 とりわけ、住まいの問題は重要です。区長は所信表明で、単身高齢者が民間賃貸住宅に入居しにくい課題について、民間事業者等とも連携しながら改善を図っていくとしています。入居を拒まれる問題への対策は重要です。しかし、問題は、現在、民間賃貸住宅に入居できている高齢者であっても、家賃が高く、生活が圧迫されているということです。わが党のアンケートにも、年金だけでは家賃と生活費を賄えず、高齢になっても働かざるを得ないという声が寄せられています。 Q2 区は、低所得高齢者にとって民間賃貸住宅の家賃負担が生活を圧迫している実態をどのように認識していますか。また、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、低所得高齢者への家賃補助など、直接的な負担軽減策を検討すべきと考えますが、いかがですか。 次に、ひとり暮らし高齢者への支援についてです。 杉並区の高齢者人口の約36.1%がひとり暮らし高齢者です。 高齢者実態調査では、月1回以上、会ったり話したりする家族や親せきが「いない」と回答した人は、全体では9.4%ですが、独居高齢者では23,8%に上っています。病気や失業、家族との死別、経済的困難、外出機会の減少など、さまざまな事情が重なって、気づかないうちに社会とのつながりを失っていくことがあります。 「もっと地域とつながってください」と本人に努力を求めるだけではなく、行政や地域の側からつながりにいくことが必要ではないでしょうか。 杉並区では、75歳以上で介護保険などの公的サービスを利用していない方を対象に、民生委員等が訪問する「安心おたっしゃ訪問」を実施しています。2024年度は、「安心おたっしゃ訪問」をきっかけに、介護保険サービスや区の事業など、393人が必要な支援につながっています。医療機関・福祉事務所など関係機関へのつなぎは79人です。これは、訪問することによって、はじめて支援ニーズが把握できる高齢者がいることを示しています。 Q3 安心おたっしゃ訪問によって、実際にどのような潜在的な支援ニーズが把握され、どのような支援につながったのでしょうか。また、区はこの事業をどのように評価していますか。 安心おたっしゃ訪問は基本的に75歳以上が対象です。しかし、支援が必要な高齢者を年齢で区切ることはできないと思います。74歳以下であっても、独居、家族や友人との交流の減少、外出機会の減少、認知機能の低下、生活困窮など、複数のリスクを抱えている人がいます。 Q4 安心おたっしゃ訪問とは別に、75歳という年齢や公的サービスの利用の有無だけではなく、孤立、生活困窮、健康状態など複数のリスクを捉え、支援につなげる新たなアウトリーチの仕組みを検討すべきと考えますが、区の認識を伺います。 孤立を防ぐためには、支援が必要になってからではなく、元気なうちから地域のなかに居場所があることが重要です。高齢者が歩いて行ける範囲に、気軽に立ち寄り、食事をしたり、話をしたり、必要なときには相談できる場所がある。そうした場所は、単なる「介護予防の場」ではなく、人が人として地域で生きていくための、社会的なインフラです。 Q5 前区政のもとで、高齢者の大切な活動の場であるゆうゆう館は、コミュニティふらっとへ再編が進められ、身近な活動の場が失われてきました。 高齢者が歩いて行ける身近な場所に、気軽に立ち寄れる居場所を増やし、食事、交流、相談などを一体的に行える取組を強化するとともに、世代を超えた交流や地域活動への参加を支えるべきと考えますが、いかがですか。 次に、「身寄りのない高齢者」への支援について伺います。 「老後、自分が一人で生き抜くにはどうすればいいかわからないのが不安」という70代の方の声は、まさにこの問題を表しています。高齢者が一人で暮らしている場合、医療や介護だけではなく、入院や施設入所の手続き、金銭管理、住まい、緊急時の対応、成年後見、さらには亡くなった後の葬儀や遺品整理など、さまざまな場面で「頼れる人がいない」という問題に直面します。しかし、現在の制度は、家族がいることを前提としている部分が少なくありません。 Q6 身寄りのない高齢者について、医療・介護だけでなく、入院・入所時の支援、権利擁護、成年後見制度の利用支援、住まい、緊急時対応、死後事務なども含め、家族の有無にかかわらず安心して暮らせる総合的な支援の仕組みを区として構築すべきと考えます。 区の認識と今後の取組について伺います。 次に、認知症施策について伺います。 高齢者実態調査では、「認知症は誰もがなり得ると思う」または「どちらかというと思う」と答えた人が87.7%に上る一方、認知症基本法について「ほとんど知らない」と答えた人は70.5%でした。また、「認知症になったら何もわからなくなる」と思う人が50.1%、「何もできなくなる」と思う人が44.6%に上っています。 一方で、「認知症の人の意思が尊重されている」「自分らしく暮らせる」と感じている人は2割台にとどまっています。ここから見えてくるのは、認知症は身近な問題だと認識されている一方で、認知症になった本人がどのように地域で暮らしているのか、どのような可能性を持っているのかについての理解は、まだ十分広がっていないということです。 Q7 区は、昨年度の高齢者実態調査結果をどのように受け止めていますか。また、認知症への正しい理解を広げ、認知症になっても地域の一員として尊厳を持って暮らせる社会をつくるため、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 認知症施策というと、「認知症にならないための予防」が強調されることがあります。もちろん健康づくりや発症リスクを減らす取組は重要です。しかし、「認知症にならないこと」を目標にするだけではなく、「認知症になっても安心して暮らせること」を同じように重視する必要があります。認知症になったら終わりではありません。認知症がある人にも本人の意思があり、希望があり、できることがあります。 認知症基本法が掲げる「共生」とは、認知症の人を支援する側とされる側に分けるのではなく、認知症の人も地域社会の一員として、ともに暮らしていくことです。 そのためにも、認知症の本人の声を施策に反映することが欠かせません。区が認知症施策推進計画の改定にあたり、認知症ワーキンググループを設置し、本人の意見を聞いてきたことは重要と評価します。 Q8 認知症になった後も、本人の意思と尊厳が守られ、自分らしく暮らし続けられることを認知症施策の基本に据えることが重要です。医療・介護、住まい、金銭管理、権利擁護、意思決定支援などを含め、本人の意思の尊重を、改定する認知症施策推進計画の重要な柱に位置付けるべきですが、いかがですか。また、本人の意思を尊重し、その声を具体的な施策に反映する仕組みを構築することが必要と考えますが、区の認識を伺います。 本人の社会参加を支えるうえで、チームオレンジの役割も重要です。 区は、今年度までに、20か所のケア24にチームオレンジを設置する計画です。しかし、重要なのは設置数ではありません。認知症の本人や家族の暮らしが、チームオレンジによってどう変わったのかということです。本人がやりたいことを実現できたのか。地域とのつながりが生まれたのか。社会参加につながったのか。そこまで検証し、区民に示す必要があると思います。 Q9 チームオレンジについて、設置数だけでなく、参加している本人・家族の人数、活動内容、支援につながった事例、本人の社会参加につながった事例など、具体的な成果を区民に分かりやすく示し、活動の充実につなげるべきと考えますが、いかがですか。 次に、家族介護者への支援です。 在宅介護高齢者実態調査では、在宅介護を担う家族から、精神的ストレス、身体的負担、自由な時間が持てない、経済的な不安など、さまざま不安に感じることが示されました。「住み慣れた自宅で暮らしたい」という本人の願いは大切ですが、それが家族の犠牲によってしか実現できないのであれば、持続可能な在宅生活とは言えません。「在宅介護を支える」とは、家族に介護を頑張ってもらうことではなく、家族が介護を抱え込まなくても済むようにすることです。 介護する家族も、支援を必要とする当事者です。「ケアする人をケアする」という視点を、次期計画に明確に位置づける必要があります。今回の調査では、介護者が休息できるよう、高齢者を数日間施設で介護する宿泊サービスや、介護者が外出する際などに利用できる日帰りサービスへの要望が高くなっています。 Q10 ショートステイなど、介護者が安心して休息できるサービスについて、必要なときに確実に利用できるよう、受け皿の確保、予約のしやすさ、利用者負担の軽減なども含めて拡充すべきと考えますが、今後どのように取り組むのか、伺います。 次に、介護事業所への支援についてです。 2024年度の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬が引き下げられ、事業所の経営に深刻な影響を与えました。今年度、介護報酬の前倒し改定が行われましたが、介護事業所を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況です。 介護サービス事業所等実態調査では、人材確保について区に望むこととして、「採用・募集経費の支援」が64.6%、「家賃補助や居住特別手当による支援」が58.1%にのぼっています。自由記述でも、「介護報酬が厳しい現状を踏まえ、家賃補助などの金銭的支援を特に望む」といった声が寄せられました。 こうした声も踏まえ、今年度、区は、東京都の居住支援特別手当の加算対象外となる勤続6年目以上の介護職員とすべての介護支援専門員を対象に、月額1万円と社会保険料相当分を補助する区独自の支援を開始しました。介護人材の確保・定着を図るうえで重要な取り組みです。 Q11 そこで、まず、支援開始後の申請事業所数、対象となった介護職員・介護支援専門員の人数など、現在の利用状況を伺います。また、区が当初見込んだ対象者数に対して、どの程度まで支援が届いているのかもお答えください。 一方、この制度は東京都の制度を前提としているため、勤務時間などの要件があり、区内の介護事業所で働いていても対象とならない職員がいます。介護人材の確保という観点から、制度の対象から外れる職員の実態を区として把握・検証すべきと考えますが、いかがですか。 深刻な介護人材不足のなか、短時間勤務の職員も含め、一人ひとりが介護現場を支える大切な人材です。区独自の支援をせっかく開始したからこそ、制度の狭間に置かれる職員をできる限りなくしていくことが必要です。今後、制度の利用実績や対象外となっている職員の実態を踏まえ、勤務時間要件などによって支援が届かない介護従事者についても、支援を拡大することを検討すべきと考えますが、見解を伺います。 次に、特別養護老人ホームについて伺います。 杉並区は、2024年度以降の需給予測で、2030年度までの間、「緊急性の高い入所待機者は発生しない」として、現在、新たな特養整備を計画していません。しかし、「緊急性の高い待機者が発生しない」という予測だけを根拠に、今後の整備を考えなくてよいのでしょうか。今回の調査では、特養への申し込み理由として、家族の心身の負担が大きく、在宅生活に限界を感じている人が多数を占めています。 独居で在宅生活を続けることが難しい。家族による介護が限界に近づいている。介護する家族自身が高齢になっている。こうした高齢者にとって、特養は、最後のよりどころとなる重要なセーフティネットです。 Q12 第10期介護保険事業計画では、現在の待機者数や定員数だけを前提とするのではなく、75歳以上の高齢者や独居高齢者、認知症高齢者の増加、家族介護力の低下などを踏まえ、将来必要となる特養の整備量を改めて検討すべきではないのか、区の見解を伺います。 最後に、介護保険料について伺います。 介護保険料は改定のたびに値上げが続いています。実態調査でも、「保険料が高額で、そのうえ後期高齢者保険料もさらに高額で、生活を圧迫しています」といった声が、複数寄せられています。年金は増えず、物価は上がる。医療費もかかる。そこに介護保険料まで重くのしかかる。高齢者にとって、まさに「これ以上どこを削ればいいのか」という状況です。 介護保険料は、高齢者が増え、介護サービスの利用が増えれば、保険料の負担が増える仕組みになっています。それを防ぐためには、国庫負担割合の引き上げが必要です。 Q13 介護保険料の負担を抑え、必要な介護を保障するためにも、国に対して介護保険財政における国庫負担割合を抜本的に引き上げるよう求めるべきと考えますが、区の認識を伺います。 Q14 第10期介護保険事業計画における介護保険料について、現時点でどのように見込んでいるのでしょうか。物価高騰が続き、高齢者の暮らしが厳しさを増しているなか、介護保険料のさらなる負担増は避け、低所得者をはじめとする高齢者の負担軽減を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。 介護保険制度をめぐっては、今年6月20日、住宅型有料老人ホームの入居者を対象にしたケアプラン作成の自己負担導入や、「特定地域」では要介護度1〜5の高齢者への在宅サービスを保険給付からはずすことを可能とするなどの法改悪が行なわれました。こうした影響がやがて全国に波及するのではないか、懸念されます。 今求められるのは、全国一律のサービスを保持するために介護職員の処遇を改善し、事業を継続できるように経営基盤を安定化することであり、介護報酬の引き上げや国による公費負担の引き上げです。区においても、国にこうした意見を上げていただくことを要望し、質問を終わります。 以上 |
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