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2026年 杉並区議会 第3回定例会 一般質問(酒井まさえ)(2026年9月11日) |
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9月11日の本会議で酒井まさえ区議が一般質問に立ちました。その際の質問全文を掲載します。 答弁を含めた一般質問の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 本会議の録画中継 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団を代表して、障害児・障害者の居場所の拡充について質問します。 私は、議員になって以来、障害児の居場所の拡充を重要な課題として取り組んできました。その原点には、私自身が障害のある子どもを持つ母親として、障害のある人も、その家族も、地域で安心して暮らし続けられる杉並区にしていきたいという思いがあります。 障害のある子どもが成長するにつれ、学校卒業後の日中活動や余暇を過ごす場、地域とつながる場など、ライフステージに応じた「居場所」が必要になります。また、家族の高齢化が進むなか、「親亡き後」も見すえ、家族だけに支援を背負わせず、地域全体で暮らしを支える仕組みを整えることも重要です。 区も、障害者施策の充実に向け様々な取り組みを進めていますが、障害のある人が住み慣れた地域で、安心して、自分らしく暮らし続けられる環境をさらに前進させる立場から、障害児・障害者の居場所の拡充について質問します。 1.障害のある児童・生徒の放課後について はじめに、放課後等デイサービスを中心に伺います。 放課後等デイサービスは、学校に通う障害のある子どもに対し、放課後や夏休みなどの長期休業中に、生活能力向上や発達を支援する事業です。 同時に、学校以外で安心して過ごし、人との関わりやさまざまな経験を積むことのできる大切な「放課後の居場所」でもあります。 また、保護者が仕事を続け、家族が安心して生活していくためにも、欠かせない役割を果たしています。 Q1、私は、障害のある子どもにとって、放課後をどう保障するかは、単なる福祉サービスの問題ではなく、子どもの育ちと権利、そして家族の生活を支える自治体の重要な責任だと考えます。 そこで、まず、放課後等デイサービスについて、区としてどのような役割を持つものと認識しているのか伺います。 ①必要な人が利用できる事業所数を 杉並区内の放課後等デイサービス事業所は、2024年4月時点の27か所から、今年8月現在、36か所まで増えました。 岸本区政のもと、2024年度に「杉並区放課後等デイサービス運営補助金」を創設し、事業所の開設促進と運営支援に取り組んできたことによる重要な成果だと評価するものです。 一方、保護者からは、今も「希望する曜日に利用できない」「週5日利用したいが空きがない」などの声が寄せられています。 実際、常勤で働く保護者から、「中学生になったので、週5日利用したいが空きがなく、水曜日は利用できていません。新しくできてもすぐいっぱいになります。困っています。」との声も寄せられています。 事業所の数が増えても、必要な日に利用できなければ、課題は解決したとは言えません。 今回の質問にあたり、議会事務局を通じ、23区の放課後等デイサービスの取り組み状況を調査しました。 今年7月1日時点での23区の人口10万人あたりの事業所数の比較では、杉並区は6.0か所で、少ない順から3番目です。人口規模が近い板橋区は、8.7か所、世田谷区は7.2か所、中野区は10.7か所となっています。 また、区独自の運営費補助を行っている自治体では、事業所数が多い傾向もみられました。 Q2、区は、現在の事業所数について、どのような認識をお持ちでしょうか。今後の新規開設の見通しを示すとともに、必要な地域に事業所を増やすため、現在の区独自の運営費補助を継続・拡充するよう求めますが、いかがですか。 ②支給日数の「区独自基準」を見直す 次に、放課後等デイサービスの支給日数について伺います。 杉並区では、放課後等デイサービスの利用日数について、次のような目安を設けています。小学1年生から6年生は週3日・月15日まで、学童クラブを利用している小学4年生から6年生までと、中学生から高校生は週5日、ただし各月の日数から8日を差し引いた日数です。重症心身障害児の場合は、小学生1・2年生は週2日・月10日まで、小学3年生以上は週3日・月15日までです。 しかし、障害のある子どもは、障害特性も生活環境も異なります。本来、どのような支援が必要なのかは、本人の状況や家庭の事情を踏まえて判断されるべきです。保護者からは、「障害の実態に応じて日数を決めたい。区独自のルールをなくしてほしい」という声が長年寄せられています。 23区の調査では、支給日数について基準やルールを設けている区は12区ですが、その多くは、月23日、または国の基準で各月の日数から8日を差し引いた日数、22日か23日にしています。 区は、支給日数を設けている理由について「社会資源が限られている中、利用を希望する子どもたちが、公平に、より多く利用できるよう」という考え方から学年ごとに利用日数の目安を設けている、と説明しています。端的に言えば、「事業所や利用枠が足りないので、一部の子どもがたくさん利用すると、他の子どもが利用できなくなる。そのため、みんなが公平に利用できるよう日数を抑えている」ということだと思います。 Q3、しかし、事業所数が増えてきた今、従来の「事業所数が少ないから利用日数を抑える」という考え方から転換する時期ではないでしょうか。支給日数について、区独自の基準を廃止するか、あるいは少なくとも月23日、または国基準まで拡大するなど、本人の必要性に応じて利用できる制度へ見直すことを求めます。区の見解を伺います。 ③学童クラブとの併用をいかし、「中学生の壁」をなくす 今年4月から、障害のある児童について、学童クラブの利用日数の制限がなくなり、放課後等デイサービスとの併用も可能となりました。これは大きな前進です。昨年度までは、学童クラブは、週3日以上を利用の条件にしていました。 保護者からは、「これまで、放課後等デイサービスを利用する時は、放課後居場所事業を利用していたが、学童を利用できるようになり、子どもの様子が分かるようになった」「夏休みの朝の居場所ができた」と喜びの声が届いています。 こうした声を区も把握していると思いますが、引き続き、利用状況や子ども、保護者の声を検証し、必要な見直しにつなげていくことが重要です。 特に重要なのが、いわゆる「中学生の壁」です。 小学生の間は、学童クラブと放課後等デイサービスを組み合わせることが出来ても、中学校への進学を機に学童クラブを利用できなくなり、放課後等デイサービスの利用日数を増やさなければならない家庭もあります。 今年度、区が制度を見直し、早い時期から放課後等デイサービス事業所を探すことが可能となったことは重要です。しかし、利用日数を増やしても、事業所に空きがなければ利用できません。 Q4、そこで、区として、中学校進学を迎える障害のある児童について、早い段階から利用希望を把握し、保護者や相談事業所、放課後等デイサービス事業者と連携し放課後等デイサービス事業所を探すことや、移動支援を活用した居場所の確保などへの支援が必要と考えますが、いかがですか。 ④長期休業中の「朝の空白」をなくす 次に、夏休みなど長期休業中の朝の居場所についてです。 保護者が働いている家庭にとって、学校が長期休業となる朝の時間をどうするのかは深刻な問題です。特に、中学生、高校生になると学童クラブが利用できないため、移動支援を利用したり、保護者が仕事を調整したりして何とかやりくりしています。 今年8月現在、区内36事業所のうち、8時30分から利用できる事業所は1か所、9時からは4か所、9時30分からは2か所にとどまっています。これでは、通常の勤務時間に合わせて働く保護者は、子どもを安心して送り出すことはできません。 東京都は今年度から「長期休暇期間中の障害児の居場所づくり促進事業」を開始しています。 23区でも、9区が、この事業を活用し、長期休業中の開始時間を早める取り組みを実施、または実施予定です。 保護者が仕事をやめたり、勤務時間を減らしたりしなくても、子どもが安心して過ごせる環境を整備することが必要です。 Q5、長期休業中に午前8時30分など早い時間から子どもを受け入れる事業所を確保するため、都の制度を活用し、区独自の人件費等への助成を行うことを提案しますが、見解を伺います。 ⑤利用できない児童・生徒の実態の把握が重要 次に、根本的な課題として、利用を希望しても利用できていない障害児の実態把握について伺います。 学童クラブについては待機児童数を区が把握し、それをもとに必要な施設整備につなげています。 一方、放課後等デイサービスでは、保護者が個々の事業所に問い合わせて利用する仕組みのため、「利用したいのに利用できていない子どもが、区内に何人いるのか、区として十分に把握できていません。 これでは、あと何人分の受け入れ枠が必要なのか、どの地域に事業所が必要なのか、計画的な整備はできません。また、事業所が阿佐ヶ谷、高円寺に集中し、善福寺や上井草、下井草、久我山などにはないなど、地域的な偏りがあります。 Q6、昨年度、区は、障害児・障害者の「地域生活に関する調査」を行っていますが、さらに相談支援事業所や学校、放課後等デイサービス事業者、保護者などへの調査を行い、地域別、年齢別、希望曜日別に「利用のニーズ」を把握し、その結果を今後の事業所整備や補助制度に反映させることを提案します。区の見解を伺います。 ⑥放課後等デイサービスの質の保持について 事業所を増やすと同時に、支援の質を保障することも重要です。 放課後等デイサービスは、単なる預かりではなく、子どもの発達や生活を支える専門的な支援です。杉並区では、現在、民間事業者が中心となって運営していますが、事業者まかせではなく、研修、情報共有、相談、事業者間の連携などを通じて、質の向上を支える必要があります。 Q7、区が実施している「区内放課後等デイサービス事業所連絡会」について、その位置づけと内容、今後の質の向上にどのように活用していくのか、伺います。 また、利用者である子どもと保護者から、評価や意見を聴き、それを事業所の支援の改善につなげる仕組みについても検討することを求めますが、いかがですか。 ⑦放課後等デイサービスの利用料負担について 次に、利用料負担について伺います。 障害のある子どもに必要な福祉サービスは、本人の成長と社会参加を支えるために欠かせません。 しかし、世帯所得による利用料が保護者の負担になっています。 放課後等デイサービス利用料は、生活保護、低所得世帯は負担はありませんが、「中所得世帯」は月額負担上限が4,600円、一定収入を超えると一挙に8倍の37,200円になります。 保護者からは、「親の所得によって子どもが受けられる支援に差が生じるのはおかしい」「利用料負担が大きく、利用回数を考えざるを得ない」との声が寄せられています。 障害のある子どもに必要な支援は、保護者の所得によって制限されるべきではありません。 23区では、利用料を無償化している区が、千代田区、中央区、台東区、墨田区、品川区の5区、世田谷区と荒川区は50%減額し、新宿区は3%〜20%減額するなど、負担軽減を行っています。 Q8、区として、利用料負担が利用抑制につながっていないか、実態を把握するとともに、国に利用者負担の軽減・撤廃を求めること、区として利用料の無償化、少なくとも負担軽減を実施することを求めますが、見解を伺います。 ⑧障害児の中学生以降の放課後等居場所事業のモデル実施について 今年度から、区立済美養護学校の中学生を対象にした放課後等居場所事業のモデル実施が始まりました。 目的は、「中学生の障害児が、放課後等デイサービス以外にスポーツや文化活動等の多様な体験ができる機会を継続的に持つことで、社会性、自律性、創造性等を育み、生活の質を向上させる」としています。 放課後等居場所事業への移動と活動中の付き添いは、保護者か移動支援のヘルパーが行います。 放課後等デイサービスだけでなく、スポーツや文化活動など、様々な体験の機会を保障することは重要です。 一方で、参加した保護者からは「ものづくりの体験をしたが、障害を持っている我が子には難し過ぎた様だ。その子に合わせたものにしてほしい」という声がありました。また、参加していな保護者からは「参加させたいが、移動支援の時間が足りず難しい」という声も寄せられました。 Q9、現在の参加人数、実施内容、参加者から寄せられた声について伺います。 Q10、すでに、区は対象の中学生と、保護者にアンケートを行っていると聞いています。今後、そのアンケートの結果をもとに障害児、保護者のニーズにあった内容とするよう検討することを求めます。いかがですか。 2.「18歳の壁」をなくすために 次に、障害のある子どもが18歳を迎え、学校を卒業した後の「居場所」の問題について伺います。 学校に通っている間は、学校が終われば放課後等デイサービスを利用することができます。ところが、特別支援学校高等部などを卒業すると、児童福祉から成人の障害福祉へと制度が変わります。 卒業後、生活介護や就労継続支援B型などの日中活動の場に通う方も多くいますが、施設によっては活動が午後3時から4時ごろに終了します。 学校在学中には放課後等デイサービスで夕方まで過ごしてた障害児が、18歳を境に、それまで利用していた放課後の居場所を失うことになります。 本人にとっては、仲間と交流し、安心して過ごせる時間や場所が失われます。家族にとっても影響は深刻です。 保護者がフルタイムで働いていれば、午後3時、4時に帰宅する本人を毎日迎えることは困難です。 仕事を短時間勤務に変える、勤務日数を減らす、場合によっては離職を迫られることにもなりかねません。障害のある子どもが18歳になったからといって、本人の生活のニーズも家族の就労の必要性もなくなるわけではありません。 年齢によって、支援が途切れる「18歳の壁」をなくすことが必要です。 ①まず実態調査を そこで第一に求めたいのは、18歳以降の夕方の居場所についての実態把握です。 Q11、特別支援学校などを卒業した障害者が、どのような日中活動を利用し、何時ごろ活動を終えているのか。その後どこで、どのように過ごしているのか。また、本人や家族がどのような支援を求めているのか実態把握が必要と考えます。昨年度実施した「地域生活に関する調査」をどう分析し、今後どう活かしていくのか伺います。 また、高校在学中に、卒業後の進路について、一般就労か生活介護や就労継続支援B型事業所にするか検討するなかで、夕方の居場所も課題になります。そういった課題に対して区から情報提供を行うことを求めます。いかがですか。 ②日中活動の場の延長 23区では、生活介護や就労継続支援B型事業所などの日中活動の場で、そのまま夕方まで過ごせる取り組みをしている区が8区あります。 杉並区も、日中活動の場を延長して夕方の居場所にする事業所を増やしていくことを提案します。 東京都は、今年度から「市区町村障害者居場所づくり促進事業」を開始しています。 Q12、こうした事業を活用し、日中活動の場を夕方まで延長する事業所への助成を求めます。区の見解を伺います。 ③18歳以上の新たな「居場所」をつくる もう一つの対策として、日中活動の場とは別に18歳以上の障害者が、夕方に利用できる新たな居場所をつくることです。重要なのは、単なる「預かり」の場所にしないことです。 本人が仕事や日中活動を終えた後に立ち寄り、仲間と話したり、好きなことをしたり、時には一人でゆっくり過ごす、本人の意思で利用できる場所です。 障害のある人にとっても、家庭、職場、福祉施設だけでなく、自分で選ぶことのできる「第三の居場所」が必要です。 23区の調査では、日中一時支援事業を活用し夕方の居場所にしている区が6区ありました。 Q13、既存の区立施設の活用、民間事業者や障害者団体との連携など、さまざまな方法が考えられます。まずモデル事業として、夕方から夜間まで利用できる18歳以上の障害者の居場所を区内に設置することを提案します。実施にあたっては、当事者、家族、障害者団体、事業者などの意見を聴きながら、具体化していただきたいと考えますが、区の見解を伺います。 障害のある子どもの成長は18歳で終わるものではありません。 小学生、中学生、高校生、そして学校卒業後と、生活は続いていきます。杉並区が、障害のある子どもの切れ目のない居場所の保障に全力を尽くすことを求め、質問を終わります。 以上 |
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