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2026年杉並区議会第2回定例会一般質問(小池めぐみ)(2026年5月25日) |
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5月25日の本会議で小池めぐみ区議が一般質問に立ちました。その際の質問全文を掲載します。 答弁を含めた一般質問の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 本会議の録画中継 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団の小池めぐみです。「イラン攻撃による物価高騰・資材不足から区民の暮らしと営業を守るための取組について」一般質問します。 アメリカとイスラエルよる国際法・国連憲章違反のイランへの軍事攻撃から約3か月が経過し、ホルムズ海峡が事実上封鎖された状態が続いています。財務省の4月の貿易統計では、世界全体から輸入する原油の量は前年同月比で63.7%のマイナスでした。中東地域からの輸入が大きく落ち込み、ナフサなどを含む「揮発油」の輸入は79.4%のマイナスです。原油を蒸留する過程できるナフサは中東からの輸入が4割、国内精製も4割ですが、国内精製分の元の原油のほぼすべてがホルムズ海峡からの調達です。政府は中東以外からの輸入で毎月135万キロリットルを確保し「年を超えての供給が可能になった」と発表していますが、供給量として計算しているナフサにはすでに固まった樹脂のペレットなども合算されています。つまり用途が限られているため、ナフサを経由して作られる数えきれない種類の製品が需要に応じて供給されるとは限りません。さらには中東以外から代替調達する原油やナフサは価格が高くなります。備蓄もほとんどなく、ガソリンのように補助もないナフサから作られる製品・資材の価格高騰と不足が起き、日を追うごとに区民の暮らしと営業に深刻な影響が出ています。 首相を始め、政府は「国全体に必要な量は確保できている」「目詰まりを解消する」と繰り返していますが、建設現場をはじめとし、医療関連、物流、食品関連など、商品の値上げや資材不足のニュースは日に日に深刻になっています。 納豆や業務用油など食品の販売一時停止や値上げ、オムツやトイレットペーパー、生理用品の値上げ、物流で必須の荷物を包むストレッチフィルムやPPバンドの値上げ、エンジンオイルやタイヤの品薄や価格高騰、注射器などの医療器具の値上げなど多岐にわたります。 菓子大手メーカーのカルビーはナフサ不足により、ポテトチップスなど14商品のパッケージの色をカラーからモノクロに変更することを発表しました。 特に、建設業界においては、塗料に欠かせないシンナーや養生シート、ビニール、塩ビ管、防水材、接着剤、シーリング材、断熱材など多くの資材がナフサを由来して製造されており、価格高騰と資材不足により営業に支障をきたす甚大な被害が出ています。必要な物が現場に届いていない状況に「このままじゃ持たない」と、現場からは悲鳴が上がっています。 全国商工団体連絡会が3月27日から4月20日にかけておこなった「ホルムズ海峡封鎖等による影響緊急調査」には2,215人の回答があり、約8割が仕入れ・資材が高騰している、半数近くが調達が困難になったと答えています。また4割超の方が仕事そのものや売り上げ、利益が減少したと答えています。必要な支援策として、7割近くが燃料や光熱費への直接支援、半数前後がコロナ禍の持続化給付金のような支援策、税金・社会保険料の納付猶予・減免を求めています。 1人親方などを中心に約59万人が加入する全国建設労働組合総連合が4月におこなった「中東情勢による建材価格高騰・入手困難等に関する緊急アンケート」の首都圏組合集計版では、163件の回答のうち、9割近くの事業者が影響を受け、約5割が工事への影響があるとしています。価格高騰・入手困難の影響が大きい建材は、シンナー、断熱材、塗料の順で、8割近くが資材価格の安定化と流通確保を求めています。今後、売り上げが減少すると懸念されている方は約6割に上ります。 Q1.ホルムズ海峡封鎖の影響により、原油やナフサ由来製品の供給不足・価格高騰が発生し、建設業をはじめ地域経済や区民生活に深刻な影響が広がっています。区はこうした現状をどのように認識し、対応をしていく予定か伺います。 5月6日の東京新聞では、区内で住宅の改修工事をおこなっている事業者の方の、「給水管の在庫がほぼゼロで来週から仕事ができない」という声を紹介していました。 私も、区内で塗装業を営む方にお話しを聞きました。 シンナーやさび止め塗料、ウレタン塗料の受注制限で、今手元にある資材がなくなったら仕事が完全になくなる、6月以降見通しが立たない、新規の受注を受けられないということでした。 別の塗料小売店の方は、3月上旬に大手塗料メーカーからシンナー製品の出荷停止から始まり次々に材料が価格改定と受注停止、欠品するものが日々増えている、注文すら受け付けてもらえないものが増え続けていて、売るものがなくなる恐怖を毎日感じているとのことです。 「製造できる量に対し、需要が圧倒的に多すぎて供給停止している現状に対し、政府の目詰まりという表現はまったくふさわしくない」とおっしゃっていました。 党区議団は、5月12日に、東京土建一般労働組合杉並支部のみなさんから「中東情勢に伴う建設資材高騰等への対応を求める要請書」を受け取り、建設現場の深刻な実情についてお話を伺いました。 現場からは次のような声が届いています。 「必要な材料が入らず、仕事ができない」 「シンナーなど資材の値上げ、受注停止が相次いでいる」 「零細企業は材料確保で競り負ける」 「水道管が設置できず工事がストップするなど、塗装業だけでなく、すべての建設業者に影響が出始めている」 「資材不足で工事ができない、足場が外せない、その間のリース代や人件費など仕事ができないのに出費は止まらない。」 「倒産や離職も現実的になっている」 など、あまりにも深刻な状況であることがわかりました。 Q2.区は、区内の建設関連の事業者が資材不足や価格高騰で、収入の減少や事業継続の危機に直面している状況をどのように認識していますか。 他自治体ではすでに公共事業の工事に影響も出ています。武蔵野市では、石油由来の建築資材不足による事業費の増や、工期延伸の可能性を理由に、武蔵野公会堂の改修工事の入札手続きを中止しました。 Q3.現在、区発注工事において、資材価格高騰や資材不足、工期延長などについて、受注者からの相談は寄せられているのか、伺います。また、今後、建設費高騰や工期延長への相談があった場合、インフレスライドや単品スライドの適用も含め、区としてどのように対応するのか伺います。 影響は医療・介護分野にも広がっています。 お話を伺ったある病院では、材料費高騰で屋根の修繕工事が発注ができない、ナースコールの部品が不足し修理できないなど、病院の躯体維持という患者と職員の安全を守ることや、患者の療養環境を脅かす事態となっています。 区内の歯科医院からは、治療に不可欠なゴム手袋や紙コップなどの消耗品が不足し、価格も2倍から3倍に高騰しているとの声がありました。 また、区内薬局に聞いたところ、水剤容器や分包紙が不足し、処方方法の変更を余儀なくされるケースが出ているとのことでした。 区内の介護事業所からも、「現在のところゴム手袋の在庫があるが、品薄と値上げで、今後の調達に不安がある」と聞いています。 政府は5月から医療用手袋を5,000万枚放出すると発表しましたが、全国需要の半月分にしかならず、介護現場は対象外です。医療や介護に必要な物品の不足や値上げは、診療やサービスの質の維持にも関わります。 Q4.区として、医療・介護等の現場で何が起きているのか早急に実態把握を行い、必要な対策を検討すべきではありませんか。医師会や介護保険サービス事業者との連絡会等を通じて、ヒアリングやアンケート等を実施し、中東情勢による影響を把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。 建設業界からは、「これまでに経験したことのない事態で、コロナ禍以上に厳しい」との声が上がっています。コロナ禍には、国の持続化給付金がありましたが、現在は給付金もありません。 さらに、コロナ禍での国の実質無利子・無担保融資、いわゆるゼロゼロ融資の「借換保証制度(資金繰り円滑化借換保証制度)」で返済が2年据え置かれてきた多くの中小企業は今年から返済を迫られています。日本共産党は国会で、イラン問題という予期せぬ事態が起きたとし、返済猶予の再延長を求めています。 Q5.区として、ホルムズ海峡封鎖の影響で物価高騰や資材不足の影響を受けている中小事業者に対し、給付金や融資等の支援や、ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)の返済猶予の再延長を、ただちに国や都に求めていただきたいと思いますがいかがですか。 長崎県では「県商工団体連合会」が県に対し、助成制度などの支援を要請しました。これを受け、長崎県では6月以降、中小企業の経営支援として、1社につき15万円の支給を予定しているとのことです。 東京都羽村市では4月6日から、市内の個人事業者に3万円、法人に10万円の物価高騰緊急対策助成金事業をおこなっています。 東京都瑞穂町(みずほまち)では、燃料価格の高止まりに伴う中小事業者、個人事業主の負担軽減を図るとして、4月10日から光熱費・燃料費の20%を上限6万円で補助しています。「売上減少要件」がなく、運送業、製造業、飲食店など幅広い業種が対象となっており、決算書に記載の光熱費・燃料費の提出で申請が可能であることも重要です。 杉並区でも、2023年度に物価高騰対策として、「中小企業光熱費高騰緊急対策助成金」事業をおこないました。2023年度の4月から9月の6か月分の電気・ガス代高騰分に対し、1事業所あたり最大15万円の助成で、5,772事業者に交付され、飲食店などのみなさまには大変喜ばれました。今でも、商店街で「あの助成金をまたやってほしい」と声をかけられることがあります。一方で、申請方法が複雑であり簡易化してほしいという要望も届いていました。 Q6.区内中小事業者、とりわけ建設関連事業者が深刻な経営危機に直面しているとの認識のもと、区独自の緊急助成金を創設すべきと考えますがいかがですか。また、申請手続きの簡素化や、区内で営業実態のある事業所を有する方も対象とする柔軟な制度設計を求めますがいかがですか。 今できる対策として、現在、区でおこなっている中小企業融資あっせん制度を最大限に活用することも重要です。 杉並区中小企業資金融資あっせん制度には、資金の種類、融資の対象上限や限度額等もさまざまなものがあります。普通資金は限度額3,000万円で、利率は2.00%、本人負担率は1.33%で、区が利率の0.67%を負担する仕組みです。 また、特例資金のうちの経営安定運転特例資金は、借入の限度額は700万円ですが、固定の表面利率は1.90%で、貸付日から3年間は本人の負担が0%です。貸付日から3年経過後には本人負担率が0.48%、区の負担率が1.42%となります。 さらには、これらの融資に対し優遇利率というものも2025年度と2026年度に新たに始まっています。 Q7.杉並区中小企業資金融資あっせん制度において2025年度と、2026年度におこなわれた優遇利率の制度について、どのようなものか伺います。 特例資金のあっせんにおいては融資対象条件として、「最近3か月または1年間の売上高が前年の同期と比較して減少している方、経済情勢の急変による売り上げ低下に対し、経営の安定化を行う資金が必要な方」としています。 しかし、物価高騰による資材費の上昇等で、売り上げ金額自体は増えている場合も多く、この融資対象条件に当てはまらないケースがあります。 収入減、収入ゼロの状況で、借入をおこなうというリスクや、そもそも収入が見通せない状況で融資の審査が通るのか、という懸念もあります。また、「利率が低くても借金に借金を重ねる、というのは体力がある会社はできるが中小零細には無理だ」との声もあります。 Q8.区は、今回のように資材不足で先の収入が見通せない建設事業者や、そもそも小規模の事業者が区の融資あっせん制度を利用する際に、現行の制度が抱える課題をどのように認識しているか、伺います。 中野区では、中東情勢による原油・原材料高騰に対応するため、無利子・無担保の独自融資制度を6月から開始するとしています。区が独自に利子や信用保証料を補助し、事業者に対し2千万を上限に融資するものです。 Q9.杉並区としても、無利子・無担保の区独自の融資制度を緊急に創設すべきと考えますが、いかがですか。 事業者からの相談対応強化も重要です。現在区では、HPの「しごと・産業」のタブから「中小企業支援」に飛ぶと、「中東情勢等に関する特別相談窓口について」のお知らせがあり、中小企業庁や国土交通省の相談窓口のリンクが掲載されています。また区の融資制度や経営相談の案内も掲載されていますが、こちらの案内を強化すべきと考えます。 Q10.区はこの特設ページを5/21にHPの「区からのお知らせ」に掲載しました。さらにトップページにわかりやすく掲載すること、また、産業振興センターの経営相談窓口に「中東情勢に関する特別相談窓口」を緊急で開設し、HPや区公式LINE等で周知すべきと考えますがいかがですか。 さらに、中東情勢による経営難などにより、区民が住民税や国保料の支払いが困難になる事態も想定されます。 Q11.住民税や国保料の支払い猶予制度について、中東情勢の影響を受けた場合も対象となるのか、また、制度の内容についても伺います。納税課や国保年金課においても、支払い猶予制度の周知方法を工夫し、区民の不安に寄り添う対応をお願いしたいと考えますがいかがですか。 また、区民からの相談対応も強化する必要があると考えます。住宅建設、修理、リフォーム等の工事において、必要な資材の高騰や不足が続くことで、見積もり時より大幅に費用が上がる、工期が延長する、納期に間に合わない、等の事態が起きており、今後さらなる深刻化で発注者とのトラブルになることを懸念する声が、建設関係事業者からは届いています。 区ではウェルファーム杉並の3階に消費者センターがあり、消費生活に関わる様々な困りごとの相談を月曜から金曜の午前9時から午後4時まで電話と窓口で受け付けています。住宅の建設やリフォーム工事にとどまらず、様々な価格高騰や資材不足が今後区民の消費生活にさらなる影響を与える可能性があり、こうした窓口での相談対応は非常に重要だと考えます。 Q12.消費者センターの相談窓口では、建築工事のトラブルについても消費者相談のひとつとして受け付けているということを、周知していただきたいと考えますが、いかがですか。 建設産業は、住まいやインフラ、学校、公共施設など、私たちの暮らしの基盤を支える重要な仕事です。災害時にも道路や住宅の復旧、仮設住宅の設置など大きな役割を担っています。しかし、原油価格高騰や資材不足が長引けば、事業継続が困難となり、転職や倒産に追い込まれる事業者も増えかねません。実際、1〜4月の塗装工事業の倒産は前年同期比26%増となっており、今後さらに深刻化する懸念があります。 地域の建設産業を支える中小事業者が事業を継続できるよう、区として最大限の支援を求めます。 建設業だけでなく、区内のさまざまな産業に影響が広がっています。 区内の農家からは、肥料やビニール資材の高騰や入手困難な事態が起きていると聞きました。JA全農は秋向け肥料を最大14.5%値上げすると発表しました。中東情勢の影響で肥料価格の上昇が続けば、食料生産への深刻な影響も懸念されます。国連は、ホルムズ海峡封鎖によって世界的な食料価格危機が起きる可能性を指摘しており、肥料を輸入に依存する日本は極めて脆弱です。さらに、原油高や資材不足、物流への影響によって、今後は食品を含む幅広い分野で値上げが広がる恐れがあります。 Q13.今後、中東情勢の影響が長期化・深刻化する可能性も考慮し、場合によっては区役所等で区民や事業者からの出張相談を受け付けるなど、全庁横断的な相談体制の強化も検討していただきたいと考えますがいかがですか。 本来であれば、国の責任において、イラン攻撃の影響で打撃を受けている中小事業者支援の対策を緊急でおこなうべきです。アメリカとイスラエルによる無法な先制攻撃が、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を招き、暮らしや営業に深刻な影響を及ぼしているにも関わらず、日本政府がアメリカを批判していないことは重大です。イラン側は、日本との個別交渉の用意を示していましたが、政府は個別交渉を否定しました。アメリカ隷属の姿勢が招いた日本政府の人災でもあると思います。 国は、アメリカとイラン双方に対する戦争終結に向けた外交努力と、アメリカに対しては、攻撃停止・再攻撃防止の働きかけを行い、ホルムズ海峡の安定通行の再開に尽力すべきです。同時に、資材不足や物価高騰の情報開示、影響を受ける事業者への緊急支援を行うべきです。 地域経済や区民生活を守る最大の対策は、一日も早くこの戦争を終わらせることです。話を聞いた建設業者や医療関係者からも「とにかく早く戦争を終わらせてほしい」と切実な声が寄せられています。 区としても、物価高騰や資材不足への対応に向け、全庁横断的な対策チームや検討会議の設置など検討することを求め、質問を終わります。 以上 |
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