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2026年杉並区議会第1回定例会 予算特別委員会 意見開陳(富田たく)(2026年3月18日) |
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3月18日の予算特別委員会で、富田たく区議が日本共産党杉並区議団を代表して意見開陳を行いました。その際の意見全文を掲載します。 意見開陳の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 委員会の録画配信 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団を代表して、令和8年度杉並区各会計予算および付託議案に対する意見を申し述べます。 長引く物価高騰のもと、実質賃金の上昇が物価上昇に追いつかず、区民生活や区内中小事業者の経営に深刻な影響が広がっています。さらに、アメリカとイスラエルによる国際法を無視したイランへの攻撃が長期化すれば、エネルギー危機が現実化し、日本ではさらなる物価高騰を招くおそれがあります。日本は原油の約9割を中東に依存しており、その影響は極めて大きいものです。 こうした社会情勢のもと、岸本区政の新年度予算が、区民の暮らしや事業を支え、福祉・教育・防災・区民参画を前進させる内容となっているか、という視点に立ち審査を行いました。 その結果、「議案第28号 令和8年度杉並区一般会計予算」については賛成、「議案第29号杉並区国民健康保険事業会計予算」及び「議案第30号杉並区介護保険事業会計予算」、「議案第31号後期高齢者医療事業会計予算」については反対します。 以下、主な理由を述べます。 1.物価高騰から区民生活を守る対策について (1) ポイント還元・プレミアム商品券について まず、物価高騰から区民生活と区内事業者を守る対策についてです。 区内事業者支援として、雇用や環境対策等を促進するための利率優遇制度の創設、デジタル化推進助成事業の実施が来年度予算に盛り込まれたことは重要です。 物価高騰が長期化するなか、区民の購買力向上、商店の売上増加につながる支援として、新年度もキャッシュレスポイント還元事業に加え、プレミアム付き商品券事業が実施されることを評価します。今後も継続的な実施を求めるものです。 (2) 議案第37号 令和8年度一般会計補正予算第1号について 「議案第37号 令和8年度一般会計補正予算(第1号)」について、夏の暑さが深刻化するもと、わが党区議団は、低所得世帯や生活保護世帯へのエアコン設置補助を求めてきました。今回、東京都の補助金を活用し区が支援を行う決断をしたことは、困窮世帯への物価高騰対策としても効果があるものと評価するものです。 2.住民福祉向上について (1) 補助金の活用について 岸本区政のもとで、都補助金の活用が進んでいることは重要です。歳入総額に対する都補助金の割合は、2022年度は2.96%でしたが、新年度予算では5.88%へと、2倍近くに増えています。 都補助金を活用して様々な事業に取り組むことは区民福祉向上の観点からも、歳入確保の観点からも重要な取り組みだと考えます。 (2) 補聴器購入費助成について 岸本区長就任後2023年から開始した高齢者補聴器購入費助成事業は、今年度までの3年間で助成件数が約1,600件となり、非常に多くの方から喜ばれています。この間党区議団は助成費用の引き上げを求めてきました。来年度は助成額が非課税世帯へは72,450円、課税世帯へは36,230円とこれまでの1.5倍となります。また5年後の再申請も可能になることも大いに歓迎します。 (3) 子どもの権利・居場所について 子どもの権利に関する条例が制定されてから間もなく一年を迎えます。子どもを権利の主体として位置づけ、意見表明の機会の確保や、9月から開設された子どもの権利救済・相談窓口など、権利救済に向けた取り組みが前進していることは重要です。区内の小中高校の児童生徒全員へのハガキ配布や、全校のタブレットへの相談フォーム設置など、子どもたちから直接意見を聞く取り組みも進められています。 今後も、専門職である救済委員による地域での意識啓発講座や、こどもワークショップ、イベントなどを通じた周知を進め、区民全体で子どもの権利を尊重する機運の醸成に取り組むことを求めます。あわせて、条例にも位置づけられている子どもの居場所づくりについては、前区政の児童館廃止方針によって生じた地域間格差の解消に向け、児童館の速やかな再配置を進めることを求めるものです。 (4) 生活保護について 生活保護を権利として明記し、申請書類の公開や扶養照会の改善など、申請のハードルを下げる取組が進められてきたことは重要です。職員の提案に基づき、周知ポスターの改善が図られていることも重要であり、引き続き周知の徹底と制度運用の更なる改善を求めるものです。 (5) 介護事業所・介護職員支援について 岸本区政のもとで、ケアする人をケアする観点から、ケア労働者への支援が前進しています。介護現場への実態調査に基づき、介護職員・介護支援専門員への居住支援補助、介護人材採用活動経費補助などが実施されることに、現場からも歓迎の声が届いています。こうした補助については、今後も拡充するよう求めるものです。 (6) 移動支援について これまで多くの利用者や事業者から要望が寄せられてきた障害者に対する移動支援事業の要件等が見直され、利用対象者や通所利用に関する要件が拡充されることになりました。さらに、ガイドヘルパー確保のための見直しでは、報酬単価が引き上げられるなど働く人の処遇が改善されることは、障害者の社会参加を支える上でも重要な前進です。 (7) 保育について 保育運営における人件費比率の調査は、給付費が適切に保育士の処遇改善につながっているかを検証する重要な取組です。ケアを担う人を支える観点からも意義は大きく、調査結果を現場の処遇改善に確実につなげる取組の強化を求めます。 (8) ゆうゆう館について ゆうゆう館を高齢者の拠点として再定義することを求めました。総合事業において、3館でのモデル事業が実施されますが、既存事業との連携を図りながら、住民主体の活動を広げ、地域参画と協働を広げる取り組みにして頂くよう求めるものです。 3.教育について (1) 教員の負担軽減・いじめ対策について 来年度、エデュケーション・アシスタントや区費時間講師の臨時的増員、特別支援学級介助員、学習支援教員の増員が図られます。教員の負担軽減につながる重要な拡充です。また、スクールカウンセラーは5名増員され、週2日配置の学校は36校となります。スクールソーシャルワーカーの報酬引き上げや、区教委への常勤福祉職の配置も行われます。さらに、学校問題対策委員会CEDARには開設から11か月で440件の相談が寄せられており、来年度は専任弁護士も配置されます。いじめや不登校などの課題に対応するため、専門職と区教委が学校現場を支える体制整備は重要です。子どもたちの安全な教育環境を守るためにも、区と区教委が一丸となり、いじめの早期把握と早期解決に向けた支援をさらに強化するよう求めます。 小中学校のトイレについて、岸本区政のもと令和6年度からの5か年計画に基づき、洋式化率100%を目指して整備を進めています。その結果、令和4年度当初の67.8%から、令和7年度末には82.2%まで向上する見込みです。さらに、質疑では触れませんでしたが、来年度末には約89%に達するとのことであり、この着実な前進を高く評価します。 (2) イマジナスについて 多くの区民の反対があったにもかかわらず、前区政のもとで科学館が廃止され、民間事業者による独立採算の事業としてイマジナスが開設されました。しかし今回、事業収支の悪化を理由に事業者から撤退の申入れがありました。教育施設を活用した民間任せの事業スキームに問題がなかったのか検証し、区として社会教育・科学教育の責任を果たすことを求めます。 4.防災対策について 次に防災対策です。岸本区政の4年間で防災対策は着実に前進しており、新年度も各分野での新規・拡充が図られている点は重要です。 擁壁対策では、崩落事故を受けて党区議団が提案したアドバイザー派遣に加え、安全対策工事費への助成制度が創設されることを評価します。防災備蓄についても、組立式トイレの100セットの追加配備をはじめ、収便袋やエアーマット等の拡充が進められています。 また、感震ブレーカーの設置費用を無料とする取り組みの延長や、火災危険度の高い地域での街頭消火器の増設も重要です。木造住宅の耐震化についても、火災危険度ランク5の高円寺北3丁目では、除却費用の助成額が150万円から200万円に拡充するなど前進が見られます。 エレベーター備蓄ボックスについてですが、前・田中区政では全く進まなかったエレベーターへの配備が、岸本区政のもと計画的に進み、来年度にはほぼ全ての区立施設への設置が完了する見込みです。前区政で進まなかったエレベーター閉じ込め事故対策が、着実に進んでいることを高く評価するものです。 引き続き、地域の実情に即した防災対策の一層の強化と、区民の防災意識向上への取り組みの強化を求めるものです。 5.気候危機対策について 岸本区政のもと、気候危機への対応に向けた財政投入が強化され、再エネの導入、断熱改修、省エネ機器導入への助成などの件数が増加していることは重要な成果です。 温暖化の影響は深刻さを増し、2030年カーボンハーフの目標達成は不可避であり、区民とともに総力を挙げた取り組みが求められます。 区長が「カーボンハーフ達成は区政全体の最重要課題の一つであり、危機感を持って取り組む局面にある」と述べ、2030年までのロードマップを策定するとともに、区民・事業者・区それぞれが担う役割や具体的な行動を誰にでも分かる形で示していくと表明したことは重要であり、高く評価します。カーボンハーフ達成に向けた取り組みを一層前進させることを求めます。 6.対話の区政ついて 岸本区長就任後の4年間、杉並区では、まちづくり、公共施設、環境や子ども施策など、様々な分野で『区民との対話』が取り組まれてきました。 対話の取り組みについて、一部から「時間ばかりかけて、何も決まらない」など、批判の声も聴かれますが、とりわけ、まちづくりの分野では、区民の理解を深めながら意見交換や学び合いを重ね、相互理解を醸成しつつ将来像を共有していくという、長期的な視点での取組が不可欠です。そうしたプロセスを丁寧に積み重ねていくことこそが、持続可能な地域づくりにつながります。 質疑のなかで、「対話を通じて政策形成に関わった区民が、地域の課題解決に主体的に関わる担い手として育っていくことも重要な成果」との認識が述べられました。 区民が主体となり、行政とともに地域の課題解決に取り組んでいくことは、杉並区政の今後にとっても、大きな財産になるものと考えます。 この4年間の取り組みは、「区民参加と対話」を基盤とする区政を、着実に前進させたものとして高く評価し、今後もさらに発展させていくことを期待します。 7.まちづくり (1) 都市計画道路について 都市計画道路は住民生活に大きな影響を与えるものであり、意思決定過程の透明性や情報公開のあり方、検討のプロセスに住民参加を位置付けることが重要です。区として住民に対して、主体的に情報提供を行い、地域資源やコミュニティの視点も踏まえた検討を進める必要があります。仮称デザイン会議等、住民参加のもとでの丁寧な議論を進め、既存の都市計画道路の見直しも含めた取り組みを求めます。 なお、質疑を通じて、明日、都・区市町(と・くしまち)策定検討会議が開かれるとのことが明らかになり、第5次事業化計画の方針が示される見通しです。先の計画案の時と同様に、区長自ら都市計画道路に関する考えについて、区民へのメッセージを発して頂きたいと要望するものです。 (2) 善福寺川上流地下調節地について 善福寺川上流調節池事業は、防災上の必要性が指摘される一方、樹木保全や地域環境への影響について多くの懸念が示されています。住民の声や専門的知見を踏まえ、緑地の価値を損なわない慎重な対応が必要です。環境への十分な配慮と住民への説明責任が果たされるよう、都への意見を上げるよう求めます。 8.ジェンダー主流化に向けた取組について 杉並区ジェンダー平等に関する審議会の答申の具体化に向け、来年度から全庁的なジェンダー主流化の検討が始まります。男女共同参画担当がおこなってきた生理用ナプキンの無料配布は、来年度は各課がそれぞれに担当することになり、設置施設が5か所増え、12施設での配布となります。各課が自分事としてジェンダー主流化の取組を進めていくよう求めます。 9.平和事業について 来年度、区が「(仮称)杉並区平和施策に関する区民懇談会」を設置し、区民や専門的知見を持つ方々の意見を聞きながら、今後の平和事業のあり方や次世代への継承について検討していくことは重要な取り組みです。 また、「すぎなみ平和マップ」の活用や被爆者の証言記録映像の発信など、戦争の記憶を風化させない取り組みを進めていくことも意義あるものと評価します。 10.職員について 職員の待遇について、来年度、生理休暇の名称が「健康管理休暇」に変更されます。区職員は会計年度任用職員を含め約7割が女性であり、取得の心理的ハードルを下げ、尊厳を守るうえでも、ジェンダー主流化の視点からも重要な見直しです。 区では管理職選考指名制の導入により女性管理職の割合が令和4年度の18.4%から令和7年度は27.5%へ上昇しました。さらに、会計年度任用職員の報酬引き上げや子育て休暇の拡充、再度任用の上限撤廃など、岸本区政のもとで雇用環境の改善が進んでいることを高く評価します。来年度は常勤職員の育休取得者も180人となる見込みであり、今後も女性やあらゆる属性の人が働きやすい職場環境の整備に取り組むことを求めます。 11.各特別会計、他の付託議案に対する意見 次に、国民健康保険事業会計予算と議案第35号について意見を述べます 国民健康保険料の負担軽減に向けて、区が基礎自治体として法定外繰入や国・都への働きかけを行っている点は評価できます。しかし、特別区長会が試算した来年度の国保料は、一人当たり平均20万2,283円と、前年から1万45円の大幅な値上げとなるとのこと。保険料の引き上げとなる条例改定は認められないことから、国保会計予算と議案第35号については反対をいたします。 国保料については、被保険者の負担軽減に向けた更なる対応と、制度改善に向け、国や都に働きかけることを求めるものです。 介護保険事業会計予算については前年の保険料引き上げをそのまま引き継いでいることから反対します。 後期高齢者医療事業会計予算については、来年度値上げとなることから反対いたします。なお、議案23号については、保険料負担抑制のための特別対策を継続するものであるため、賛成します。 その他、付託された議案については賛成といたします。 12.田中ゆうたろう委員の暴言について 本委員会の審議において、田中ゆうたろう委員が区長を怒鳴りつけるという行為をおこないました。議会の信頼を損なう行為であり看過できません。また、他の複数の委員からも、職員に対して敬意を欠いた発言や振る舞いがありました。職員を萎縮させることは健全な区政運営と区民福祉の向上を阻害することに繋がるということを議員は自覚すべきです。他者に対する敬意ある言動を強く求めます。 13.自民党委員の公用車に関する発言について 自民党委員の公用車に関する発言の中で、わが党区議団にも言及があったことから、私たちの見解を述べます。 まず、わが党区議団が追及してきた前・田中区長の公用車利用の問題と、自民党委員が取り上げた岸本区長の事例は、本質的に全く異なるものです。 岸本区長の2月3日の公用車利用は、都庁での都区協議会・意見交換会という公務の帰路において、私用のため高円寺駅周辺で途中下車したものであり、その後の行動は個人の自由に属するものです。 一方、前・田中区長の公用車利用は極めて悪質でした。都議会議員候補や区長・市長候補の選挙応援のためだけに、往復ともに公用車を利用し、しかも杉並区内ではなく、世田谷、練馬、目黒、小金井市などに及んでいたのです。 公務とは関係のない選挙応援に、公用車を乗り回しており、明らかに異常な公用車の運用です。だからこそ、我が党は徹底して追及してきたのであります。当時は多くの新聞やテレビでも報道されました。 (※) 過去の資料では、前・田中区長は衆議院選挙でも、区議会議員選挙でも自民党の候補者応援で、杉並区内の街頭演説や屋内集会に参加しています。その時、公用車を利用したことはないと明言できるのでしょうか。 前・田中区長が現職のころ、区内で行われた自民党区議の選挙決起集会に参加していましたが、公用車で移動していたことが運行記録でも明らかです。自民党と前区長の公用車使用の事実関係を明らかにすべきではないでしょうか。 結びに当たり、多くの資料を調製していただいた職員の皆さんに厚くお礼を申し上げ、意見開陳を終わります。 以上 ※ 意見開陳の一部発言について、他会派から内容について調査を求める申し出が委員長に出されましたので、該当の一文については掲載しておりません。委員長による議事録の精査が終わりましたら、その内容を掲載する予定です。 |
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