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2026年 杉並区議会 第1回定例会 代表質問(山田耕平)(2026年2月12日) |
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2月12日の本会議で山田耕平区議が代表質問に立ちました。その際の質問全文を掲載します。 答弁を含めた一般質問の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 本会議の録画中継 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団を代表して、令和8年度予算の編成方針とその概要について質問します。 1.岸本区政4年間の取り組みと今後に向けた展望(総括) ■1−1 「公共の再生」「対話と協働」の取り組みの到達点と今後 【問1】 1−1−① 対話の取り組みの成果と今後の展望 岸本区政がスタートして、間もなく4年間が経過します。代表質問の冒頭、この4年間の取り組みについて、区長の認識を伺います。 岸本区長は就任時の所信表明で、僅差の当選を重く受け止め「投票されなかった区民の声にも意識的に耳を傾ける」「幅広い住民からの提案を聴く努力に最大限取り組む」と述べ、さらに「対話と共有を杉並区が物事を進める原則に掲げたい」と明言しました。 実際に「聴っくオフ・ミーティング」をはじめ、気候区民会議、子どもの権利条例に関するワークショップ、施設マネジメント計画のワークショップ、参加型予算、(仮称)デザイン会議、すぎなみプラス・ボイス等、分野横断で対話の仕組みが広がり、その実績は1年前の予算特別委員会の際には、主だったもので26事業、約300回、参加人数は延べ1万人を超えるという到達が示されています。 この4年間の「対話の区政」について、現在までの実績と共に、区長として、政策形成の質・区民の納得・区政参画の広がり・行政への信頼回復等々の点で、区政運営がどう変わり、どのような成果を得たと総括しているのか伺います。 また、対話の区政を一過性の取り組みに終わらせず、区政運営の基盤として定着させるためには、参加者の裾野の拡大に加え、対話で得られた意見や提案が、どのように政策決定・予算・事業に反映されたのかを検証し、区民に分かりやすく示す仕組みが不可欠です。こうした「対話の成果の見える化」について、区長の認識を伺います。そのうえで、今後は、さらに幅広い区民の参加を広げるとともに、対話の取り組みをどのように深化させるのか、今後に向けた区長の展望を伺います。 【問2】 1−1−② 情報公開の徹底、透明性のある区政運営 所信表明で区長は「区政の情報は区民のもの」「情報公開・情報発信を飛躍的に向上させ、情報公開度ナンバーワン、透明度ナンバーワンを目指す」と述べました。同時に、情報公開制度について、非開示基準の明確化、14日以内とされる開示期限の遅れ、非開示理由の説明の不足など、区民・議員から指摘があることも認め、「非開示の場合には理由や考え方を説明し、開示期限14日以内が原則であることを徹底し、区長として責任を持つ」と明言しました。さらに、区長の行動記録の公表(ガラス張り)にも踏み込でいます。前・田中区政では、公用車の不適切な運用をめぐる問題が区政への信頼を損なう重大な論点となりました。岸本区政が掲げる情報公開の徹底や区長の行動記録の公表は、こうした不信を乗り越える上でも、意義は大きいと考えています。 区長は、対話と協働を区政の柱として進めるうえで、情報公開・透明性をどのように位置付け、何を到達点と考えているのか伺います。また、区長が掲げた「情報公開度・透明度ナンバーワン」の区政について、特に、情報公開は区政への信頼を支える根幹であり、情報公開の推進と共に政策形成段階における情報提供、意思決定過程の可視化を進めることが、対話と協働の前提になると考えます。この間の取り組みの総括と共に、今後どのように取り組みを強めていくのか、区長の基本認識を伺います。 【問3】 1−1−③ 住民自治のまちづくりの努力 区長は所信表明で、自治基本条例にのっとり「区民参画と協働」「区民が区政の情報を知る権利」をこれまで以上に尊重し、「真の自治のまち」を築くと述べています。 住民自治とは、本来、行政が計画を示し住民が追認することではなく、住民が意思決定の過程に参画し、ともに地域の将来像をつくり上げていく営みであると考えます。 実際に、この4年間の取り組みでは、施設マネジメント計画の見直しをはじめ、従来の行政主導から、区民が計画策定段階から参加し、対話を重ねながら検討を進め、過去のプランとは異なる結論に至ったことが示されています。これは、前・田中区政のもとで生じた不信やあつれきを乗り越え、住民自治の土台をつくり直す重要な前進であり、住民自治のあるべき姿が、区政運営の中で体現され始めていることを評価しています。 区長は、この4年間で進めてきた住民参画のプロセスを通じて、区民との信頼関係や合意形成のあり方がどう変わったと認識しているのか、住民自治の観点から総括を伺います。 そのうえで、今後の区政では、住民自治のまちづくりをさらに広げるために、計画策定だけでなく設計や運営段階においても住民参画を保障すること、地域の担い手の裾野を広げること、職員のノウハウを組織文化として定着していくこと等が求められます。これらを今後どのように進めるのか。住民自治を定着させる展望について、区長の認識を伺います。 ■1−2 区民生活を守る自治体としての基本姿勢 【問4】 1−2−① 物価高・格差拡大、住民福祉の向上に対応する行政運営と基本姿勢 次に物価高騰対策について伺います。 物価高騰が長期化し、家計負担が増すもとで、区民の生活不安は強まっています。加えて格差拡大や、単身高齢者・ひとり親世帯など、支援が必要な層の困難も深まっています。こうした状況の下で、基礎自治体の役割は、国政の動向に左右されることなく、区民生活を守り、住民福祉の向上を最優先にした行政運営を行うことにあります。岸本区政の4年間では、コロナ禍・物価高騰という困難の中でも、区民の命と暮らしを守ることを最優先に、支援策を講じてきたことを評価しています。 区長は、この4年間の区政運営を振り返り、物価高・格差拡大が進む中で、基礎自治体として「区民生活を守る」役割をどのように果たしてきたと総括しているのか。そのうえで、今後も物価高騰の長期化が見込まれるもと、区として、住民福祉の向上を区政運営の中心に据え続けるために、どのような基本姿勢で行政運営を行い、区民生活を下支えしていくのか、認識を伺います。 【問5】 1−2−② 財政運営の考え方(くらし優先の基金活用) 物価高・格差拡大のもとでは、必要な支援を必要な時に届ける機動性が問われます。一方で、区政運営には将来負担への備えも必要となります。岸本区政は、区民生活の危機に対し、財政調整基金も含めた財源を活用しながら必要な支援を講じてきたと受け止めています。 区長は、区民生活を守るための財政運営について、基金の役割をどのように位置付け、これまでの4年間、どのような考え方で活用してきたのか総括を伺います。そのうえで、物価高騰が続くもとで、今後も区民生活への支援が求められる中、くらし優先の観点から財政調整基金を含む財政運営をどのように行っていくのか。あわせて、将来の行政需要にも備えながら、必要な時に必要な支援を実行できる財政のあり方について、区長の基本認識を伺います。 2.物価高騰から暮らしと地域経済を守る ■2−1 区民生活の実態認識と支援の強化 【問6】 2−1−① 物価高の長期化・深刻化による区民生活の実態認識、食・光熱費・家賃の三重苦への緊急対応(恒常施策化の検討) 物価上昇がとどまることなく続き、区部の消費者物価指数も前年同月比2%上昇が継続し、2020年比で生鮮食料品は1.32倍、生鮮を除く食料品でも1.26倍に達しています。米やコーヒー豆など特定品目は、うるち米35.3%、コーヒー豆60.6%等、異常な水準の値上がりとなっています。さらに、2026年度の値上げ品目は1044品目とされています。加えて、都の調査では勤労世帯の実収入が実質で減少するなど、区民の暮らしの耐久力が削られている状況でもあります。 内閣府世論調査でも政府への要望は物価対策が突出しており、物価高は国民的課題です。しかし、食・光熱費・家賃の三重苦は区民生活を直撃しており、その対応は待ったなしでもあります。基礎自治体として「今なにが必要か」を見極め、機動的に支援を届けることが求められています。 こうした状況を踏まえ、岸本区長は、いまの物価高騰を「一時的な局面」ではなく、中長期に続く構造的な危機として認識しているのか伺います。区民生活における食費・光熱費・家賃等の複合負担の影響を、区政運営上どの程度の深刻さで捉えているのか。「臨時・一過性」の対策ではなく「継続的な生活防衛策」へ移行する必要性があるのではないのか、食・光熱費・家賃の三重苦への緊急対応・恒常的な施策化の検討が求められていると考えますが、基本姿勢を伺います。 ■2−2 地域経済への支援(買い物・営業を守る) 【問7】 2−2−① 購買力向上策(ポイント還元/商品券等)の「恒常的な取り組み」 物価高騰対策として、23区の多くが国の交付金を活用し、現金給付だけでなく、ギフトカード・商品券・デジタル通貨ポイントなど「区内消費につながる支援」を重視していることが示されています。 港区では全区民に1万円相当のポイント・商品券(デジタル通貨の活用)、足立区は全区民1人1万円給付など、支援規模も多様です。杉並区では、キャッシュレスポイント還元やプレミアム商品券、生活応援臨時交付金(非課税・均等割のみ世帯2万円)などを実施しています。 こうした23区の取り組みの広がりを踏まえ、杉並区として、命と暮らしを守るための低所得世帯への重点支援、地域循環をつくる区内経済・中小事業者支援の両面をどう組み合わせ、杉並区らしい物価高騰対策を発展させていくのか。特に、他区で広がる「商品券・ポイント等の区内消費につながる支援」の恒常的取り組みとの比較も含め、見解を伺います。 ■2−3 光熱費高騰から区民生活を守る取り組み 【問8】 2−3−① 光熱費支援と共に、断熱・再エネの活用 物価高騰が長期化する中で、食料品等と並び、区民生活を直撃しているのが電気・ガス等の光熱費の上昇です。とりわけ、子育て世帯や高齢者世帯、低所得世帯では、光熱費負担が家計を圧迫し、健康や生活の質にも影響を及ぼしかねません。こうした中、岸本区政では、短期的な支援にとどまらず、継続性の観点から、引き上がる光熱費への支援とあわせて、住宅の断熱化や再生可能エネルギーの活用を一体に進める姿勢が示されています。これは、物価高騰対策であると同時に、気候危機対策、防災、健康、地域経済にもつながる重要な政策方向だと評価しています。 区長は、この間の区政運営の中で、光熱費高騰から区民生活を守る取り組みについて、どのような問題意識のもとに進め、どのような成果を得たと総括しているのか伺います。 そのうえで、物価高騰が続く中、今後の区政運営において、区民の光熱費負担を継続的に軽減するために、断熱化の推進と再生可能エネルギーの活用をどのように一体として進めていくのか、今後の展望を伺います。 ■2−4 「住まいは権利」−住宅政策の到達点と今後の取り組み 【問9】 2−4−① 住宅施策への基本姿勢 物価高騰のもとでの住宅施策について伺います。 物価高騰に加え家賃の値上げが進み、賃貸住宅居住者にとって住まいの確保がこれまで以上に深刻な課題となっています。区民意向調査でも家賃助成や公営住宅への入居を求める声が出され、住まいの困難の解消は区民の切実な願いです。こうした中、岸本区政のもとで家賃助成やセーフティネット専用住宅制度に踏み出したことは、重要な前進だと評価しています。そのうえで、住まいの権利を実効性あるものにすることが求められています。 住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台です。住まいが権利であることは国際的にも確認されていることです。物価高騰で生活が深刻化し、住み続けること自体が容易でない区民がいるもとで、基礎自治体の姿勢が問われています。岸本区長は、物価高騰と家賃高騰が同時に進む現状を踏まえ、住宅問題に区長としてどのように向き合うのか。「住まいは権利」との認識を、今後の区政運営の中でどのように具体化し、区民が住み続けられる杉並区をつくっていくのか、基本姿勢を伺います。 【問10】 2−4−② 家賃助成等の前進の評価と、対象・規模・継続性の課題、今後の展望 前区政は家賃助成を求める声に「検討」を繰り返すだけで実施に背を向け、また、国のセーフティネット専用住宅制度も活用せず実績はゼロでした。これに対し、岸本区政のもとで低所得のひとり親、他子世帯を対象に安定した居住支援に向けた家賃助成や、転居費用助成等の施策が示されたことは、住まいの確保を支えるうえで重要な前進と受け止めています。 また、住宅確保要配慮者のためにセーフティネット専用住宅制度の取り組みを促進してきたことは、前区政から取り組みがほぼ進んでこなかった住宅施策の前向きの転換として高く評価しています。 都内では19区が家賃助成等の取り組みをする中で、杉並区が家賃助成等の制度に踏み出したことは、まだ一歩だったとしても「重要な一歩」と認識しています。 杉並区は、この家賃助成等の取り組みについて、どのような問題意識のもとに進めてきたのか。また、住まいの困難が深刻化する中で、現行制度の到達点と課題をどのように認識しているのか、伺います。 今後について、家賃助成の対象・支援規模・継続性の拡大、セーフティネット専用住宅制度について、来年度の新規実施件数の見通しも含め、大家さんへの支援強化の拡大が求められています。高齢者住宅について、みどりの里の戸数が減少したままである現状を踏まえ、民間小規模住宅の活用も含めた柔軟な確保策を検討すべきと考えます。 これらの課題について、どのような展望を持って施策を発展させていくのか、区長の認識を伺います。 ■2−5 中小事業者・福祉事業所への支援 【問11】 2−5−① 小規模事業者や商店街の固定費支援(光熱費・事務所家賃・街路灯等の設備更新) 物価高騰が長期化する中で、区民生活を支える小規模事業者や商店街では、売上の伸び悩みに加え、電気・ガスなど光熱費や家賃等の固定費負担が経営を圧迫しています。商店街は単なる経済活動の場にとどまらず、地域の見守り、防犯、防災など、地域コミュニティの基盤としても重要な役割を担っています。この点で、区として、区民生活を守る観点から、地域経済・商店街の維持を重要な政策課題として位置付けるべきです。 他自治体では、エネルギー価格高騰を受けて、事業者の負担軽減を目的に、事業経費に応じて定額支給する「エネルギー価格高騰対策補助金」を実施する区もあります。また、賃上げを含めた支援と組み合わせた「省エネ・業務改善・賃上げ緊急経済対策助成」のような施策も示されています。区は、物価高騰が続くもとで、小規模事業者や商店街の固定費負担(光熱費・事務所家賃・街路灯の設備更新LED化等)への支援について、区政としてどのような問題意識を持っているのか、固定費の継続的負担軽減につながる支援を、物価高騰対策として重点的に強化する考えがあるのか認識を伺います。 【問12】 2−5−② 介護・障害・保育等の事業者への支援 物価高騰は、区民の暮らしだけでなく、介護・障害・保育など、区民生活を支える福祉サービスの提供体制にも深刻な影響を与えています。とりわけ、光熱費や食材費、消耗品費などの負担増が経営を圧迫している一方で、制度上、価格転嫁が難しく、人材不足も深刻化しています。こうした状況が続けば、事業所の経営悪化やサービス縮小につながり、最終的に影響を受けるのは区民であることが懸念されます。 他自治体でも、介護・障害・保育等への支援を物価高騰対策の柱として位置付け、支援金を支給しており、杉並区も、保育所等や介護サービス事業所への物価高騰緊急対策事業を実施しています。 区は、物価高騰が区内の介護・障害・保育等の福祉サービス提供体制に与える影響について、現状をどのように認識しているのか伺います。この間の取り組みの評価と、今後、物価高騰が長期化する中で、区民に必要なサービスを維持するために、区として事業者支援をどのように強化していくのか認識を伺います。 3.医療・福祉:制度を守り、支える人を守る取り組み ■3−1 国民健康保険:来年度大幅負担増の課題と軽減に向けた努力 【問13】 3−1−① 都からの納付金提示と「前例のない値上げ」構造、区としての受け止め 次に国民健康保険制度について伺います。 物価高騰が長期化し、区民生活が深刻な影響を受ける中で、国民健康保険料が追い打ちをかけるような負担増となることは、あってはならないと考えます。その一方で、東京都から昨年末に示された来年度の国民健康保険の納付金・保険料水準は、区民負担の観点から看過できない大幅な引き上げが想定される内容だったと受け止めています。しかも、単年度の問題ではなく、今後数年にわたって更なる値上げのレールが敷かれかねない状況となっています。 東京都から提示された来年度の納付金額及び1人当たり保険料水準はどの程度の増加となるのか。また、なぜこれほどの大幅な値上げが生じるのか、制度変更や算定方式等の構造上の仕組みを確認するとともに、再来年度以降の見通しについても確認します。 その上で、区として今回の提示をどう受け止めているのか。保険者として、区民が支払い可能な水準と考えているのか、区長の認識を伺います。 【問14】 3−1−② 「子ども納付金」上乗せの問題と、区・区長会としての毅然とした対応を 来年度の値上げ要因の一つとして、納付金算定に新たに「子どもに関する納付金」が上乗せされることが指摘されています。しかし、もともと国民健康保険は、加入者の所得水準が相対的に低く、保険料負担が重いという構造的課題を抱えています。 そうした中で、保険料の支払い自体が困難な被保険者も少なくない国保制度に対し、新たな負担要因を上乗せすることは、制度の持続可能性にも、区民生活にも大きな影響を及ぼしかねないものです。 来年度の納付金増加に占める「子ども納付金」導入の影響を区はどう把握しているのか。その上で、国が制度設計として自治体に負担を押し付け、被保険者に保険料の上乗せという形で新たな負担を求める現状に対し、区として、また特別区長会として、国に対しどのように意見を伝え、どのような改善を求めてきたのか。今後も含め、区長として毅然とした対応をすべきと考えますが、認識を伺います。 【問15】 3−1−③ 都内保険料統一化と法定外繰入の継続−区民負担軽減のための政治姿勢 今回の納付金の引き上げと保険料の上昇は、単なる制度調整ではなく、国民健康保険制度の東京都一本化、さらには保険料水準の統一化へ向けた流れの中で進められていると考えます。その過程で、国と都は、保険料の統一化の障害になるとして、各自治体が行ってきた法定外繰入の縮減・廃止を求め続けてきました。しかし、物価高騰の中で、区民負担の大幅な増加が現実のものとなるのであれば、自治体として負担軽減策を講じることは当然の責務と考えます。 保険料の急激な値上げを少しでも抑えるため、法定外繰入を継続することについて、区長の認識を伺います。また、保険料統一化までの数年間は、区民負担が集中する局面になりかねません。そうした中で、国と都の方針に唯々諾々と従うのではなく、区民生活を守る保険者として、国保制度のあり方そのものについて国・都に対し改善を求める姿勢を強く打ち出すべきと考えますが、見解を伺います。 【問16】 3−1−④ マイナ保険証の課題と資格確認書の一斉送付について 政府はマイナ保険証への移行を進めていますが、制度変更は区民の受診行動や医療現場の実務に直結する問題です。とりわけ高齢者、障害のある方、慢性疾患のある方、デジタルに不慣れな方などにとって、医療へのアクセスが不安定になることは決してあってはならないと考えます。医療は社会保障の根幹であり、区としては「制度移行の混乱から区民を守る」視点が不可欠です。 この間、区独自に区内医療機関の状況を把握するための実態調査も行われ、医療現場では受付対応の負担や資格確認のトラブル、患者とのやりとりの増加など、移行に伴う混乱やリスクが現実に存在することが示されています。こうした状況のもとで、資格確認書を必要な区民に確実に届けることは、区民の受診権を守るうえで極めて重要です。 マイナ保険証への移行に伴う課題について、区長は区内医療機関の調査結果も踏まえ、どのように現状認識しているのか。その上で、混乱や受診控えを生まないために、区として「資格確認書の一斉送付」を含め、区民が確実に保険診療を受けられる環境を保障することの意義を、どのように考えているのか伺います。 杉並区において、速やかに資格確認書の一斉送付を進めるよう求めるものです。 ■3−2 生活困窮への対応、国民の権利としての生活保護 【問17】 3−2−① 権利としての生活保護制度運用、申請権の保障と制度周知、扶養照会運用 物価高騰や格差拡大が続くもとで、生活困窮は誰にでも起こり得る社会的リスクとなっています。そうした中で生活保護制度は、憲法25条に基づく最後のセーフティネットであり、行政が「守るべき権利」として確実に機能させることが不可欠です。 岸本区政のもとで、生活保護をめぐる運用面では前向きの改善が積み上げられてきたと評価しています。 具体的には、制度の周知を進めるためのポスター作成や、申請に必要な書類の入手・手続きを区民が行いやすくする取組として、申請書のダウンロード対応が進められました。さらに、扶養照会についても、生活保護申請の妨げにならないよう、本人の意思を尊重し、個別事情に配慮した運用改善が図られてきたことは重要です。 生活保護制度を「国民の権利」として保障し、申請権を確実に守るという立場から、岸本区政のもとで進めてきた周知徹底・申請環境の整備・扶養照会の運用改善等の到達点を、区長としてどのように評価しているのか、基本認識を伺います。 あわせて、今後、制度周知のさらなる強化、相談体制の改善など、生活保護が「必要なときに、誰でも安心して使える制度」となるよう取り組みを前進させる必要がありますが認識を伺います。 ■3−3 高齢・障害者が地域で暮らし続ける支援 【問18】 3−3−① 高齢者補聴器購入費助成の充実 高齢者補聴器購入費助成について伺います。 高齢期の難聴は、コミュニケーション不全による社会的孤立や認知症・フレイルなどの健康リスクを高め、日常生活の質を大きく損なう重大な課題であると指摘されています。 前区政下では、23区の他自治体が補聴器購入費の助成制度を導入・拡充する中で、杉並区では制度化が進んでこなかった経緯がありました。他方、近年では全国の市区町村でこうした助成制度が増加しており、東京都23区でも多くの区が導入している状況となっていました。 岸本区政のもとで、高齢者補聴器購入費助成制度が新たにスタートし、実施規模が拡大され、区内高齢者等から歓迎の声が寄せられていると承知しています。 こうした制度化は、高齢期の生活の質と社会参加を支える重要な前進であり、評価するものです。なお、他自治体では、助成要件の見直しや所得制限の緩和、助成額の拡大、特定医療機関・認定補聴器技能者との連携強化等の工夫を行っている例もあり、杉並区でもさらなる充実が求められています。 この間、高齢者補聴器購入費助成を新設・拡充してきた評価について、区長はどのように受け止めているのか。 また、導入後の利用状況や区民からの声をどのように捉えているのか認識を伺います。杉並区として、助成額や対象の拡大、補聴器相談医・認定補聴器技能者との連携強化、区民健診等での聴力検査といった支援体系の充実に向けた今後の方向性について、認識を伺います。 【問19】 3−3−② 移動支援の課題解決(報酬単価・担い手・運用見直し) 障害者の移動支援事業について伺います。 移動支援は、障害のある方が地域で暮らし続けるための基盤であり、外出や社会参加の機会を保障する重要なサービスです。杉並区では、令和3年度に制度見直しを行い、障害種別による利用制限の改善や、委託料単価の引上げなど、重要な前進が図られたと受け止めています。一方で、その後の物価高騰や人手不足の深刻化により、担い手確保が困難となり、必要な支援が必要なときに届きにくい状況が生じていることが懸念されています。実際に、区が実施した事業者アンケートでも、ヘルパー確保のため報酬単価の引上げが必要と回答した事業者が8割に上るなど、現場の切実な声が示されています。 こうした中で区は、障害当事者や作業所、関係団体等と協議を重ねながら、令和8年度の見直しに向けた検討を進めてきた経緯があります。これは、岸本区政が重視する「対話と協働」に基づく政策形成のあり方としても重要です。 区長は、移動支援事業をめぐる現状と課題、特に担い手不足や報酬単価の課題をどのように受け止めているのか認識を伺います。 その上で、令和8年度の制度見直しに向けて、報酬単価のあり方、担い手確保、通所利用を含む運用面の見直しなど、移動支援を必要とする区民が地域で安心して暮らし続けられる支援を確保するために、区として、どのような改善を実現していくのか、基本認識と今後の方針を伺います。 ■3−4 ケアする人をケアする対策 【問20】 3−4−① ケアする人をケアするための対策と人材確保定着支援について(介護サービス事業所等実態調査結果から) 高齢化が進む中で、介護や見守り、日常的な支援など、地域の暮らしを支える「ケア」の重要性はますます高まっています。一方、介護従事者をはじめ、ケアを担う人たちの介護報酬による賃金水準は低く、自身の疲弊と孤立化、心身の負担を抱え込む実態が広がっていることは、地域の持続可能性に関わる重大な課題です。 こうした中で、岸本区政は「公共の再生」を掲げ、命と暮らしを支えるケアを社会の中心に据える区政運営を進めており、今後、ケアする人を支える=ケアする人をケアする視点を自治体の政策として、さらに推進することが必要だと考えます。 この度の介護サービス事業所等実態調査においても、介護現場の深刻な実態を把握し、対策に繋げる上でも重要な調査であると受け止めています。 介護サービス事業所等実態調査の結果を、区長としてどのように受け止めているのか。その上で、自治体として「ケアする人をケアする」取り組みに踏み出す意義を、区長はどのように認識しているのか伺います。 あわせて、介護人材の確保・定着支援とも一体に、地域のケア基盤を守り強化していくために、どのような施策を重点的に進めるのか、区長の基本方針と展望を伺います。 ■3−5 職員体制:区民福祉を支える組織体制 【問21】 3−5−① 公共の再生を担う組織・人員体制、会計年度任用職員の処遇改善の到達点と次の課題 区役所の職員体制と会計年度任用職員の処遇改善について伺います。 岸本区政の4年間を振り返ると「公共の再生」を掲げ、現場を支える職員の皆さんが力を発揮できるよう、職員体制や働き方の改善に取り組んできたことは重要な前進と受け止めています。 とりわけ、会計年度任用職員について、報酬の引上げや勤勉手当の支給開始により、年間平均給与額が前年より約72万円増加したこと、また23区初となる生理休暇の有給化で取得者が約4倍となったことは、女性職員が多い非正規公務員の低賃金・不安定さの改善として大きな意義があると評価しています。 さらに、再任用上限の撤廃や図書館司書の報酬引上げなど、区政の方向転換を象徴する取り組みが進んできました。今定例会では、職員の心理的な負担を緩和するために生理休暇の名称を「健康管理休暇」とする改正が提案されたことも大きな前進面であると感じています。 区長は、この4年間の職員体制整備と会計年度任用職員の処遇改善の到達点をどのように総括しているのか。 その上で、「公共の再生」を持続可能なものとするため、必要な人員体制の確保、専門職の採用・育成、会計年度任用職員のさらなる処遇改善などについて、区長としてどのように取り組みを進めていくのか、基本認識を伺います。 【問22】 3−5−② ハラスメント防止と働きがい ハラスメント防止と働きがいのある職場づくりについて伺います。 区長は就任時の所信表明で、職員を「コストではなく杉並の財産」と位置付け、あらゆるハラスメントのない、安心して能力を発揮できる職場づくりを進めると述べてきました。予算編成方針においても、「職員が安心して、自分の能力を十分に発揮できる組織や職場環境をつくることは区民のウェルビーイングの向上にもつながる」としており、非常に重要な視点だと受け止めています。 この間、ハラスメントの外部相談窓口の設置や、職員の働きがいや意欲を数値化するエンゲージメント調査の実施など、従来の区政では踏み込みが弱かった分野で新たな取り組みが進められていることを評価します。職員が安心して声を上げられ、組織の風通しを改善し、行政サービスの質の向上につなげる上でも不可欠の取り組みです。 区長は、エンゲージメント調査や外部相談窓口の設置など、この間の取り組みをどのように評価しているのか。また、ハラスメントを未然に防止し、早期に対応し、再発を防ぐために、外部相談窓口の活用だけでなく、管理職のマネジメントの改善、組織文化の改革、職員参加による職場改善などを含め、区としてどのように「ハラスメントゼロ」と働きがいのある職場づくりを進めていくのか、具体的方針を伺います。 4.子どもの権利条例を生かした区政運営と子どもの居場所の確保 ■4−1 子どもの権利条例を踏まえた取り組みと今後 【問23】 4−1−① 子どもの権利条例の制定の評価と今後の取り組み 杉並区では、子どもの権利条例の制定により、子どもを「権利の主体」として尊重し、区政運営の基本に据えるという大きな前進が図られたと評価しています。条例制定までの過程においても、対話や参加を重視し、子ども・若者の意見を踏まえながら検討が進められてきたことは、岸本区政の「対話と協働」の象徴的な成果と考えます。 子どもの権利条例の制定を、岸本区政の到達点としてどのように評価しているのか。また、条例を「制定して終わり」にせず、杉並区政全体に根付かせていくことが重要であり、今後、子どもの権利を生かした区政運営をどのように深化させていくのか、区長の基本姿勢を伺います。 子どもの権利条例を実効性あるものにするためには、子ども・若者が意見を表明し、それが政策に反映される仕組みを継続的に保障することが不可欠と考えます。子ども政策全般において、子ども・若者の意見反映をどのように制度化し、実効性を高めていくのか、区長の認識を伺います。 ■4−2 子どもの居場所の確保の課題と今後 【問24】 4−2−① 子どもの居場所(児童館等)の整備と地域偏在の解消に向けた工程 子どもの居場所は、遊び・交流・相談・学びの場であり、孤立を防ぎ、子どもの育ちを支える基盤となるものです。とりわけ不登校や家庭の困難、孤独・孤立が課題となる中で、居場所の確保は自治体の責務として重要性が増しています。また、子どもの居場所は、単に「遊べる場所」ではなく、子どもが安心して過ごし、信頼できる大人とつながり、必要な支援へとつながることのできる、セーフティネットとしての基盤であると考えます。 岸本区政のもとで子どもの居場所づくりが進められてきたことは評価しています。一方で、地域によって居場所資源に差があること、児童館等の配置・機能に偏在があることは課題と認識しています。 なお、子どもの居場所を地域に広げていく上では、既存の区立施設や公共用地の活用だけでは限界があります。地域偏在を解消し、必要な場所に必要な機能を確保するためには、民間施設や民有地の活用、空き店舗・空き家等の地域資源の活用も含め、柔軟な整備手法を検討することが求められると考えるものです。 子どもの居場所の整備について、区長は現状をどのように認識しているのか。また、地域偏在の解消に向けて、児童館等の整備・機能強化をどのような工程で進めるのか、整備方針・目標・スケジュール感を含め、区長の考えを伺います。あわせて、公共施設の活用や整備にとどまらず、民間施設や民有地も含めた居場所確保の方策を、区としてどのように位置付け、具体化していくのか、認識を伺います。 5.教育の負担軽減と教育環境の整備による「学びの安心」へ ■5−1 教育費負担軽減の到達点と拡充 【問25】 5−1−① 就学援助の拡充(基準・費目・周知・申請支援) 教育の負担軽減と教育環境の整備について質問します。 この間、困窮する子育て世帯を支援するため、就学援助制度の拡充を求めてきました。 前区政では、国による2013年の生活保護基準引下げを就学援助にも適用し、認定者を大幅に減少させた経緯があります。しかし、当時の生活保護基準引下げについては、最高裁において違法との結論が示されています。また、東京23区においては、12区が引き下げ以前の保護基準を就学援助に適用し続け、認定基準の引下げを行っていません。 岸本区政の下、2023年に認定基準を引き上げ、対象者を拡大したことは重要な前進であり評価するものですが、依然として認定基準は2013年以前の水準を下回ったままです。物価高騰が長期化し、子育て世帯の家計が厳しさを増す中で、教育費負担を軽減し、子どもの学びを守ることは自治体の重要な責務です。 就学援助制度について、この間の認定基準引き上げと対象者拡大をどのように総括しているのか。その上で、今後、認定基準のさらなる拡充、対象費目の見直し、周知の徹底と申請支援等をどのように進め、必要な家庭に確実に届く制度へと高めていくのか、認識を伺います。また、就学援助の認定基準については、速やかに2013年以前の水準まで回復させることを強く求めますが、認識を伺います。 【問26】 5−1−② 移動教室・修学旅行費の負担軽減(再開・制度設計) 次に、移動教室・修学旅行費等の負担軽減について伺います。 教育費負担の中でも、修学旅行や移動教室等の費用が高額となり、家庭の経済状況によって子どもの体験機会に差が生じかねない課題となっています。 前区政のもとで、修学旅行費等への補助が廃止された経緯があり、岸本区政のもとでも現時点では十分な回復には至っていません。一方で、今年度から移動教室の食費相当分の負担軽減に踏み出したことは評価しています。 他自治体では、修学旅行費・校外学習費への補助や無償化を進める例もあり、杉並区としても「学びの安心」を確かなものにするため、更なる負担軽減が求められます。 移動教室や修学旅行等に係る保護者負担について現状をどのように認識しているのか。その上で、物価高騰の影響を踏まえ、食材費等の支援にとどまらず、修学旅行費等の負担軽減を進めることを求めますが、認識を伺います。 ■5−2 学校施設・環境整備の加速 【問27】 5−2−① トイレ洋式化の進捗と、未整備校の解消計画 次に、学校トイレの洋式化について伺います。 学校トイレの洋式化は、子どもの尊厳と健康、安心して学べる教育環境の基礎であり、災害時の避難所機能の観点からも重要な整備となります。一方、前区政では、学校トイレの洋式化が極めて遅れ、到達点は23区でも最低水準にとどまっていました。 岸本区政のもとで、この遅れを取り戻す形で整備が加速していることは、教育環境整備の前進として評価しています。 学校トイレ洋式化の現状と、この間の進捗をどのように受け止めているのか。その上で、未整備校の解消に向けた整備を促進し、23区の水準に追いつき、追い越していく必要があると考えますが、認識を伺います。 【問28】 5−2−② 教育現場の負担軽減(教職員・学校運営支援等)に向けた人材確保 教育現場の負担軽減と人材確保について伺います。 教職員の多忙化は、教育の質や子どもと向き合う時間を奪い、学校現場の疲弊を招く重大な課題です。 教育現場の負担軽減は、教職員の働き方改革にとどまらず、子どもの学びを支える基盤整備であり、学校運営を支える人材確保・体制整備が不可欠です。岸本区政の予算編成方針でも、増大・多様化する行政需要に対応するための人員体制の確保が重要視されており、教育分野でも同様に、人的配置を重視した取り組みを進めることは重要です。 人材確保の観点では、区が2023年度から「学校で働きたい方説明会」を実施し、2024年度には170名が参加、臨時的任用教員等の採用に30名がつながったとしています。来年度予算でもエデュケーション・アシスタントの増員、区費時間講師の臨時的増員、特別支援教育の人材配置の拡充等、人的配置が拡充する等、教員の長時間労働や成り手不足が深刻化する中で、区独自の人材確保策が推進されていることを評価しています。 区は、教育現場の負担軽減について、現状と課題をどのように認識しているのか。その上で、教職員だけに負担を集中させないために、学校運営支援人材、専門職配置、外部人材の活用等を含め、教育現場を支える体制をどのように強化し、人材確保・定着を進めていくのか、方針を伺います。 6.防災・危機管理:能登半島地震を踏まえ、災害の「巨大化」「多様化」への対策を ■6−1 災害の巨大化・多様化への現状認識と区の責務 【問29】 6−1−① 災害の巨大化・多様化と、杉並の脆弱性をどう見るか 能登半島地震を踏まえ、災害は「巨大化」「多様化」し、自然の凶暴化と社会の脆弱化が同時に進んでおり、避難生活における公衆衛生や人のつながりまで含めて捉える必要があります。 岸本区長は、近年の災害の巨大化・多様化、そして高齢化等による地域の脆弱性を踏まえ、杉並区の防災上のリスクをどのように認識しているのか伺います。特に、発災直後だけでなく、避難生活の長期化・災害関連死を含む課題や深刻性を、区としてどのように捉えているのか、区長の認識を伺います。 【問30】 6−1−② 基本姿勢:区長として「公助の責務」をどう位置付けるか 区長は昨年を振り返り、防災防犯カタログギフトの申し込みが6割を超え、アンケートでも96%が「役立つ」と評価していること、区の公式LINE登録者が2.5倍以上となる4万5千人を超えたこと等が示されました。 また、引き続き、備蓄品の充実や防災施設の強化等、災害時の救援体制の強化に取り組むと述べています。これらの取り組みが推進されたことは重要です。 岸本区長は、基礎自治体の防災における「公助の責務」をどのように捉え、区政運営の中で防災をどの位置付けに置いているのか。また、防災施策について、区民の自助・共助に委ねるのではなく、区として責任を持って“避難生活まで含めた安全確保”を進めるという基本姿勢を、区長としてどのように示していくのか伺います。 【問31】 6−1−③ 重点対策①:「全庁体制」と“ブリッジ型コミュニティ防災”の構築 能登半島地震では縦割り行政が大きなネックとなり、災害直後は全庁・全職員で動く体制、復興ニーズに応じて職員配置も変える行政システムが必要と指摘されています。また、コミュニティ防災についても、高齢化が進むことによる限界があり、住民だけでなく働く人なども含めて支え合う「ブリッジ型」が必要です。 さらに、震災救援所は初期に混雑・混乱が予想され、訓練なしには運営が困難との問題が指摘されています。 杉並区は、発災直後の初動対応から避難生活支援まで、縦割りを超えた「全庁体制」をどのように構築していくのか。また、地域の高齢化を踏まえた「ブリッジ型コミュニティ防災」を杉並区としてどう具体化し、震災救援所運営訓練など実践的訓練をどの水準まで引き上げていくのか、区長の認識を伺います。 【問32】 6−1−④ 重点対策②:避難所環境の抜本改善(スフィア基準・人権尊重) 「防災庁設置準備報告書」では、避難生活での「人権尊重」が初めて明記され、スフィア基準を踏まえた備蓄・設備強化、避難生活環境の抜本改善が明記されています。区としても組立式個室トイレやスポットクーラーの追加配備を、8年度に集中的に実施する方向が示されている点は重要です。 岸本区長は、避難所運営を「命を守る」だけでなく「人権と尊厳を守る」課題として捉え、スフィア基準も踏まえた避難生活環境の改善を、杉並区としてどの水準で進めていくのか伺います。特に、区内65か所ある震災救援所において、個室トイレ等の配備の具体的到達目標(設置数・配置計画)をどう描いているのか、区長の見解を伺います。 ■6−2 区内擁壁の事故を受けて 【問33】 6−2−① 区内擁壁の安全対策について 区内における安全性に問題のある擁壁について伺います。 昨年、杉並区では擁壁の崩落事故が発生しており、ひとたび崩落すれば人命に関わる重大事故につながりかねません。とりわけ、老朽化した擁壁や、建築確認以前に設置された擁壁、適切な図面や記録が残っていない擁壁などについては、所有者だけの責任に委ねるのではなく、自治体として「区民の命と暮らしを守る防災・安全対策」として取り組む必要があります。 こうした中、区が擁壁の安全対策工事費助成等の財政的支援を実施する方針を示したことは、崩落事故を繰り返さないための前向きな対策として評価しています。 杉並区での擁壁の安全対策を進める上で、今後どのように、所有者への周知・相談体制、点検から改修につなげる仕組みを構築していくのか、認識を伺います。また、擁壁の安全対策を区として継続的に進めるには、区単独の努力だけでは限界もあります。 制度面・財源面も含め、国や東京都に対し、支援拡充や制度整備を求めるべきと考えますが、区の認識を伺います。 7.対話でつくる住民自治のまちづくり 公共施設・都市計画道路・善福寺川上流地下調節池 ■7−1 区立施設マネジメント計画への住民参加の成果 【問34】 7−1−① 施設の計画策定段階からの住民参画の実態(合意形成・情報提供・住民納得) 前・田中区政で進められた区立施設再編整備計画は、計画策定段階での地域への説明や合意形成の努力が不十分で、住民の不信やあつれきを広げたことが大きな問題でした。これに対し、岸本区政では、区立施設マネジメント計画への見直しを通じて、計画策定の初期段階から住民が参加し、対話を重ねながら共に検討する新たなプロセスが実践され、実際に過去の計画とは異なる結論に至ったことも示されています。 区長は、この間取り組んできた区立施設マネジメント計画の見直しについて、計画策定段階からの住民意見の聴取と住民参画に基づく区立施設の検討を、どのように評価しているのか伺います。地域住民との協議を通じて、合意形成のあり方や情報提供の姿勢がどう変わり、住民の納得と信頼がどのように形成されたと総括しているのか伺います。 これらの住民参画を一過性の取組にせず、区全体の公共施設政策における「標準的な意思決定プロセス」として定着させることが求められますが、今後どのように推進していくのか伺います。 ■7−2 公共施設の「使いやすさ」(使用料・手数料) 【問35】 7−2−① 公共空間を自治の基盤として位置付ける考え方 区長は所信表明で、自治基本条例にのっとり「真の自治のまち」を築くと述べ、区立施設は区民全体の財産であり、区民が気軽に利用できることを原則に使用料の検討を行う考えを示しました。公共施設・公共空間は、単なるサービス提供の場ではなく、区民の活動・交流・参画を支える自治の基盤であり、住民が気軽に利用できる使用料とすることは重要な姿勢と受け止めています。この間、現下の物価高騰の状況を踏まえ、使用料引き上げは行わず、据え置きにするなど、他自治体とは一線を画す対応をしていることを評価しています。 区長は、区立施設をはじめとする公共空間について、住民自治を支える基盤としてどのように位置付け、この4年間の区政運営の中でどのような方向性を築いてきたのか伺います。そのうえで、今後、区民の参画と協働をさらに広げていくため、公共施設の運営や利活用をどのように改善し、自治の拠点としての役割を高めていくのか、区長の展望を伺います。 【問36】 7−2−② 物価高のもとでの負担抑制(子ども・高齢者の利用促進) 物価高騰が続く中で、子ども・若者・高齢者を含め、地域の居場所や活動機会への参加が経済的理由で制約されかねません。こうした状況下で、公共施設の使用料・手数料の負担軽減は、住民自治や地域活動を下支えする観点からも重要な論点です。 区長は、物価高騰のもとで、公共施設の使用料・手数料が区民の利用や地域活動に与える影響をどのように認識しているのか伺います。そのうえで、子ども・若者・高齢者をはじめ区民の利用促進を図り、地域の居場所や自治活動の基盤を守るため、使用料・手数料の負担抑制をどのように位置付け、今後の見直しに反映していくのか、認識を伺います。 ■7−3 都市計画道路とまちづくり 【問37】 7−3−① 都の策定プロセスの透明性と住民への説明責任・住民参加の保障 次に都市計画道路について伺います。東京都が策定する「東京における都市計画道路の整備方針」は、区民生活に直結する重大な計画です。一方、検討段階の情報や議論の経過、全体スケジュールが区民にも議会にも十分に示されないまま短期間で決まりかねないという問題があります。 区長も、都・区市町(まち)策定検討会議の取り決めにより、区の決定内容の公表が制限される現状を示したうえで、方針案公表に合わせて区長自らが区民への説明を行い、パブリックコメント期間中に区内7地域でオープンハウスを行い、区民意見の聴取を実施しました。 区長メッセージでは、優先整備路線に選定したからといって直ちに事業着手する考えはなく、必要な情報をわかりやすく示し、対話を重ねて「これからのまちのあり方を一緒に考える」と明言しています。 都市計画道路の整備方針策定において、都の情報公表や意思決定の透明性が十分でない現状に対し、区長はどのような問題意識を持ち、都に対してどのような改善を求めてきたのか、認識を伺います。あわせて、区として、都の制限の有無にかかわらず、区民が判断できる材料を確保するために情報を積極的に公表し、どのような対話の場を保障していくのか。特に(仮称)デザイン会議等の取り組みについて、「住民自治のまちづくり」として、どのように定着させていくのか、区長の基本姿勢を伺います。 【問38】 7−3−② (仮称)デザイン会議の成果と第五次事業化計画への反映 杉並区では、区独自指標による効果検証を行う一方で、住民意見や学識経験者から「整備前提ではなく失われるものも含め、マイナス面も示して議論をバランスさせるべき」「指標づくりから区民を巻き込み、自分たちで作った指標として共有すべき」といった提起がなされています。 区長も、道路は“効果”だけでは決められないとし、(仮称)デザイン会議において「賑わい」「街並み」「コミュニティ」など数値化しにくい地域資源も議論し、魅力を高める取組につなげたいと述べています。 さらに、道路整備だけに頼らず、不燃化・避難路確保・消防活動の支援など“いま実行できる手立て”を組み合わせ、防災性を高めながら地域の魅力を残す方向を示しています。 都市計画道路をめぐる議論において、区長は「定量化できないが区民にとってかけがえのない地域資源」や「道路整備によって失われ得る地域資源」を、どのように把握し、どう評価し、意思決定に反映していくべきと考えているのか、基本認識を伺います。 そのうえで、区が進めてきた(仮称)デザイン会議や講演会等、地域資源に光を当て、住民が自らまちの将来像を描く取り組みを、区長としてどのように評価しているのか。また、道路整備ありきではない防災まちづくりの具体策をどう組み立てるのか、地域の賑わい・街並み・コミュニティを守り育てる取り組みをどう後押しするのか、認識を伺います。 【問39】 7−3−③ 区施行路線(補助132・補助227) 都施行路線(補助133)への対応 都市計画道路の区施行路線・都施行路線への対応について伺います。 「東京における都市計画道路の整備方針」案において、杉並区内では、区施行路線である補助132号線(西荻地域)、補助227号線(高円寺駅北側)に加え、都施行路線である補助133号線(中杉通り延伸)についても、優先整備路線として位置付けられています。 しかし、これら3路線については、沿線住民をはじめとして、長年にわたり計画の見直しを求める根強い声があり、道路整備によって失われ得る地域資源や、住民生活・商い・街並み・コミュニティへの影響も含め、丁寧な情報提供と協議が不可欠です。党区議団としても、道路整備ありきではなく、道路計画の見直しも含めて住民との協議を尽くすべきことを一貫して求めてきました。 東京都は計画案についてパブリックコメントを実施していますが、寄せられた区民意見が実際に反映される道筋を確保していくことが求められています。 第五次事業化計画案から決定までの今後の手続きやスケジュールについて、現時点でどのように把握しているのか伺います。補助132号線・補助227号線について、区長は「優先整備路線に選定したからといって、直ちに事業着手する考えはない」との立場を示してきましたが、改めて、区としての基本姿勢と、住民との協議の進め方を伺います。 都施行路線である補助133号線についても、(仮称)デザイン会議等の対話の取組が進められている最中であり、拙速な事業化は避けるべきと考えます。区として、都に対し、対話のプロセスを尊重し、地域資源の評価も含めた協議を尽くすよう求めるべきと考えますが、区長の認識と都への対応方針を伺います。 【問40】 7−3−④ 外環道 外環道事業は、沿線住民の暮らしや環境、災害リスク、振動等に伴う健康被害の発生など、大きな影響を与える事業であり、区民の不安や関心は極めて高い状況です。この間、工事を巡るトラブルや事故事例が相次いでいることも重大な問題です。区として、国の事業であることを理由に受け身となるのではなく、区民の立場に立って情報を集約し、国・事業者の説明責任を果たさせ、必要な働きかけを行う姿勢が求められています。 区は、外環道事業に対する区民の不安や疑問をどのように受け止めているのか、区として情報提供・相談対応・国・事業者への働きかけをどのように行ってきたのか。外環道をめぐる課題について、区民への情報提供を保障し、区民生活を守る自治体として、区が果たすべき役割をどのように強化していくのか、基本姿勢を伺います。 また、この間、地上部分に影響を与えないとしてした「大深度法」について、地上への度重なる影響の発生をどのように受け止めているのか、認識を伺います。 ■7−4 善福寺川上流調節池:流域治水と生活影響について 【問41】 7−4−①住民説明・情報公開の徹底、工事影響(騒音/振動/地下水)への対応、緑地・公園機能の確保(代替地、遊具、樹木保全) 次に、善福寺川上流地下調節池整備事業について伺います。 善福寺川流域では、度重なる浸水被害への対応として東京都が善福寺川上流地下調節池を整備する計画を進めています。 一方で、工事による騒音・振動・地下水への影響、緑地・公園機能の喪失や代替地の確保等について、不安の声が近隣住民から根強く寄せられており、都の説明形式や情報公開の在り方への批判もあります。例えば、説明形式がオープンハウス中心であり、地域が求める全体説明会や公開の場での議論が十分に行われていないとする指摘もあります。また、住民団体からは、計画案策定の手続きそのものが住民意見を十分に反映したものになっていないとして、対話の徹底を求める声も上がっています。こうした状況に鑑み、区としても住民の立場に立ち、都との協議のあり方を、住民にとって納得できるよう進めることが求められます。 善福寺川上流地下調節池整備事業について、区は近隣住民が抱えている、工事の騒音・振動・地下水への影響、緑地・公園機能の喪失、代替地の確保等への不安や懸念をどのように受け止めているのか、認識を伺います。 東京都側が行っている説明会・オープンハウス等の情報提供・住民説明の方式について、住民から寄せられている意見も踏まえ、区としてどのような改善を求めていくのか。また、緑地・公園機能の代替地、樹木・遊具の保全等をどう確保するのか、区として東京都にどのような要求を行っていくのか、区の認識を伺います。 あわせて、これまでの都の説明では神田川流域全体としての費用便益比B/Cが1.41と示されています。一方、住民からは、善福寺川上流地下調節池という当該事業単体でのB/Cを算出し、開示してほしいという強い要望が寄せられています。地域住民の合意形成を支える説明責任を果たすためにも、当該事業単体の費用便益分析を示すことは不可欠です。区として、東京都に対し、善福寺川上流地下調節池について事業単体でのB/C算出の開示を行うよう、明確に求めるべきと考えますが、区の認識を伺います。 8.気候危機対策 ■8−1 気候危機 【問42】 8−1−① 気候危機とカーボンハーフ達成への責任、岸本区政で何が変わったのか 次に気候危機対策について伺います。 地球温暖化に伴う豪雨災害の頻発や猛暑の長期化など、気候危機は深刻さを増しています。 2030年度までに温室効果ガス排出量を50%削減(カーボンハーフ)する目標達成は不可避であり、区は区民とともに総力をあげた取り組みが求められますが、区長としての基本認識を伺います。 その上で、前区政では計画目標の置き方や実績面で課題もある中 、岸本区政のもとで取り組み強化が図られ、前進が始まったと評価しています。区長として、この間の到達点をどのように総括しているのか伺います。 【問43】 8−1−② 実績の評価と今後のロードマップ 前進をどう2030達成に結びつけるか 岸本区政では、気候危機対策の財政投入や区民・事業者支援が大きく強化され、たとえば関連決算が2020年度から2024年度にかけて大幅に増加し、太陽光・蓄電池の助成件数も拡大しています。 一方で、2030年度までの期限が迫る中、これまでの前進の“延長”だけで達成できるのか、達成の道筋=区としてのロードマップ(重点分野・加速の方法・区民参加の広げ方)を明確に示す必要があります。 区長は、2030年度までの残り期間をどのように位置付けているのか。あわせて、目標達成に向けて取組を一層加速させるために、どの分野に重点を置き、どのような方策を講じていくのか、基本姿勢を伺います。 【問44】 8−1−③ 区の率先行動と情報公開 区施設の再エネ100%化、“自分ごと化”できる情報提供の徹底 区は区内でも最大級の電力使用主体であり、区立施設が調達する電力を2030年度までに再生可能エネルギー100%へ切り替えていくことが、区自身の責任として問われます。区長の再エネ100%化に向けた決意と、具体的な現在の到達と課題、年度ごとの到達目標等の工程を伺います。 併せて、カーボンハーフを“全区民参加の取組”にする上で大前提となるのは、分かりやすい情報提供となります。最新のCO2排出量や目標比、家庭・事業者が何をすればどれだけ削減に貢献できるかを見える化し、区民が目標を持って取り組める環境づくりが必要です。 区長は、情報提供・可視化・発信(透明性)の強化を今後どう進めるのか伺います。 9.人権・平和:自治体としての役割の積み上げ ■9―1 ジェンダー平等・多様性施策の前進と課題 【問45】 9−1−① パートナーシップ制度の拡充(事実婚等)とスケジュール感 次に、ジェンダー平等・多様性施策、とりわけパートナーシップ制度の拡充について伺います。 杉並区では、パートナーシップ制度の導入により、多様な家族のあり方を尊重し、当事者の尊厳を支える自治体として大きな前進が図られてきたと評価しています。実際に必要とする区民が、安心して利用でき、生活上の不利益を解消できる制度に向けて、対象のあり方や利用場面の拡大、周知の強化など、さらなる前進が求められます。 区長は、パートナーシップ制度を、事実婚を含め、より包摂的で実効性ある制度へ拡充することについて、どのような基本認識を持っているのか、伺います。また、当事者の声やジェンダー平等に関する審議会の答申も踏まえ、制度拡充の検討をどのように進め、条例改正等も含め、いつ頃までに一定の結論を得る考えなのか、区長の見解を伺います。 ■9−2 戦後・被爆80年を過ぎ、杉並からの平和発信の今後 【問46】 9−2−① 原水爆禁止運動発祥の地としての継承・普及 最後に平和施策について、伺います。 昨年の戦後・被爆80年を振り返り、核兵器の非人道性を世界に訴え続けてきた運動の歴史と記憶を、今後も次世代へ継承することは、自治体としての重要な責務です。 とりわけ杉並区は、原水爆禁止運動発祥の地として、平和の取り組みを積み上げてきた歴史を持ちます。 この価値を、単なる「記念」にとどめず、未来につながる「教育・継承・発信」へと発展させることが求められます。 区長は、原水爆禁止運動発祥の地である杉並区の歴史をどのように位置づけ、どのような事業・教育・発信を通じて継承と普及を進めてきたのか、認識を伺います。 あわせて、若い世代が「自分ごと」として平和を考える機会の確保が重要です。学校教育や社会教育、区民参加の取り組みの強化について、区長の認識を伺います。 以上、再質問を留保し、代表質問を終わります。 |
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