議会質問 |
> indexに戻る |
2025年杉並区議会第3回定例会一般質問(山田耕平)(2025年9月9日) |
9月9日の本会議で山田耕平区議が一般質問に立ちました。その際の質問全文を掲載します。 答弁を含めた一般質問の様子は、以下のリンクからご覧になれます。 ★リンク ⇒ 本会議の録画中継 (会議終了からおおむね24時間後(土曜日・日曜日・祝日を除く)に、「速報版」をご覧になれます) 日本共産党杉並区議団を代表して、都市計画道路、外環道、水害対策・善福寺川上流調節池について、一般質問します。 1.都市計画道路 1−1 はじめに、都市計画道路についてです。 「東京における都市計画道路の整備方針(仮称)中間まとめ」が示されました。今後、優先的に整備する路線を定めるものであり、住民生活にも直結する重大な方針となりますが、計画検討段階での住民意見の反映や検討に関わる情報の開示が不十分であり、この問題は先の第二回定例会一般質問でも取り上げてきました。 今なお、具体的な検討スケジュール等が示されていないことは問題があることを指摘するものです。 今後のスケジュールについて、第四次事業化計画時のスケジュールを踏まえれば、中間まとめ・パブリックコメントを実施、寄せられた意見を反映し「東京における都市計画道路の整備方針(事業化計画)(案)」にて個別路線を反映(冬頃の見込み)→パブリックコメント実施、年度末に計画案確定、確定後都市計画審議会に報告となることが想定されます。 東京における都市計画道路の整備方針(仮称)について、第4次事業化計画と同様の流れとなると見込まれますが、中間まとめ以降、事業化計画策定までのスケジュールの見通しを確認します。 1−2 中間まとめについて、基本理念や基本目標は、従来通り道路の必要性を示すものとなっています。道路選定の指標も従来型とほぼ同じものであり、検証項目についても、道路を作るための項目となり、地域の実情に寄り添うものにはなっていません。特に住民の暮らしや、その街の歴史などに配慮する姿勢がないことは課題があると考えます。 また、減少を続ける交通量などについても実態等が考慮されておらず、例えば、全国の自治体における交通量減少・人口減少などに着目した都市計画道路見直しの方向性からも大きく異なるものとなっています。 今後、都内の各自治体と具体的な都市計画道路の選定について協議をすることになりますが、年内には事業化計画を発表する見通しでもあり極めて短いスケジュールです。各自治体との丁寧な協議が行なわれるとは到底思えない状況です。 「東京における都市計画道路の整備方針(仮称)中間まとめ」について、減少を続ける交通量の実態等が考慮されておらず、道路整備による住民の暮らしへの影響や街並みや文化への影響についての観点も弱いと考えますが、杉並区として「中間まとめ」をどのように評価しているのか、また、中間まとめの策定にあたり、どのような意見を上げたのか認識を伺います。 1−3 先の一般質問において、杉並区は「東京における都市計画道路の整備方針」の検討内容や方針策定までのスケジュールに関する情報提供を東京都に求めており、パブリックコメントだけでなく計画検討段階で住民意見が反映できる仕掛けや手法を取り入れるよう要望しているとのことです。重要な観点と考えますが、具体的な取り組みへの反映や検討状況について、認識を伺います。 1−4 今後、東京都と各自治体が具体的な都市計画道路の整備について協議を進めることになると考えますが、杉並区はどのような意見を上げるのでしょうか。杉並区独自の効果検証や、そこに寄せられた意見について、都の道路選定にどのように反映されるのか伺います。 特に、第五次事業化計画における道路の選定において、現在、(仮称)デザイン会議などにおいて住民が地域のまちづくりにおいて意見交換をしている路線については、現計画をさらに進めることの無いよう求めておきます。また、第四次事業化計画において、優先整備路線として選定されていたとしても住民との合意形成の無い路線については、選定の見直しを求めるものです。 1−5 この間、杉並区独自に実施した区内の都市計画道路の25の評価指標について、オープンハウスが実施されましたが、この間も指摘した通り、道路を整備した際の効果に焦点が当てられています。 この区独自の指標に対して、住民から様々な意見が寄せられています。全体として共通していることは、道路を整備することによる商店街やコミュニティの喪失につながることへの効果検証が無いことを懸念する声です。 例えば、補助132号線に関わる声では、 「全体的に道路が主で、デザイン会議などで出ている商店街、環境などがあまりない。」 「拡張道路には多くの商店会がある。一つを取り上げても、拡幅後には60店から20店に。防災拠点の商店街がなくなりコミュニティの破壊につながる」 「《西荻地域の整備効果》のパネル内容について観点のくらし・活力に関して、商店街のにぎわいなどにどう影響するかの視点がないように思われます。効果だけでなく、課題も同列でおこしていただいた方が良いかと。」 など、同趣旨の声が多数寄せられています。 区独自の効果検証に関して、デザイン会議やオープンハウスなども含め、杉並区にはどのような意見が寄せられているのか伺います。また、寄せられた意見については、区HPなどでも公表する必要があると考えますが認識を伺います。 1−6 先ほども取り上げた通り、道路を整備することによって喪失する歴史や文化、商店街の魅力や賑わい、街並みなどは、今回の効果検証の評価対象となっていません。この点について、住民意見に基づき評価すべきという声が寄せられています。 先の一般質問において、区長は、まちづくりにおいては「景観」「賑わい」「歴史・文化」「生態系」など、定量化が困難でも区民生活にとってはとても大切なテーマは他にも多くあると答弁しましたが、これは重要な観点と認識しています。都市計画道路の整備によって喪失する可能性がある、これらの地域資源の重要性について区長の認識を伺います。 特に、道路を整備することによって喪失する商店街の魅力や賑わい、街並みなどについては、地元住民や利用者と直接、意見交換することによって評価する必要があると考えますが認識を伺います。 これらの観点も踏まえ、「区内の都市計画道路の効果検証について」は、オープンハウスだけではなく住民説明会等の開催も検討すべきと考えますが認識を伺います。 1−7 都市計画道路沿線の住民や(仮称)デザイン会議に寄せられた意見において、各地の事例調査や研究、地域課題のメリット・デメリット等について、専門家を交えた学習を求める声が寄せられています。 都市計画道路に関する学識経験者を招いたシンポジウムや講演会(学習会)の開催など、住民が知見を深められる機会を検討するべきではないのか認識を伺います。 1−8 西荻窪、高円寺、南阿佐ケ谷の各地域を対象に、参加者や地域住民が主体となり、杉並区と共にまちづくりの検討の場として「(仮称)デザイン会議」が開催されています。 西荻地域の仮称デザイン会議において、補助132号線の道路用地としての空地に対して、商店街活性化やグリーンインフラの実践につながる空地の活用を求める声も寄せられています。空地の活用方法について、仮称デザイン会議で寄せられた意見に基づいた場合、どのような活用が考えられるのか、認識を伺います。 1−9 (仮称)デザイン会議の開催について、現在停止している南阿佐ヶ谷地域・補助133号線のデザイン会議と運営会議を再開する必要があると考えますが、認識を伺います。 1−10 (仮称)デザイン会議の開催について、補助221号線について、参加者が増えているため、運営スタッフを改めて募集してほしいと考えますが、認識を伺います。 以上、3点について、仮称デザイン会議の運営に関してい、区の認識を伺います。 次期事業化計画の策定は、今後十数年の杉並区のまちづくりにも大きな影響を与えるものです。住民意見を反映する努力を尽くすよう求めるものです。 2.東京外かく環状道路をめぐる問題 2−1 次に外環道について伺います。 この間の住民説明会において開通見通しに関する質問では、開通時期の見込みが立っていないと説明されました。その要因として、調布市の陥没事故箇所において掘進再開の目途が立たないためと説明されています。そもそも、開通・供用開始の見通しが無い状況で、大泉JCT側のシールドマシンの掘進のみを先行させるべきではないと考えます。 改めて確認しますが、外環道のシールドマシンの杉並区内到達時期と区内の掘進状況の見通しを伺います。 また、外環道の開通・供用開始の見通し、大泉JCT発のシールドマシンと東名JCT発のシールドマシンの掘進状況を伺います。 陥没事故を起こした東名JCT発のシールドマシンについて、陥没事故現場での掘進再開に向けた状況はどうなっているのでしょうか、認識を伺います。 2−2 この間、杉並区議会の議員有志で「杉並区内での掘進を開始する際、外環道掘削工事等に関する相談コーナーを杉並区内に設置すること」「区内での掘進を開始する前に情報の透明性確保に努め、オープンハウスとは別に地元説明会を開催すること」を求めました。これらの要望も受け、住民説明会が2回開催され、多くの住民が参加したことは重要なことと受け止めています。 しかし、運営上は様々な課題があったことも指摘してきます。例えば、体育館内の説明会場は大変な暑さで、環境は劣悪なものでした。暑さのために途中退席する住民複数名からお怒りの声を聴きました。説明会がオープンハウスと同時開催であったために、体育館内のスペースが大幅に狭められたことが原因の一つです。議員有志の申し入れでは、オープンハウスとは別に住民説明会の開催を求めており、この点では問題があったと感じています。 説明会自体の時間も短く、時間切れとなり、手を挙げても当てられずに帰る参加者もいました。二日目については、外環沿線町会のさくら町会の盆踊りと同じ日であり、町会関係者の多くが参加出来ず、改善を求める声が上げられていました。 また、当初18時までの開催としながら会場は20時まで確保、そのことを事前に通告せず、多くの住民参加者が帰宅して以降、時間延長する運営となりました。参加者に対する説明の機会を減らすような開催方法には問題があると考えます。 住民説明会を2回に亘り開催したことは重要なことですが、この2回の説明会の開催には課題があると考えます。杉並区は、今回の説明会の開催をもって、外環事業が住民の理解を十分に得られたと考えているのか、認識を伺います。杉並区内へのシールドマシン到達が11月以降となるため、改めて、区内掘進開始の前に住民説明会の開催を求めますが、認識を伺います。 2−3 この間、大泉側本線(北行)カラッキィーについて、掘進速度が低減することになりました。シールドマシンのカッタートルク(回転力)が徐々に上昇したことに伴い、地上への影響を発生させないために掘進速度を低減したと説明されています。原因としてシールドマシンのカッタービットが粘性土の固着による影響を受けたとのことです。この対応として、受注発注者の本社も含めた「緊急対策チーム」が構築されたと報告されています。 当初、8月お盆明けに杉並区内到達とされていた工事工程は、粘性土の影響により2度に亘り、遅れることになりました。カッタービットに粘性土が固着し礫層での掘進速度が低下することを事業者は予測していたのか、認識を伺います。 2−4 これらの情報はトンネル施工等検討委員会に7月25日(金)に報告されました。一方、緊急対策チームの構築は、本年4月頃との説明を受けており、約3カ月程度の期間、緊急対策チームを構築するなどの情報が明らかにされていませんでした。 緊急対策チームの構築について、杉並区に情報提供があったのはいつ頃なのか伺います。 掘進速度の低減については、先の第2回定例会一般質問においても取り上げており、その時点で既に「緊急対策チーム」を構築する状況でありながら、情報が明らかにされなかったことになります。このような事業者の姿勢は極めて問題があるのではないのか、区の認識を伺います。 また、本来であれば、通常の掘進と異なる状況が発生した際には、直ちに、関係自治体への報告やトンネル施工等検討委員会に報告するべきと考えますが、区の認識を伺います。 2−5 次に家屋調査について伺います。 シールドマシンの杉並区内到達が迫るなかで、外環の家屋調査はどの程度進められているのか認識を伺います。新たに家屋調査を実施した件数、以前、家屋調査を実施し改めて調査を実施した件数等、詳細を伺います。 また、町会で調査を実施していなかったさくら町会について家屋調査をめぐる進捗状況を伺います。 3.水害対策・善福寺川上流調節池について 3−1 次に、水害対策と善福寺川上流地下調節池について伺います。 はじめに、7月10日に発生した大雨に伴う被害状況等について、被害の概要と水防活動状況を伺います。 173−2 7月10日の豪雨では、記録的短時間大雨情報が発表される深刻な事態となりました。時間雨量は93ミリとなり、豪雨対策の強化として示される時間75ミリを超えている状況です。 中杉通り地下の雨水貯留管(2,400㎥)は100%貯留されましたが許容量を超える状況となりました。この事態は、第二桃園幹線が完成するまでは起こり得る水害です。再発防止のために何ができるのか?検討することが求められます。7月10日の浸水被害の要因と対策を確認します。 特に、当日の排水溝の詰まりによって排水に支障が出たとも聞いています。近隣の町会、商店会への排水溝清掃の協力依頼、浸水発生の可能性がある場合の杉並区の見回り、排水溝清掃の周知等が必要と考えますが認識を伺います。 3−3 7月10日の浸水被害においては、始めてロゴフォームを通じた被害実態の情報提供が取り組まれました。今後の水害対策にも資する取り組みと考えます。ロゴフォームを通じた情報提供の取り組みはどのように検討されていたのか、認識を伺います。また、7月10日に発生した大雨に伴う被害状況の把握に関しては、被害情報投稿フォームにはどのような情報が寄せられ、どの程度の効果を上げたのか確認します。 今後の水害被害実態の把握に向けて、どのように運用されるのか認識を伺います。 4−1 令和7年1月22日、東京都市計画河川事業第8号善福寺川、善福寺川上流地下調節池工事が事業認可されました。善福寺川上流調節池工事について、現在の進捗状況を伺います。また、区分地上権設定の状況について、進捗状況を伺います。 4−2 杉並区は、令和6年1月26日付で「東京都市計画河川第8号善福寺川の変更について(回答)」において、都市計画決定された場合の事業の進め方について「事業認可までの間に(中略)事業に関する説明会を区と連携・協力して確保するよう強く要望します。」「地域住民の声を聴取したうえで、その後の設計・施工にあたってはできる限り反映することを要望します。」との意見を付しました。この意見は重要なものであったと認識しています。一方、事業認可後には、オープンハウスも開催されましたが、住民や地権者に対する説明責任が果たされたと言える状況ではありません。 令和7年7月4日には都と区の間で「善福寺川上流調節池の整備係る基本協定書」が締結されていますが、工事にあたっての基本的事項が示されたのみです。 杉並区として、これまで都に求めた要望の観点に基づき、地域住民への意見聴取と計画への反映に取り組む必要があると考えます。 改めて確認しますが、 杉並区は、令和6年1月26日付の要望の願意は達成されたと考えているのか認識を伺います。 また、改めて、オープンハウスではなく参加者が一堂に会する住民説明会の場を確保することが必要と考えますが区の認識を伺います。 4−3 なお、今後の説明会については、これまでのような「事業者側からの一方的な説明を受け住民が質問する」という従来型の説明会ではなく「住民の質問に対して行政が回答する」説明会に改め、住民と行政が意見交換できる場として機能するよう、改善が求められると考えますが、区の認識を伺います。 4−4 住民への情報提供や説明責任を果たす上で、この間、住民から情報開示が求められていた善福寺川上流地下調節池の費用便益分析B/Cについて、神田川流域河川整備計画全体の費用便益分析だけでなく、善福寺川上流地下調節池の費用便益分析を単体で示す必要があると考えますが区の認識を伺います。 4−5 湧水保全の取り組みについて伺います。原寺分橋付近に調節池施設を整備することによる湧水への影響が懸念されています。どのような調査や湧水保全の取り組みが検討されているのか伺います。 シールドマシン工事において、リニア中央新幹線工事での水枯れの発生や広島市では地下帯水層を突き抜けたことによる出水事故など、全国各地でトラブルが相次いでいます。住宅街でのシールドマシン工事のリスクを十分に検証することを求めるものです。 4−6 区分地上権者への対応について伺います。 事業認可後においても、シールドトンネルの区分地上権者と周辺住民に対して、シールドトンネルの設計仕様に関する説明の場が設定されていません。シールドトンネルがどのような仕様で設置されるのか、地権者及び近隣住民全員が情報共有できる説明の場を早急に確保すべきと考えますが、認識を伺います。 4−7 原寺分橋周辺(特に井荻公園の東側)では、毎年大雨時の際に内水氾濫が発生し道路冠水や家屋の浸水被害が発生しています。私が議員となって以降も、例えば2014年6.7月には集中豪雨が相次ぎ、建物への被害も発生している状況です。最近では、2024年7月には、マンホールからの内水氾濫により浸水被害が出ました。 当該地域は、武蔵野市側(高所)から都下水道が接続・流入しており、集中豪雨の際には杉並区側(低所)に大量の雨水が流れ込むことにより内水氾濫が発生しています。 この間、武蔵野市が、現在流入が集中している幹線への下水を増補管渠(かんきょ)を整備し、流下能力に余裕のある他の下水幹線に振り分ける工事を行い、下水道流量を調整、水害対策とする工事が計画化されましたが、計画が中止されるなど、対応が不十分と考えます。 流域治水の観点に基づき、近隣自治体(武蔵野市)としての水害対策を強化することが求められますが、区の認識を伺います。 また、西荻北四丁目・井荻公園周辺において発生する内水氾濫に対する杉並区の対応、武蔵野市の下水道の水位計・監視カメラの設置状況と調査内容を伺います。昨年より東京都下水道局が工事している下水管新設事業の詳細と善福寺川上流地下調節池との関連性を確認します。 武蔵野市内における雨水貯留管の新設及び公共用地を使用した調整池を建設することで大雨時の下水流入を大幅に低減できると考えますが区の認識を伺います。 4−8 善福寺川上流地下調節池工事により、区立関根文化公園の大部分が使用出来なくなります。 区立関根文化公園の周辺については、子どもたちの遊び場が減少しており、近隣の桃三小PTA関係者からも、遊び場の減少を懸念する声が寄せられています。区立関根文化公園の代替用地の確保は、どのように検討されているのか、区の認識を伺います。 以上、区の答弁を求めます。 なお、今回取り上げた質問項目は、杉並区の区政運営上、大きな課題となっている点です。 杉並区が真摯に住民との協議を尽くし、計画見直しも含めた対応を検討することを求め、再質問を留保し、質問を終わります。 |
Tweet |
このページの先頭へ ▲ |