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「6陳情第14号杉並区での公有地でのAV撮影の禁止を求める陳情」を不採択とすることに対する賛成討論 |
6月21日に開かれた杉並区議会第2回定例会・本会議にて、「6陳情第14号杉並区での公有地でのAV撮影の禁止を求める陳情」に対する採決が行われました。事前に開催されていた都市環境委員会では「不採択にすべきもの」との委員会決定が出ており、本会議では委員会の決定に対しての賛否が問われ、「不採択にすべきこと」に賛成36名、反対10名で当該陳情を「不採択」とすることに決定いたしました。 採決の際の討論にて、党区議団のくすやま美紀議員が「不採択にすること」に賛成の立場から討論を行いました。 「6陳情第14号杉並区での公有地でのAV撮影の禁止を求める陳情」を
不採択とすることに対する賛成討論 2024年6月12日
日本共産党杉並区議団 くすやま美紀 日本共産党杉並区議団を代表し、「6陳情第14号杉並区での公有地でのAV撮影の禁止を求める陳情」について、不採択とすることに賛成の立場から討論を行います。 本陳情は、区内すべての公有地において、撮影するシーンの如何にかかわらず、AV全ての撮影の禁止を求めるというものです。 現在、杉並区の区立公園条例では、AVに限らず映像の撮影など、物件を設けない占用を行う場合、占用許可申請を行うことが必要とされています。その際、区は、申請された書類から使用目的や作品の概要等を確認し、暴力行為や公序良俗に反するものが含まれていないかを確認し許可しています。 今回の陳情にかかわる撮影について、制作会社が区への申請を行わずに実施したことは問題ですが、区として制作会社に抗議し正式に謝罪を受けていること、公園での撮影については公序良俗に反する行為そのものは行われていなかったことは、これまでの区の答弁でも明らかです。また、道路上で撮影する場合には、道路交通法を守る必要があり、道路使用許可手続きをおこなう必要があります。今回、杉並区の公道で撮影されたとされる作品については、警察に確認し、道路使用許可を取っていないものであったことが判明していますが、この点についても、杉並区は制作会社に対して事実確認を行い、制作会社は配信の停止をおこなっています。 陳情者は、撮影するシーンにかかわらず、AV全ての撮影の禁止を求めていますが、暴力行為や公序良俗に反する利用は現行のルールによってすでに制限されており、正当な理由なく公有地の利用を一律に制限することは、憲法で保障されている表現の自由や、その他のあらゆる活動を制限することに繋がる恐れがあると考えます。区の答弁でも、法律の専門家からもこうした指摘とともに、慎重な判断が必要との見解を受けていることが述べられました。 女性や子どもを商品として性的搾取することが許されないことは当然ですが、公有地における表現活動を制限することは別問題であり、現行の区の条例の枠組みの中でも適切に対応していること、特定の内容について撮影を禁止することについては慎重であるべきと考え、本陳情については都市環境委員会の決定通り、不採択を主張します。 社会の中に性別による格差、不正義が根強くあり、女性の権利が尊重されず、性が気軽に商品化され、性産業もまた性搾取に加担していることは大きな問題です。性の商品化が、日常の中であまりにも多く目に入ること、性犯罪などの被害に女性や子どもが多く遭うことなど、女性や子どもの権利は日ごろから脅かされています。そのことで陳情者を含む多くの女性も不安を覚えていることには強く共感を示します。公園や公道を含む杉並区内で、公序良俗に反するシーンの撮影などがおこなわれていた場合には、どこに連絡をしたらいいかなどの情報発信を適切におこなうこと、不安を覚える状況があった場合には公園の見回りの強化や警察との連携も適切におこなうことが必要だと考えます。また、公園の占用許可申請に関してもわかりやすい情報周知を心掛けることを、区に要望します。 陳情者からの配布資料の取り扱いについて、述べます。 今回の陳情審査に際し、陳情者から追加で配布された資料は驚くべきものでした。AVの性行為シーンの写真がカラーで10点、マスキングされずに掲載されていました。わいせつ物頒布等罪にあたるのではないかとの指摘もあります。実際、資料をみせられた委員からは、非常に不快、常軌を逸している、などの声があがっています。性的な写真を見るか否かは見る側が選択するものです。しかし、今回、委員や職員への許可をとることなく配布されたことは、見たくない側の権利を侵害するもので、セクシュアルハラスメントに該当します。委員や職員の人権も守られるべきと考えます。 さらに、陳情とはまったく関係のない、SNS上にアップされている個人が特定できる顔写真を無断で流用し、あたかも陳情と関係があるかのように結びつけた資料も配布されました。内容は、今回の陳情にある杉並区立公園で撮影されたAV作品とは別の作品の直接的な性的表現のある場面写真と、無断で掲載された一般区民を含む個人を特定できる写真を並べて掲載したものです。これは「アダルト作品の制作に関わる人」という属性を持って、個人を貶めるためにおこなったことであると言わざるを得ません。個人への誹謗中傷にあたります。 これらの資料が配布されたことは、不適切であったことを指摘します。 陳情者からの配布資料について、原則として陳情者の意思は尊重すべきですが、内容の如何にかかわらず要求通りにすべての資料を無条件に認めるべきではないと考えます。委員長からは「どういう対応ができるのか議運理事会等に投げかけていく」との発言もありましたが、今後の議会運営の改善すべき課題として議会運営委員会等で早急に協議することを求めます。 最後に、田中ゆうたろう議員の発言内容について抗議します。 発言のなかで、陳情の内容に関係のない発言、個人を誹謗する発言、わが党区議団をはじめ、公党や他会派議員を侮辱する内容が含まれていました。会派として抗議するとともに、発言の撤回と関係者への謝罪を求めるものです。また、再三にわたる議長からの注意があったにもかかわらず、議長の議事整理権を無視し、発言を続けたことも問題だと指摘します。 議長におかれましては、田中議員の発言内容を精査していただくことを要望し、討論を終わります。 以上 ダウンロード用のPDFファイルはこちらです。 (「6陳情第14号杉並区での公有地でのAV撮影の禁止を求める陳情」を不採択とすることに対する賛成討論) |
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