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2024年杉並区議会第二回定例会一般質問(和氣みき) |
日本共産党杉並区議団を代表して 1.区立公園について 2.生活保護について 質問いたします。 1.区立公園について 区立公園についてお聞きします。 1878(明6)年、公園制度がはじまり、10年後、東京都市区改正条例が交付、これが都市計画法制の出発点で、こんにちの「都市計画」にあたります。翌年、日比谷公園他48公園が開設し、1933年昭和に入り公園計画標準が定められて現在の公園の種類の原型が示されました。早速、杉並区でも1937(昭12)年最古の区立公園荻窪公園が開園されました。 戦後の高度成長期は、日本中が新たなくらしに向かい希望を抱いて進んだ時代であり、その当時の人々が憩う場所は現代ほど選択肢もなく、労働者や子どもたち、おとなたちの井戸端会議の場所が公園であり、せわしい時代の公園空間は憩いの場所そのものだったと記憶しています。 都市公園は、都市公園法に基づき、公共の福祉増進に資することが目的とされ、地方公共団体、国が設置する公園として150年をむかえました。 都市緑地法で、都市公園の公園整備・管理の方針は緑の基本計画に定めることになっているため、区も今後、「多世代が利用できる公園づくり基本方針」を「みどりの基本計画の改定に合わせ、計画を包括することを予定」としています。 時代と共に公園需要は変化しているのか、公園の在り方も見直す時ではないでしょうか。 区民一人当たりの公園面積を確認します。 Q1-1 杉並区立公園条例は、1人当たりの敷地面積の標準を5㎡以上と定め、総合計画によると昨年4月時点では2.27㎡であり、条例で定めた標準面積の半分以下というのが現状です。 最初に現状をお聞きしますが、本年4月1日現在で、住民一人当たりの敷地面積は何㎡なのかうかがいます。 また、昨年度一年間で、区内の公園面積は何㎡増加し、現在の公園総面積は何㎡なのか、確認します。 Q1-2 総合計画・実行計画では、「区民一人当たりの公園面積は横ばいとなっています。みどりを増やし、災害に備えたオープンスペースを確保するために、更に公園整備を進める必要がある」と示しています。 現在の総合計画の最終年度である2030(令12)年度の目標は2.47㎡、7年間で0.2㎡増加達成をするためには、具体的にどのような取組みをおこなうのかお聞きします。また、一人当たり面積を0.2㎡増加させるためには、公園面積を何㎡増加させる必要があるのか、おうかがいします。 Q1-3 本年の予算委員会の資料請求で提出いただいた23区中杉並区の公園等区市町村別面積は、総合計で一人当たりの面積が、2.19㎡で23区中では19位、新たに提出いただいた7地域別の一人当たり面積の資料では、広い面積の順から高井戸2.73%、井草2.29%、方南和泉1.83%、高円寺2.36%、荻窪1.62%、阿佐谷1.59%西荻1.50%であり、高井戸と西荻窪では1.23%の差があります。 この面積の偏在化を解消していく必要があると考えます。公園の偏在解消の必要性について、区としての認識を確認するとともに、解消に向けて具体的にどのような取り組みが必要と考えているのかうかがいます。 Q1-4 公園の増設に関連して、高円寺南3丁目の廃止された公務員宿舎跡地について確認します。当該地域では独立行政法人国立印刷局の宿舎が2カ所廃止となっています。宿舎は「阿佐谷南・高円寺南地区防災まちづくり計画 」の対象地域に存在しており、同計画で挙げられている「まちかど広場や公園を整備」等の具体的な取り組みに 則して 地域防災力の向上を目的とした跡地活用が求められます。2022年には党区議団から区として有効活用できるよう国と交渉することを申し入れしました。防災公園等への活用への交渉は現状どうなっているのか、確認いたします。 公園の在り方についてうかがいます。 杉並区立公園は、約300を超えます。都立公園について、国土交通行政の動向では「快適な暮らしに資する都市公園等の機能の充実」が示されており、都市公園等においては、身近な自然的環境とのふれあいの場や健康づくりの場等、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の人々が都市空間で快適に暮らすためのニーズに対応するため、健康運動施設の整備や公園施設のバリアフリー化等を行うとともに、都市の安全性を高めるため、オープンスペースの確保を推進している」とあります。 杉並区の2023(令4)年10月の「区民意向調査」でも、「遊具をもっと増やしてほしい」「公園のバラエティに富んだ遊具の整備」など意見がありました。わたくしもこの間、公園について多世代から意見をうかがいますと、 Q2-1 あずま屋や、藤棚など樹木の下で本を読みたい、簡単な机とベンチがあればもっといい、冷房に疲れた体には光を遮った屋外での休息が必要、という声です。あらためてこういった需要に応えた公園の整備・増設を求めますが見解をうかがいます。 昨今、人々はコロナ禍、気候変動、物価高騰により様々なストレスにさらされています。 Q2-2 区立公園が区民にとって憩い、健康的に身の置ける場になっているのか国土交通省が示す「快適な暮らしに資する都市公園等の機能の充実」をどのように考えているのか確認します。 公園のみどりについてお聞きします。 2004(平16)年、都市公園法改正により都市緑地法に定める「緑の基本計画」に「都市公園法の整備方針」が計画事項に追加されました。公園とみどりは切っても切れない重要なパートーナーであるといえるのではないでしょうか。 今年度には「杉並区みどりの基本計画を改定」することとしています。 2023(令4)年「杉並区みどりの実態調査」でおこなった区民意識調査の中で「みどりの量を増やすためには、どのような取組がもっとも効果があると思いますか」との問いに対し、区民からは、用地買収して公園緑地を増やす 30人 19.6%公共施設の緑地面 積や樹木を増やす 62人 40.5%と、いずれもみどりを求める声が高くなっています。公園に緑が必要であり、求められていることがわかります。 また、2022(令4)年度「杉並区みどりの実態調査報告書」の中には、杉並区の航空写真と共に2006(平18)年8月29日午前10時頃の人工衛星からみた杉並区(夏季)の都市熱状況の画像が掲載されています。緑におおわれた公園などは青く、それ以外の土地はほぼ真っ赤な高温を示しているのにおどろきます。その当時から16年経った現在はどうなっているのか、いずれにしても公園の緑化は必要だと考えます。 Q3 区民が快適に公園を利用するために、公園の緑をうまく活用して、できるだけ強い日差しなどで身体への負担がかからないよう、樹木の下にベンチや遊具等を移動するなど、配置の再検討も必要なのではないかと考えます。認識をうかがいます。 高齢者の公園活用についてうかがいます。 少子高齢化が加速し、子どもの居場所の必要性と同様に大切なのは、高齢者のくらしと健康を守り、充実した日々を送っていただくために何ができるのかということです。それは、日本が世界一高齢者の多い国であるという現実であり重要課題です。その観点から以下お聞きします。 区の高齢者の現状について、2023(令5)年総人口約57.1万人 に対し高齢者人口約2万人 (約21.1%)、 2070(令52)年総人口約49.5万人に対し高齢者人口約14.7万人 (約29.8%、総人口約7.6万人減(約86.7%)となる中で、4人に1人が高齢者 になると見込まれています。 高齢者の健康への認識はどうなっているか、2023(令5)年12月「杉並区生活習慣行動調査」では「自分の健康づくりを行っていくうえで、どんなことを期待しますか」との問いに対し10項目の選択肢の中で「気軽に運動やウオーキングができる環境の整備」が70歳以上男性では48%、女性53%と、2014(平26)年〜2022(令4)年の4回の調査で常に一番の選択となっています。 内閣府の「令和4年度高齢者の健康に関する調査」では、健康面で日頃心がけていることについて、散歩やスポーツをする50.9%、日頃からの身体の動かし方として、ウォーキングをする40.8%、運動をする(ジョギング、水泳等)17.6%など、これらの結果からも高齢者が運動環境を求め、健康維持の意識が高いことが示され、高齢者施策で重要な観点であると考えます。 区の運営として屋内では「ゆうゆう館」「コミュニティふらっと」「高齢者活動支援センター」があり、大切な運営です。屋外の高齢者の居場所はどうでしょうか。 昨年、わたくしにも高齢者から「子どもたちが使う公園も大切だけど、公園の隅が空いているからそこに大人が使える遊具を置けないか」と要望があり、過去の議会でも各会派から「健康遊具」の設置の要望が届けられています。 わたくしも1年間区立公園を訪れ、何件かの公園で大人の遊具がなく子どもの遊具を使い、ぶらさがって体を伸ばしてはいるものの、サイズが合わずひざを曲げていたり、ジャングルジムでぶらさがり、横棒が背中にあたって痛そうな光景を見て「使いづらくないですか?」と話しかけると、「おとな用ほしいね」とのお応えでした。 Q4-1 そういう視点で公園の利用を考えると、家計への負担もなく活用できるのが公園の「健康遊具」です。 杉並区の公園に設置されている大人用「健康遊具」とはどういうものか、また区としてどのような目的で設置しているのかお聞きします。 このたび、区議会事務局を通じ、23区の健康遊具の設置情況を調査しました。 設置上位は、江戸川区公園数493のうち全遊具2377基 健康遊具23.9%でした。港区20.9%、千代田区19.7%、足立区18.8%、練馬区17%と続いています。 Q4-2 杉並区は63か所10.4%で、23区中15位と23区では遊具の設置は高いほうではありません。 おとなの健康遊具を増やしていく必要があると思いますが見解をお聞きします。 高齢者の健康遊具について、理学療法士の方に聞き取りをおこないました。 例えば「ストレッチは高齢者の身体機能の向上に有用で、昨今、話題である身体的フレイル=虚弱の対策につながる可能性があり、公園の健康遊具を活用することで高齢者の社会的な紐帯(ちゅうたい)が形成されることがあれば、社会的フレイル(交流機会の減少による脆弱(ぜいじゃく))対策になり得るかも知れません。公園の健康遊具の使い方、勉強会などあると利活用も進むのではないか」との提案がありました。 Q4-3 公園の具体的な取組が高齢者に周知され、とてもいい提案かと考えますが、わたくしからも公園の健康遊具の使い方の勉強会等を開催することを要望しますが、見解をお聞きします。 他の地域で公園におけるおとなの「健康遊具」にどのような取組みがあるのか調べると、一部ですが 世田谷区の北部・南部版健康器具マップは公園ごとに健康遊具の種類を表示し『高齢者の健康』を目的として作成されています。 神奈川県大和市は、2015(平27)年度から3か年計画で「健康都市」をうちあげました。人口約24万人のうち大人向け健康遊具は市内約114か所の公園に363基32種類が設置されています。健康づくり推進課では、年間40回程度健康遊具を活用した講座を実施し、ストレッチYouTubeチャンネルを作成しています。また、健康遊具の使用で健康ポイントがたまったり、ウオークラリーでポイント加算など、我が党の市議の聞き取りによれば市でも高齢者やおとなに野外で動いてもらう施策に躍起になった、といいます。 Q4-4 大阪府吹田市では、健康医療をコンセプトに介護予防が期待できるとして「生活習慣改善推進事業」で健康遊具等やウォーキングで健康づくりマップを作製しています。 杉並区の公園マップには健康遊具の設備マークがありませんが、ぜひ、掲載して活用いただけるよう提案しますが見解をお聞きします。 2018年世界都市公園会議(WUP)は、「都市とコミュニティの変革により高齢者が住みやすい社会を提供し支援する」との声明を出しました。 2021 年5月に公表されたウェルビー宣言は、公園やグリーンスペースが 都市計画と都市経営で重要となる 12 の事柄についてまとめられ、公園は国民生活において最も民主的な空間であり、世界都市公園会議をはじめとする関係者の認識は、 「公園、緑地、自然地域が私たちの精神的および肉体的健康にプラスの利益をもたらすこと、すべての年齢の人々が恩恵を受けるように公園設計および管理する方法を市民及び施策決定者に理解できるよう支援することである」というものです。 Q4-5 杉並区が地域の意見を取り入れながら、区立公園の健康ビジョンをうちだし、大人用の健康遊具で健康施策も充実させていただきたいと考えますが、見解をうかがいます。 区立公園の質問の最後に、公園のトイレについて確認いたします。 Q5 多くの公園のトイレが老朽化し、子どもたちが利用を嫌がるという声が届いています。また、和式主体のトイレは高齢者には不便であり、多世代の公園利用ということであれば公園トイレの洋式化を早急に進める必要があると思いますが見解をうかがいます。 また、杉並区発行の2023(令5)年版「ぱーくまっぷ」を確認すると「バリアフリートイレ」は46か所に設置されています。バリアフリー化を進めるため設置可能な公園には早急に「バリアフリートイレ」の設置を要望しますが、認識をうかがいます。 2.生活保護について 生活保護行政についてお聞きします。 昨年から杉並区の生活保護行政の扶養照会について、照会を拒む被保護者の意見が尊重され、また、生活保護制度の周知ポスターでは、「だれもが相談・申請することができる」ことを全面に押し出し実現されました。生活困窮者に寄り添う施策の前進と認識しています。 日本共産党は、生活保護制度について憲法を生かし、国民の命・くらし・人権を守る制度と考え、さらなる改善・強化に尽力しています。生活保護行政は根本に弱い立場にある人に寄り添い、その観点においてもくらしと命を守ることが自治体の責務であると考えます。 昨今、この生活保護行政で大きな社会問題がおこりました。 群馬県桐生市の福祉事務所で発生した違法行為の水際作戦です。 桐生市は2018年以降、生活保護受給者14世帯17人に対し、生活保護費を全額支給せず、1日1,000円ずつの分割支給をおこない、保護開始後も長期にわたり保護費を渡さずにいました。また、数十年にわたって被保護世帯の印鑑1948本を保管し、本人同意なく使用した事実などが報告され、不適切な運用について検証する第三者委員会が設置されています。弁護士や司法書士、多くの市民団体、大学教授や群馬県議や市議など、多くの方々が関わり問題解明を進めています。 Q6 こうした生活保護の水際作戦は、基本的人権の尊重をふみにじる憲法違反そのものであり、あってはならないと考えます。 今、杉並区で水際作戦をおこなわないために、福祉事務所では職員に対する指導をどのように徹底しておられるか確認します。 エアコン設置や購入費についてうかがいます。 政府は、賃上げの加速を明言していますが物価高騰に追い付かず消費者物価指数も低下、その中で物価高騰対策を打ち切り、6月から電気代が値上がります。 気象庁は、6月からの3か月間の天候の見通しについて「観測史上最も暑い夏となった去年に匹敵する可能性もある」と発表しています。低所得者への給付金も支給されていますが、被保護世帯にも物価高騰、電気代の値上げの影響は大きいと考えます。 5月20日、わが党区議団は「深刻な猛暑から区民のいのちとくらしを守るための緊急申し入れ」をおこないました。 被保護世帯は、「冷房を我慢せず使いましょう」と言われても冷房を使えない実態があります。 2023年、京都生活と健康を守る会は、131世帯に対し「生活保護世帯実態アンケート」をおこない、その半数で3千円〜1万円夏場の電気代が上がり「電気代が払えずエアコンが使えない」との結果があります。 東京大学先端科学技術研究センターは、9市町村4万4007人の高齢者を追跡し、住宅の種類と死亡リスクの関連を検証し、その結果、死亡リスクが高いのは民間賃貸住宅に住んでいる高齢者であるとの結果を報告しています。 Q7-1 区内の被保護世帯は、ほとんど民間賃貸住宅に住んでいます。 被保護世帯について、エアコン設置の有無、エアコンを使用しているかの確認や調査の現状は福祉事務所で進んでいるのでしょうか。確認いたします。 国は、生活保護開始時にエアコンを持っていない場合など、一定の条件を満たす被保護世帯に対し購入費の支給をはじめました。支給額は2023年4月1日から上限6万2千円となっています。 研究者らでつくる「生活保護情報グループ」がおこなった調査では、2018〜2019年度の都道府県のエアコン購入費支給件数は9025件であり、生活保護世帯の特別区・政令中核市のエアコン購入費の支給率が高い特別区は上位から台東区19.8%、渋谷区16%、江東区、荒川区ともに15.3%、文京区13.4%、杉並区は4.9%という結果になっています。 Q7-2 生活保護の認定を受け、新たに賃貸住宅に住まわれたエアコンのない世帯に対し、杉並区はどのような措置を講じているのか、確認します。 杉並区に対して、被保護世帯には非常に負担なエアコン修理費についても要望し、最後に夏季加算についてお聞きします。 国はいまだ、夏季加算を導入していません。 東京都市長会厚生部会は「2023(令5)年度東京都予算編成に対する要望事項」において「夏季加算の支給」として、暖房費需要に対する冬期加算が支給されている一方、冷房器具使用にかかる経費に対しては現状何ら措置されていないことから、新たに夏季加算を支給するとともに、支給に当たっては都市特有の気温の高温化など、冬季加算と同様に地域性を考慮するよう国に働きかけること。また、都においても独自の対応を検討し、その措置を講じること」と要望を提出しています。 エアコンのない部屋で窓からの熱風を扇風機で回しながら生活する被保護者、低所得者が、わたくしの周りにも実在します。街中の涼み処にさえ行けないで体調をくずす、こういった現状があります。 この夏季加算の必要性について生活保護問題対策全国会議の田川事務局次長にお話をうかがいました。 「厚労省が夏季加算を実施しないのは、冬季に比べて光熱水費が増えていない、という理由です。ただしその統計は10数年前のもので、以来電気料金が相当上がっている中、エアコンを使えば光熱水費は増えているはずです。ただし、エアコンがあっても電気代が怖くて使ってない人も多いので、最新の統計に基づいての判断が必要です」との見解をいただきました。 Q7-3 夏季加算について、杉並区、特別区長会からも東京都を通じて厚労省に要望し、また、その間、自治体が被保護世帯のいのちを守る対策を求めます。 この緊急を要する夏季加算について、直ちに議論を重ね、対策を考えて頂くことが求められると考えますが、見解をうかがいまして、わたしくしからの質問を終わります。 以上 |
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