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2023年杉並区議会第一回定例会代表質問(山田耕平) |
日本共産党杉並区議団を代表して、令和6年度予算の編成方針とその概要について質問します。 冒頭、能登半島地震で亡くなられた方々、被災された方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。 1.能登半島地震を受けての震災対策について 1 1−1 はじめに能登半島地震を受けての区の基本姿勢と震災対策の抜本強化について伺います。能登半島地震を機に、首都直下型地震等が起きた際の杉並区の対策について、改めて点検と対策の拡充が必要と考えます。 杉並区の震災対策については、能登半島地震の結果と経験から何を学び、今後に活かすのかが、区に求められています。能登半島地震の被害の全体像と浮き彫りとなった問題、学ぶべき教訓を明確にすることは、一定の時間を要すると考えますが、杉並区として直ちに取組むべき震災対策強化について、区長の基本認識を伺います。 2 1−2 能登半島地震では、県の被害想定が異常に低かったことが報道されています。本来であれば、最悪の事態を想定した対策の検討が必要であったと考えられます。 能登半島地震を参考に、杉並区においてもプロジェクトチーム等を立ち上げ、地震の規模、救助体制、避難者数、通信交通の断絶、職員参集規模等々、被害想定の総点検をはじめるべきと考えますが、認識を伺います。 3 1−3 区長が災害時の「公助」の取り組みと共に、区民や地域団体との協働を重視する姿勢を示していることは重要と考えます。災害時に区民の命と財産を守り、被害を最小限に抑えるため、自治体によるハード・ソフト両面での防災・減災への公助の取り組みが重要となります。一方、大規模な災害が発生した際、公助の機能には限界があり、自助・共助の取り組みを強化することも重要です。 阪神淡路大震災では、倒壊家屋からの救助者の約8割が、近隣住民に救助されています。生き埋め・閉じ込めの際の救助では、約7割弱が家族を含む自助、約3割が隣人による共助です。 しかし、「令和5年版 防災白書」では「自然災害への対処などを家族や身近な人と話し合ったことがない」との回答が全体の36%を超え、防災への取り組みを行えていない層が存在しています。 自治体には、防災・減災のための「平常時の公助」として、自助や共助を活性化させるための支援が求められると考えますが、認識を伺います。特に、コロナ禍を受け、各震災救援所の訓練等を縮小しているケースもあり、再点検が必要ではないでしょうか。 さらに、地域コミュニティとの協働による防災訓練と防災教育の実施、行政職員と住民が災害発生時を想定した状況確認、関係者への連絡等の流れ、役割分担等を実施することも必要です。 行政職員と住民との協働による地域特性を踏まえた災害リスクの調査、防災マップ作成、避難行動フロー等の作成と確認等、より実効性ある対策が必要と考えますが、認識を伺います。 4 1−4 震災復興・復旧までの期間において、住民の生活基盤として使用できるよう、安全な避難所・施設を確保するとともに、良好な生活環境を整えることが重要と考えます。 避難所等での子どもの居場所の確保及び、被災した子どもの心のケア対策についての検討を進める必要があると考えますが認識を伺います。 その他、震災対策の詳細については、小池議員の一般質問と予算特別委員会等で取り上げます。 なお、この間、党区議団が、再三に亘り設置を求めてきたエレベーター内の備蓄ボックス設置が予算化されることになりました。前区政のもとでは設置されませんでしたが、今回、予算化されたことを歓迎しています。 速やかに配置して頂くよう求めるものです。 2.物価高騰への対策について 5 2−1 次に深刻化する物価高騰への対策について伺います。 2月6日、厚労省の「毎月勤労統計調査」で、昨年1年分の速報値が公表されました。昨年1年間の働く人1人当たりの実質賃金は前の年と比べて2.5%減少。現金給与の総額は増えたものの、物価上昇に追いつかず、実質賃金は2年連続でマイナスとなりました。物価の上昇率が3.8%と42年ぶりの高い水準となっており、深刻な状況です。 長引く物価高騰により、区民の暮らしと営業は、深刻な事態が続いています。区長は、長引く物価高騰の深刻さと区民が置かれている実態について、どのように認識しているのか伺います。 6 2−2 この間、地方創生臨時交付金等を活用した物価高騰対策を求めてきました。区として、物価高騰への区内事業者支援として、公衆浴場への燃料費助成、介護保険事業者や保育所等への支援等が実施されたことは重要と考えます。これまでの取り組みをどのように総括しているのか伺います。 これら対策は、来年度に継続されない事業もありますが、継続も含めた検討が必要ではないでしょうか。 特に、区長は「時宜を捉えて対応する」とのことですが、区民のいのちとくらし、営業を守るために、これまで以上の努力も求められていると考えます。改めて認識を伺います。 7 2−3 今後の電気代の動向について、株式会社エネテクの分析では「2024年5月から更なる値上げになる見通し」としています。政府による電気料金の補助政策「激変緩和措置」が終了することが要因です。こうした状況が示す通り、電気代の値上がりは、引き続き深刻となることが想定されます。 現在実施されている光熱費(電気・ガス)高騰緊急対策助成についても、この間の期間延長も含め、区内商店・事業者から歓迎の声が寄せられています。事業の周知が一定進んでいると認識していますが、申請手続きの負担等、制度利用にかかる課題もあるようです。 現在の光熱費(電気・ガス)高騰緊急対策助成の実績と課題を伺います。申請期限までのさらなる周知徹底と共に、来年度以降に想定される電気代値上げに際した対策が必要と考えますが、認識を伺います。 8 2−4 この間、杉並区において、プレミアム付商品券を単年度実施ではなく、複数年度での継続的な取り組みを求めてきました。物価高騰が継続的に深刻化するもとでは、区内事業者支援と共に区民の購買力向上にも寄与するものと考えます。 物価高騰対策として、23区では、プレミアム付商品券を複数年度の継続的な取り組みや商品券と共にデジタル化による実績も増えていますが、区としても、より積極的な検討を進めるべきではないのか、認識を伺います。 3.住民生活への支援、住民福祉の向上について 岸本区政のもとで、住民生活への支援や住民福祉の向上について、これまで杉並区が他区に後れを取っていた取り組みが前に進み始めています。この間、党区議団が取り上げてきたことを中心に、以下、質問します。 9 3−1−① はじめに学校給食費の無償化についてです。来年度も学校給食費の無償化を継続し、これまでの区立小・中・特別支援学校に在籍する児童・生徒に加えて、新たに国立・私立等に通う児童・生徒に対象を増やして実施することは重要と考えます。 これまでも指摘していますが、国の食育基本法や第4次食育推進基本計画では、学校給食は食育の中では重要な位置づけがされており、教育の一環として扱われています。憲法26条で「義務教育は、これを無償とする。」と明記されており、学校給食が国の法律や基本計画で教育と位置づけられている以上、当然、義務教育課程での学校給食は憲法の規定どおり無償とされるべきです。 杉並区を含め、23区を始めとする多くの自治体で給食費無償化・負担軽減を実施することが東京都を動かし、さらには政府に対する強いアピールにもなると考えます。物価高騰で多くの子育て世帯の負担軽減が求められており、政府への無償化の決断を促す上でも、給食費無償化を継続する必要性があると考えますが、区の認識を伺います。 10 3−1−② 学校給食費については、不登校児童・生徒に対する支援も必要になると考えますが、いかがでしょうか。 また、私費会計から公会計への切替えについては、一定の期間がかかることが想定されますが、早急に対応する必要があると考えます。来年度はどのような検討・準備を進めるのか具体的に伺います。 11 3−1−③ 教育分野に関連して、学校施設についても確認します。杉並区が他区と比較しても大きく遅れていたのが、学校トイレの洋式化です。学校トイレの洋式化は、子どもたちの学校生活や災害発生時の避難所としての機能としても非常に重要となります。一方、杉並区の洋式化は到達点とともに、努力が不十分なレベルであったことは、前区政の頃から再三に亘り、指摘してきました。 杉並区の直近の洋式化率の到達は23区と比較すると、どのような状況となっているのか伺います。 岸本区政のもとで学校トイレの洋式化を推進する姿勢が示されたことを歓迎しますが、積極的な整備目標を持ち、推進すべきと考えます。認識を伺います。 12 3−1−④ 次に就学援助の対象拡大についてです。前区政下では、2013年度から就学援助の認定基準額の引下げが段階的に行われ、多くの子育て世帯が援助制度から除外されました。党区議団は、困窮する子育て世帯への支援拡充を求めて、引き下げられた就学援助の認定基準の引き上げを求めてきましたが、実施されませんでした。 今年度当初、岸本区政のもとで、就学援助の認定基準額を生活保護基準の1.2倍から1.3倍へと引き上げられたことは重要な一歩だと受け止めています。ただし、前・田中区政下での引き下げ前の段階まで認定基準額を戻すとともに、2012年からの物価上昇分を加味すると、生活保護基準の1.5倍程度まで引き上げることが必要です。さらに、世帯年収が就学援助基準内でも制度を知らずに申請していない世帯も、少なくない数は存在すると推察されます。こうした世帯を補足し、制度につなげることが求められていると考えます。 就学援助制度の認定基準のさらなる拡充とともに制度周知の徹底と工夫、対象世帯の実態把握を進めるよう求めますが、認識を伺います。 13 3−1−⑤ 教育分野の最後に、教育委員会を巡る不祥事案件と再発防止策について伺います。 1月26日、公益通報の公表が行われ、教育委員会職員による重大な不適切行為が複数確認されました。 通報の内容、公益監察員による調査結果と意見、区の対応の報告書の中では、前教育長と現教育長のもとで、一部職員が「教育長付」という肩書を使用していたことで特別扱いされていた、との報告と共に、不正を認識しながら黙認されてきた組織風土にも原因があると指摘されています。 これらの実態と組織風土の問題について、区教育委員会はどのように総括しているのか、再発防止にどのように取り組むのか伺います。 14 3−2−① 次に高齢者施策について伺います。この間、23区の多くで準備されていた高齢者補聴器購入費助成について、杉並区でもスタートし、実績増による補正予算も追加されたことは重要だと考えます。多くの高齢者から歓迎の声が寄せられています。 補聴器購入費助成を開始して以降、利用者からの声や実績をどのように受け止めているのか認識を伺います。引き続き、補聴器購入費助成の拡充と共に周知徹底が必要と考えますがいかがでしょうか。 また、他自治体の事例も参考に、聴力検査の実施、補聴器認定技能者の増員の手だて、補聴器相談医の支援など、さらなる拡充を検討すべきと考えますが、認識を伺います。 15 3−2−② この間、杉並区介護保険運営協議会等において、地域包括支援センター(ケア24)の運営支援の必要性やケアマネジャー不足の問題を指摘してきました。 ケア24の業務が拡張している中で、勤務する職員が業務量と賃金が見合う業態に変えなければ、人手不足や運営の困難は解消しないと考えます。区としての問題意識を確認すると共に、安定した人員配置ができるよう直接的なサポートをすることが必要と考えます。ケア24への財政支援により、どのような効果が想定されるのか認識を伺います。 16 3−3−① 次に障害者施策について伺います。 岸本区政において住民との対話による区政運営が重視されており、区内障害者団体連合会とも活発な意見交換が行なわれています。各団体の方から、対話の機会が増えていることに対する歓迎の声も伺っています。これらの対話の機会を通じての区の受け止めを伺います。 障害者団体等からの要望は、同趣旨の内容が長期間・継続して寄せられる等、これまでは課題が改善していないことも多かったと認識しています。対話の機会を通じて、着実に解決に向けた取り組みを進める必要があると考えますが、認識を伺います。 17 3−3−② 移動支援事業について伺います。2021年度に移動支援事業の見直しが行われ、障害別の利用制限等が改善した点は重要です。一方、移動支援事業の課題として残された点もあります。 来年度は移動支援事業を見直してから3年が経過しますが、移動支援事業における通所利用や身障等級による制限等、持ち越しとなっていた課題の解消も含めた検討を進める必要があると考えますが認識を伺います。 この点においても、障害当時者や関係団体との十分な協議を尽くすよう求めますが、認識を伺います。 18 3−3−③ この間、党区議団は放課後等デイサービスの事業所不足による課題と新規開設に向けた支援策を求め、先の議会では、従来の人件費補助に加え、新たに賃借料の補助を行うこと等が示されました。重要な支援策と受け止めています。 放課後等デイサービスの事業者支援について、事業者からはどのような声が寄せられているのか伺います。また、実行計画で示す事業所の開設に向けた来年度の見通しはいかがでしょうか、認識を伺います。 19 3−4−① 次に、保育施策について伺います。 この間、杉並区内の各園における平均保育経験年数と人件費比率について取り上げてきました。 区内の各園において、人件費比率が高い園ほど保育士の平均保育経験年数も高い傾向となり、保育士の専門性や継続性・安定的な配置等、保育の質にも直結する状況です。 世田谷区では保育所等運営費助成金交付要綱において「開設2年目以降の園については、助成を受けようとする前年度の経常収入に対する人件費の比率が50%以上であること」などの独自ルールを設けています。 保育施設における人件費比率は保育の質にも影響を与える状況であり、保育の質を確保するためには、自治体独自のルールを検討する必要もあると考えます。今後、区独自ルールについても検討し、保育の質の確保に繋げる必要があるのではないのか認識を伺います。 20 3−5−① 生活保護制度について伺います。この間、生活保護制度の周知について、区のホームページでも「生活保護の申請は憲法に基づく国民の権利です」と明記されている点は重要と考えます。 困窮した住民は誰でも最後のセーフティーネットとして生活保護制度を利用できるものであり、杉並区として区民の命とくらしを守るためのさらなる周知が求められます。第3回定例会での一般質問に対し「今後とも周知の工夫に努める」とのことですが、どのような周知の工夫が検討されているのか伺います。 21 3−5−② 生活保護の申請をためらう原因の1つが、保護申請時に福祉事務所が申請者の親族に扶養照会をかけることであり、その点の課題はこれまでも指摘しています。扶養照会の対応について、区では「扶養照会は申請者の同意により行う」とし、2023年度から精神的・経済的照会に分けて実施するようになり、本人の意向に沿わない無理な扶養照会が抜本的に改善されたことは人道上の観点からも大きな改善です。 2023年度以前の扶養照会数の推移を把握し公表するとともに、2023年4月以降の扶養照会数や傾向を伺います。改めて、申請者の意向を尊重する対応が各福祉事務所で徹底されているのか、認識を伺います。 22 3−5−③ 生活保護世帯への冷暖房設置の必要性と夏季加算の創設について伺います。 物価高騰が続く中で、生活全般の負担を一時的な給付金で補えるものではありません。また、生活保護基準は最低限度の生活水準を満たしつつ、かつ、それを越えないものとされており、命を守るためのエアコンの設置や電気代を賄える基準ではありません。杉並区としてエアコン設置と物価高騰のもとでの夏季加算の創設の必要性について、どのように認識しているのか伺います。 23 3−6 住宅施策について伺います。物価高騰が深刻化する状況だからこそ、家賃助成の早期実施が求められています。 住宅施策においては、23区中19区で様々な家賃助成を実施していますが、前区政のもと杉並区では実施されてきませんでした。杉並区においては公共住宅の供給が他区と比較しても低位となっている現状もあり、低廉な住宅の確保の必要性は高いと考えますが、区長は、その必要性をどのように認識しているのか伺います。 来年度中の実施に向けて検討が進められていると考えますが、物価高騰が深刻な時だからこそ、速やかな実施が必要ではないのか、いつ頃を目途に実施検討が進められているのか伺います。 党区議団に対しても切実な声が寄せられており、1人親世帯や障害者世帯、年金のみの高齢者世帯のなかの低所得層など緊急性の高い世帯に対し、緊急実施を検討することを求めるものです。 24 3−7 使用料・手数料の見直しについて質問します。 前区政での施設使用料の改定を受け、区民からは「高い」という声が寄せられていること、区立施設使用料の引き上げにより、複数の団体が活動を継続することが出来ない事態となってきたことを紹介してきました。 党区議団の調査で、杉並区の施設使用料が、周辺区と比べ1.5倍、2倍も高い事態となっていることも確認してきたところです。その原因は、他区では、スポーツ振興等の視点から使用料は原価の一定割合に留めているのに対し、杉並区は原価を100%かけてきたことにあります。 岸本区長は区立施設の使用料について「区民が気軽にいつでも使える」「利用しやすい料金設定にする」との考え方に基づき、今後の使用料の見直しが示されていることは重要と考えます。使用料の見直しについて、現在の検討状況を伺います。また、どの施設に対して、どのような考えのもとで検討しているのか、いつからの見直しを検討しているのか伺います。 物価高騰が継続しており、区民の生活が苦しい時こそ、使用料を引き下げ、区民の様々な活動を保障していくことが求められています。物価高騰が深刻化する中、来年度からの速やかな利用料引き下げを求めますが、認識を伺います。 4.物価高騰のもとでの保険料負担の問題 25 4−1−① 物価高騰のもとで住民負担に追い打ちをかけるのが保険料の負担増であり、国民健康保険料の度重なる引き上げは、国民健康保険被保険者に深刻な影響を与えています。この間、仮係数に基づく納付金、一人当たりの保険料額が示されましたが、このままでは高すぎる保険料がさらに高騰しかねない状況となっています。 東京都の国保運営協議会の試算では、来年度は、今年度比で、法定外繰入前で、1万2,195円の増額、伸び率は6.55%となり、2年連続一人当たり1万円超、6%を超える増加となります。年収400万円子ども2人の4人家族の場合、今年度24万7千円、年収比14%ですが、来年度は26万円を超えることとなります。低所得者層が多い国保被保険者に対し、2年連続で大幅値上げを招きかねない事態を杉並区として、どのように認識しているのか伺います。 さらに、物価高騰の影響が長期化するなかで、毎年度引き上がり続ける国民健康保険料について、被保険者への負担増の深刻さをどのように認識しているのか伺います。 26 4−1−② この間も指摘しましたが、東京都の国保運営方針の改定は、極めて問題があるものです。東京都が納付金を軽減するための措置を打ち切ることによって、来年度に向けて保険料の引き下げではなく、自治体は引き上げを余儀なくされることになります。 東京都が保険料軽減のための支援をしないどころか、被保険者にさらなる負担を求めようとすることは財政運営の主体として適切な措置とは言えないと考えますが、区の認識を伺います。 東京都が国民健康保険制度の財政運営の主体として、独自の財政支援を行うことを、区として求めるべきではないのか認識を伺います。 27 4−1−③ さらに、国保運営方針の改定案で、現行方針には無かった法定外繰入削減目標を、令和8年度末には35区市町村、11年度には18区市町村と定め、これを区市町村に迫ろうとしています。 自治体の法定外繰入について、杉並区の場合、今年度の一人当たりの保険料は18万2171円となり、法定外繰入を行わなかった場合は19万4375円であり、1万2204円も引き上がることになっていました。 法定外繰入の取り扱いについて、法的拘束力は無いことを厚労省が国会で答弁しており、自治体に繰入の解消を迫ることは、自治権の侵害にもなりかねないことです。党区議団は、法定外繰入の継続を求めてきましたが、杉並区も保険料の急激な上昇を抑制するために必要となるとの見解が示されていました。改めて認識を伺うと共に、今後も継続するのか確認します。 28 4−1−④ 立川市の国保運営協議会は、市長からの諮問を受け審議した結果、1月17日に、来年度の国保料について、値上げせず据え置くことを答申しました。この答申に基づく条例が可決されれば、5年連続の据え置きとなります。さらに答申では、子どもの均等割について、国が2022年度より未就学児の均等割りを5割軽減していることに対し、市として来年度から、残りの5割部分を独自に減免し、負担増を無くすことも答申しています。杉並区においても他自治体の取り組みを参考に保険料負担軽減に向けて、あらゆる努力を尽くすことが必要と考えますが認識を伺います。 その他、国民健康保険制度の問題点については、予算特別委員会等で取り上げます。 29 4−2−① 先に開催された介護保険運営協議会において、第9期の介護保険料については基準月額200円の引き上げとなることが示されました。第8期においては保険料を引き上げず据え置きとしており、今改定において大幅な値上げとなることも懸念されていました。一方、物価高騰が深刻化する中では第9期においても保険料の引き上げを最大限抑制することが必要と考えます。 第9期における介護保険料の改定おいて、据え置きも含め、保険料の大幅な値上げとならないよう対応する必要があると考えますが、負担軽減等については、どのように検討されたのか伺います。 30 4−2−② 介護保険については、介護報酬の引き上げ等による改定が、保険料にはね返る構造的な問題があります。本来であれば、国庫負担割合の引き上げを国の責任において実施すべきと考えますが、区の認識を伺います。特に今改定では、訪問介護サービスの報酬はマイナス改定となりました。多職種に比べて、賃金が低い実態が改善されないどころか、悪化するようなことは大きな問題があると考えますが、合わせて認識を伺います。 31 4−2−③ 今回、低所得世帯への保険料負担軽減措置が縮小となり、一部で保険料が引きあがる世帯があります。その点については課題があると認識しています。どのように対応するのか、改めて認識を伺います。 32 4−3 後期高齢者医療制度について伺います。今回示された保険料率の改定は深刻です。今改定によって一人当たりの平均保険料は、年額で現行の10万4842円から11万1356円と、6514円の値上げとなります。後期高齢者医療制度が開始されて以降、最高の値上げ額です。 物価高騰が深刻化するもと、来年度は、介護保険料の値上げも見込まれており、保険料の大幅値上げは、少ない年金収入に頼る高齢者の家計を直撃し、保険料を払えない滞納者を生み出し、短期証の発行や資産の差し押さえなどの事態をもたらすことが危惧されます。こうした事態の深刻さをどのように認識しているのか伺います。 少子化対策も医療費への対策も、高齢者に負担を押しつけることは止め、国の財源で賄うよう、政府に働きかけることを求めますが、認識を伺います。 5.前区政から継続する諸課題への対応 33 5−1−① 区立施設マネジメント計画・旧区立施設再編整備計画について伺います。 この間の計画改定に際し、党区議団は、今後の区立施設のあり方は住民主体で決定することを求めてきました。 計画改定の中で、岸本区政は、これまでの取り組み手法の問題を明らかにし、今後は住民との協議により地域の区立施設のあり方を検討することを示しています。住民自治のまちづくりを進める上で重要な観点と考えますが、区民との協働をどのように進めるのか、改めて区長の基本認識を伺います。 34 5−1−② 区立施設マネジメント計画では、住民参画のもとでの計画策定プロセスが示されました。 一方、既に施設再編整備が実施された地域においても、住民参画のもとで、地域の施設のあり方を検討する必要があることを指摘してきましたが、区長の認識を伺います。 35 5−2−① 区長の予算編成方針では、阿佐谷南児童館の廃止事例について触れています。児童相談所の開設と共に阿佐谷南児童館を廃止せざるを得ない状況となってしまったことについては、児童相談所の必要性と共に、児童館が廃止される問題点や今後の区の取り組みについて、この間の保健福祉委員会でも取り上げました。 この問題については、今後の児童館の在り方や子どもの居場所づくりにおいても活かすべき課題と考えています。以下、児童館の在り方と子どもの居場所について質問します。 これまでの児童館再編において、児童館利用者からは、児童館存続を求める切実な要望等も寄せられていました。しかし、前区政においては、それらの声は受け入れられることなく、再編が強行されてきました。 杉並区として、既に児童館が廃止されてしまった地域の切実な声に、しっかりと向き合って頂きたいと考えますが、区長の基本認識を伺います。 36 5−2−② 児童館の存続を求めた保護者や住民の方からは、児童館の役割や必要性、地域特性などが語られてきました。阿佐谷南児童館においても、当該地域に「児童館の文化」や学校内の放課後等居場所事業ではない「児童館機能」を残してほしいという声が上げられていました。 阿佐ヶ谷南児童館に関する議案において、先の委員会質疑を通じて、児童館廃止後に、区職員による出前児童館や乳幼児の居場所が確保されることが示されたことは、この住民の声に、杉並区が真摯に向き合う姿勢と捉えており、出前児童館の取り組みについても、試行実施ではありますが、今後も重要な取り組みとなるものです。 既に児童館が廃止された地域等においても、地域課題や子ども達、保護者の要望や声に応じて、子どもの居場所確保を進めるべきと考えます。その際、地域特性を踏まえた柔軟な対応が必要と考えますが、認識を伺います。 そうした声を集約するためにも、各地域での懇談等の機会を保障して頂きたいと考えますが、認識を伺います。 37 5−2−③ 現在、各地の子ども子育てプラザにおいて、利用者懇談会やプラザミーティングが実施されています。プラザミーティングの目的、この間の開催状況、どのような取り組みが実施されているのか伺います。 特に、住民同士の対話が行われている事例において、会議のコーディネーターとなる区職員の役割が重要となると考えます。どのような役割が必要と考えているか、認識を伺います。 38 5−2−④ 「(仮称)杉並区子どもの居場所づくり基本方針」の策定において、家庭や学校とは別に、サードプレイスとしての子どもの居場所の必要性を位置付ける必要があると考えますが、区の認識を伺います。 特にサードプレイスの検討については、地域に点在する様々な居場所の確保と共に、例えばプラザがある地域では、夕方以降の小学生タイムの運用時間の拡充や変更、中高生が利用できる時間の確保等々、試行的な取り組みを通じて、居場所のあり方を検討する必要もあると考えますが、認識を伺います。 39 5−2−⑤ 杉並区の児童館や今後の子どもの居場所の確保に向けて、施設と共に児童館職員の役割は必要不可欠となります。この間の質疑において、岸本区長からは杉並区の児童館職員の重要性が語られ、区の職員を確保していくことも示されている点は重要です。 区立児童相談所の整備の重要性と体制確保の必要性と共に、出前児童館や区直営での職員配置、今後の子どもの居場所を減らすことはないという認識が示されましたが、改めて区の認識を伺います。 40 5−3−① ゆうゆう館とコミュニティふらっとについて、伺います。 杉並区高齢者施策推進計画(案)では「元気高齢者の社会参加の支援と環境整備の充実」の中で、ゆうゆう館の位置付けと共にコミュニティふらっとでの高齢者利用の実態の一部が示されていることは重要なことと受け止めています。 コミュニティふらっとにおける高齢者施設としての機能として、施設の設置目的・根拠には、高齢者「福祉の増進」「向上」「生きがい」「健康づくり」等、老人福祉法13条に定められた役割が位置付けられる必要があると考えますが、認識を伺います。 41 5−3−② この間も紹介してきましたが、区内高齢者団体から活動場所の確保に大変な苦労をされている現状が示されました。 区立施設再編整備計画により、ゆうゆう館が機能移転された際に、「距離が遠くなる問題」「拠点の絶対数が確保出来ず、他団体と活動場所の競合が発生する問題」「高齢者は若い世代と異なり場所が空いていないから、別のエリアに移動することが困難な問題」等の声が寄せられています。 高齢者にとっても、家庭や職場と異なる地域の「第三の居場所」を確保し、高齢者が生きがい活動をするための拠点のあり方と、その必要性を検証する必要があると考えますが、認識を伺います。 42 5−4−① 阿佐ヶ谷駅北東地区まちづくりについて確認します。前区長のもと、地域住民や学校関係者に十分な説明がなされないまま、不透明な経過で土地の交換がおこなわれ、地域の大切な学校である杉一小の移転が区・地権者・病院の三者で計画されてきました。前区政のもと、かけがえのない貴重な屋敷林の多くが失われてしまったことは重大な問題です。 一方、岸本区政のもとで、初めて、これまでの経緯と現状を住民と区で共有し、意見交換をする場が設けられました。これまで意見を聞いてもらえなかった多くの住民が参加し、次々と疑問や懸念が投げかけられました。区もそれに応え、これまで明らかにされてこなかった情報の開示が進んだことは重要な変化と感じています。 しかし、一定程度計画が進められているなかで、住民と問題を共有し、課題解決に十分な時間をかけられない状況となっていたこと等、様々な制約のもとで現行計画を継続せざるを得なかったことに対して、移転見直しを求める住民の不安や懸念の声が寄せられていることも当然のことと受け止めています。 この間の経緯を踏まえ、引き続き、住民の声に寄り添った対応が必要と考えますが、区長の認識を伺います。 43 5−4−② 阿佐谷地域の未来を長期に亘って展望し、今後は住民主体のまちづくりを進めなければならないと考えます。 計画を進める上での大前提として、子どもたちにとって安全な学校環境を整備することが最重要であり、土壌汚染の調査や地質改良は病院に任せるだけでなく、しっかりと区も関わり、情報開示を徹底して行うこと。水害への対策も適切に行なうこと。杉一小が150年に渡り築いてきた文化や、地域と密に繋がった学校運営を保障し、住民や学校関係者の声を反映した学校づくりを行うこと。特に、今後の学校づくりとまちづくりに関しては子どもの意見聴取の場を作ることが必要です。さらに、学校移転による環境の変化に不安のないよう、近隣住民には十分な説明責任を果たすことも必要です。杉一小独自の学校行事や課外活動、地域行事を継続しておこなえるよう区は最大限努力することを求めます。 これらを踏まえた上で、安全な学校整備と杉一小の特色と地域に密着した学校運営を保障するよう求めますが、教育長の認識を伺います。 44 5−4−③ A街区について、地権者も区長もタワーマンションや大型商業施設の整備を進める考えはないとしたことは重要なことと受け止めています。阿佐谷地域のみなさんに愛されてきた杉一小の場所には、地域住民はもとより、多くの区民のための公共的・恒久的な建物を建てることが必要です。杉一小移転予定地での水害の懸念も指摘されていることから、現在の杉一小の場所にはこれまでと同様に水害時の避難所としての機能を残すことも必要です。住民との粘り強い対話を通して、阿佐谷のまちづくりを発展させ、地域に望まれた活用を進めるよう求めますが、区長の認識を伺います。 45 5−5−① 都市計画道路について、伺います。 前区政によって進められた都市計画道路は、これまでも地域に様々な問題を発生させています。 西荻地域の補助132号線沿線では、所々で一部の用地買収が進み、商店街の縮小と西荻地域の街並みにそぐわない建物や事業用地も増えており、景観が損なわれているのではないのか等の指摘も行われています。 補助221号線については、中野区囲町東地区で第一種市街地再開発事業が始まっており、計3棟の巨大な建物が建つ予定です。高円寺北1丁目の住民からは工事車両が通るたびに地震が起きたような揺れが生じている、家の前の道に傾きができている、歩道の縁石にヒビが入っているなどの困りごとの声が届いています。 補助133号線について、計画沿線ではほとんどの住宅が「測量はお断わり」ステッカーを貼り、ノボリを立て、東京都の用地測量は進んでいない状況です。 都市計画道路を巡り、地域住民から切実な声が上げられています。 来年度開始予定の各地域のデザイン会議において、その場所で生活する地域住民が、どのような環境や地域のまちづくりを求めているのか、現在の課題解決に向け、活発に議論できる場にすることが求められます。区長の認識を伺います。 46 5−5−② 今後、都市計画道路の第五次事業化計画の検討が進むことになりますが、現在の進捗状況を伺います。 優先整備路線の選定にあたり、対話集会等において集約された住民意見等を選定に反映させることが必要と考えますが、認識を伺います。 これまでの住民の声が反映されない都市計画道路の進め方を見直すと共に、現状の道路計画は固定的に見るのではなく、住民との対話による変更、修正なども視野に検討を進めることを求めておきます。 6.財政運営 47 6−1 次に財政運営についてです。 杉並区の決算ではこの10年間、実質収支比率が5〜10%と健全財政を維持してきました。実質収支比率は標準財政規模に対する実質収支額、いわゆる黒字額の割合でありますが、地方自治体の財政では黒字額が多ければ良いというものではありません。預かった税金や国・都からの交付金等は福祉拡充や生活支援、まちづくりなど区民サービスに必要な額を予算として計上しており、それが適切に執行されずに予算が残ることで黒字が増えるのであれば、健全財政に見えたとしても区民サービスが十分に区民の元に届いていない状況となります。 そのため実質収支比率は3〜5%が一般的に適正と言われており、党区議団は、適正と言われる5%を超える分について、年度内に求められる区民サービスに充てることを、この間の決算審査等でも指摘してきました。 執行残を減らし計画的に事業を進めること、補助金など区民からの申請によって執行率が変化する施策については、今まで以上に周知徹底を図ることが求められます。年度途中において、執行率が低くなることが予想される施策については、減額補正を行うとともに、その予算を他の区民サービスに適切に充当することも必要です。 こうした区政運営により、決算での実質収支比率を3〜5%に近づけるための努力を行うことも求められると考えますが、区長の認識を伺います。 黒字が増えるほど、その半額は基金に積み立てられますが、杉並区では財政調整基金に偏った積み立てが行われてきました。地方自治体の基金残高は多ければ多いほど良いものではありません。特に、目的を持たない財政調整基金については、適切な額に残高を抑え、超過する場合には、適切に区民サービスに充てることを求めるものです。 7.気候危機対策 48 7−1 気候危機はひきつづき深刻な事態となっており、区民・事業者をあげた気候危機打開・カーボンゼロにむけた努力が求められています。CОP28が開幕した昨年11月30日、世界気象機関WMОは、2023年の世界の気温上昇は産業革命前と比べ約1.4度になると発表しました。 さらに、気候変動に関する政府間パネルIPCCの第6次評価報告書は、25年までに排出量を減少に転じさせ、35年の排出量を19年比で60%削減する必要があると訴えています。 こうした事態を直視し、区としての気候危機対策をより強化することが求められていると考えますが、区長としての事態認識と決意を伺います。 49 7−2 杉並区は昨年4月に地球温暖化対策実行計画(区域施策編・事務事業編)を策定しました。前区政下での計画は、目標設定も消極的であるとともに、目標実現のために分野、部署別目標などの内訳も示さず、区域施策編は3ページに過ぎない実態でした。党区議団は、地球温暖化対策の強化について2回にわたる提言を提出し、代表質問・一般質問でもその実現を求めてきました。今回の計画は、カーボンゼロ実現にふさわしい目標設定であり、その裏付けとなる分野別、部署別の目標も明確で、かつ目標実現のための施策も明確に示されました。 2050年カーボンゼロ、2030年カーボンハーフ、すなわち今後7年間で杉並区のCО2排出量を半減させるには、全区民参加の運動にできるかどうかが問われていると考えます。この点についての認識を伺います。 その第一歩は、気候危機をめぐる状況と、実行計画が示した目標達成の意義、計画の内容を区民に広めることだと考えますが、どのように取り組むのか伺います。 全区民的運動にするためには、区民、事業者が、自らの目標と計画・マイ計画をつくり、この全地球的取組みに自主的に参加することが必要ではないのか、認識を伺います。 50 7−3 杉並区内でのCО2排出量の55%、ほぼ半数を占める家庭での取組みは、削減目標達成の成否を決めるものとなります。区は、この点をどのように認識し、どのような対策を進めようとしているのか伺います。 家庭での取組み支援策では、太陽光発電設支援や、省エネ機器購入支援などの拡充とともに、どのような努力をすれば、どれだけの削減ができるのか、知らせることが重要ではないか、認識を伺います。 そのために①点目として、実行計画の55ページで紹介している「家庭での省エネのポイント」などを普及すべきと考えますが認識を伺います。 ②点目として、各家庭が排出しているCО2がどれだけの量なのか「ワットアワーメーター」などを使い、自覚できるような支援策も必要と考えますが、いかがでしょうか。 ③点目として、削減の努力に対し、商品券を交付するエコチャレンジ事業など、取組み促進への支援策も拡大、拡充することを提案しますが、いかがか。それぞれ認識を伺います。 51 7―4 次にCО2排出量で2番目に比率の高い事業所の排出削減促進のために、3点提案します。 第1は、小売業、飲食業、運送業など、区内の事業所団体に削減の取組みを促進してもらうこと、そのために区長を先頭に各業種団体との意見交換を行い、団体から出された要望を区の取組みに活かすことと考えます。 第2は、各事業所に事業所としての削減目標と、その対策を立てることを促進することです。なかでも、一定規模の事業所で、かつ都条例にもとづく計画提出が義務付けられていない事業所に対しては、他自治体の取組みも参考に、区として削減計画の提出を求めることと考えます。 第3は、事業者団体からの要望を聞き取り、省エネ機器への助成対象の拡大や助成額の拡充を図ることと考えます。それぞれ、区の認識を伺います。 52 7−5 CО2削減のうえで、区民、事業者が使用する電力を、太陽光、風力など再生可能エネルギー電力に切替えを促進することが極めて重要と考えます。現在の区内での太陽光発電導入容量はどうなっているのか、また、2030年年度の目標はどうなっているのか、区として促進策をとることを求めますが、認識を伺います。 53 7−6 最後に、気候危機打開の取組みは、単に区民に我慢を強いる取り組みではなく、より人間らしいくらしの創造、環境にやさしい地域の創造と言える事業と考えます。その意味では、CО2を吸収する樹林、緑ゆたかな杉並区を実現することは、重要課題だと考えますが、認識を伺います。 区は「杉並区みどりの基本計画」を改定中であり、今後区民からの意見聴取を行う予定です。区民からの意見を反映し区民一人ひとりが実行可能な計画にするよう取り組むことを求めますが認識を伺います。 また、来年度実施予定の市民緑地の整備の拡充について、緑地保全からも大変重要な施策と考えます。今後の実施計画を伺います。 8.善福寺川流域の浸水対策と調節池の課題 54 8−1 善福寺川流域の浸水対策と調節池の課題、都市計画河川第8号善福寺川の都市計画変更案について伺います。 この間、同計画案を巡り、多くの住民が懸念の声を広げてきました。1月20日の住民説明会は180人が参加し、計画の見直しと周知不足を訴えています。短期間で多くの住民から見直しを求める声が寄せられており、1万5千筆を超える署名の数が、その切実さを物語っています。さらに、都市計画変更案には計画見直しを求める547通もの意見が寄せられています。 杉並区として、住民の不安や懸念の声をどのように受け止めているのか認識を伺います。その声を受けて、どのような対応を行ってきたのか具体的な取り組みを伺います。 55 8−2 都市計画審議会で党区議団も取り上げましたが、今回の手続きの進め方には重大な問題があることを指摘するものです。前区政のもと、令和2年時点から東京都と杉並区の間で、公園等の区有地を使用することが決められていながら、住民や議会に対しては、何らの情報提供も合意形成の努力もありませんでした。「取り扱い注意」とする荻窪中や井荻小校舎の再編整備計画案も明らかとなりました。この案は採用されていませんが、一方的に、このような計画が検討されていたことは驚くべきことです。 突如として立ち退きを迫られる住民や、愛着を持って利用していた公園を奪われる住民にとって、到底認めることの出来ない進め方ではないでしょうか。このような進め方をすることは、地域のコミュニティを破壊し、行政への不信を拡大することにも繋がりかねないと指摘します。 前区政において、住民に何ら情報提供も無いまま、学校施設のあり方や公園使用が決められていく区政運営には問題があったことを指摘しますが、区長の認識を伺います。現区政において、改善出来る点は最大限の努力を尽くして頂きたいと考えますが、その点についても認識を伺います。 56 8−3 気候変動の影響による降雨量の増加等に対応するため、国では「流域治水」関連法が制定されました。流域治水関連法では、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の実現を目指し、雨水の貯留浸透機能を有する都市部の緑地保全といった流域全体での対策が推進されています。 国や流域自治体、企業・住民等、あらゆる関係者が協働して取り組み「流域治水」の実現を目指すことが求められていますが、流域治水の考えに照らせば、住民も含めた協働の取り組みが重要となると考えます。区の認識を伺います。 57 8−4 昨今、グリーンインフラの必要性が注目されており、水害対策を進めるために公園や緑地を喪失(そうしつ)していく従来の手法は、抜本的に見直す必要があると考えます。 平成26年に策定された「東京都豪雨対策基本方針(改定)」においても河川整備に合わせて下水道整備との新たな連携や、緑地の保水能力・流域対策を推進することで豪雨対策を実施することが示されています。緑地保全や公園等によるグリーンインフラを積極的に導入することが必要ではないのか認識を伺います。 杉並区にも関わりの深いグリーンインフラの専門的な知見を持つ学識経験者等の力を借り、住民との協働による実効性ある水害対策の検討が必要と考えますが、認識を伺います。 58 8−5 善福寺川の湧水について伺います。 原寺分橋の直下には善福寺川の湧水があり、数少ない貴重な湧水地点となっています。シールド工法や地下調節池による湧水枯れの影響も懸念されており、地下水や湧水への環境影響評価が必要と考えますが、区の認識を伺います。 東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネル工事では、陥没や地中空洞、近隣の河川から酸欠気泡の発生等、深刻な事故が相次いでいます。先日「野川サイクリング道路」に計6つの穴が空いていることも明らかになりました。外環道工事では、野川や入間川(いるまがわ)や白子川(しらこがわ)等、周辺の河川で、工事に伴う気泡が次々と確認されています。シールド工事による善福寺川への影響も懸念されますが、こうした点でも徹底した調査が必要ではないでしょうか、認識を伺います。 9.文化の醸成 59 9−1 党区議団は、杉並区には区ゆかりの作家や美術家が大勢いるにもかかわらず、郷土資料館があるだけで、文学館も美術館もない貧困な状況を指摘し、作品や各種資料を積極的に収集し、区民の鑑賞の場を拡充することを求めてきました。区民意向調査でも「杉並区立美術館をつくってほしい」という意見が寄せられています。 施設マネジメント計画で、「旧若杉小学校の本格活用にあたっては、「地域の意見を聴きながら方向性を定めていく」としていますが、文化的施設の配置も含めて住民との協議を進めることを提案します。認識を伺います。 10.人権 60 10−1 今年度、杉並区政の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例とパートナーシップ制度がスタートしました。 2023年1月16日時点で導入自治体は少なくとも387、カバー人口は1億人を超えました。しかし、性的マイノリティの権利を保障するためには一刻も早く、国が婚姻の平等を法制化することが必要です。そして、事実婚カップルもまた、国で選択的夫婦別姓制度が認められていないもとで、婚姻の自由を保障されていません。 夫婦同姓を法律で義務づけている国は世界で日本だけであり、先日は経団連が、身分証明証の名前とビジネスネームが異なることで研究者の継続的なキャリアが阻害されることや、海外で仕事をおこなう上での不都合などを挙げ選択的夫婦別姓の導入を女性活躍担当大臣に要望しました。 東京都では墨田区、武蔵野市、国立市が事実婚を含むパートナーシップ制度を運用していますが、東京都の条例にも含まれてはおらず、国の法整備と共に都内での拡充も望まれています。婚姻制度を利用できない、し辛いいカップルが同性であれ異性であれ、家族としての証明ができるよう事実婚についてもパートナーシップ制度の対象に含めることを求めますが、認識を伺います。 11.平和施策 61 11−1 最後に平和施策についてです。 先の区議会臨時会において「パレスチナ自治区ガザ地区における人道目的の停戦等の実現に関する決議」を全会一致で可決しました。会派の違いを超えた取り組みが進められたことは重要なことと認識しています。 この間、杉並区内で平和資料館、もしくは平和資料室の設置を求めてきました。昨年の代表質問の答弁では、原水爆禁止署名運動の歴史的な資料は可能な限り郷土資料館に寄贈してもらい、平和関連事業やホームページ等で有効に活用していくとのことでした。 平和への想いを育むためにも、原水爆禁止署名運動をはじめとして太平洋戦争等にかかる歴史的資料や戦争遺物を、平和資料館もしくは平和資料室で展示し、多くの区民がいつでも閲覧できるよう保管していくことが、核廃絶と平和を求めて広がった原水爆禁止署名運動の発祥の地・杉並区に求められていると考えます。区長の認識を伺います。 以上、答弁を求めて、質問を終わります。 |
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